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3行アメリカ Daily Life 2003年 9-12月

暮らしの中のハプニング!



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サンタさん 12.29.2003

いくつかクリスマスネタが続きますが(ひ)の子供の頃の話をもう一つ。(ひ)実家のクリスマスは、24日の夜に家族でケーキを食べ、就寝した後、25日の朝に目が覚めると枕元にプレゼントが置いてあるというパターンでした。カワイイことにこのパターンが続いていたうちは、結構大きくなるまでサンタクロースの存在を信じていたウブな子供でした。
ところが、ある年のクリスマスイブ、その年はたまたま祖父母の家に妹と一緒に泊まりに行っておりました。2人で「サンタさんからのプレゼントは何だろうねえ?」とドキドキしながら寝たものの、翌朝起きても枕元にプレゼントは無し。誰を責める訳にもいかず2人でがっかりしていると、おもむろに電話のベルが鳴りました。母からの電話を受けた祖母が、その電話口で一言「あー、しまったぁ!」。そしておもむろにタンスの中から包みを取り出し、「ほら、サンタさんからの預かり物だよ」とプレゼントを私たちに渡してくれたのです。今でもはっきりと覚えています。この瞬間が、「サンタクロースはいないのか」と気付いて、純粋な子供心を失っていった第一歩となりました。
アメリカの場合、プレゼントは家族や親類から複数もらうというのが当たり前なので、意外とサンタクロースがトナカイのソリに乗ってやって来て煙突から入って枕元にプレゼントを、という話を信じている子供はほとんどいないような印象です。プレゼントする方も「私からのプレゼントよ」と強調したいだろうし。(ひ)


バイオテロ法 その後 12.26.2003

バイオテロ法により日本から食品を送ってもらえなかった話を書いたところ、読者の方々からメールを頂いた。「日本に一時帰国するので、よかったら必要な食品を運んできますよ。」というありがたいご提案(世の中いい人もいるものだ!)から、「”ホームメイド”と書けばよいらしいです。(とは言え、テロリストが送るのも怪しいホームメイドの品物では?)」という面白いアドバイスまで。事前にFDA(アメリカの農水省みたいなお役所)に申告すればいいらしいが、こちらも狂牛病問題でお忙しそうだ。それにしても、アメリカの田舎で生活する日本人にとっては、この法律は結構大きな変化だと思う。そんな折、実家の母から電話があった。「フセインも捕まったことだし、もう食品を送ってもいいよね。」…世の中そんなに単純だったら、どんなにいいことだろう。(ま)


メリークリスマス!と言う前に 12.27.2003

信仰の自由はあれど、多くがキリスト教徒のアメリカ。この時期に「メリー・クリスマス!」という挨拶をされることも少なくない。しかし、気をつけて見ていると知識層の人々の挨拶は少し違う。なぜならば、クリスマスは飽くまでもキリスト教の祝日。ユダヤ教やイスラム教は違う祝日を持っているし、出身地域によっても、日本はお正月、中国は旧正月、南アメリカはこれまた別の大きな祝日があるのだ。しかし面白いことに、この時期(12−1月)に祝日が集中しているのも事実。よって、多文化に理解のある人々の挨拶は "Happy Holidays!"(よい祝日をお過ごし下さい)となるのだ。この時期に受け渡しの多いホリデー・カードも、「クリスマス」の表記を避けたものが数多く売り出されている。この傾向は、年々強くなっているような気がする。それでも「メリー・クリスマス!」と言う人は、こういった変化を認識していないか、確信犯でしょう。(別に言われても怒りませんが。)

こんなことを書いている横で、年始年末のご挨拶カード作りに励んでいる(ひ)は大きく「メリー・クリスマス!」と記入中。日本の母からは「にわかクリスチャンでーす。カワイイでしょ。」とメールでクリスマス・カードが送られてきた。身内の名誉のためにも、日本人は逆の意味で多文化に理解の深い民族、ということにしておこう。(ま)


お正月まで何しよう 12.28.2003

クリスマスが終わったら、日本では新年に向けての準備がはじまる。(ま)も何かしようと思うのだが。
1)大掃除?渡米初年度はやったな。しかし、アメリカの大掃除シーズンは春と知ってから、する気が無くなった。(冬は寒いし、片付けても再び雪が降る。気候が良くなってから一気に。←合理的だとは思うが、強制力に欠ける。)
2)おせち料理作り?渡米当初は一生懸命作ったな。しかし、日本食材は高いし、1個一ドルもしたお餅はちっとも美味しくなかった。おまけに(ひ)は、おせち料理嫌いときたもんだ。
という訳で、何をしようもなく、しかし年の瀬に何もしないのは日本人として堕落しているような気もする。そうそう、こちらは年が明けた瞬間(1月1日0時)に「蛍の光」(もちろん英語)を歌うので、その練習でもしておこう。(ま)


11月「今月の一枚」、裏の話 12.13.2003

お笑いになった方も多いかと思います。(ひ)(ま)がタイムトリップしているあの写真について多かった質問は、「どこで撮ったの?」「幾らかかったの?」。皆さん結構興味あるんですねー(ムフフ)。ちなみに、写真をとった経緯は「旅する二人の東西南北」にて、値段は20ドル(二千円強)でした。で、衣装について書かなかったことが一つ。ふたりとも立派な服を着ているように見えますが、実はあれらの衣装、全て金太郎の前掛け状態なのです。(ひ)の場合、バンダナからベストまで全てひと続きの前掛けを首からつるして、上からコートをひっかけている状態。(ま)の場合はもっとすごくて、あの豪華ドレスも前掛けで、後ろは2本の紐で結んでいるだけ。そのままでは更衣室から出られないので、下に短パンをはいています。もし、あの写真を後ろから撮ったら、随分間抜けなものになったはず。ちなみに、(ひ)(ま)をよく知っている人の分析によると「(ひ)は少し照れがある、(ま)はすっかり成り切り」とのこと。という訳で、(ま)は普通はこんな睨みはきかせていません、念のため。(ま)


野望達成 12.12.2003

(ま)には、ひとつの野望があった。デパートの化粧品売り場で、アメリカ人のメーキャップ・アーティストにフルメイクの化粧をしてもらうことだ。目指すはアジア系アメリカ人、アメリカ人にとってのエキゾチックでオリエンタルな顔になってみたい!(言葉を変えると、日本で日本人は絶対しないような強面メイク。)しかし、日本のデパートの化粧品カウンターですら、出来れば避けたい(ま)である。行動を起こさないまま、ついに2年が経過してしまった。
しかし今日、以前から狙いをつけていた「M.A.C」(日本でも若者に人気の化粧品メーカー)へ、ついに突撃。親切な黒人の店員さんは、あれでもないこれでもないと色をとっかえひっかえメイクをしてくれる。いまどき固形の口紅は使わないわよ、とか、アジア人の肌にはこの色が合うのよ、とアメリカらしいメイク法も習った。そんなこんなで1時間ほど経過し、ついに別人のような顔が出来上がった。で、いくつか買おうと値段を聞いて「!」、定価販売なのに、思っていたより随分安い。思えば日本の「M.A.C」は、輸入物なので割高だったのだ。何だか得した気分。やっぱメイクはオンナの愉しみだわ〜と、ご機嫌で帰宅。さて、家に帰ってきた(ひ)の、(ま)の顔を見た最初の感想は「ち、ちょっと怖い…」。どうやら、当初の目的は完璧に達成されたようである。(ま)


ホリデイ・ショッピング 12.11.2003

この季節、アメリカ人の買い物に対する情熱は目を見張るものがある。と言うより、半分義務感にかられて血眼になってショッピングをしている。理由はひとつ。「クリスマスだから。」こちらでは、子供だけでなく大人も含めて、親戚一同に、お互いが、プレゼントを贈るのだ。よって、品物選びから購入、実際に手元に届けるまで、それにかかる金銭的および体力的負担は計り知れないものがある。

