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3行アメリカ English

アッと驚く勘違いの数々… 英語は最大のハードルだ!



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ステューピッド・ワイフ 6.7.2004

英語のクラスに通っていたとき、担任のおばあちゃん先生が、毎日飽きもせず家族の自慢話をしていた。ご主人は地元有名大学の教授(すでに他界)、息子は結婚したばかり、娘は小学校の先生で、地元の自転車屋のオーナーとお付き合いしているのだとか。うんざりの毎日だったが、これは極端な例として、アメリカ人は自分の家族を誉めることが多い。最初は「何をそんなに自慢しているんだ?」と思っていたが、最近は程度が過ぎなければ「微笑ましい話」として聞けるようになった。 すると気になるのは、日本人の「謙遜」具合。自分のことを謙遜するのは勝手なのだが、家族もまとめて「下に下げる」必要ってあるんだろうか。日本人の「うちの愚妻」や「うちの豚息」を直訳して、「マイ・ステューピット・ワイフ(My stupit wife)」や「マイ・ピッグ・サン(My pig son)」などと言おうものなら、間違いなく言葉の家庭内暴力で、逮捕はされないでも一気に人間性を疑われるのは間違いがない。(ま)


複雑な関係 5.4.2004

ペインティングのクラスは、いつも賑やかだ。おばちゃんたちのおしゃべりの中で自分の作品に没頭するのにも随分慣れた。さて、そんなある日、一人のおばちゃんの話の中に"ex-step-son"(エクス・ステップ・サン)と"ex-son-in-low"(エクス・サン・イン・ロウ) が出てきた。日本語に訳すと、どちらとも「昔の義理の息子」だが、のふたつの言葉からおばさんの波乱万丈の人生が読み取れる。まず、「エクス・ステップ・サン」は、「昔の、継子(息子)」であり、つまり、彼女は過去に、すでに息子のいる男性と結婚し、現在その結婚生活は続いてない、という訳だ。一方、「エクス・サン・イン・ロウ」は「昔の、子供(娘)のお婿さん」であり、すなわち、彼女の娘も一度は結婚して、離婚したことを意味している。うーむ、深いなぁ。と思いつつ耳をすませば、おばさんの話は、「そしたら、私のボーイフレンドがね…。」と続いている。この50歳台とおぼしき黒人のおばさん、まだまだ現役なのね、と尊敬の念は深まるばかりであった。(ま)


英語の通じないサブウェイ 3.4.2004

アメリカには『サブウェイ』という全国チェーンのサンドウィッチ屋さんがある。売り物は「サブ」と呼ばれる、ソフト・フランスパンに各種具をはさんだサンドウィッチ。「サブウェイ・ダイエット」という言葉もあるように、他のファーストフードに比べて比較的健康的(ローファット)とのイメージから、お昼時は「ちょっと体に気を使っている」っぽい人々で結構な混雑だ。

さて「テリヤキチキン・サブが結構いける。」と友人から聞いた(ま)は、早速買いに行くことに。列に並んで順番が来たら、サンドウィッチの種類、パンのサイズと種類、チーズの有無、野菜の選択、セットの有無、などと次々に聞かれる選択肢のなかから選んでゆく。事件は野菜を選ぶ時に起こった。"I don't need jarapen~o."(ハラペーニョ(激辛の唐辛子ピクルス)はいらない。)と言ったところ、そのメキシカンの店員は不思議そうな顔をして、むんずとハラペーニョを溢れんばかりにつかみ、パンにドンと載せ、仕草で「これだけでいいのか?」と聞いてくる。違うよ、違うよ、アイドンワナ・パラペーニョ!と言うと、さらに大盛りのハラペーニョが(ま)のサブウェイに載ってくる。おりしも昼食時、列をなしている店内のお客さん達も、2人のやり取りを唖然として見つめている。この場合、(ま)の英語が悪いのではなく、相手が英語が分からないのだ。英語が通じない相手には、単語を至極簡単にすればよい。一呼吸置いて、

「エブリシング。ノー・ハラペーニョ。」(野菜は全種類。ハラペーニョはいらない。)

これで見事に通じ、店員はニコニコしながら、山盛りハラペーニョを取り除き、代わりにトマトやレタスを挟んでくれた。周囲の人の安堵のため息を聞きながら、代金を払って、商品を受け取る。今やどこの店でもメキシコ人の従業員はいるが、厨房や片付けなど、顧客との接点が少ない部署で働くのが普通だ。サブウェイの彼は、「どうぜ皆、野菜は『エブリシング』って言うから、全部挟めばいいんだよ。」とでも教育されていたのだろうか。突然のアジア人の変なオーダーに、ちょっと混乱したに違いない。かくして入手したサブは、ハラペーニョの汁がちょっと染みていて、なかなかの味だった。(ま)


最強の英語教室 2.3.2004

前から興味があった、ペイントのクラスを受講し始めた。アメリカで人気が高い、植物をモチーフにした、アクリル絵の具を使って木材などに描くペイントだ。クラスが始まる数日前、講師の先生より電話があった。今から言う絵の具を、当日までに買って用意しておいて欲しいという。ああ、いいですよ、とメモを片手にリスニングを始める。これがおそろしく難解なのだ。「ホワイト」(白)という単語ですら、3回も聞きなおしてしまった。先生も「私、山岳地域のなまりがあるのよ。ゴメンね。」と謝っていたが、その通り、すごい訛りなのだ。そして、絵の具の色の名前もすごい。「グラファイト」だの「ハウザー」だの「ロウシエナ」だの、素人にはどんな色かも想像がつかないような名前のオンパレード! スペルを聞きつつ、やっと13種類の絵の具の名前を聞き取り終えたときは、妙な達成感に浸ったものだ。
さて、数日後、クラスが始まって、これまたビックリ。以前のクラスの続きで来ている生徒がほとんどなのだが、これがまたオバチャン軍団なのだ。聞けばほとんどが定年退職し、定年後の趣味の一環としてペイントを習っている…、というより、友達とおしゃべりに来ているついでに絵を描いている、と言ったほうが正しいようなはしゃぎよう。講師の説明もろくに聞かず、適当に手を動かしながら、おしゃべりに余念がない。英語のリスニングで何が難しいかって、このようなネイティブの他愛のないお喋りを理解するのが一番難しいのだ。このクラスは、ペイント兼上級リスニングのいい特訓になりそうだ。やれやれ。最後に先生が「クラスはどうだった?」と聞くので、「あんなに喋りながら、どうやったら手が動かせるのか? ほとんど感動の域でした。」と答えたら、「このクラスはそうなのよ…。私も時々困っているの。マッサージか必要なときはいつでも私に言ってね。」と山岳地域のなまりで答えてくれた。(少なくともそう聞こえた。)一体最後の一文は何を意味していたのだろうか? 未だに謎だ。上級リスニングへの道は遥かなり。(ま)


アナという名の女性 2.2.2004

電話をつないだばかりの頃、男性の優しい声で「アナかい?」 とかかってくる電話がやたら多かった。そんな名前の女性は我が家にいない。「この番号にアナはいないよ。」 と言うと「そうか…。」 と残念そうに切れることが多かった。昔、この電話番号を使っていた女性はアナ(Anna)と言う名前で、どうやらモテモテだったらしい。こんな優しそうな男の人を振っちゃって、どうするんだよー、アナ!とひとりで想像を膨らませていたある日、(ま)は大きな間違いをしているのではないかと思い始める。どうやら彼らはセールマンで、「アナ(Owner,オーナー)かい?」、つまり「家の方ですか?」 と聞いているのではないか。「家の方ですか?」「この番号に家の人はいないよ。」 という間抜けな会話に「そうか…。」 と食い下がるしかなかったセールスマンを思うと、申し訳ない。同様に電話を受ける(ひ)によると、やはり「アナ」という女性宛ての電話だと思っていたそうだ。
今日も「アナ?」がかかってきたので、「多くの人がアナ宛てにかけてくるけど、この電話は3年以上私が使っているよ。」 と説明すると、「ああ、そしたらあなたがアナ(オーナー)なんだね。」 と家の警備システムの説明を受ける羽目になった。(ま)


