<NY編>バンちゃん 7.18.2003
7月の「今月の1枚」は、映画俳優のアントニオ・バンデラスです。出演映画は「マスク・オブ・ゾロ」「スパイキッズ」などなど多数。日本でも以前はスバル「フォレスター」のCMに出演していました(現在は不明)。
以前、増加するアジア人に対応して、アジア人女優の出演が多くなった話はしました。同じことが、いやそれ以上に言えるのがヒスパニック(南アメリカ出身者・植民地時代の名残でスペイン語を話すのでこう呼ばれる)の人口増加で、現在アメリカ合衆国最大のマイノリティー(少数派民族)である彼らを意識するとき、同様にヒスパニックの俳優・女優も必要な訳です。そこで出てくるのが、スペイン語を話せるアントニオ・バンデラス。
とは言っても、彼はヒスパニックではなく、純粋なスペイン人。ヨーロピアンなのです。そもそもスペインで既に人気俳優だったのに、ハリウッド進出に成功、「(歌手の)マドンナを振った男」として有名になるも、ハリウッド女優とW不倫の末結婚、今や映画のプロデュースや監督まで努めるという多彩ぶりです。ミュージカル好きの我が家では映画「エヴィータ」で彼の歌とダンスを見て以来大ファンだったのですが、ある日TIME誌で彼がNYでミュージカルに主演していることを知り、生でバンちゃん(我が家での愛称)の歌とダンスが見れるなんて!と今回の旅行となった訳です。
ミュージカルの話はここでは省くとして(「旅する2人の東西南北 NY旅行編」参照)、終了後楽屋出口から出てきたバンちゃんはファンにサインしながらも、「○×△※!」というヒスパニックの呼びかけに「%△×○#!!」と嬉しそうに返事をしていました。今は英語も堪能ですが、やっぱり母国語の呼びかけには嬉しそうでした。「握手して〜」の呼びかけには "Help yourself!"(どうぞ、ご自由に)という不思議な返事をしていたので、お言葉に甘えて(ま)もサイン中の手をなでなでしてきました。いやー、いい思い出です。
余談ですが、楽屋から出てきたバンちゃんは、テレビでよく見る変な帽子を被り、Tシャツの背中には大きく「NEW YORK」の文字。結構センス悪いのね。初めて見るハリウッド俳優の、イメージが少し変わりました。(ま)
<NY編>アジア人のNY進出 7.4.2003
あれはバブルもすでに崩壊した9年前、当時(ま)が勤めていた会社では「社員全員を海外旅行に連れて行きたい」という先代社長の意思を継ぎ、社員全員に海外研修旅行(行き先は自分で選べる)がプレゼントされた(今思えば、遅れたバブル期だったのね)。そこで初めてNYを訪れて以来、9年ぶりのNYは、当り前だけど色々と変わっていた。
驚いたことのひとつに、アジア人の進出がある。例えば、繁華街には100人以上の中国人が、名前を中国風の飾り文字で書く露天商をやっていた(以前は皆無)。夜になると、あんまイスが出てきて、マッサージの露天商も始まる。又よく知られたことだが、チャイナ・タウンの隣にあるリトル・イタリーは、すでに漢字の看板に侵食されていた。
「もっとも短期間で成功した民族」と言われる韓国人が経営する「デリ」(惣菜屋兼コンビニ)の件数は飛躍的に増え、何とエンパイアステートビルのふもとには、チャイナ・タウンならぬコリアン・タウンまで出来ていた。
少々高級そうなエリアを歩けば、1ブロックごとに寿司屋があり、窓越しにカウンターで板前さんが寿司を握っている風景が見える。今回見た5本のミュージカルのパンフレットには、アンサンブル(いわゆる主演・助演に次ぐ脇役、コーラスなどに参加)として舞台に立つ日本人の名前を見ることが出来た。吉野家もブックオフ(古本屋)も存在し、行かなかったがリトル・ヨコハマもあるらしい。
ビザつきでの滞在者か、移民か、不法滞在者か、その身分は様々だろうが、アメリカはまだ移民の国として変わりつづけているのだな、と実感。イチローや松井だけが、アメリカ進出ではないのです。(ま)
<NY編>アメリカのどこに 7.3.2003
NYで驚いた話、その2。日本からアメリカへ旅行する場合は、異国であるアメリカをたっぷりと味わいたい。しかし、アメリカ地方都市からNYへ旅行する場合は、日本の地方から東京に遊びに行くのと同じで、大都市にしかないものを楽しみたい。ノースカロライナになくて、NYにあるものは多数存在するが、ひとつは気軽な日本食レストランだ。疲れ果てて「今日は何か軽く食べたい」と思っても、まともなうどん屋も蕎麦屋もラーメン屋も存在しないここチャペルヒルと違い、NYでは寿司屋以外にも気軽な日本食レストランがいくつも存在する(はずだ!)。