・まず品物選び。出来れば喜んでもらえるものを贈りたい。しかし、遠い親戚の好みまで知るはずも無い。新聞には「会ったこともない親戚の子供に、一体何を贈ったらいいのか?」などという真剣な相談が載る。とはいえ、幾ら知恵を絞ったところで、クリスマスの翌日には、気に入らなかったプレゼントを返品する長蛇の列が店のサービス・カウンター出来るのだ。
・そしてお金。各家庭の総支出の1/4がこの時期に吐き出される、といったデータもあるそうだ。最近テレビでは、おばあちゃんが登場し「毎年孫23人をこの店に連れてきて、好きなものを選ばせるのよ。安いから安心!」なんていう量販店のCMが流れている。お金をかけるのは品物だけではない。包装にもお金をかけるので、ラッピング用品も飛ぶように売れている。
・そしてお届け。遠い親戚には、当然郵送することになる。郵便局に、沢山のダンボールをカートに載せて運んでいる姿も見受ける。クリスマス・カードの発送もあるため、この時期の郵便局の殺人的混雑は風物詩といってもよいだろう。
・お店もクリスマス商戦は勝負時だ。店員を増員し、営業時間を延長し、大々的にセールをして集客に努める。プレゼントも、子供とカップル向けだけでないので、おもちゃ屋や宝飾店のみならず、電化製品店、キッチン用品店、本屋に至るまで顧客獲得のチャンスである。プレゼントを選んでいるはずのお客さんが、「あら、これいいわね〜」と思わず自分用にも買ってしまうのも計算済みだ。

という訳で、今日もモールをぶらりとすると、片手に3個づつ紙袋を持ってペンギン状態でよちよち歩いているアメリカ人を見つつ、年の瀬を思う12月である。(ま)


ショッピング・シーズンのご注意 12.10.2003

昨年12月の話。巨大ショッピング・モールで、あれこれと買い物をし、車に戻るとフロントグラスに赤い紙がはさんであった。違法駐車のキップじゃないよな、とちょっとドキドキしつつつ開いて読むと、何とダーラム・ポリス(!)からだ。内容を読んで納得。皆が買い物しまくるこの季節、車の中に放置された商品を狙って車上荒らしが頻発するそうで、「この手紙は置きっ放しの商品が外からでも見えている車にはさんでいます。以後、気をつけてください」とのこと。見れば少し向こうに、一台一台車をチェックしつつ手紙をはさんでいる2人組の警察官の姿が見える。ご苦労様です、とアドバイスに感謝しつつ車内の荷物を見れば、ウォルマート(量販店)で買った数ドルの価値の小物が数個。まあ、袋に入っていると中身は分からないものね。以後、気をつけます。犯罪といえば、(ひ)の研究所の専属カメラマンS氏の家に泥棒が入り、クリスマスに用意していたプレゼントをごっそり盗まれた。ひどい話だ。(その後、研究所内でカンパが呼びかけられた。)年末に犯罪が増えるのはアメリカも日本も同じこと。注意しなくっちゃね。(ま)


白熊ちゃんの行き先 12.12.2003

という訳でホリデイショッピングシーズンの真っ只中ではあるけれど、色々な人が住んでいるこの国、プレゼントを買ったりもらったりできない人も多くいるのが現状だ。こういう時には決まって<表面的にでも>助け合おうとするのがアメリカ人気質。(ひ)の研究所にも「Toys Drive」というプレゼントがもらえない子供向けのおもちゃを集める箱が廊下に並ぶ。(ひ)(ま)家にも、どのような経緯で我が家に来たのかすら忘れてしまったようなクリスマス仕様のかわいい白熊のぬいぐるみがあったので、その箱の中にそっと入れておいた。
驚くべきことに、その「Toys Drive」の箱の中は、日がたつほどにおもちゃが増えて今では満タンであふれるほどに。我が家からのプレゼントもかすんでしまいそうだけど、クリスマス当日、このぬいぐるみを手にして喜ぶ子供の顔を思い浮かべると、何だかいいことをしたようでこっちまで表情が緩んでくるから不思議なものだ。
このシーズン、寄付の誘いなどは挙げたらきりがないほどだが、行き先の不透明な現金の寄付よりも、このようなちょっとしたものでも喜んでもらえそうなものを出し合うシステムの方が分かりやすくていいのかもしれない。(ひ)


日本も遠くになりにけり その1 紅白歌合戦 12.6.2003

年末のこの季節になると、改めて驚くことがある。紅白歌合戦の出場者に、年々知らない人が増えているのだ。「女子十二楽坊に中島美嘉に森山直太朗…この人たちって一体誰?」興味が無い訳ではないのだけれど、芸能ニュースはインターネットでちらりと見る程度。SMAPの稲垣吾郎が逮捕されたときは既にアメリカにいた訳で、釈由美子の顔も知らないし、東大卒の女優といえば未だに高田万由子(誰か新しい人がいるんですよね)。お笑いでもテツアンドトモとか「ゲッツ」と聞いてもチンプンカンプン。努力して知る必要もない話題だけに、知らないことがより一層日本との距離を感じさせるのです。(ま)


日本も遠くになりにけり その2 バイオテロ法 12.9.2003

実家の母親から慌てた様子で電話があった。聞けば、お正月用品はじめ日本食材を満載した小包を送ろうとしたところ、新しく施行された「米国バイオテロ法」により、郵便局でアメリカへの発送を拒否されたそうだ。別に普段はアメリカの食品でかまわないのだけれど、日本食はやっぱり美味しいものを食べたい!(アメリカで買える日本食材は、高い割に質がイマイチ。)年末には私の元に届くはずだった鏡もちに加えて、「島原そうめん」や「五島うどん」、「マルタイ棒ラーメン」も、今ごろ実家の片隅でいじけているのだ。食べられないと思うと、よけい食べたいのが人情というもの。「米国民をテロの脅威から守るため」と言われれば反論のしようはないけれど、食品の送付を全面禁止して具体的のどのような効果があるのだろう。それにしても、日本から届く小包という年に2回のささやかな楽しみがなくなって、いじけ気味の(ひ)(ま)家である。(ま)


大きな国の小さなおうち 12.2.2003

サンクスギビングに欠かせないパイを焼くというので、見学がてらアメリカ人の友人の家に遊びに行った。チャペルヒル・エリアの新しくて広い家を見慣れている目には驚きの、何ともこじんまりした家だった。部屋数は多少多いとはいえ、一つ一つの部屋の広さは、日本のいわゆる「団地」サイズ。四畳半のキッチン、六畳のリビング。聞けばこの家を中古で買ったのが18年前だという。昔はアメリカ人も小さい家に住んでいたのね。しかしながら、スペイン人を先祖に持ち、家族には絵描きもいて、イギリスでの生活経験もあるHの家だけあって、各部屋は陶器や絵画や植物で美しく飾られていた。そして何より日本の家と違うのは、こじんまりしたバルコニーの向こうには、先が見えないほどのバックヤード(裏庭)が広がっていたことだった。日本人だったら敷地一杯に家を建てそうだ。
翌日は、Hと同じ団地に住む別のアメリカ人Cの家に遊びに行った。こちらも同時期に建てられたとあって、こじんまりしたお家。しかし違うのは、とにかくモノが多く、部屋のあちこちに所狭しと積まれている点。ああ、アメリカ人でもインテリアにこだわらない人がいるんだな、と新しい発見をしつつ冷蔵庫を見ると、そこにはデカデカと彼女のポリシーが貼ってあった。『つまらない女だけが、家を綺麗に飾り立てる』つまり逆説的に『自分は活動的で興味深い女性であり、家でこまごまと家事をするほどヒマではない』という訳だ。ここまで開き直れるのもスゴイ。この相反する家を持つ二人が仲良しなのも、不思議な話である。(ま)


意外に身近な問題 11.27.2003

ホリデーシーズンのこの時期は、同時に寄付のシーズンでもある。嵐のように送られてくるプレゼント用のカタログに混じって、寄付のお願いの手紙もポストに入っている。NGO活動がさかんなアメリカだけあって、ありとあらゆる種類の寄付があるのだが、中でも不思議なのは「州内の飢えている人を救おう」というものだ。こんな豊かなアメリカで飢餓に面している人がいるのも想像がつかないが、その手紙によると37万5千人が山岳部を除くノースカロライナにいるそうだ。で、その人たちに対しては、すでに地域のスーパーや農場が寄付の準備をしているのだが、それを輸送・調理・提供するのに必要なお金が足りないので寄付をして欲しいというもの。手紙が胡散臭いので、寄付する気は全く無いのだが、多少の脚色はあれど、実際にそんなことってあるのね、と読むたび不思議な気持ちになる。あと、最近テレビで見たのは、母親と子供が車に乗っていて、夜の駐車場に車を止め、母親が「今日はここね。おやすみ。」と言う、「ホームレスを救おう」というCM。日本も景気が悪いけれど、一家揃ってのホームレスや、飢餓に面している人はいるだろうか?やはりアメリカの貧富の差は、日本より激しいのだろう。(ま)