風呂場のマイケル 1.27.2004

自分の英語力が怪しいのは自覚しているので、時々英語を使って仕事をしている人が、すごい間違いを犯していると、「よく自分の英語力に自信が持てるよな。」と感心するとこがある。その一例を。
web版の某新聞にて。マイケル・ジャクソンが性的虐待の容疑者として拘束中、警察で不当な扱いを受けたとテレビで告発したという記事で「マイケルは風呂場に長時間閉じ込められたと話しておりて…」と書いてある。そのテレビは(ま)も観たが、確かにマイケルは「バスルームに行きたいと訴えたところ、狭いその中で20分も閉じ込められ・・・」と話していた。しかーし、この場合、"Bathroom" (バスルーム) はどう考えてもトイレだろう。個人宅では、トイレとバス(風呂)は一緒になっているのが基本なので「バスルーム」と言うが、トイレだけでも「バスルーム」で十分通じる。そもそも、警察でイキナリ「風呂に入りたい。」と言うか?! 風呂に入って20分閉じ込められたら、ちょうどよい時間のような気もするし…。英語力と言うより常識で考えて不思議なこの記事を書いた人って、一体どんな人なのだろう。こんな人に限って、アメリカの某大学を「卒業」しているのが自慢だったりするのでは。
(ちなみに、公共の場のトイレは普通 "restroom"(レストルーム)と言うが、マイケルほどの大物は公共のトイレとか使ったこと無いんだろうな、多分。)(ま)


白黒つけない 1.21.2004

日焼けを話題にするとき、日本語では「色が白い。」「色が真っ黒だ。」などと言うが、これを英語に直訳すると、とんでもないことになる。「海に行ったので、彼は黒くなった。」は "As he went to the beach, he became black."(海に行ったので、彼は黒人になった。)となる。アメリカでは、白黒は皮膚の色、つまり人種の違いであって、日焼けによる肌の色の変化ではない。「焼けたね。」は "You got a nice tan!" だ。
ところで、日本の「美白」の概念を伝えるのは難しい。なぜならば、小麦色の肌は健康さの象徴。夏になると皆こぞって屋外で甲羅干しをしている。レストランでも、わざわざ陽の当たる屋外テーブルが人気なのだ。(皮膚がんの発生率が高くても、仕方ないわな。)そして冬の日焼けは、南の島でのバケーションの勲章。そんな訳で、いつも日陰を探して座る日本人女性の行動は理解不可能らしい。そこで、"Japanese ladies don't like sunshine."(日本人女性は陽に当たるのが嫌いなんだよ。)と説明したところ、「それを言うなら、"They don't like getting tanned." (日焼けが嫌い)でしょ。」とアメリカ人にツッこまれた。そうだよな、陽に当たるのが嫌いなのは、ドラキュラぐらいだ。(ま)


バイリンガルもつらいぜ 1.21.2004

こちらでは、国際結婚カップルもよく見かける。で、両親の母国語が違うと、二ヶ国語が生まれながらに堪能になると思いがちで、我々からすると羨ましい限りだが、最近興味深い話を聞いた。英語を話す母親と、スペイン語を話す父親の間に生まれた一男一女。今は小学生の男の子の方には、小さい頃に言語障害があったという。何を話しているか親でも聞き取れず、お姉ちゃんだけがどうにか理解出来る状況。医者に連れて行くと、スピーチセラピストを紹介された。で、家での様子を話すと「今すぐ、その状況をやめなさい!」と一喝されたという。「その状況」というのは、母親は英語で話し掛け、父親はスペイン語で話し掛けていたこと。そりゃ、混乱するわな。それ以来、家では英語に統一し、スペイン語は彼が中学生になったらを教えよう、と決めたそうだ。日本でも幼児期からの英語教育など盛んで、それはそれで結構なのだけれども、ひとつの言語をきちんと喋れるようになることも、実は大変なことなのだ。(ま)


Mr & Mrs 1.21.2004

いつものランチでの雑談中に発覚した、驚きの事実。
例えばここに、ボブさんとケリーさんのスミス夫妻がいたとしよう。彼らに敬称を付けるとき、ボブさんは Mr Bob Smith で異存はないだろう。が、ケリーさんのほうは Mrs Kelly Smith とはならないそうだ。なんでや??? 答えは Mrs Bob Smith。これでケリーさんのことを指すことになるという。特にオフィシャルなリストに載せる際などにはこのルールは忠実に守られ、例えばPおばさんはいつも一瞬自分の名前を見つけられずに困るという。しかし Mrs 付きでフルネームを書かれるほどは困らないそうだ。??? マジ?! もし本当にそうなら、今まで自分がどれくらい間違いを犯したのだろうと思うと背筋がぞっとするや〜ん。数え切れないだろうなあ。とは言ってもやっぱり Mrs Bob Smith と書く勇気も今一つ出てこない、、、
ちなみに、夫婦連名の場合は Mr & Mrs Bob Smith と書くのが正解。しかし夫婦別姓のヨーロピアンなどはどう表記していいか、自分たちでも困っているらしい。ついでに言うと Mr や Mrs の後には、フルネームよりもラストネームだけにした方が自然だとは感じていました。ヘタに混乱を招くぐらいだったら、リスクを避けてラストネームだけにする方が無難かも、ね。(ひ)


言語習得と環境の関係 1.5.2004

日本に数年住んでいたとかで、日本語が上手な若い中国人女性を知っている。彼女の日本語を聞いていると、若者イントネーションで「あれ、おいしくないよね。」「あれ、安物だよね。」「あの人、太っているよね。」と不平不満の言葉の連発なのだ。どんな日本人と接していたか、想像も出来るというもの。私は呆れるのを通り越して、妙に感心してしまった。言語の習得に当たっては、周囲の環境が多大な影響を与える。という訳で、自分の周囲を見回してみると、まあまあ大丈夫そうでホッとする。そんなある日「ジャマイカに10日間行くんだ。」と友人Jに言ったところ、一言 "I hate you!" (直訳「私あなたが嫌いよ!」 意訳「自分だけいい思いして!」みたいなもの?)と言われた。私の周囲も、結構マズイかも。(ま)


壊れた電子辞書 1.4.2004

渡米の際に買った電子辞書。渡米当初は、いつもバッグに入れて持ち歩いていた。英語の勉強にもよく利用した。辞書(本)を引くより、大幅に時間が短縮できて大変便利。しかし恐ろしいことに、電子辞書で引いた単語はちっとも頭に残らないのだ。何故だ??「辞書は引いて、線を引いて、ボロボロになるまで使い込んでこそ。」なんて年寄りの英語の先生みたいなことを言うつもりはないけど、やはり苦労と成果は結びつくのだろうか。
やがて滞在1年半も過ぎた頃から、会話中、相手の言う単語が分からなければ聞けばいい、自分の言いたい意味の単語を知らなければ別の言い方で言えばいい、読書中に分からない単語は飛ばして読んで大意をつかめばよい、と要領を得て、電子辞書を使うことはほとんどなくなった。そして、昨年冬のある日。袋から出すと、愛用の電子辞書は液晶が割れて使い物にならなくなっていた。まるで自分の役目の終わったのを知るかのように。でも、一緒に頑張った大事な思い出の品なので、今も捨てきれずにいる。(ま)



