(ま)の元職場の後輩で、このHPの愛読者でもあったMちゃんがダンナさんと一緒に遊びに来た。何を隠そう、彼女は新婚さん。 お土産の缶ジュースを見て「これ、Mちゃんちで作ったの?」「いいえ、それは農協ので、そっちのお米が我が家の田んぼで採れた分です。」そう、彼女の嫁ぎ先は農家なのだ!
もう少し詳しく言うと、彼女の嫁ぎ先は、鹿児島県の田舎の農家で、彼は長男。ご両親の家の隣の「離れ」に住んでいる。絵に描いたような田舎の農家の長男の嫁!! 「おふたりのような夫婦になりたいので。」と請われて結婚届の証人欄に名前を書いた(ひ)(ま)としては、大きな環境の変化の中にいる彼女が、ちゃんと幸せに暮らしているか知っておきたいというもの。
新生活の話の中でも印象的だったのは、「地元の人が話している言葉が分からない。」ことと、「田舎の蚊は強力で、免疫がないから腕や足が腫れ上がって、今年の夏は大変だった。」ということ。ダンナさんは「こいつ掻くんですよ。だから余計に腫れちゃって。」と涼しい顔。蚊に刺されたら掻くだろう!と思うのだが、慣れた人は掻かずにガマンするものらしい。そうしているうちに免疫がつくそうだ。皮膚が弱い(ま)としては、恐ろしい話である。いやー、鹿児島の田舎には住めないわ〜、と思いつつ、ハッとした。「言葉がわからず」に「蚊が強力で腫れた」のって、私のノースカロライナ生活と一緒じゃないか。そう、Mちゃんはアメリカに嫁に行ったようなものなのだ。環境の変化って、周囲が心配するより、本人はたやすく順応するものなのかの知れない。うん、何とかなるぞ。お土産の新米をいただきながら、日に焼けて、極細だった体が少し健康的になった彼女を思い出し、今後の幸せを祈るのだった。(ま)
※ちなみに、彼女の新居にはインターネットがない(ブロードバンド回線が家まで届いていない)。Mちゃんよ、再びこのHPを訪れてこのコラムを読んだらメールちょうだいね〜。
このところ、急に冷え込んできた。と、同時に朝になるとやたら喉が乾いている。いよいよ、乾燥の季節だ。今年は(K)もいることだし、早速「加湿器」を買いに電気店へ。アメリカの加湿器の性能と値段を想像していったら、さすが日本。性能も値段も多種多様。店員の言葉に載せられて、つい最新式の「ハイブリッド型」を買ってしまった。
さて、アメリカの加湿器でまず思い出すのは、英語名がやたら難しいということ。humidifier(ヒュミディファイアーもしくはヒュミディフィアー)なんて、下を噛みそうだ。そして、品切れになるということ。乾燥の厳しい冬になって「さて、そろそろ加湿器でも。」と思う頃には、店頭から消えている。NCの冬はやたら乾燥している。おまけに暖炉を焚くので、乾燥度も倍増だ。そんなある日、ムービングセールで加湿器をタダでもらう。「よく洗ってから使ってくださいね。」 喜んで家に帰り箱を開けてみると、驚くべきは構造の単純さ。スポンジを水をしめらせ、それを温風で気化するというもの。そして、さらに驚くことには、タンクにもスポンジにも、びっちりとカビが…。これじゃ細菌を撒き散らしているようなものだ。綺麗に洗ったものの、怖くて使えない。
翌年は、早々に新品を購入。ウォルマートで40ドル位(約4,000円強)だっただろうか。替えのスポンジも同時購入。そして強力な助っ人も。加湿器専用の薬品だ。これを水に入れると、カビの繁殖を抑えられるそうだ。「うーん、今年は完璧だ!!」と、妙に達成感に溢れた秋だった。
そんなことを思い出しつつ、今年は「気化式&温風気化式のハイブリッド、フィルターはポーラスゼオライト、メガアクティブイオン放出」の加湿器で冬を迎える。お値段もアメリカの5倍近くしたぞ。ちなみに、「水に入れる薬品ありますか?」と聞いたら、お店の人から「水道水で十分です。薬品なんか入れたら、故障のものとです。」と呆れられた。(ま)