CHICAGO the musical 11.14.2003

ミュージカルと言えば何をおいてもNYCのブロードウェイですが、地方公演部隊も全米中を回っていてノースカロライナのラーレイにも時折やって来ます。しかし、実は何度か見に行きましたがいずれも「やっぱ2軍やな〜」とちょっとがっかりしていました。その後、NYを訪れてブロードウェイ・ミュージカルの神髄に触れたことで(ひ)(ま)家では完全に「ミュージカルはブロードウェイで!」という結論に達し、ラーレイの地方公演にはもう見向きもしていませんでした。
しかし今回、映画も面白くてぜひ見てみたかった「CHICAGO」が、たまたま研究所の割引価格でチケットを購入できたので <常々ticketmaster の handling fee やら convenience fee やらにはうんざりしていたのだ> 、久しぶりに行ってみることに。ちなみにフレンチ・スピーカーのザビ・サン夫妻は Chicago を「チカゴ」と発音します。かわいー。以来我が家でも「チカゴ」です。また、NYではバンちゃんの奥様メラニー・グリフィスがロキシー役を演じていましたが、バンちゃん降板と同時に奥さんの方も降板したとか。なんか好き勝手やってる夫婦だな〜。
で、ミュージカルですが、今回の感想は「良かった!」です。地方公演とはいえ映画で目が肥えているお客さんには2軍じゃ通用しないと思ったのか、役者さん達もかなりのレベルの高さでした。これ以上ないくらいのお金とキャスト(あの重鎮チタ・リベラおばちゃんもちょい役で登場)を使っている映画が面白いのは当然ですが、ミュージカルもミュージカルだからこその良いところがたくさん。久しぶりに華やかな中でもコメディタッチなブロードウェイ・ミュージカルの思い出も蘇ってきたりして、見に来て良かったな〜と思わせてくれた一本でした。地方公演でもこれだけ面白いのなら RENT にも行っちゃおっかな〜。どうやら先の結論など忘れて(ひ)(ま)もすっかり Razzle Dazzle されてしまったようです。(ひ)


11月のアサガオ 11.7.2003

8月に朝顔が枯れたので、種を収集した。で、9月にまだまだ暖かかったので、ほんの出来心で種を撒いたところ、再び芽が出た。葉っぱや花は小ぶりになったものの、10月にはまだかわいい花を咲かせていた。とはいえ、気温の上昇とともに花が開くシステムなのか、お昼頃にやっとつぼみが開いたり、夕方まで咲きつづけたりで、ちょっと時差ボケ気味なのがこれまたカワイイ。そして異常気象のノースカロライナ、この陽気に誘われるように、11月に入ってもまだまだ元気に朝顔は咲き続けている。ここまで頑張ってくれると、なんだかちょっと申し訳ない気分になる。(ま)


蘭栽培の秘訣 11.3.2003

植物を種から育てず、すでに花が咲いた苗を買ってきて植えるのがアメリカの合理的ガーデニングだと以前書いた。さて、これはお金持ち版、アメリカン・ガーデニングのお話。お邪魔したお宅に綺麗な蘭の鉢植えがあったので誉めると、そこのご主人がとっておきの「蘭栽培の秘訣」を教えてくれた。
1)某ガーデンショップに自分の蘭を預ける。
2)月に2ドルで花が咲くまで面倒を見てくれる。
3)花が咲いたら電話をくれるので、訪問する。相応の額(花によって異なる。平均数十ドル)を支払い、自宅へ持ち帰る。
4)花が終わったら、再びガーデンショップへ鉢を戻して次の花を待つ。

「何かが違う…。」と思うのは、私だけだろうか。(ま)


テレマーケターと仲良し 11.2.2003

最近「希望しない人には各種勧誘電話をかけてはいけない」という法律が話題になっている。勧誘電話がしつこいのはどこの世も同じ。アメリカでも、長距離電話に高速回線に保険に寄付にカーペットのクリーニングと、例を挙げればきりがない。英語がよく分からない上に悪徳商法に乗ってはいけないという危機感から、さっさと切るのが一般的だが、たまに面白い電話に出会うときもある。
渡米当初、勧誘電話をかける人のことを「テレマーケター」と呼ぶと知ったので「こんにちは。こちらはAT&Tです。現在お使いの長距離電話より随分お安くかけられます。ベラベラベラ…」と切り出した相手に向かって「アー・ユー・ア・テレマーケター?」と聞いたところ、一瞬絶句。敵も然るもの「いいえ、私はテレスペシャリストです。」と言い切り、その直後、電話の向こうで爆笑が聞こえた。 ある日、毎日の勧誘電話に「これは英語の練習になるのでは?」と思いたって、ずっと話を聞くことにした。という話をしたら英語の先生から「それだけはやめなさい。」と釘を刺された。「話を聞けば聞くほど断るのが難しくなる」というのがその理由。でも、断ってもしつこい。「今忙しいから切るね。」「何で忙しいの?」「映画を見に行くからよ。」「何の映画?」「スタートレックだよ。」「そう、楽しんでね、バーイ!」というのもあったな。ユーモアの分かるヤツだった。
しかし、楽しい電話ばかりではない。長距離電話会社を変えたときは、前の会社から「最近トラブルが多いので注意したほうがいいわよ。」という脅しの電話もあった。「お金がないんだ。」と答えた(ひ)に「でもお前は車を持っているだろう!」と逆ギレした寄付のお願いもあった。最近は英語が聞き取りにくいヒスパニック系のテレマーケターからの電話も多い。中でも私が嫌いなのは、受話器を取ると自動的にテープが流れて商品の説明を一方的に聞かされ「もっと詳しい情報を知りになりたい人は#1を押してください。」とくるもの。誰が押すんだ?!でもこのテープ、実はその家庭に人がいる時間を確認しているだけで、後でテレマーケターが電話をしてくるという噂も聞く。同様に勝手にファックスを送りつけてくるのも紙の無駄で困りもの。呆れた友人が紙をセットせずに数ヶ月、必要があって紙をセットするとメモリーに溜まったコマーシャルが洪水のように流れ出てきた、という笑い話もあった。やっぱり私も、選べるものなら「勧誘電話不要」を希望することにしよう。(ま)


パーティー準備 11.1.2003

友人(日本人)の帰国に伴い、彼女のフェアウェル・パーティー(送別会)の幹事をアメリカ人のJと一緒にすることになった。パーティーといっても、大学の施設を借りて料理を持ち寄るカジュアルなものなのだが、日本人だけのまったりとした飲み会とも違う訳で、話し合うたびにJと意見が分かれる。この際アメリカのパーティーの何たるかを、本を読んで勉強することに。いやー、招待状から始まって、料理に飲み物はもちろんのこと、部屋の飾りつけにテーブルセッティングに音楽まで、何かと準備が多いこと、多いこと。でも、これを楽しんでやるのがパーティー好きのアメリカ人なのだ。友人達の協力とパーティーグッズの専門店(日本の宴会芸用のタスキや衣装を売っている店とは異なる)に助けられ、少ない予算でも結構楽しい雰囲気を作ることに成功。しかし、これだけ前準備しておきながら、一旦パーティーが始まると皆は会話に夢中で、料理も飾りつけもあまり気にしない。でも、それが一番の成功だね、という何だか不思議な結末なのだ。(ま)


大発生! 10.31.03

研究所から外へ出てみると何やらブンブンと虫が飛び回っていた。それもものすごい数。見るとそれはテントウ虫。日本にいた時も春先に大学でハネムシ(勝手に命名)が大量発生してましたっけ。春や秋はそういう季節なのでしょうか。ハウステンボスカップにヨットを持っていく途中の海で渡りトンボ(これも勝手に命名)の大群に遭遇したこともあったなー。キリがないので払い落とさなかったら身体中にトンボがとまって、それだけ多いと不思議と気持ち悪くもならなかったことを思い出します。
さて話は戻って、そういえばテントウ虫と言えば去年の秋にもグレートスモーキーマウンテン国立公園で大量発生してました。今年もこの週末(今晩から)紅葉のグレートスモーキーマウンテン国立公園に出かけてきます。天気もこれ以上ない快晴のようです。ハロウィーンはミスしてしまいますがまあいいでしょう。今年もテントウ虫の大群はいるでしょうか?(ひ)