(ひ)、講釈をタレる 3.15.2004

今までのコラムを読んでもらっても分かるように、この「3行アメリカ English」では「こうすれば英語が喋れる!」みたいな講釈をするつもりはハナからありません。が、ネイティブ級にしゃべるのは無理としても、3年以上もたつと多少なりとも身に付いた「コツ」のようなものがあります。そんなテクニックのいくつかを恥ずかしながらちょこっとご披露しちゃいましょう。
・過去形を上手く使う
本当に過去でなくても過去形にします。特に助動詞の過去形 would、could、should、might 等を多用します。どういう効果が得られるかというと、これで丁寧な言い回し、つまり敬語的な表現を期待できます。「英語に敬語表現は無い」などという英語の先生がいたら軽蔑してさしあげましょう。立派に敬語は存在します。
10年ほど前に見た「インディジョーンズ・若き日の大冒険」というドラマで、幼インディがアラビアン・ロレンスから遺跡発掘への同行を誘われた時、家庭教師のセイモア先生に「ねえ、行ってもいい?」と聞いたところを「行ってもいいですか、でしょ」と怒られるシーンがありました。同じシーンを英語で聞いてみたところ、幼インディの「Can I go with him?」に対して「May I, Indiana.」と諭すセイモア先生。過去形ではないですが、敬語表現の一つの例でしょう。
・動詞には前置詞をくっつける
文法的には副詞に分類されるのでしょうか。動詞を単独で用いるより、stop by や come over のようにちょこっと前置詞(副詞)をくっつけるとグッと気の利いた表現になります。Come on などは自然に使っている好例です。
いわゆる英語の授業で習った「イディオム」ともちょっと違いますが、その知識を活かすとすれば、同じ意味を持つ単語でも動詞単独<abolish など>ではフォーマル、複合のイディオム<get rid of など>ではカジュアル、という使い分けを楽しむができます。
・LとRの発音
この使い分けに悩むのは日本人の宿命でしょうか。どちらも我々にとっては同じ「ラリルレロ」なのですが、Lの場合は日本語よりも少し強めにくぐもったような発音をすることを心がけ、そして問題のRの方は「ラリルレロ」よりも「アイウエオ」と思って発音すると意外にも上手く聞こえます。「red」は「エッド」、「ride」は「アイド」、「Kerry」は「ケイー」といった具合です。お試しあれ。
・No を、特に単独では使わない
これはこのコラムでももう何度か登場していますね。日本人式のハッキリとした発音での「ノー」はかなり強い否定になってしまうので、単独で使うことを避け、例えば「Not really」のように応えるか、もしくは2音節の「ノーウ」で「No I don't」「No I'm not」まできちんとくっつけましょう。
・全ては「自己中心」
噂話などで言う「〜らしいよ」というのを英語になおすと「I heard〜」。「They said〜」でもオーケーですが、人がどうこうというより自分が見聞きしたことを前提に話さないと説得力はないです。これは一例ですが、訳すのが困難な日本語の表現を意訳する際には「自己中心」を心がけておいて損は無いです。いわゆる「否定疑問文」に「No」と答えるのも「自分」にとっては「No」だからです。
・more 〜ly、most 〜ly
〜ly という副詞の前に more なり most なりをつけて程度を自在に表現することができます。例えば「たぶん」は more likely、それがもっと確実に近かったら most likely や most probably とすればその「たぶん」の程度まで伝えられることができるわけです。
・なるべく長い文章をしゃべろう
コマ切れの文章ではなく、筋道立ててなるべく長い文を一息に話すように普段から心がけておくと、上達も速いように思います。そうすると、その文全体の抑揚なども自然に口から出てくるでしょう。
・聞くことも大事
自分の口から英語を話すことと全く同じく、相手が話していることを理解するのも当然ながら重要ですが、これにはテレビの「クローズド・キャプション」といういい練習方法があるので、このキャプション付きで映画を10本も見るか同じ映画を10回も見ると目に見えて上達しているでしょう。(ひ)(ま)のように南部地域に住んで南部訛りに鍛えられると他の普通(?)の英語は恐ろしくきれいに聞き取れてしまうのでそれも一つの手です(なわけないか)
・そして最後に、最も大事なのは「ハート」
ごたごたと講釈をタレてしまいました。しかし、こう言うと元も子もないかもしれませんが、やっぱり結局行き着くのは「ハート」でしょうか。日本で英語を勉強したり話したりする時には、そこは日本という英語圏の国からは「away」なので、話す方も聞く方も「away」モードで対応してくれますが、アメリカのような「home」に来た途端にそんな気遣いはまるごと吹っ飛んでしまいます。日本でいくらお金をかけて勉強しても大きな意味はない、と(ひ)が思う理由の一つです。これは生まれながらに背負ったハンデなので、克服する明確な手段はありません。あえてあるとすれば、それが「ハート」です。「ハート」があれば自然に表情にも表れるので、会話の手助けにもなるでしょう。(ま)などはこの「ハート」のみで3年間を乗り切りました。我が妻ながらあっぱれです。逆に言うと、中学高校の6年間に習った英語とこの「ハート」があれば必ず英語は話せるハズ。日本人は語学能力が低い、なんて無責任に言われていますが、世界で最も語学能力が低いのは英語圏の人々です。彼らは外国人が英語を練習してくれるので自分から他の言語を勉強しようなんてこれっぽっちも思っていません。そんな彼らに負けるわけがないです。そしてもう一つ、英語がおそらく最も簡単な言語なので世界中の人がしゃべれるようになるのでしょう。6年間も習って日常でもよく英語が登場する日本人に不可能なわけがありません。この自信と「ハート」で、どんな困難でも乗り切っちゃいましょう。(ひ)


エミネム・ファン 11.24.2003

66歳の知り合いのアメリカ人が「エミネム」の話をしていた。エミネムとは、白人の歌手(ラッパー)の名前である。黒人一辺倒のラップ界の中で(というかラップはもともと黒人音楽)、白人として初めてメジャーになり、人気も高く、そのどん底人生が映画化されたりもした。しかし66歳の人にも語られるほど人気絶大なのね、と「エミネムはアメリカを代表する…」という説明を聞きながら思っていたら、何かおかしい。よく聞くと、「エミネムはアメリカを代表するチョコレートであり…」と言っている。何と「エミネム」は「m&m's」(エムアンドエムズ)のことだったのだ。確かによく聞くと「メネム(ズ)」と発音している。ちなみに「m&m's」は、日本でいうところのマーブルチョコレートで、アメリカのいたるところで売られている。これで納得。ちなみに「ラッパーのエミネムの話をしているのかと思ったよ。」と言うと、66歳の彼女は顔をしかめて「あの人の口から出てくる言葉は、みんなBAD(最悪)だわ。」とのこと。若者文化に対する理解は、どこの国も同じようで。(ま)


謎のオーダー 11.8.2003

お気に入りのイタリアンレストラン「マジアーノ」でランチ。(ひ)はお気に入りのクラムミート(ハマグリの身)スパゲッティーを注文。「ラージ<大>サイズにしてね。」と言うと「ミートは上に載せるか?それとも別の皿に持ってくるか?」と聞くので「上でいいよ。」と返事。やってきたスパゲッティは大きなボールにハマグリの身もいっぱい。直径7cmあるミートボールも乗っていて、ボリューム満点。「以前より豪華になっているね。」と言いつつ大満足で食事を終え、お勘定を頼む。テーブルに来たレシートを見てビックリ。頼んだ品に加えて「ミートボール$2.5(300円)」とある。頼んだ記憶は無いが、スパゲッティの上に乗っていたのは、まさにこのミートボール。しかし「ラージサイズにしてね。」のどこが「ミートボールもお願い。」になるんだ。確かに「上に載せてね。」とは言ったけどさ、そりゃクラムのミートのつもりだったんだけど(byひ)。という訳で、久しぶりに「やられた!」ってなかんじの笑い話でした。(ま)