とは、(ま)の先輩K岡さんからいただいたCD「世界の子守歌」の1・2・3曲目です。何がすごいかって、この3曲で見事に(K)くんが寝てしまうのです。まず1発目は「ね〜むれ〜、ね〜むれ〜」でお馴染みの「シューベルトの子守歌」。曲の半ばであくびを連発し、終わる頃にはうつろな目に。続く2発目は、3曲の中でも最も強力に(K)くんを夢の世界へと誘う「ね〜む〜れ〜良い子よ〜」の「モーツァルトの子守歌」。もうモーツァルトに足を向けて眠れません。そしてダメ押しの3発目「ブラームスの子守歌」が終わる頃には、3曲のトータル約9分でベッドへ向かう準備完了です。
見事優勝を果たした阪神タイガースの「JFK」並みの、(ひ)(ま)家の最強トリオ、重宝させてもらっています。(ひ)
日本では、今年に入って突然、という印象でアスベスト被害の報告が本格化してきた。その危険性は20年以上前から指摘されていただろうに、何を今さら…という気もするが、知らずに吸っていただけで死に至っているというのだから怖い。
さて、(ひ)(ま)の住む築27年の職員住宅アパートも、「この部屋の天井、アスベストじゃない?」と常々思っていた。すると最近、ポストに管理人から書類が。
「職員住宅バルコニー隔て板取替え工事のお知らせ」
読むと「隣室との仕切り板(緊急避難用)として設置している「隔て板」は、『アスベストとけい酸カルシウムをプレス形成した建材』です。」とのこと。で、「通常は飛散の心配はない」が、「住居者への安全を考慮して」アスベストを含まないものに取り替えるという。やっぱりあったか、我が家にアスベスト。取り替え当日は、窓を締め切って、洗濯物は干さないようにとの指示だった。
さて、この対応。環境について意識の高い大学の職員住宅ということで、ちゃんと調査・対応が行われた、極めて良心的なものだと言えよう。今も多くの住宅では、知らん顔して、アスベストが使われていると思うと、本当に怖い。。。(ま)
昔から、他人の赤ちゃんの写真を見せてもらうたびに感じていたことがある。背景が雑然としており、写真として「見づらい」のだ。床に散らばるおもちゃ、布団の端、人の足…。そんなものがチョコチョコと写っていて、素人目にもおかしい。どうして、もう少し考えて撮らないんだろう、と不思議だった。
ところが、自分も(K)の写真を撮るようになり、理由がわかってきた。赤ちゃんは常に床(もしくはベッド)に寝ている。よって自ずとカメラも斜め下を向けることが多くなり、そうなると普段は写真に写りそうにない部屋の下のほうに存在する物まで写ることになるのだ。また、「もうちょっと右に寄って!」などと、普段するように被写体を動かすことが出来ないので、背景も選べない。気付けば、むこうに仏壇まで写っていたりする。「ああ、これが現状だったのね。」と納得しつつ、出来ればスッキリした写真を撮りたいと、その辺のおもちゃを足でどけつつ、ベターなアングルを探すのだった。(ま)
ご無沙汰しています。(ま)でございます。ここ数ヶ月、殆ど更新のない我が家のHPにも関わらず、アクセスしてくださった方がいらっしゃることを(ひ)より聞くにつけ、「うーん、書きたい!」と思う気持ちは強く、やっと書き出した次第です。
ご存知のとおり、(ま)は6月に(K)を出産して、(ひ)と共に初めての育児の日々を過ごしています。なかなかに面白い毎日です。とは言え、このHPを育児サイトにする気はさらさらありません。まぁ、子ども中心の生活なので子どもの話も出てくるとは思いますが、ありがちな「育児はこんなに大変!」的な話は避け、相変わらずの、どうでもいいけどちょっと面白い話、興味深い話を書こうと思っています。そして、今後も出来るだけいろんなトピックについて書き進めていきたいと思っています。という訳で、相変わらずのスローペースですが、のんびりお付き合いいただければ幸いです。久々登場の、ご挨拶でした。(ま)