ふたつの時計 10.27.2003

サマータイムが終わった(具体的には、10月最終土曜日の深夜2時に1時間時計を戻す)。この際のアメリカ人の反応はいたってご機嫌だ。理由は「1時間多く眠れるから」。しかし、1時間とはいえ時差が発生する訳で、今もなんとなくボーっとしている。昨日の午後7時が今日の午後6時な訳で、すでに暗くなった窓の外を見て冬の到来を実感する。それにしても、時間の調整を年に2回も混乱なく実施するなんて、アバウトなアメリカ人がよくやるよなー、といつも感心する。(それとも、アバウトだからやってられるのか?)
さて、ちょうど2年前の話。我が家でも、寝る前に家中の時計を1時間戻して眠りについた。翌日、(ひ)はラボへ、(ま)は英語クラスへ行ったところ、誰もいない。おかしいと思いつつ待っていると、1時間遅れで全てがスタートした。やっぱり時計が合っていないのだ。原因は、2つの時計を戻すのを忘れていたことだった。目覚し時計と、腕時計。おかしな話は続くもので、翌年もまったく同じ間違いを繰り返した(ひ)(ま)家。年中時差ボケ、なのかもしれない。(ま)


もりあがらないハロウィン 10.29.2003

毎年10月31日はハロウィン。アイルランドの伝統が、アメリカに渡ってただの楽しいお祭りに変わり、子供は仮装してお菓子をもらいに近所を回り、大人もついでに大騒ぎ。チャペルヒルのダウンタウンにはノースカロライナ中から仮装した若者が集まりたむろするので有名だ(夜のニュースでも中継される)。家々には不気味なデコレーションが施され、中には幽霊屋敷と化している家も。また、お金持ちエリアに行くと、もらえるお菓子がゴディバのチョコだという噂もある。しかーし、(ひ)(ま)家ではイマイチ盛り上がりに欠ける。というのも、毎年カボチャだけは彫って玄関に飾る(遊びにきていいよ、の印)のだが、アパート内に子供が少ないので、お菓子を用意して待っていても2年前は2組のみ、1年前は1組も来なかった。おまけに最近はお菓子の代わりにお金を要求する子もいて(それも「赤十字」なんて書いた箱を持っている)可愛げがない。一方、お菓子に針を入れたりする不埒な輩もいるそうで、「もらったお菓子は全て親がチェックし、手作りのものは捨てること」なんていうガイドラインを読むと、何だか呆れてしまう。そうだ、自分達も仮装してみると楽しさがわかるかもしれない!と思い立ったが、今年は週末にかかるので旅行に行くことに。という訳で、今年はカボチャすら無し。ハロウィンで盛り上るのは来年以降に持ち越し、ということで。(ま)


カボチャとサボりっ子 10.30.2003

今年のハロウィンはパス!と決め込んでいたら、(ま)の通う図書館の英語クラスでカボチャを彫ることに。生まれて初めてのカボチャ彫りは、思ったより楽しかった。ロウソクを入れると、表にはおなじみの怖い顔、裏にも仕掛けがあり後方の壁に「Boo!」という文字が浮き出る仕組み。(余談:こちらでは人を驚かすのに「ワッ!」と言うかわりに「ブゥ!」と言う。豚みたいで、まったく怖くない。ちなみに豚はこちらでは「オインク、オインク」と鳴く。所変われば、ですね。)
さて、そんな午前中の図書館に、ボケッとしている小学生らしき女の子がひとり。我らの先生がクラスに招き入れ、しばらくは一緒に遊んだり、お菓子を食べたりしていたが、一人が「今日は何で学校に行っていないの?」と聞いたところ「学校に遅れて行ったら、入れてもらえなかった」と苦しい言い訳。途端に先生の顔色が変わった。どんな理由があるのか知らないが、つまりは学校をサボっているのだ。先生は、学校名と名前を聞き、「今からちゃんと学校に行くのよ」と説教しつつも、お茶会が終わるまでは女の子を追い出すこともなく一緒にゲームをさせている(こういうのは世話好きのなせる技)。その子は(ま)の横に座っていたので、カボチャを見せて説明すると興味津々。「よかったら持っていく?」と聞くと、嬉しそうに「いいの?いいの?」。考えもしなかったけど、ハロウィンを楽しむ経済的余裕も無い家庭もあるのかもしれない。親はどうしているんだろう?ハロウィン当日、彼女はコスチュームを着て遊びにいけるのだろうか?しかしまあ、あんな不恰好なカボチャを喜んでくれるなんて。(ま)作のカボチャを大事そうに抱えながら図書館を出てゆく姿を、不思議な気分で見送った。(余談:その後、カボチャを女の子にあげたと言うと「良いことしたわね。」と皆から妙に感心された。旅行に行くのでいらないんだ、とはとても言えなかった。)(ま)


いつもの癖で 10.26.2003

周囲が日本語が分からないのを幸いに、ついつい言いたい放題になる(ひ)(ま)家。アパートの通路でも、近所の犬が散歩に行く嬉しさにおもらしすると「あらー、うれしっこだね。」、放置されたゴミ袋を見ては「また、隣のバカ大学生だな。」など品を疑われそうな発言をしている。さて、明日は年2回の日本人会ピクニック。共通言語はもちろん日本語。緊張感も高まるというものです。こころなしか無口になって隅のほうでボケーッとしている(ひ)(ま)家を見かけた方は、どうぞお気軽に声を掛けてください。(ま)≪料理を持っていかれる方は、(ま)の失敗談もご参考に。≫


閉じても開いても 10.21.2003

近所のハイウェイ(I-40)の出入り口(仮に出口Aとする)が、工事のため上り・下りが各1ヶ月づつ閉鎖になっていた。(ひ)も通勤に不便な毎日だったが、もっと困ったのは出入り口近くに新規オープンしたばかりのカフェ。せっかくついた常連客が来なくなったとローカルニュースにまで取り上げられた。そんな閉鎖もついに終了。改めて便利さを実感していたある日、珍しく(ひ)をラボに車で送って我が家の最寄り出口Aに近づくと、すごい渋滞である。ぐずぐずしているうちに降り損ねてしまった。次で降りればいいや、と思いつつ電光掲示板を見ると、こともあろうに代わりに3マイル先の出口(仮に出口Bとする)が閉鎖になっているではないか!お、降りれない!!さっきの渋滞は、普段は出口Bで降りる人たちが、代わりに出口Aで降りているため起こっていた渋滞だったのだ。次の出口で降りられないとなると、残る道はひとつ。その次の出口まで走るしかない。しかし出口Cはこれまた出口Bより4マイル先。早朝の無駄なドライブに呆れつつも、思い直して出口C付近にある早朝しか買えないあるものを買いに行くことに。そしてその帰り道、CからBまでは一般道で戻ったものの、BからAまでは再びハイウェイに乗ってしまったのが運のつき。出口A付近は逆方向の出口(つまり(ま)が降り損ねた所)からあふれ出た車で一般道まで大渋滞。警察が交通整理に出てくる始末。朝から往復14マイル(22.4km)のドライブで疲れた頭で考えた。あのカフェは繁盛しているだろうか?いや、この渋滞では誰も朝食を食べる余裕すら無いだろう。つぶれる前に一度行かなくては。(ま)


月曜日のなぞなぞ 10.20.3002

月曜日のボランティアでは、小学校で授業の運営を手伝っている。小グループごとの活動の中で、特定の子供をサポートするのが私の仕事だが、周囲には「私もかまって欲しい!」子供がいっぱい。中でも悪ガキDのアピールは盛んで「今日は僕の誕生日だよ」といった同情ものから(壁に12月と書いてあります)、「僕、この間1ドル貸したよね」脅し系まで(借りてません)、あらゆる手を使って気を引こうとする。ある日、そのDが「空の上に誰が住んでいるか知っているか?」と私に聞いてくる。なぞなぞかと思い「知らない」と答えると「教えて欲しいか?」としつこい。「うん。教えて」と言うと、Dは厳かに一言「God.(神だ。)」。どうやら日曜日に教会に行ったらしい。南部の風景のひとつに、道路沿いにある驚くほど多くの教会と、日曜日のミサに着飾って教会に出かける黒人達の姿がある。もちろん多くの白人もキリスト教徒なのだろうが、カフェテリアで見かける食事前に祈りを捧げる姿は決まって黒人達だ。信仰の厚い両親に連れられ、Dも教会に通っているのだろう。「いいか、神は僕達の為に血を流したんだ」という真顔のDのお説教を、さすがに「ハイハイ」と聞き流す訳にもいかず、これまた神妙に聞く(ま)であった。(ま)