久保田利伸とタケカワユキヒデ 11.7.2003

たぶん10年以上前の初期のベスト版でしょう、久保田利伸の「Baddest」というアルバムのMDが我が家にあって、極たまーにドライブ中にかけています。ある日、1曲目の「♪シートに抱かれて夜明けを待ってる。ルードにシューズを脱ぎ捨てる。」という歌い出しを聞いていてふと気がつきました。「このルードってもしかして"rude"のこと?!」日本語発音では全く通じない"R"の音を堂々と日本語発音しているのもさることながら、「靴を、無礼に/失礼に/無作法に(結構強い非難のニュアンス)脱ぎ捨てる」ってどんな意味?と言いたくなる不思議な英語に「彼ってNY在住じゃなかったかっけ?」と意地悪なツッコミをしていた(ひ)(ま)家、なぜか話の矛先ははタケカワユキヒデに。言わずと知れたゴダイゴのボーカリスト、英語ペラペラなお兄さんとして尊敬していた純粋な子供時代。西遊記のテーマソングも「♪ガンダーラ、ガンダーラ、They say it was in India(インドにあるらしい)」と意外に簡単な英語だと気づいたのは随分後のこと。でも「ビューティフル・ネーム」(♪今日も子供達は〜という歌いだしの国際児童年のテーマソング)のタイトルひとつとっても、子供達の名前が外面的に「美しい」というより「素晴らしい」という内面に迫った使い方をしているようで、センスあるよね。発音いいし。という結構な評判のよさで、この勝負、タケカワユキヒデの勝ち。(何の勝負か分かんないけど。)(ま)


(1)好き?(2)嫌い?(3)どうでもいい? 11.7.2003

今季は惜しくも優勝を逃して2位フィニッシュでしたが、(ひ)はラボの友人達とバレーボールのチームを作っています。いつも試合の後にも遊びでもう1、2セットプレーするのですが、その日は宿敵のライバル対決・ヤンキース対レッドソックスのプレーオフを見るために終了後すぐに帰りました。引き留める友人達にもそう話すと納得して、「おお、そうか。ところで(ひ)はどっちのファンなんだい?」。ここで「別にどっちも好きじゃないけど、松井選手がいるのでヤンキースを応援しているよ」と(ひ)。ところがここで(ひ)は猛烈に反省することになります。「どっちも好きではないけれど…」と言った瞬間に一斉に友人達の顔が曇ったのです。曇ったというより残念そうな表情、と言った方が正確でしょうか。しまったー、こういう場合は「どっちも好きだけれど…」と言わなくちゃいけないんだったー。以前にも「No と言っちゃう日本人」で書いたような経験はあった(ひ)ですが、なかなかとっさの場面ではこの「言葉の魔力」には勝てないようです。まあ、魔力というと聞こえはいいですが単なる知識不足と経験不足でしょうか。というわけで答えは (1)>>>(このへんに合格ライン)>(3)>(2)。(ひ)


我らゴーマンズ 11.6.2003

日本人どうして世間話をしていたところに、噂をすれば何とやら、アジア系アメリカンのJがやってきた。彼女、旅行先を言えば必ずおススメのレストランを教えてくれる食通である。ってなことをちょうど喋っていたので「アナタのことをグルメ(英語ではgourmet 発音はゴーメィ)だって話ていたんだよ。」と言うと" No, I'm not a gourmet. I'm a ゴーマン" (私はグルメじゃないわ。ゴーマンよ。)とのこと。「傲慢?」そこにいた日本人全員が耳を疑った。ま、突然日本語が出てくるはずは無いわけで、ゴーマンgourmandとは「食い道楽」のことを指すらしいと判明。でも、日本語でゴーマンはプライドが高すぎることを言うんだ、と説明しても「プライドが高くて何が悪いのさ。」というアメリカ人の本質に迫る反論にあっけなく敗退。この言葉が妙に気に入ったらしいJは、その後我々の料理クラブの名前まで「インターナショナル・ゴーマンズ」に変えてしまった。という訳で、我らゴーマンズ、名前はゴーマンでも謙虚に活動に勤しみたいと思います。(ま)


英語ブラブラ 11.5.2003

3行アメリカの中でも「English」はちっとも筆が進まないのは自覚していました。もう英語はペラペラなので書くことがない、という訳では決して無いのですが、2年も住んでいると自分のボキャブラリーの範囲でコトが足りてしまうような生活パターンなのか、取り立てて書くこともなかったように思います。これではいけないと、たまには小さなことも書いてみることにします。
さて、「あの人は英語がペラペラだ。」の「ペラペラ」は英語で何と言うでしょう?初めて聞いたときは耳を疑いました。だって「ブラブラブラ」なんですもん。日本人にとっては女性用下着の省略形であるこの言葉、それも3回連続で言うのが定番です。綴りはBlah blah blah。「そうして、こうして、ブラブラブラ」と「etc」的に使うことも多く、そのたびにふたつ並んだ3角形が頭をよぎります。記憶力のめっきり衰えた(ま)の脳ミソも、この言葉だけは一発で覚えました。あなたも、でしょ。(ま)


放送禁止なまり 6.24.2003

英語圏以外の人が喋る英語には、多かれ少なかれ母国語のなまりがある。その人の英語を聞けば、母国語が分かるというものだ。もちろん日本人の英語にも99%の確率で日本語なまりがある。ところで、同じ国でも、アジア某国のある地方出身の人の英語には、非常に特徴があることに最初に気付いたのは(ま)だった。
"if"(イフ・もしも)を「イプー」と発音、もしくは"wife"(ワイフ・奥さん)を「ワイプー」と発音する、その「パピプペポ」音が妙にカワイイなまりはしかし、多くのアメリカ人に理解されない。ある日、英語クラスで普段はあまり細かい注意をしない先生ケアレンが猛烈に発音を訂正したのも、その地方出身の生徒だった。" I went to many beaches. California beach, Carolina beach, Virginia beach... "(私は多くのビーチに行きました。カリフォルニア・ビーチ、カロライナ・ビーチ、バージニア・ビーチ...)と話していたその生徒は、何と"beach"(ビーチ・海岸)を全て「ビッチー」と発音していた!これ、英語で書くと"Bitch"、女性に対する侮辱的な意味合いを持つ放送禁止用語なのだ。
当時この話を笑って聞いていた(ひ)も、最近新しく来たラボの同僚が同じ発音の傾向があるらしく、季節も良くなってきたので、いつビーチの話が出るかと密かに怯える毎日らしい。。。(ま)


ランチタイム英会話教室 6.12.2003

最近ラボに加わったコリアンのJくん、まだ韓国から来たばっかりでちょっと英語に難ありなのですが、自分も最初はこんなんだったのかな〜、などと思うと胸が痛みます。そんなJくん、昨年11月に結婚したばかりという新妻のもとへ、家がすぐ近くということもあって毎日お昼ご飯を食べに帰っています。それ自体は大変微笑ましいことなのですが、「何ともったいないことを!」と何度言おうと思って言葉を飲んだことか。実はランチタイムにラボのメンバーと話しながら食事を取るのは、またとない最高でしかも無料の英会話レッスンなのですよ〜。
仕事上での会話や普段の日常生活にしても2言3言で終わってしまうことがほとんどなので、まとまった長い時間多くの内容を話したり聞いたりする機会は、(ひ)の場合このランチタイムが(特に量的には)ダントツです。他のラボのメンバーなども不定期に加わったりして、お友達を増やすにも格好の社交場でもあります。このランチタイムのおかげでどれだけ英語が上達し、また友達が増えたことか。正直、これが無かったらと思うと背筋がぞっとします。この毎日楽しく有意義なランチライムも、毎日(ま)が用意してくれるナイスなランチのおかげ。ありがとうね。(ひ)