赤ちゃんのお世話というのは、ある日を境に、慣れないことをいきなり24時間体制でするわけだ。そこに「こうしましょう」と各種アドバイスが入るので、最初の頃は、頭がこんがらがることが多い。
ある日、授乳をしながら、ふと気がつくと、(K)の頭を後ろから支えた手の親指と小指で、両耳をふさいでいた。これは、お風呂に入れるときのポーズだった。授乳中にやっても、意味は無い。また別の日は、ベビーベッドの上でおむつを替えていた。「確か、『赤ちゃんとアイ・コンタクトを取りながら』だったよな。」と、(K)の目を見つめながらオムツを替えていると、視界の端に、放物線が見えた。そして、ジャー、ボタボタという音。「あ、アイコンタクトは、授乳の時だった。」と気づいた時には、見事な放物線の先、床におしっこの水溜りがで出来ていた。(ま)
(ひ)(ま)ふたりが揃ってみる数少ないテレビ番組の一つに、『開運!なんでも鑑定団』がある。視聴者が家に眠る「お宝」(と思われえるもの)を披露し、プロの鑑定士が値段をつけるというものだ。先日、この番組の特番でいきなりノースカロライナが登場した。
それは、タレントの松尾伴内がアメリカの「倉庫オークション」に参加してお宝を探す、という特別コーナーでのこと。この「倉庫オークション」なるもの、我々もはじめて耳にしたのだが、「貸し倉庫の保管料を2ヶ月滞納した場合は、その中身を競売に賭けて処分してよい」という法律に則って行われるものらしい。彼は州都ラーレイまで行き、早速オークションに参加。中身に一切手を触れず、外から倉庫内を見るだけで値段をつけてゆく。どう見てもガラクタばかりの中身に、周囲の参加者は100ドル(1万円)程度の値をつけている中で、ライバルの怪しい巨体のおっさんの高値につられて、4000ドル(40万円)という値段をつける松尾伴内。結局、50万円以上をかけて4倉庫を競り落とし、中身を確認すれば、期待した「金庫」は空っぽで、もっともらしい「宝箱」には子どものおもちゃがギッシリ。結局、日本で価値のあったものは「戦前に輸出されたノリタケの食器一式」と「大きな時計」のみ(各10万円)。番組によると、前回は別の地域でトライして、ワイン数十本やミニカーのコレクションが出て黒字になったらしいが、ノースカロライナでは赤字の結果に終わった。
これを観ながら2人で話したのは、「そもそも、ノースカロライナの貸し倉庫でお宝を探すのは、至難の業ではないか」ということ。土地があるので、お金持ちはわざわざ貸し倉庫など借りずに自宅に保管するだろう。加えて、この「2ヶ月」のルールを逆手にとって、逆に捨てたいガラクタをわざと保管しているような気配すらある。わざわざ見えるところに金庫を置いたりして胡散臭すぎるのだ。それにあの巨体のおっさんは、どう考えてもサクラだろう。「お宝捜しには、ノースカロライナは余りにも場所が悪いよなー」と苦笑しつつ、飛び込んできて札ビラを切る日本人のカモがノースカロライナの経済活動に少々貢献した、と言うことで今回はよしとしよう。(ま)
最近の大きなニュースのひとつに、中国や韓国で反日感情と抗議行動がエスカレートしていることが挙げられる。でも、渡米前に比べると、私は落ち着いてこのニュースを聞いている。「どうして日本は、こんなに他国から嫌われることをするんだろう!」と焦ることもない。どうしてだろうかと考えた。
渡米して数ヶ月の頃、英語クラスで中国人の男性と話していた。ジェット・リーの遠い親戚だと名乗る、怪しいハンサム君だったが、何の拍子かチベットの話になった。「やっぱり、チベットは中国の一部だと思っている人は多いわけ?」と聞くと、「え、チベットは中国だよ。」と彼。「じゃあ、台湾は?」と聞くと、「もちろん台湾も中国の一部だよ。」と彼。「でもさ、独立問題とか、せめて国際的に問題になっているという事実は知っているよね。」と言うと、「え、どうして。チベットも台湾も中国だよ。」と、全く私の言わんとすることを理解しないまま微笑む彼。ここで私は、シンプルな事実を悟ったのだ。