ついに遭遇 10.19.2003

深夜12時、久しぶりに参加した飲み会の帰り道。酔っ払いの(ひ)を助手席に乗せ、(ま)は時速45マイルの道を時速40マイルで慎重に運転していた。昼間は、芝生の美しい家々が点在する緑の道路も今は真っ暗闇(アメリカの道路に街灯はない)。と、50m程前をゆく車が急にスピードを落としだした。何事かと思いつつ、こちらも時速20マイルにスピードを落とす。すると突然、車の10メートルほど前のヘッドライトの光りの中を、右から左へ1匹の鹿がピョーン、ピョーンと楽しそうに跳ねながら横切ってゆく。距離を測りつつ、冷静にブレーキを踏む。子鹿か小柄な雌鹿のようだ。こちらを気にする様子も無く、道路沿いの森の中に消えていった。
ここノースカロライナでは、鹿が道路に飛び出してくるのはよくある話で<(ひ)は何度もあるよ〜(ひ)>、「ここより5マイル、鹿の飛び出し注意」といった類の看板はいたるところで見かけるし、「鹿はヘッドライトに向かって突っ込んでくる」「ぶつかると車のほうがへこむ」「立派な角を持った雄鹿にぶつかると、角がフロンガラスを突き破るのでが命に関わる」などまことしやかな話は多い。実際に道路わきで可哀想な鹿の姿を見かけることもある。ついに本物と遭遇してしまったが(したくなかったけど)、大事に至らずによかった。そもそも彼らの住む森の中に無理やり道を作ったのは人間の方なので、「お邪魔しまーす」と通るのが筋なのだろうけど。それにしても、普段はリスが横切っても大騒ぎになる(ま)が妙に冷静だったのは、少々アルコールが入っていたからかも(注意:誓って血中アルコール濃度は飲酒運転のレベル以下)、というのはココだけの話。(ま)


ねいちゃあ 10.18.2003

土地柄、トライアングル・エリアには科学研究者が数多く住んでいます((ひ)もその一人)。彼らの「業績」とは、多くの場合研究論文が認められて雑誌に載ることであって、その雑誌の最高峰に位置するのが『Nature』です。研究者にとってこの雑誌に載ることは夢で、会話の中にこの雑誌の名前が登場することも多くあります。それを聞くたびに、文系(ま)が思い出すエピソードをひとつ。
その昔、(ま)が某「文系女子に人気の企業」で新卒大学生採用業務の下っ端をしていた頃。ある理系の大学院生が採用面接を受けにやって来ました。エントリーシート(履歴書みたいなもの)には「学生時代に頑張ったこと:研究活動。『Nature』に論文が載った。」とあります。しかし、複数の面接官はそれについて誰も何も聞きません。(当り前です。多くの文系人間は『Nature』と関わりの無い人生を過ごします。)ちょっと可哀想になったので、当時(ひ)から聞いて多少の知識があった(ま)が「『Nature』に載ったの?すごいね。ファーストで?」と聞いた途端、彼の顔がパッと明るくなりました。「いえ、サードです。」さて、面接が終わった後、面接官から「ところで、『Nature』って何?」と質問があったので、(ま)は答えました。「理系の論文雑誌の最高峰で、世界的に有名な雑誌です。」そしてこう付け加えました。「日本で言うと、学研の科学雑誌『Newton』みたいなものです。」(注釈:20年以上続いている学研の一般人向け科学雑誌。竹内均編集長)すると面接官達は「ほぉー。」と納得しました。内心ちょっと得意顔の(ま)。

……今思うと、かなり違います。でも、あの時はかなりイケてる説明だと思っていました。理系と文系の住む世界の溝はとっても深い、というお話、終わり。(ま)


世界が100人の日本人だったら 10.17.2003

「世界が100人の村だったら」とかいう本が日本でベストセラーになったと記憶している。(「世界中でベストセラー」というコピーは多くの場合嘘ですね。)このチャペルヒル・ダーラムエリア、日本人が5人しかいないわけでもないけど、無限にいるわけでもない。名前はきいたことがあるけど、顔は知らなかったり。でも知り合いの誰かとはつながっていて、「帰国したんだって。」などの話は風の噂で聞く。日本での生活と比べると、日本人同士という理由だけでのつながりは強いけれど、でも誰もが友達という訳でもない。話が合う、合わないはやっぱりあるし、よく付き合う友人はおのずと限られてくる。それくらいの好き嫌いは許される余裕があって、「みんなと仲良くしなければ。」という脅迫観念はない。その一方、日本では出会う機会も無い人たちと立場を超えて付き合い、中には末永い友人になることもある。ちょうど100人程度の村みたいなものか。(村というより、核家族化が進んだ、流動性の激しい集団)こんなことを考えるのも、アメリカの新学期が始まり新しく渡米した人達との出会いがある一方、秋の帰国シーズンで知り合いの帰国の声をちらほらと聞き、少々センチメンタルな気分になっているからかもしれない。(ま)
(おまけ)正確には、チャペルヒル・ダーラムエリアには少なくとも130組以上の日本人家族の方々が住んでいらっしゃいます。


てんとう虫とホルスタイン 10.10.2003

日本同様、丸っこいワーゲン(ビートル)はアメリカでも時々見かける人気の車種だ。しかし、こちらのワーゲンはちょっと違う。先日ビーチの帰りに見かけたのは、白地に黒いまだらの牛模様が描かれたワーゲン。内装も牛柄で統一されており、呆れる我々を尻目に、ご丁寧に長さ1mの縄で作った尻尾を振りながらハイウェイを走り去っていった。数日後、スーパーマーケットの駐車場に停まっていたのは、赤地に丸い黒の斑点がついた、てんとう虫のワーゲン。買い物を終えて車に戻ると、てんとう虫の持ち主も買い物を終えて荷物を積み込んでいる。「こういう種類のワーゲンが売ってあるの?それとも自作?」と聞くと、花柄のスパッツをはいたファンキーなおばさんは、直径20cmの斑点のひとつをピラ〜ッとめくって「マグネットよ。自分で作ったの」とご自慢の様子。ワーゲンのオーナーは、アメリカでも個性的な方が多いようで。(ま)


芸能ネタ1 ベニファー 10.13.2003

女優のジェニファー・ロペスと俳優のベン・アフレック(略して「ベニファー」、アメリカにも変な略語はあるものだ)がマスコミの加熱報道を理由に結婚式を延期した後、破局説が流れ、ところが南部の田舎町の役所に2人揃って現れたので、すわ婚姻届提出か?!と思いきや、ウォルマート(ディスカウントストア)で猟銃を買っていたので、どうやら猟の許可証を取っていたらしい。と、こんなつまらないことまで全国ニュースになるこの頃、「もううんざり、この2人がそこまで騒がれるほどのもんかね?」と(ひ)は呆れることしきり。
話は変わって、先日のNYヤンキース戦の野球中継で、ジョージア州サバンナ滞在の田舎の兄ちゃんが、対するボストンレッドソックスのTシャツを着て嬉しそうにインタビューに答えていた。余りにも長いインタビューに呆れた(ひ)が「これだれ〜?」。「あなたの嫌いな、ベン・アフレックです」と(ま)。そう、(ひ)はベンの顔すら知らなかったのだ。「どう見ても、ただのあんちゃんやーん」。(ちなみにベンはレッドソックスの大ファン)
その翌日には、ベニファー2人揃って宿敵ヤンキースとのプレーオフの試合をボストンの球場で応援していた。芸能人というのは長距離移動が多いのね。そのまた翌日、フィラデルフィアでマレーシア料理を食べていた(ひ)(ま)は、レストランにてベニファーによく似たカップルを発見(ベンのひげまで同じデザイン)。映画芸能情報に強い(ま)の目にはどう見ても「なんちゃってベニファー(偽者)」なのだが、(ひ)曰く「あの2人、ボストンからサバンナに戻る途中に寄った本物じゃないかなぁ〜」と今でも真剣に話している。結構ミーハーかも。(ま)