脱皮の季節 4.16.2003

自分が脱皮しているのではないかと思うほど、頭皮が乾燥してきた。渡米直後に続いて2度目の経験だ。2年前のその時、驚いて慌ててフケ取りシャンプーを買いにスーパーへ行った(ま)は、ずらりと並ぶ100種類以上のシャンプーの棚の前に立ち尽くした。「「フケ」って英語で、何て言うんだっけ?」
頭をかすめたのは「メリット」「ジンクピリチオン」の2語(共に花王のフケ取りシャンプー「メリット」のCMでおなじみ)。しかし、そんな単語のついたシャンプーは見当たらない。もしかして、アメリカ人ってフケなんて出ないのかしら?などと思い始めた矢先、電子英和辞書を持っていたことを思い出し引いてみた。答えは"dandruff"(ダンドラフ)というロシアの皇帝みたいな名前だった。程なく「アンチ・ダンドラフ・シャンプー」なるものを発見。使用1日にして、ピタリと脱皮は止まった。(ま)


サンキューと言われたら 3.2003

日本語でお礼を言われたら何と返事をするだろう。改めて考えると、何も言わないことが多くはないだろうか。(うなずくだけ、微笑むだけ、など。)こちらでは、"Thank you."と言うと、必ず"You're welcome."(「ユア・ウェルカム」どういたしまして。)の返事が返ってくる。日本語の「どうも」感覚で「サンキュー」使っていると、言われるほうも大変だ。スーパーのレジで、渡したクレジットカードが返ってきて"Thank you.""You're welcome."、 荷物を受け取って"Thank you.""You're welcome."、レシートを受け取って"Thank you.""You're welcome." タイミングよく一度でよいような気もするが、悲しいかなサンキューを連発するのが日本人。まあ、悪い言葉ではないので、ここは良しとする。いずれにしても、「サンキュー」と「ユア・ウェルカム」は「山」と「川」並みの合言葉である。
さて、いつもアパートの不具合を直してくれるマイクとジョーの二人組がいる。本日彼らがトイレのトラブルを修繕しに我が家へ来る予定だったが、不在になるので紙に大きく「マイクとジョーへ いつもありがとね。」と張り紙をしておいた。帰ってみるとその紙は外され、替わりに修理完了の報告書が貼ってある。そして最後にデカデカと"You're welcome."と書いてあった。さすが合言葉、律儀である。(ま)


多国籍アクセント 3.2003

ヨーロッパ各国をはじめ中南米からアジア、アフリカまで世界中からポスドクが集まる研究所。皆さん母国語じゃないはずなのに驚くほどに英語がお上手。(ひ)がピカイチ一番へたくそで恥ずかしい限りです。そんな中珍しく(ひ)と同じレベルを誇る心強い味方、フレンチ・スピーカーのベルジアン、ザビ・サン夫妻。お互いできん子ちゃん同士ながら一生懸命会話しています。彼らのフランス語訛りは時々聞いて微笑ましくなることも。一例を挙げればマシーンを「マショーン」、エンジンを「アンジョーン」とまるでタモリの漫談のよう。しかし裏を返せば我がジャパニーズ・アクセントも同じような威力を発揮している可能性大。「(ひ)の英語おかしいわね、くすくすっ」と話のネタに挙げられているかと思うと深いため息が。がんばれ日本人!(ひ)


言葉の壁 2.2003

仲良しのペルー人の家に遊びに行ったら、先にメキシコ人とコロンビア人が来ていた。そして、同じ言葉(スペイン語)でお喋りをしていた。もちろん私が入ると英語を話してくれるのだが、違う国の出身でも同じ母国語を使って気楽にお喋り出来るのは、何だか羨ましかった。そういえば、コリアンやチャイニーズと英語で話していると、不思議な顔をされることがある。お隣同士でも、日本と韓国と中国は全く言葉が違うのよ、と説明すると驚かれる。当り前と思っていたけど、確かに日本語は日本でしか使えない。
一方、世の中には同じ国内でも違う言語が使われている国もある。例えば中国。地方によって話し方が違い、標準中国語、上海語、広東語などなどお互い聞いてもまったく分からないとか。(但し筆記は同じなので新聞は読める。)でもまあ、中国は広いからね。と思いきや、人口1000万人の国ベルギーでも使用する言語が二つに分かれている。首都のブリュッセルを境にして、北はフレミッシュ、南はフランス語。フレミッシュ・スピーカーである友人マーティンは「この街には、ベルギー人の知り合いが一人もいないので寂しい。」が口癖で(ホントはいるのだけど、フランス語が苦手なのでフランス語を話すベルギー人は対象外らしい。)、ご主人の仕事が終わってこの夏に帰国するのを楽しみにしている。同じ国の出身とも話せないとは、ちょっと寂しい話だ。(ま)


キュートのニュアンス 2.2003

(ま)が夏に浴衣を着てパーティーに出かけたらやはり人気で、「奥さん、素敵ね!」と誉められ(ひ)が「うん、彼女は"cute"(キュート=かわいい)だ」と反応したところ、一気にその場にいた女性陣から笑顔が消えた。そして「"cute"じゃないでしょ!こんなときは"beautful"(美しい)と言うものよ!」と叱られた。どうやら、日本人が言うところの「かわいい」は、大人の女性に対して言うべき言葉ではないらしい。これ以降、注意深くなった(ひ)は犬や子供に対してもビューティフル!を使っている。(応用編で adorable なんてのもアリ。これ一つで何でもオッケー(ひ))
一方、お見合い系のテレビ番組では若い女性が" He's cute!"(彼ったらカワイイ!)を連発している。最初はこんなマッチョのどこがカワイイんだ?と思っていた(ま)も、最近はそのニュアンスが分かってきて、毎週木曜日夜9時からのTVドラマ「CSI」(ラスベガス科学捜査官の活躍を描いた、映像がおどろおどろしい人気ドラマ)に出てくるギャンブル好きの捜査官を見ては、あきれる(ひ)を横目に、テレビの前で”He's cute!"を連発している。ちなみに、彼の顔はビークル犬に似ている。(ま)


フリー・ミール 2.2003

サウスカロライナのヒルトンヘッド・アイランドというリゾートで夕食を食べようと思い、地ビール・レストランに入った。たくさんあるビールの種類からひとつを選んで注文すると「ああ、それは昨日仕込んだばかりで、まだ飲めないよ。」と、オフシーズンゆえ飲める地ビールはたったの2種類。店の名物のチキン・ウイング(鳥の手羽先)をかじりながら、各自注文した食事を待った。(アメリカでは大皿料理をみんなで取り分ける、という概念はない。)(ま)の注文したバーベキュー・サンドイッチがやってきた。味はフツー。と、食べていると中から何と針金が出てきた。(ビニール袋の口を縛る、ビニールにカバーされたアレです。)ああ、パンを出したとき一緒に入れたんだなー、と思いつつおなかいっぱいになるまで食べて、ちょうど来たウエイターに「こんなもの入っていたよ。」と一応クレームを言ってみた。「何だこりゃ?」という顔で針金をまじまじと見た彼は、突然”That's a free meal!"(無料の食事!)と叫んだ。一瞬、針金を「無料の食事」と意味するギャグと思い「笑うべきか?でも面白くないぞ。」と考えたのもつかの間、彼は猛烈に謝りだした。つまり「この食事は無料になります。もちろん新しいのを用意します。」ということだったらしい。(ま)も文句を言った立場上、ニコニコするわけにもいかず「もう食べる気がしないので、新しいのは要りません。」と一言。それからあとはウエイターからのお詫び、シェフからのお詫び、支配人からのお詫びと続き、最後は「今日は俺のおごりだ、飲んでくれ。」となった。妙に安上がりな夕食だった。
確かに針金はあってはならない話だが、なぜか気分が滅入らなかったのは、宿泊がディズニーのホテルであまりにも楽しい一日を過ごしていたからではないか、と分析。針金さえ、魔法にかかる。これぞディズニー・マジック。