友人の薦めのあった和食&ラーメン屋に行き、1人10ドル(1200円)程度でお腹いっぱい和食を食べる。おいしいねぇ、と周りを見回すと、ビールを片手に仕事の愚痴をこぼすサラリーマン3人組、接待されつつ「日本にいる奴等はさぁ」と日米比較論を語る人、壁には焼酎のボトルがずらりと並び、店員さんは礼儀正しく、この店の空間だけはすっかり日本だった。帰りにふと見ると、レジの近くに山積みの日本語ミニコミ誌を見つけた。種類が沢山あったので、いくつかを選んで持って帰りホテルで読む。ダンス専門誌あり、日本人専用の弁護士・医者・不動産屋・旅行会社・英語学校等の紹介があり、今週のお勧めレストラン情報があり、駐在員の奥さんは「ワタシ、駐妻(ちゅうづま)で〜す。」とマンガに登場し、何だか読みながらめまいがしてきた。
「日本人がアメリカに住む」と一口に言っても、日本人の生活基盤がしっかりした都市で生活するのと、うどん屋もない田舎で生活するのは大違いだ。どちらが良いか悪いかは一概に言えないが、アメリカは広い。アメリカのどこに住むのか、それによって生活の質は随分変わる。(ま)
<NY編>商魂たくましさ 7.5.2003
NYで驚いた話、その3。読書が好きな(ひ)(ま)家では、慢性的な本不足に悩んでいる。NYには日本の古本屋チェーン店「ブックオフ」が存在すると聞き、ミュージカルが始まるまでの30分間を使って、半信半疑でその場所まで行ってみた。「見当たらないねー」とある一角を曲がった途端、和食屋さん、日本の雑貨とお惣菜やさん(イートイン付き。単身らしき日本人の若者が多数)、ビルの2階には日本のレンタル・ビデオ屋が並び、そしてとあるビルの窓に見慣れた「ブックオフ」のマークが!
店内に入ると「いらっしゃいませー」の声が聞こえ、広いスペースの1階は全てコミック売り場で多数の若者が立ち読みしている。我が家はマンガに興味は無いので、2階に上がる。セールで、ビニールにパックされた「ファッション雑誌と文庫本とCDで3ドル」のセットに目が釘付けになる(ま)。雑誌をあれでもない、これでもないと選んでいると(ひ)がやってきて一言。「こんな1ドルでも売れないようなものを抱き合わせて3ドルで売るなんてすごいな」選び抜いたはずのセットを冷静になってよく見れば、ファッション雑誌はすべて半年以上前のもの、文庫本はこれまた20年前のベストセラー(例:「サラリーマンの父より息子へ30通の手紙」)、CDは10年以上前のアイドルのもの(例:南野陽子)だったりする。あきれた(ひ)が「で、そっちのCDは何?」と(ま)の手元を覗くと、そこには「裕木奈江ベスト」があった。興奮状態で、とんでもないものを買うところだった。しかし、需要と供給のバランスとは言え、日本での究極の売れ残りをアメリカで売ってしまう商魂たくましさには脱帽。でも、「ブックオフ」がノースカロライナにあったら、やっぱり通っちゃうだろうな。(ま)
ガイドブック比較 7.1.2003
夏の旅行シーズンを控え、下調べに余念が無い我が家ですが、この夏の旅の目的地のひとつにニューヨークがあります。日本から持ってきたものもありますが、出来るだけ新しい情報が欲しいので、ガイドブックは図書館で最新のものを借りるようにしています。
この地ほど、ガイドブックの新旧がはっきりしている場所はありません。つまり、発行が2001年のテロの前か後かで、「ワールドトレードセンターに登ってみよう!」か「グラウンドゼロ」の控えめな説明かに分かれます。数冊のガイドブックを読み比べながら、「あの日を境に、本当にアメリカは変わったんだなぁ」としばし想いに耽ります。
さて、新旧のみならず、日本とアメリカのガイドブックも随分と違います。その比較を少々。
日本版
地図が親切丁寧。情報が細かい。写真が豊富。ほとんどの施設(レストラン・ホテル)は誉めてある。貧乏旅行用ガイドブックにもずらりと高級ブランドの店の紹介がある。紹介しているレストランはどれもお値段高めで小奇麗。(そこに行くと日本人率一気にアップ!)
アメリカ版
筆者の「前書き」(私はこの街に住んで○年、…)から始まる。地図が大雑把。(デバートも小店も全て★印で示してある。)写真が少ない。悪口もはっきり書く。(高いだけ。サービスが遅い。NYの最高級日本食レストランなのに寿司がまずい!など)お金のかからない遊び方も多数紹介。必ずゲイ・レズビアン用の情報が載っている。
アメリカ版は、基本的に筆者が責任を持って、独断と偏見でその街の感想やお勧めを紹介している(なので、信じるも信じないもアナタ次第。)というスタンスに対し、日本は一般的な情報を載せているように見せつつ、まあ掲載店からお金とっているんだろうな、という印象です。
何はともあれ、どちらもいいところはあるので、上手に使い分けたいものです。調べ物をしながらすでに心は旅立っているこの頃、ちょっとHPの更新が滞りますが、戻ってきたらお土産話を紹介しますのでお楽しみに!(ま)