芸能ネタ2 ノースカロライナ発のアメリカン・アイドル 10.14.2003

昨日ラジオが賑やかだなーと思ったら、某シンガーのCDアルバムの発売に合わせて、夜中12時にノースカロライナの州都ラーレイで発売記念パーティーがあるという。夜のニュースでも報道されており、集まったファンは小学生から妙齢までの女性、女性、女性達。店は千枚のCDを入荷し、2日間での完売を予想している。そのシンガーのお母さんも登場して皆にサインをしており、集まった女性達は「ついに3世代が揃って聞けるシンガーの登場だわ!」と鼻息も荒い。見るとシンガー本人を形どったイヤリングをしているおばあちゃんもいる。アメリカのミュージック・シーンに疎い(ま)だが、そのシンガーの顔を見て数週間前のタイム誌に載っていたことを思い出し、記事を読み返してみた。彼の名前はクレイ君(24歳)。アメリカで大ブームになったオーディション番組の決勝戦で僅差で負けたものの、デビューを果たす。何とこのクレイ君、デビュー以前はここトライアングル地区で障害児教育に携わっており、お酒もタバコも嗜まない敬虔なキリスト教徒。子供に聞かせられないような言葉やセックスに関する歌は歌わないという信念の持ち主で、まあつまり地に足のついた人間性もファンの心をつかんでいるようでございます。ちなみに容姿は、「オーディションの途中から、パーマとコンタクトのおかげで見られるようになった」と表現されているとおり、フツーのお兄ちゃん。何はともあれ、ご当地シンガーのご活躍をお祈りいたします。(ま)


家賃を払え! 10.7.2003

ドアに手紙がはさんであった。見るとアパートメントのオフィスからで「10月分の家賃を至急払え!遅れた罰金として35ドル追加。」とある。自慢ではないが、家賃の支払いは遅れたことがない我が家である。9月のうちに小切手をオフィスに持って行った当の本人である(ま)は怒り心頭。早速翌日(ひ)と一緒に朝一番でオフィスに行って事情を聞くことに。顔なじみのクリスと(ひ)が話し合い、オフィス中を探すがどうしても見つからない。「いつものボックスに入れたの?」「うん、間違いなくあのボックスに入れたよ。」と(ま)が指差した先を見たクリスが一瞬絶句。そこにあるのは「早起きは三文の得コンテスト」ボックス。これは期限である月末までに家賃を払うと抽選で1組が家賃100ドル割引になるコンテストで、その応募箱だった。「うーん、もしかしたら抽選の後、応募用紙と一緒に小切手も捨てちゃったかも。」と苦しい説明をクリスがしてくれ、結局、罰金は無しの小切手再発行で一件落着。(ま)の名誉の為に付け加えると、以前そのボックスは家賃の小切手を入れる箱だったのだ。いつのまにか用途が変わっていたらしい。今日の教訓、「小切手は手渡しに限る。」(ま)


本屋をめぐる愉しみ 10.6.2003

本を読むのが好きなので、アメリカでも本屋や図書館に行く機会は多い。アメリカの本屋の特徴は、やはりチェーン店が多いこと。そしてカフェ併設が当り前。カフェのテーブルで、コーヒーを飲みつつ買っていない本をのんびり読んでいる人がいる。しかし最も多いのは、売り場で本を読む人。各売り場にはテーブルやイス、ソファーが数多く設置され(日本のように形だけではない)、見ると売り物の本を参考にしながらレポートを書いている人も。イスが不足しても大丈夫。立ち読みならぬ座り読みも多数。大の大人が、子供みたく床に座り込んで本を読んでいる光景は何度見ても不思議だ。
出版物の流行をチェックするのも面白い。最近よく見かけるのは日本のマンガ、もちろん英訳されて"MANGA"として紹介されている。ポケモンやユウギオウはもちろん、結構マニアックなものもあるようだ。また、この夏は「ビーチ・ブランケット」コーナーを発見。直訳すると「海岸毛布」コーナー。これは何と「ビーチに行って、毛布に包まって読書するため本」で、いわゆる軽い小説系なのだ。「結婚するはずだった彼」「プラダを着た悪魔」などタイトルや装丁も女性が好みそうなどーでもいいものが山と詰まれている。ミステリーもビーチの定番らしい。日本ではない習慣である。
日本にないといえば、アメリカの本屋は新刊であっても割引がある。ハリーポッターも発売当初から3割引きが当り前。これがチェーン店だけが生き残っている一因でもある。また最近はオンラインの本屋のほうが割引率が高いので、街の本屋で中身を見て、気に入ったらオンラインで購入、というパターンが(ま)自身も多い。だって、コーヒーを飲みつつ誰かが読んだ本を定価で買いたくはないもの。という訳で、本屋もショールーム化しているのかもね。(ま)


偽名生活 10.3.2003

初対面の相手の名前をすぐに覚えて、何度も会話の中で使って親近感を持たせる、というのはアメリカ人にとって初歩的な会話のテクニックだ。以前、スターバックスで隣にに座っただけの大学生の彼が、最初に自己紹介をして5分ほど話しただけなのに、会話の最後に「じゃあね、(ま)!」と名前を呼んでくれて感激したことがある。(隣にいたガールフレンドは、かなりご機嫌斜めだった。)しかし、彼は例外中の例外で、残念なことに(ひ)(ま)はじめ日本人の名前はアメリカ人にとって発音しづらいものが多く、覚えるのもひと苦労のようだ。日本人に限らず、この問題に突き当たる外国人は多い。この場合の解決方法はふたつある。1)イングリッシュ名をつける。この場合、特にルールはない。勝手に英語っぽい名前を選んでつけるのだ。しかし、コテコテのアジア顔のチャイニーズが平気で「私、ダイアン。」と言うのは、何度聞いても不思議だ。(聞くたびに「大安」という漢字を思い浮かべる。)2)省略系の名前を使う。アメリカ人もよくするやりかたで、長い名前やヨーロッパ系の発音の難しい苗字も対象になる。例えば、(ひ)の同僚のフランス人、おしゃれなジャン・フィリップは「JP」。これでホテルの予約もとるらしい。とはいえ、日本人で名前を変えている人はお目にかかったことが無い。
今回、(ま)が小学校でのボランティアを再開するために研修を受けていると「難しい名前の方は、子供に分かりやすいように省略形の名前などを使用してください。」とのアドバイス。そこで、一大決心をして、(ま)も名前のアルファベットを数文字だけ使用し、ネームカードに名前を書いた。そして始まったボランティア。驚くべきことに、先生も生徒も口々に(ま)の新しい名前を口にして気軽に話し掛けてくれる。今までにはなかったことだ。本名はよっぽど記憶&発音しにくかったのね。自分の名前は好きだし、別の名前で呼ばれるのは違和感もあるが、これだけメリットがあるなら使うのも悪くないかな、という感じ。ひとつだけ困るのは、自分自身が慣れていないので、「マイ・ネーム・イズ…」、偽名が出てこずに3秒ぐらいかたまることでしょうか。(ま)


ガキ大将の質問 10.2.2003

日本人が実年齢より若く見られる、というのはここアメリカに住んでいると日常的に体験することだ。大して嬉しくもないので、正直に年齢を言うとあらまあ、というような顔をされることは多い。しかし、今回はリアクションはすごかった。ボランティアで小学1年生のクラスの手伝いをしていると、黒人のガキ大将の男の子が「俺は7歳と半年だ。お前いくつだよ。」と(ま)に話し掛けてくる。適当にあしらっていたものの、最後の片付けの時に「早く片付けて。」「いやだ、お前の歳を教えてくれないと、片付けないぞ。」というので、「仕方ない、2人だけの秘密だよ。」と実年齢を耳打ちすると、目をまん丸にして「オー・マイ・ゴッド…」とつぶやいた後、文字通り絶句してしまった。もしかすると彼のお母さんのほうが若いのかもしれない。その愛嬌のあるまん丸な顔を見ながら、ニヤリとする私。それ以降、彼が私の言うことに耳を貸すようになったのは言うまでも無い。化け物と思っているのかも。(ま)


クルメとトーキョー 10.1.2003

(ま)が以前教育関係の仕事をしていたことを話していると、韓国人のユミがやってきてこう言う。「私、日本の大学知っているわよ。トーキョー大学、キョート大学、そしてクルメ大学。」久留米大学。うむ、なかなかの日本通である。そして「クルメ大学って、トーキョー大学と同じくらいレベルが高いの?」と無邪気に聞く。答えは明確なのだが、ちょっと答えに困る。聞けば友人のご主人(韓国人)が久留米大学に研究留学中とか。多くの韓国人と話して思うのは、「留学」についての韓国人のエリート意識はかなり強い。もちろんユミのご主人もアメリカ留学中な訳で、この微妙な競争意識を刺激しない上手い答えはないものか。家に帰って(ひ)に相談し、翌日「久留米大学の、特に医学部は、研究の分野で結構いい仕事をしているらしいよ。」という、玉虫色の回答をしておいた。しかし、「でも、トーキョー大学ほどではない訳ね。」と結論づけるユミの密かな微笑みを、私は見逃さなかったぞ。(ま)