ビア? 2.2003

いきつけのちょっと田舎のBBQレストランでいつも決まって聞かれることがある。注文の最後にウエイトレスのお姉ちゃんが「ビア?」と言うのだ。ちなみにメニューにビールはない。(飲んだら美味しそうだけれど。)
最初は戸惑っていたものの、状況からして「注文は以上?」と聞かれているらしく毎回"That's it"(以上です)と答えるとお姉ちゃんは納得してキッチンに帰っていたのだが、本日ついに謎が判明した。"That'll be all?"(これで全部?) だったのだ。(ま)


さよなら、あなた。 12.2002

中南米南出身者の人口が多いため、スペイン語はほぼ第二外国語化している。そのスペイン語も地域(国)によって微妙に違うので、メキシコ人に習った片言のスペイン語を話すと「理解は出来るけど、その言い方はちょっとねぇ。」とコロンビア人に訂正されることがある。
今日、メキシコ人のヘクター(おじさん)に習った"Hasta la vista パピー!"(パピー=お父さん、おじさんの愛称。つまり「おじさん、またね!」の意味)を言ったら、すかさず訂正された。これが正式なスペイン語では「またね、あ・な・た(ハートマーク)」の意味になるらしい。3ヶ月間この言葉を英語クラスの南米人みんなに言いつづけた私は立場はどうなる!あたしゃ飲み屋のママか?、、、唖然とする私に向かってコロンビア人は「あなたのパピー((ひ)のこと)によろしく!」とウインクして去っていった。スペイン語も奥が深い。(ま)


つまらないものですが 11.2002

日本語を直訳すると変な顔をされる言いまわしは多い。たとえば、贈り物を渡すとき「つまらないものですが。」などとは間違っても言わない。どんなに謙遜しても" I hope you like it."(気に入ってくれるといいな。)が関の山だ。割と上手くやってきたつもりの私も、最近大きな間違いを犯した。
近所のDUKE大学で開催される「ジャパン・ナイト」(日本の文化を紹介するお祭り)の手伝いをして、小物を貸し出したり和食を作ったりした。当日は大盛況。「ランマ1/2」のTシャツを着た顔見知りのアメリカ人Jが「(ま)はどれを作ったの?」と聞くので、「あれとあれ。でも、(ちょっと謙遜して)おいしいかどうか分からないけど。」と言った瞬間、こう言われた。「だったら、持ってこないでよ!」(ま)


一杯おごるよ 8.2002

(ひ)と同じでビール好きのボスS氏。いい実験データを持っていった時の彼の口癖は「一杯おごるよ」。さてクイズ、「一杯おごるよ」を英語で言ってみましょう。答えは「I'll buy you a pint」。彼はイギリス人なのでこういう言い回しになるのでしょう。pint は大コップ一杯というイメージです(1/8ガロン=約500ml)。他に、例えばパブで3〜4人で飲んでいるとします。何故かこういう時は周りの人とペースを合わせて飲むのがマナー。そしてそのラウンドでは一人が全員分の支払いをします。自分の番が来たら「I'll take care of this round.」もしくは「It's my turn.」でOK。お試しあれ。(ひ)


ボール替えよっか 8.2002

(ひ)は研究所のバレーボール・リーグで我がチームのキャプテンをしてします(ちなみに昨季は見事優勝)。ある日試合をしていたら、雨でぬかるんでいたコートのせいかボールがべちょべちょに。そこでイギリス人Oくんの一言、「べちょべちょだよ、ボール替えよっか?」。さてクイズ、英語で言ってみましょう。答えは「This ball is very yucky. I can swap the ball」。何だか swap というと妙な想像を、、、いかんいかん、さらりと使いましょう。ちなみに女性プレイヤーがサーブをする際、ボールが濡れていると男性陣は自分のTシャツでボールを拭いて渡します。真似て僕もしてみたら何故か笑われました。失礼な。目指せ!騎士道精神(ひ)


ツーユー 6.2002

日本の6月と言えば梅雨。梅雨のないNCではもうTシャツでさえも袖がわずらわしく、ランニングシャツ姿で美味しくビールを飲んでリラックスするというスタイルになって久しい頃です。ちなみに「梅雨」というのは外国人達に説明するのにいつも苦労します。単に Rainy season と言うと熱帯の雨季を想像されて「ハリケーンがすごいのか?!」とか「サンダーストームか?!」といった調子です。しとしとと雨が降るというのはなかなか想像できないようですね。そんなある日、折しも始まったワールドカップ、その中継で典型的な梅雨のしとしととした当日の天候を説明するのに実況アナウンサーは「日本は今、ツーユー(Tsu-yu)です」。なーんだ!そのまんまじゃんかー!ツーユーでいいんだ〜、と狐につままれたような気分になりましたが、果たしてそのまんまツーユーで世界の何人の人が理解したか、やっぱり疑問は解けない6月の日々でした。(ひ)


「No」と言っちゃう日本人 6.2002

(ひ)の恩師H田先生がNCへみえられました。日本にH田先生を訪ねたこともあるボスS氏、デューク大J氏両氏ご夫妻に(ひ)(ま)を加えた計7人で食事となりました。H田先生にNCの良さを一生懸命説明するJ氏。スポーツに話題が及んだ際、「ゴルフするにも天国のようなところさ!ところで(ひ)はゴルフするかい?」。訳あってゴルフクラブは一生握らないと誓っている(ひ)、何気なく「No」とだけ応えました。すると途端にその場が静まり返り気まず〜い雰囲気に。何気ない No が引き起こした気まずい雰囲気は初めてではなく、薄々とこの「言葉の魔力」には気がついていましたが、どうも、一言だけ、特に日本人式のはっきりした発音でノーというのはかなり強い否定を意味することになるようです。このケースでは「NCでゴルフするのはホントにいいからオススメさ。(ひ)ももうゴルフはしたかい?」「するわけないっしょ」のようなやり取りとなってしまったのでしょうか。気まずくなるのも当然、まさに言葉の魔力です。「うん、本当はしたいんだけどね。残念ながら今までする機会がなかったんだよ」とできるだけ相手を立てるか、もしくはせめて「あー、あんふぉちゅねとりー、のーう」(のーうと2音節になるのがポイント)と答えておくと、とりあえずその場は回避できそうです。ほんとに言葉って難しい。(ひ)


「No」と言えない日本人 5.2002

他人に平気で"No"と言えるようになるまで少々時間がかかった。日本人の優柔不断さの話ではなく、文法上の問題なのだ。英語では何気に「雨じゃないよね。"It doesn't rain."」「うん。"No"」と「ノー」を言う機会があるが、日本語では通常相手を否定する場合のみ「ノー(違います)」となる。故に、タダでさえ何を言っているかよく分からないのに、間違って相手を否定しようものなら大変申し訳ないような気がして、何気ない"No"を言うときも内心ドキドキなのである。(ま)


食べたいくらいカワイイ 5. 2002

英語が母国語でない人と英語で話していて面白いのは、その人の母国語での言い回しがそのまま英訳されて出てくる時である。日本人なら「トイレを借りていいですか。」のつもりで"Can I borrow a toilet?"(便器を無料で借りて(持っていって)いいですか?)となる場合がこれに当たる。
さて、フランス語を話すザビエルが我が家で初めて夕食を食べていた時、私に向かって突然 "Congratulations!(おめでとう!)" と叫んだことがある。「美味しい。」と料理を誉めてくれているらしいのだが、一瞬答えに窮したのは言うまでもない。
スペイン語スピーカーのカティーは、自分の子どもの写真を私に見ながら"He is delicious. So delisious."(彼は美味しい。とっても美味しい。)と何度も言うので、意を決して意味を聞いてみた。どうやらかわいい、とかそんな意味らしい。いきなり聞くとちょっと怖いけど、そういえば日本でも「食べたいくらいカワイイ」という表現があるので納得。(ま)


