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3行アメリカ Daily Life 2004 特別編・「こりゃ、どう見ても薬疹だ」



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(ま)の悲惨なお薬体験記

さて、生まれて初めてアメリカでの病院に行き、「インペタイゴ」(とびひ)と診断された後は、アメリカの薬を体験することになる。今までアメリカの薬など飲んだことが無い、かつ3歳でペニシリン系の薬を飲んで蕁麻疹が出た身としては、おっかなびっくりの体験だ。結論から言うと、いや〜ひどい目にあいました。

ここに、その記録をご紹介。(注意:あくまでも(ま)の記録です。薬に対する体の反応は、個人によって異なります。)
ちなみに、以下の情報を頭に入れて読み進めると、分かりやすいです。

★今回、医師の判断により、使用した薬は3種類(カッコ内は使用目的)。
内服薬は「抗生物質」(2次感染を抑える)と、「抗ヒスタミン剤」(痒みを抑える)。
外用薬は「抗生物質入りクリーム」(2次感染を抑える)。

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1−3日目

抗生物質は『Tequin』。抗ヒスタミン剤は、テレビCMでお馴染みの『Zyrtec』を服用。共にサンプルとして医師からもらった処方箋薬。軟膏は、『Noesporin』(6ドル)を購入して塗る。これは、医師が薦めたオーバーカウンター・ドラッグ(処方箋なしで薬局で買える)。目立った副作用はないものの、腫れも痒みもそのまま。全く効いている実感が湧かない。ツライ。

4日目

サンプルが底をつく。薬局に処方箋を持ってゆき、同じ抗生物質『Tequin』を購入。7日分で25ドルなり。軟膏も無くなったので、成分が全く同じなのを確認して、今回はハリス・チーターのオリジナルブランド『Triple Antibiotic Ointment』(6ドル。容量は倍増。)を購入。抗ヒスタミン剤も、医師が指示したブランドを買おうとしたところ、お世話好きなクリスティン登場。「このブランドが一番一般的だから、これを飲みなさい。」と手渡されたのは、『Benedryl』。カプセルの色といい、何だか古い感じがちょっと気になるが、まあ善意は受け取っておく。その他、痒み止めのクリームやらローションやらくれるのはありがたいが、見るとクリームは茶色に変色している。使うのはやめておこう。
結局、以前と同じ抗生物質、クリスティンがくれた抗ヒスタミン剤、そして新しいけれど成分は以前と同じ軟膏を使用。
状態は変わらず。腫れも痒みもそのまま。薬が1日1錠なので、「毎日3回食後」に慣れた身には、ちょっと物足りない感じがする。

5日目

顔や太ももなど、今まで大丈夫だったところにも新しい発疹が出てきた!子供の頃の蕁麻疹を思い出す。痒くてたまらない。「こりゃ、どう見ても薬疹だ。」と(ひ)が判断。前日から新しく飲んだ薬といえば、クリスティンからもらった抗ヒスタミン剤。親切が、こんな結果になるとは!すぐに服用を止めた。新しい発疹は出なくなったものの、発疹は残ったまま。痒い、痒い。
抗生物質、抗生物質入り軟膏に加え、今度こそ医師の指示した抗ヒスタミン剤『Claritin』(5日分6ドル)を、改めて購入して服用。あまり変化も見られない。というか、とびひに湿疹まで出来て、泣きっ面に蜂の状態が続く。

それにしても、日本ならすぐにでも病院に駆け込むところだ。しかし、(ま)の病院の予約は2週間先。アメリカでも、病院に電話したら、まずは看護婦に事情を話し、すると看護婦が先生に相談をして、先生もしくは看護婦が電話でアドバイスをくれるらしい。しかし、この状態では、そんな面倒なことをする体力も気力もない。また、知人に「…という事情で、ゼネラルドクターに行った。」という話をすると、「そんなんじゃダメよ。皮膚科に行きなさい。くれる薬が全然違うから。」とのアドバイス。アメリカの厳しい医療社会を生き抜く人々は、皆医療に一過言あるのだ。はぁ。

6−7日目

2種類の内服薬を飲み、(ひ)に軟膏を塗ってガーゼをあてて包帯を巻いてもらう生活が続く。以前は左腕だけだったのに、今では両足とも湿疹と痒みで、熱を持ってパンパンに腫れあがっている。おまけに、抗生物質を飲んでいるにもかかわらず、まだ新しい「とびひ」が出てきている。そんな状態で(ま)が考えていたこと。1)病院に電話をしようかな。でも、この薬疹は医師の指示した薬を飲まなかったことから起こっているし。ちょっと後ろめたいな。2)皮膚科に行こうかな。くれる薬がまったく違うそうだし。しかし、また病院を探して、空き具合を聞いて、予約を入れて・・・という手続きが待っていると思うと、ウンザリ。3)ああ、日本だったらすぐに病院に駆け込むのに!