ライトで行きましょう。 9.27.2003

秋はキャンプの季節。以前、アウター・バンクス(今回のイザベルで最も被害が大きかった沿岸地域)で強風の中の”試練のキャンプ”に懲りて以来、「ライト(お手軽)・キャンプ」が我が家のポリシーとなった。そもそもキャンプというと、キャンプ道具一式の用意と食材の買出しという前準備から始まって、→キャンプ地までの移動→テント等の設営→夕食の準備(バーベキューが定番)→キャンプ・ファイヤー→シャワーを浴びて→寝袋で睡眠→朝食→テント等の撤収・片付け→帰宅、と案外忙しい。まあ、それが楽しくもあるんだろうが、せっかく楽しみに行っているのにあんまり大変なのもねえ。という訳で、我が家の定番は車で30分のジョーダン・レイクにあるキャンプ場。移動に時間がかからないので、その分気楽に「今日、キャンプ行こっか?」となる。ここは湖畔なので風も強くなく、また州が運営しているので、簡素ながら施設も整っている。訪れる人も、心なしか穏やかな人が多い。ハード面の準備はもと山岳部の(ひ)が厳選キャンプ・キットを整え、食材等のソフト面は(ま)の得意とするところ。1時間もあれば準備完了、CR-Vに荷物を詰め込んで夕方からの出発となる。
先日は、食事も済ませ、シャワーも浴びて、キャンプに赴くという「スーパー・ライト・キャンプ」を実施。こうなると余計な雑事はなく、焚き火を見ながら語り合い、降るような星空を眺め、静かなひとときを過ごすためだけにキャンプをしている訳で、たまらなくリラックスした気分になる。朝はコーヒーを沸かして朝霧に煙る湖を眺め、昼過ぎまで木陰でイスに座って読書したりすると、もう極楽。これが、キャンプサイト料金12ドルと薪3ドルの計15ドル(1800円)で買う、楽しい非日常。という訳で、今週はすでに金曜日の夜から出かけて土曜日のお昼過ぎにはキャンプから帰ってきました。あ、いくらライトとは言え、(ひ)がかなり凝って買い揃えたキャンプ用品一式に実は結構投資しているのを書き添えておきます。(ま)


モヒカン君の顧客満足 9.25.2003

「グレート・クリップス」という美容室のチェーン店がある。男性・女性・子供のカットやパーマを一手に引き受け、低価格(カット11ドル(1320円))、ウォーク・イン(予約不要)が売りのこのお店の、チャペルヒル・ダーラム地区にある7店舗の経営者であるジャッキーに話を聞く機会があった。実は、英語にハンディがあると美容室で思いどおりの髪型にしてもらうのは至難の技だ。それを知ってか、地域の英語クラスで、美容室利用の流れや、自分がなりたい髪型をどう説明したらよいかなどを教えてくれるという。登場したジャッキーは、自分も美容師というだけあって、日本の美容師さんと同様、黒のベストとパンツに茶髪というスタイル。親切にいろんな質問に答えてくれた後、店の宣伝を始めた。「グレート・クリップスでは、顧客満足100%をモットーにしています。レシートを持ってくればカットもパーマもやり直すし、それでも気に入らなければ代金はお返しします。」しかし、どんな場合に返金なんだ?!質問に対して、あるエピソードを紹介してくれた。「ある日、お母さんが10代の男の子を店に連れてきて、カットを依頼して自分は帰っていきました。子供に「どんな髪型にしますか?」と聞くと「モヒカンにしてくれ!」とのこと。何度も念を押したが本気だったので、希望どおりモヒカンにしました。迎えに来た母親は激昂。しかし、子供を美容室におきっぱなしにした時点で、母親は責任を放棄していることになります。とは言え、母親は満足しなかったので、代金は返金しました。」とのこと。納得できるような、何だか違うような…。顧客満足うんぬんより、子供のモヒカンに母親の責任放棄を問われるところがアメリカらしいかも。(ま)


気をつけましょう 9.25.2003

今朝早々に、ラボの同僚 E ラヘの旦那さんが交通事故に巻き込まれた、という連絡がありました。とりあえず何も怪我はないということで一安心しましたが、4台の玉突き事故で一番前にいた彼には責任は無し、しかし一番後ろの事故を起こした張本人の赤い車に乗った女の子は事故の後一目散に逃げてしまったそうです。「彼女は保険に入ってなかったんだろう。無免許だった可能性もある。誰もナンパーは控えてないので、彼女の特定は難しいだろう」とのお話。塗装やタイヤ跡などから特定できないのか?と聞いてみましたが警察はそこまでしないそうです。同じケースが起こったら日本の警察だとどこまで調べるのだろう?けが人がいたら話は別だろうけど、やっぱり民事不介入なのかなあ? 実は最近こういう話をよく聞きます。ちょっと前にも朝のラジオで議論が爆発していましたが、背景にはアメリカが構造的に抱える問題があるようです。
とにかく怪我はなかったので本当に良かったものの、E ラヘの旦那さんにはやっぱりお気の毒な話です。聞けば念願叶って3ヶ月前に買ったばかりのアキュラ(しかも新車)で、さらに会社の駐車場で当て逃げされたのを昨日修理したばかりというからなおのことお気の毒。何だか宗像神社のお守りを買うかお払いでもした方がよさそうですね。
実は(ひ)も一度アパートの駐車場で何気なくバックしたら違法駐車していた車にぶつかったことがあります。幸いなことに、相手側が悪い人ではなく、「違法駐車」だったことを強調して保険会社も善処してくれたので特に問題にはなりませんでしたが(実は単に(ひ)がまだ寝ぼけていて後を見ていなかっただけ あ、言っちゃった)、車の事故だけは本当に気をつけたいものです。気をつけていても巻き込まれることもあるくらいですから。(ひ)


ハリケーン一過、そして改名 9.19.2003

「ハリケーン・イザベル」がノースカロライナに上陸した夜、(ま)がシャワーを浴びていたら突然電気が消えた。「ついにに来たかーっ!!!」緊張が走るも、5秒後に電気は復活。しかし、この5秒間に、この冬の100時間停電の悪夢が頭によぎったのは(ひ)も同様だった。幸いなことに、これが我が家の受けたイザベル唯一の被害。日本のテレビでも紹介されたように、ここから車で4時間の沿岸部では洪水がひどかったが、我らがエリアは雨が多少降って風が強かったのみ。同じノースカロライナといっても、鹿児島に上陸した台風のニュースを愛媛で見ているような感じだった(分かるかな、このニュアンス)。さて、翌日になって知ったことには、我が家をはじめダーラム・チャペルヒルエリアに電力を供給する会社だけでも10万件近い停電があったとか(ボスS氏家も含む)。道を車で走ると、すぐ近所でも木が倒れて電線を引きちぎっていた。我々は単にラッキーだっただけのよう。ま、これだけ木が多いと、風が吹けばどこかが停電するのは不可避ってことか。当日は、学校や店は臨時休業、(ひ)の研究所も午前11時半で閉鎖、重々しい雰囲気の中で上陸に備えていただけに、やや気が抜けた感はあるものの、でもまあ、被害が少なくて何より。ちなみに、天気予報によると『勢力が弱まった「「ハリケーン・イザベル」は、「トロピカルストーム・イザベル」に名前が変わりました』とのこと。ちなみにニュース等では、このイザベルの代名詞は、女性向けの"she"を使っている。こうして、(ひ)(ま)家のハリケーン初体験は意外にサクッと終了。(ま)
≪日本からご心配のメールをいただいた皆様、ありがとうございました!(ひ)(ま)≫