ミャーッツプ 2. 2002

かなり強行軍のテネシー旅行、疲れ果てて午後7時頃ナッシュビルのホテルにたどり着き、明日に備えてフロントで地図をもらうことにした。"Do you have any map near here?" (この辺の地図ありますか?のつもり。本当はちょっと間違い。)フロントの答えは"Ask a maid."(メイドに聞いて。)「???」3秒後、こんなシュチエーションには慣れっこの(ま)はピンときた。これは床を拭く「モップ」と完全に間違えている、と。「ちがーう!エム・エー・ピー。マップ!!」大声で言うと、フロントの黒人女性はすごい南部訛りでこともなげにこう言った。「ああ、ミャーッツプね。はいどうぞ。」
翌日、巨大ホテル「グランド・オプリ」(巨大室内庭園が3つもある。ほとんど迷路)を散策中に迷子になった(ま)は、近くの売店に歩いていき若い白人女性店員に言った。「ミャーッツプ下さい。」0.5秒後、地図が出てきた。郷に入りては郷に従え、である。(ま)


恋に落ちて 1.2002

普段はキャラ物など見向きもしない(ま)だが、ひとつだけ例外がある。それはディズニーの二匹組のリス「チップとデール」の着ぐるみだ。数年前友人Aと行ったディズニーワールドで一目見てあまりのキュートさに大ファンになった。
この年末のフロリダ旅行で彼らと再会を果たし大興奮だった(ま)。その嬉しさを表現したい。大げさに言うのが英語だ。”I LOVE them."では当たり前すぎる。”I FELL IN LOVE with Chip'n Dale at first sight. They're so cute." (私、ひと目見てチップ・アンド・デールと恋に落ちたの。だって、彼らったらとってもキュートなの。)うーん、なかなかいいぞ。しかし、これを聞いたアメリカ人(特に若い男性)は一様に「マジかよ...」とちょっと困った顔をする。友人のJJに聞いて、その理由がついに判明した。 「チップとデール」というのは、有名な男性ストリップ・チームの名前でもあったのだ。そりゃ、言われた方も反応に困りますわな。(ま)


なまりつながり 12.2001 

標準語を話そうとしても出身地のなまりが残るように、外国人が話す英語にも母国語のなまりが残る。フランス人の英語はフランス語に、中国人の英語は中国語に聞こえる。非常に聞きづらい。面白いのは、お互い相性のよいなまりと悪いなまりがあること。例えば日本人にとって妙に聞きやすいのは、韓国語なまり。使っている「音」が同じなんだろうな。おまけに韓国語と日本語は単語の並び方も似ているらしく、この両者が片言の英語で話している場面を見たアメリカ人がまったく理解できなかった、という不思議な話も聞く。さらにこの両者は顔立ちも似ているので、白人コンプレックスも無く妙に話し易かったりする。こんなことでは国際人にはなれない、のだけどね。(ま)


カイヨスキー 12.2001

フロリダはオーランドで泊まったホテル「ハイアット・オーランド」での話。まずは到着後、駐車場の入り口で警備員のおっちゃんにラスト・ネームを告げました。すると宿泊者リストをぱらぱらめくり、「おお、カイヨスキーか、よく来たな」。??ちょっと待った、カイヨスキーって、誰やねん??これが他でもない(ひ)自身のことだと気付くまでしばらくかかりました。確かに、ファースト・ネームのアルファベット1文字を似ている字に読み間違えたら読めなくもないですが、あんた、カイヨスキーって、わしゃロシア人かい??(ひ)


ペットのコアラ 10.2001

州都ラーレーで開催中のステート・フェア(移動遊園地なども来る巨大なお祭り)に遊びに行った。と、ある黒人女性に話し掛けられた。" Do you have any koalas?" (コアラ飼ってる?)変な質問だなーと思いつつ、生涯一度も飼ったこと無いから現在完了形で答えなくっちゃね、と思って"No, I have never had koalas."(私はコアラは飼ったことがありません。)と答えると彼女は不思議そうな顔をして(ひ)と二言三言交わして去っていった。あとで判明したことだが、彼女は小銭をせびっていたのだ。彼女が欲しかったのは「コアラ」ではなく「クオーター(25セント硬貨=30円)」だった。
ちなみにこのエピソードはアメリカ人に異常にウケがよく、「英語頑張ってね。」とコアラのぬいぐるみまでもらったことがある。(ま)今日の会話「25セント持ってる?」「私は25セントは持ったことありません。」


免許証取得までの道のり 5.2001

この街に住むには、どうしても運転免許がいる。車を運転しないことにはどこへも(買い物さえも)行けない。そのためには筆記と実技試験のテストをクリアすることが必要なため、早速勉強に取り掛かった。教則本を読み出す。"vehicle"という単語が頻繁に出る。これは何を意味する?辞書を引くと「車」だった。先が思いやられる。
努力の甲斐あって筆記は一発合格。次は実技。チョコレートを食べつつ太った試験官が乗り込んでくる。指示に従って進む。ところが、途中で試験官が激怒して車を降りて帰っていってしまった。練習を重ねたスリーポイント・ターン(Uターン)もまだやっていないのに!遠ざかる試験官に叫ぶ。「何が悪かったのか、教えてくださーーい。」「話にならん。ダンナを連れて来い!」(と私には聞こえた。)
次に激怒したのは私である。英語はちゃんと理解できていたぞ。こんなの人種差別だ。おまけにダンナを連れて来いとは!翌日、朝一番で試験場に行き、同じ試験官に「お言葉どおり、ダンナを連れてきました。さあ、何が悪かったか教えてください。」と意気込む私を横に、試験官が(ひ)に向かって何かを話す。(ひ)によると「あのね、英語は分かっていたし、運転も上手だったって。ただ、スピードの出しすぎで、右折の指示を出すはずのポイントを2回も通過しちゃったんだって。」うーむ。悪いのは私か?おまけにダンナを連れてこいとは言っていないという。気を取り直し、あの世に行きかけた老人並みのヨボヨボ運転で見事合格。免許証を、件の態度の悪い試験官が手渡してくれた。サンキューを言う私にまだ何か言っている。腹が立つが、ここは最後までコミュニケーションを取っておかねば。何を言っているのか分からない。" Excuse me?"を3回繰り返して、あきれた試験官が大きな声でハッキリと言った。「ユア・ウエル・カム。」(ま)


恐怖のハワユー? 5.2001

ほとんどの日本人は“Hello.How are you?"(こんにちは。ご機嫌いかが?) と聞かれれば" I'm fine, thank you. And you?" (いいですよ。ありがとう。あなたは?)と答えると知っているだろう。幼稚園児の英語教室でも習う基本中の基本だ。しかし、日本語で「こんにちは」の後に「ご機嫌いかが?」と聞かれる機会がほとんど無いのと正反対で、アメリカで「こんにちは」の後に「ご機嫌いかが」と聞かれない機会はほとんどない。
最近の私は家の外に出るのが怖い。人と会うのが怖い。なぜならば会えば間違いなく「ハワユー?」と聞かれ、「アイム・ファイン」「サンキュー」「アンド・ユー?」と声に出して応えねばならないからだ。たった3文節のこの文章を声に出して、屋外の場合は特に大声で、外人に向かって言わねばならない時は、舞台にたった一人で立って気の遠くなるほど長いセリフを話している錯覚に陥る。私に向けられた質問であり、それに答えて相手にも質問を投げ返し、その答えに相槌を打つような高度な会話を、渡米1ヶ月の私に求めるのはやめてくれ!どうぞ日本語みたく "Hello." "Hello." だけで終わってくれ!という願いもむなしく、今日も99%確率で皆様が私に「ハワユー?」と聞いてくれるのであった。そんな混乱した状態であっても「アイム・ファイン」と反射的に言える日本の英語教育は結構すごいと思う。(ま)