ところで、アメリカにはWebMD(MDはメディカル・ドクター、つまりお医者さんのこと。)というサイトがある。病気や薬のことを、分かりやすく紹介している、有名なサイトだ。医師も薦めていたことを思い出し、「インペタイゴ」の治療の欄を見てみると…

「軟膏…一般に売っている薬は弱すぎて、とびひには効きません。処方箋の軟膏を買いましょう。」
とある。でも、(ま)が使っている軟膏は「一般に売っている薬」だ。げげっ、「弱すぎて効かない」ってどういうこと?!

「ひどい場合は、抗生物質を飲みましょう。」
ああ良かった、これはやっているぞ。しかし、1週間も飲みつづけても腫れが引かないどころか、素人目にも明確に、以前より悪くなっている。ここで大きな疑問にぶつかる。

「…この抗生物質は、本当に効いているのだろうか?」

大体、サンプルをくれるというのが曲者だ。本当に効果が明らかな薬なら、製薬会社もタダで薬を配る必要も無いだろう。そういえば先日、知人が「製薬会社は、効果の不確かな新薬をサンプルで医師に渡すことによって、流通を図る。」と明言していたな。つまり、タダのサンプルを患者にあげたら、医師も同じ薬の処方箋を書かざるをえないわけで、そうなると患者はおのずと、引き続きその薬をお金を払って飲みつづけることになる。何だか、製薬会社の陰謀だ。そういえば、最初に飲んだ抗ヒスタミン剤のサンプルも、全く効かなかったし、、、と考えは悪いほうへ悪いほうへと進んでゆく。薬は「効く」と信じて飲みつづけることも重要な訳で…。自分の考えに、自分で疲れる。

8日目

もう、ガマンの限界だ。朝一番で皮膚科に行こう!そして効き目のある薬をもらおう!!と決心した。ところが朝から(ひ)(ま)家はちょっとしたトラブルに見舞われ、午前中が潰れてしまった。気が抜けたまま、お薬の時間を迎える。途中で服用を止めるのは本当は良くないんだろうけれど。ついに抗生物質を、日本から持ってきた『ジスロマック』(3日飲んで7日効く)に替える。効いてね、と祈るような気持ち。相変わらず、抗生物質入りの軟膏を患部に塗り、抗ヒスタミン剤も服用。痒みは一向に治まらず。薬が効いている実感が無い。氷で冷やしたタオルを患部に当てるのが一番いいと気づき、実践。

9日目以降

目に見えて、手足の腫れが引いてきた。「とびひ」らしきものはもう出てこない。赤黒かった皮膚の色が普通の肌色にもどり、ガサガサだった部分の皮膚が白くなって剥がれ落ち、見た目も随分良くなった。抗生物質は、結局3日分飲んだ。ちょうど一気に治る時期だったのかもしれないので、「やっぱり日本のものは効きが違う。」などと単純な結論を出すつもりは毛頭無いが、効いたのは確かだ。抗ヒスタミン剤は、薬が切れたのをきっかけに飲むのをやめたが、痒みは以前と変わらない。つまり、痒みには全く効いていなかった。軟膏は、今でも気になる部分にのみ塗り続けている。日々、治っているのが実感出来るのは嬉しいことだ。

さて、数日後に迫った病院の予約をどうしたものか。随分良くなったけれど、まだちょっと痒い。知人に相談すると、「電話で状況を話して、医師の判断を仰ぎなさい。」というので、今回は素直に電話をする。しかし、看護婦に事情を話したところ「あなた次第よ。」と冷たい一言。行く価値を感じられなくなり、予約をキャンセルする。また、悪くなったら行けばよい。

さて、(ま)は医療関係者でも何でもないので、専門的なことは何も言えないが、あくまでも自分の体を素材にして、自分なりに観察して導き出した「アメリカの薬 レビュー」は以下のとおり。

★抗ヒスタミン剤

「Zyrtec」処方箋薬。効果、全く実感できず。
「Benedryl」一般に売られている薬。副作用で全身に発疹。
「Claritin」一般に売られている薬。効果、全く実感できず。

★抗生物質

「Tequin」処方箋薬。効果、イマイチ実感出来ず。

★抗生物質入りクリーム

「Neosporin」,Harris Teeterの「Triple Antibiotic Ointment」
一般に売られている薬。普段使いにはよい。

……冷静に考えると、毒にも薬にもならない薬、もしくは毒にしかならない薬ばかり飲まされていたような気がする。薬は「良い・悪い」のではなく「合う・合わない」という部分もあるとは思うが、やはり、アメリカの薬と共に生きてゆくのはツライ、というのが(ま)の実感。改めて『健康第一』などという至極当然の四字熟語を噛み締めている今日この頃だったりする。(ま)



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