準備万端 9.17.2003

(ひ)が、ハリケーン上陸に備えて買い物に行こうと言い出した。ハリケーンそのものより、その影響による停電や断水、洪水に備えるのだ。テレビでは10分おきにハリケーン情報が流れ、電力会社は作業員を増員、沿岸部の住人は避難を開始し、持ち家のある人たちは周囲の木を切り、みな保存食やバッテリー(電池)の購入に余念が無い。店のミネラルウォーターの棚はほぼ空っぽ。台風に慣れっこの我々も、ハリケーンの大きさ(九州地方より大きいかも!)を見えるとさすがに腰を上げずにはいられない。<ちなみに何よりも(ひ)が必要だったのはビールです。>
さて、テレビでは「準備が必要なのは、一にも二にも、キャッシュ・キャッシュ・キャシュ」と呼びかけている。これはつまり、「現金」のことだ。アメリカはクレジットカード社会なので、現金はほとんど持ち歩かない。(ひ)も(ま)も財布に10ドル(1200円)入っていたらリッチな気分になるくらいだ。ところがこのカード、一旦停電になると全く役に立たなくなる。ただでさえ流通量が少ない現金を、人々が一気にかき集めるのだから不足するのは当然。案の定、スーパーに行くと普段はATM機能があるレジで「もう現金はないわよ」と釘をさされる。それから、嵐の後は蚊が大発生する可能性があるらしく、片付けには長袖、ズボン、手袋で作業をするよう呼びかけている。ハリケーンひとつで大騒ぎなのだけど、今日も空は明るくていい天気。嵐の前の静けさか。ノースカロライナへの上陸は、明日の予定。(ま)


顧客満足 9.16.2003

郵便局から日本宛に送った郵便物(書類)が、5日後アメリカの我が家に配達された。宛先等に不備は無い。呆れつつ、郵便局に行って事情を話して「お金返してくれる?」と聞くと、「もちろん。あなたはサービスを受けていないんだから」と郵便料金3.5ドル(約420円)を返金してくれた。
日本で「顧客満足」という言葉を聞く度に、さぞやアメリカは先進国なんだろうな、と思っていたが、実際住んでみると「社員ひとりひとりが顧客のことを考える」なんてディズニー・ランド以外ではありえない話だ。サービスがそのままチップに反映されるウエイター(ウエイトレス)ならともかく、店員は決まりきった仕事をこなしているばかりで、気を利かせてプラスアルファの行為をするなんてことは皆無だ。思うに顧客満足は社員に頼らず、システムとして成り立っているのがアメリカだ。顕著なのは返金・返品システムで、今回の郵便局も然り、サービスや品物が満足いかなかったらいつでも返品・返金OKという場合が多い。着古した洋服でも、使ったコンピュータでも、汚れが落ちなかった開封後の洗剤でも、レシートと返却期間以内であれば、驚くほどスムーズに返金・返品に応じる。理由を聞かれない場合も多い。よって、目についた洋服はとりあえず全て買って家で試着し気に入ったもの以外全て返品したり、クリスマス直後には気に入らなかったプレゼントの返金を求める長蛇の列が出来たりもする。日本では「嫌なお客」に見える行為も、アメリカでは当り前。これも店員があれこれ考える必要がない「顧客満足」のなせる技かな。(ま)


「運転中の携帯禁止」が出来ない理由 9.12.2003

2年前、ノースカロライナでは携帯電話は「普及中」だった。着信履歴を見ては、人前で「電話くれた?」とちょっと大声で電話をするのがカッコイイみたいな。そう、日本ではiモードが主流になってい頃の話なので、アメリカの携帯事情は随分遅れていると言える。そして皆が持つようになった現在、やはり問題は運転中の携帯電話。規制する法律も今のところ無く、結構危険な運転をよく見かける。しかし、アメリカはそもそも車社会なので、何かをしながら運転するというのは当り前のこと。一時期、若者にターゲットに「飲食をしながらの運転は危ない。」というCMが流れたが、そもそもハンバーガーは運転中も食べやすいようにあの形なのだから、何をいわんやである。先日、左折(車は右側通行なので、日本での右折同様の注意が必要)をしながら、ヨーグルトのカップを片手に、スプーンで食べているご老人の女性を見かけた。両手を離しての運転は、さすがに危ないと思う。(ま)


周知不徹底 9.11.2003

今日は9月11日。午前8時46分、たまたま街のメイン・ストリートにいた。教会からの鐘を聞き、黙祷をした。同時多発テロのその日からずっと変わりゆくアメリカを見つづけてきたが、テレビを除けば今日の2周年は意外なほどに静かで追悼色が濃い日だったと思う。NPRの午後の特集は「芸術分野におけるテロ後の影響」だった。
さて、そんな私のトラブルは、用事を済ませバスを待っていたときに起きた。バスが来ないのだ。バスに乗るのは1年ぶりなので、停留所でも変わったかと思ったが、停留所にはきっちり番号が記入されている(時刻表はない)。1時間待ってもこないので、しかたなく(ひ)に連絡して迎えに来てもらった。こんな時にタクシーがいないのは本当に不便。帰ってネットで調べると、3日前にバスの路線は昼間のみ廃止になっていた。ついでに我が家の前にある停留所も廃止になっていた。そんなことかと思った。アメリカでは突然いろんなことが変化するが、「周知徹底」の意識は薄い。迷惑を被った人も「まあ、仕方ないねー」と余り怒る様子も見せない。こういうのも「懐が深い」と言うのだろうか?停留所に張り紙一枚貼ればいいのに。我が家の前の停留所の看板なんて、きっと1年後もそのままあるだろうな。(ま)


悲劇の結末とアメリカのルール 9.9.2003

騒音問題の話の続き。アパートメントのマネージャーのロリから、ついにEメールが来た。「上階の住人と話しました。住人の女性は大学院生の一人暮らしで、騒音についてはまったく心当たりがないと大変困惑しています。また、彼女のベッドは軋むそうです。理由は『アンティーク』だからだそうです。私はこれ以上対策が思い浮かびません。」だと。正直言って、呆れた。子供の使いじゃあるまいし、解決策を考えるのがマネージャーの仕事でしょうが!しかし、冷静に考えると、ここにアメリカのルールが隠されている。
・当人同士は一切話さず、代理人を立ててことを進める。(その最たるものが裁判)
・その代理人も自分の力量を超える場合は、あっさりと匙を投げる。
・「『アンティーク』のベッドだから軋んで当たりまえ。」というおおよそ論理的でない騒音の言い訳も結構通用する。
つまり、言ったもの勝ち。
よって、我々も「アンティークであれボロであれ、とにかく我々の問題は未だに未解決。」との姿勢を示しておいた。ちなみに、その後足音と大きな音については少なくなった。アンティークのベッドについては相変わらず軋んでいる。でも仕方ない、『アンティーク』だからね。(ま)


アパート住まいの悲劇 9.7.2003

アメリカのアパートは、お隣の音は聞こえないが上階の音は響く、と聞いたことがあります。また、学生の多いアパートでは週末ごとのパーティーの騒音が大変だとか。(ひ)(ま)家は2年以上同じアパートに住み、幸いにも大きなトラブルは無かったのですが、ここにきて問題浮上。新しく引っ越してきた上階の人の足音、乱暴にドアを開閉する音がすざましく、それに加えてオンボロベッドのスプリングのきしむ音がベッドルームの天井から真夜中に降るように聞こえてきて、(ま)は不眠状態に。アパートの管理オフィスに行って、マネージャーに状況を詳しく説明すると、こういうトラブルには慣れた様子で「2日以内に相手先に手紙を入れるから、3日待って。」という返事。果たして4日待っても芳しい改善は見られず、またオフィスに文句を言ったものの埒があきそうに無いので、最近は耳栓をして寝ています。いい解決法はないものでしょうかね。(ま)


円高の意外な影響 9.5.2003

複数のアメリカ人から「若い日本人は、スープをすする習慣を嫌っている、とラジオで聞いた。本当か?」と聞かれたことがある。この話の発信元は、アメリカ最大のラジオ局NPR(ナショナル・パブリック・レディオ)だ。世界各国の話題を紹介するコーナーでは、時々日本も話題に登る。半年ほど前には「日本人は「厄年」を非常に気にしており、よい医者を探すのと同じくらい真剣に、占い師を探す。」という紹介があった。そんな人もいるだろうが、一般論ではないぞ。まあ、異国の文化を紹介する場合、極端な例ほど面白いんだろう。
しかし、今回は驚いた。何と「日本では、ホストクラブに通う女性が急増中。」というそのレポートの中身は、まず友人の紹介でホストクラブにハマって少ないときでも1回に4万円以上使うホステス(現役の看護学校生徒)の話や、ナンバーワン・ホストになった男性のインタビューなどが盛り込まれ、最後はこの現象をアメリカの大学で研究している教授の話で締めくくられていた。聞けばこのレポート、東京為替市場担当のアメリカ人女性記者によって作られている。円高(ドル安)が続くと、やっかみも手伝って、悪意のあるリポートが増えるのかもね。(ま)



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