みんなやさしい 4.2001

(ま)がアメリカに到着して初めての週末、メリッサの家のイースター・パーティーに招かれた。その帰り道(ひ)が深いため息をついている。理由はふたつ。1)(ま)の英語が本当にメチャクチャだったこと。「これは、マジでマズい。」と真剣に思ったそうだ。2)メチャクチャな英語を話す(ま)にみんなが「あら、そうなのぉ。」とさも理解できているかのようにやさしく接していたこと。それは(ひ)が渡米直後に受けたのと同じ扱いで、これにより(ひ)は「ボクの英語は通じている!」と納得していたということ。(ま)


「彼はよいスタッフです。」4.2001

(ひ)のラボを初めて訪問。ボスのS氏に「(ひ)からいろいろ聞いています。」とご挨拶をすると"He is a good staff."(彼はいいスタッフだよ。)と言う(そう聞こえた)。ほぉ、と思いつつ"I'm glad to hear that." (それを聞いて嬉しく思います。)と一口英会話みたいな返事をしてその場を離れた。と、(ひ)が横でため息をついている。(ひ)訳によると、S氏は「そりゃ、いいことかい?」"He says good stuff?"と聞いていたらしい。部分的な単語以外聞き取っていない、日常会話で使われる単語を知らない、という見本のようなヒアリングであった。しかし、とんちんかんな(ま)の答えを聞いたS氏の動揺の隠し方はなかなか上手かったぞ、さすがインターナショナルに活躍する研究者は違うな、と妙に感心した(ま)であった。(ま)


アーハー 1.2001

会話にはリズムが命。ポン、ポン、とテニスのラリーのようにリズムに乗れると相変わらず拙い表現なのも忘れて「おおお、オレも英語を話してるぞ〜」と自惚れてしまいますが、まあそれほどに大事ということなのでしょう。
そんな会話のリズムを取るのに一番簡単でかつ有効なお助けワード「A-ha」。高校時代のある9月、ホームステイ帰りの同級生が「アーハー」と言うのを聞いて「アーハーげななーんばツヤこきよーとやー」(訳・アーハーとか格好つけやがって)と心の中で罵ったものです。しかし(ひ)も今となっては格好も何も気にしているわけにはいきません。何とか会話を持たせようと高低強弱にお助けワード「アーハー」の連発です。
しかしそんな逃げの一手のようなことをしていては、待っています落とし穴がぱっくりと口を開けて。アメリカに来てまだ日が浅いある日、隣のラボ A 女史のもとへ質問に行きました。お互い初対面、まずは自己紹介ですが謙虚な A 史「ごめんねー、私ハワイ出身だから時々アクセントがおかしいことがあるの」(ひ)例のごとく元気に「アーハー!」。忘れもしません、一瞬の沈黙とそこに流れる気まず〜い雰囲気。心優しい A 史はちょっと戸惑いの顔はみせたものの何も無かったことにしてくれたようですが、どうも、相手の謙遜などに軽率にアーハーと答えてしまうと、「そだね」とか「そりゃそうだ」などの失礼な印象を与えてしまうようです。このへんの細かい表現まで完璧にマスターするのはもはや不可能か??(ひ)


一口に英語と言っても 2.2003

カナダ人のヨアフ君がフィアンセを連れて遊びに来ました。話しているうちに「彼女の祖父母はイングランドから来た。彼女は本場のイギリス英語が話せるんだぜ」と得意顔。そういえば階級意識はいまだ根強く残っているという白人社会、階級を如実に反映するのは言葉だと聞いたことがありましたっけ。ちなみに聞けばカナダのアクセントというのもちゃんとあるらしく、(ひ)(ま)にはアメリカ北部のアクセントとの違いはよく分かりませんでしたが、とりあえず語尾に「.....,ei!」アーイと勢いよくつければカナダ訛りらしくなるようです。
さて(ひ)(ま)の住む地域はいわゆる南部に分類され、言葉も地元民の皆様は南部訛りと呼ばれる方言で話します。正直言って、とっても分かりにくいです。さらに、黒人のあんちゃん達が話す言葉となるとさらに輪をかけて分かりません。そういえば高校生の頃に「留学するなら言葉のきれいな北東部・中西部に行った方がいいらしいよ」と同級生が言っていましたっけ。しまった!
そんな過酷な環境の中で暮らしている(ひ)(ま)ですが、ユタ〜アリゾナにかけて国立公園をまわる旅に出かけた時、2人とも同時にあることに気がつきました。それは「英語が分かりやすい」。アメリカの西半分は後から人々が開拓したわけで、言葉に強い訛りがなかったのでしょうか。南部訛りに鍛えられている(ひ)(ま)には分かりやすく聞こえたのでしょう。南部訛りをネイティブのように話せるまで上達してしまったらまるでダニエル・カールですが、それは所詮無理だとすると、(ひ)は同級生の意見をオーバーライドします。「耳の訓練になら南部に留学するのも悪くない」
友人 O 君が言っていました。「日本で第2言語は英語だろ。オーストラリアでもそうさ、Proper English(正しい英語)だよ」。そんなわけで一口に英語と言っても南部に北部に黒人言葉、オーストラリアンに本場イギリス英語、同じイギリス英語でもビートルズ映画はさっぱりですがボスS氏のイギリス英語はとても分かりやすかったりと、本当に様々です。ちなみにスタートレックDS9のチーフ・オブライエンはアイルランド出身という設定もあり典型的なイギリス風英語をしゃべり、同じくアラブ系イギリス人の俳優が演じるドクター・ベシアとは、叩き上げベテラン対新米エリートという対立の構図から、やがて親友としての関係を築きます。前の人生では男でシスコ艦長の親友だった美女ジャッジア・ダックスはシスコに話すときだけ男性のような口調になります。ネイティブのように話すのはちょっと無理ですが、ちょっぴり聞き分けを意識して英語の上達に活かすというのはいかがでしょう。(ひ)


研究者としての壁 3.2003

手前ミソですが(ま)がホームページを作ると宣言して以来、(ひ)も執筆活動?に余念がありません。渡米後2年も経ってからホームページを作り出すことが好例を示しているように、もともと腰は重いながらしかしいざエンジンがかるとのめり込んでしまうタイプの(ひ)(ま)、「こういうことを書こう」「こういう表現にしたら面白いかも」と頭を巡らし、寝ている間すらも夢の中で考え出す始末です。
そこでふと思い浮かびました、「ボスのS氏も同じなんじゃないだろうか」。(ひ)の示すどんな実験データにも数時間後には新しい解釈と次のアイディアを持ってきて(ひ)に的確な指示を出し、これを繰り返してゴールとなる示すべき仮説に近づいていきます。加えて学会などに出かけた後には学会場や飛行機の中でアイディアを練ってきたのか次々と溢れ出てくる指示に追いつくのが大変です。そして論文が出来上がったときには溜息が出るほどの美文。こんなことを書いてやろう、こんなふうに示してやろう、というように常日頃頭を巡らしているのでしょう。ある意味ボスとポスドクの関係としては理想的ですが、ある一つのことが心に引っかかります。「これじゃいつまでたってもボスにおんぶで同じことやんか」。加えて彼は母国語である英語で考えて英語で発表することができます。日本語で文章をあれこれ推敲することはできても、英語となるとパフォーマンスがガタ落ちなのは明らか。生まれながらにハンディを背負っているのと同じことです。これが日本に生まれた運命、そして研究者として越えるに越えられない壁か。いっそ高校・大学の講義を全て英語でするくらいでないと、個人の技量のみに依存するばかりの現状では、実力を備えながら世界の舞台で大暴れできない日本人((ひ)含む、実力は無いけど)が増えるばかり。実際大したことないアメリカ人研究者が大風呂敷広げているのを見かけるのは日常茶飯事、なんとももったいない話です。(ひ)も早いとこ足を洗った方がいいのかな〜??(ひ)




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