「人の常識は、国によって全く違う。」
それは、大きくは受けてきた教育の結果であろう。だから、世界の人々が自分と同じ知識・認識・常識を持っていると考えることは間違いであり、中でも、育った国が違うとその差は限りなく大きい、ということは理解しておくべきだ。その結果として、自分の想像を遥かに超えた発言も行動も、誰かの「常識」としてまかり通るのだ。この場合、何が正しくて何が正しくないか、というのは判断できない。なぜなら、価値観が違うのだから。今回の中国や韓国の問題だけを話しているのではない。アメリカだって、日本では評判の悪いイラク戦争が「正義」だと信じている人はごまんといるし、未だに原爆投下は是か非か、という議論だってあっている。だからといって、アメリカ人が全員悪人というわけでもない。ただただ、価値観が違うのだ。という訳で、日本と他国の考え方が違うのも納得だし、お互い自分が正しいと思うのであれば、無理に相手に合わせる必要も無い訳で、摩擦も起きて当然だろう。無理に仲良くするのは無理な話しであるからこそ、ギリギリの妥協点を見つけるのが「国際外交」なのだ。
あと、今回は邦人の被害者も出ているようだが、マイノリティとして海外に住むということは、常にこのような危険と隣り合わせだと言う事実も見逃せない。同時多発テロ以降、一般のムスリム(イスラム教徒)の人達もひどい差別に会ったように、日本人の私達だって、いつ何がきっかけで狙われるかは分からない。幸いそのようなことは何も起こらず済んだ3年間だったけれども、価値観の違う国に住んで、いつのまにかそのような心構えと覚悟が出来ていたような気がする。
「世界中の人と仲良くしたい。」という子供が作文に書きそうなシンプルな目標。現実を知れば知るほど、道のりは果てしなく厳しいのだ。(ま) from Cultural Gap
とはいえ、実は暗示に弱い(ま)には大きな不安があった。(ひ)(ま)の住むアパートの、寝室の窓から手が届きそうなほど近くに、1本の大きな木がある。住んでいるのが2階なので、ちょうど葉っぱが目の前にきている。植物オンチの(ひ)(ま)には、この木がスギにもヒノキにも見えるのだ。「これがスギかヒノキだったら、窓なんて開けていられない!」と入居以来不安を感じていた(ま)に、アメリカ時代の友人で、我が家に遊びに来たOちゃんが一言、「デジカメで写真を撮って、アメリカのS君に送ればいいじゃないですか。」
S君はアメリカ在住の植物学者さん。早速、診断をお願いしてみる。すると、早速「スギに似てはいるのですが、多分違うのではないかと思います。スギだったらもう少し樹皮が縦に割れていそうです。」という簡潔なお返事。ほぼ1年続いた(ま)の不安は、これにより、一気に解消した。うーむ、「樹皮の割れ方」で木の違いが分かるとは…持つべきものは、専門知識を持った友人ですね。そういう訳で、暗示に弱い(ま)は、『「サイエンス」級の学者さんにお墨付きをもらった』という事実により、花粉症の症状もまったく出ないままに夏を迎えられそうである。感謝!(ま)from Discover
アメリカで、「風邪をひいたから」とマスクをしている人はあまり見ない。SARSが流行った時に、アジアの人々がマスクをしているのがニュースでやたら映っていたから、アメリカでアジア人が下手にマスクをしていると誤解されそうだ。一方、日本では気軽にマスクを使える。そして春になったら、マスクも衣替えがあることに気付いた。
今年は、4年前には見かけなかった、立体型マスク(タックが付いていてフィット感が高い)ものをしている人を多く見かけた。そう、花粉症用のマスクなのだ。今年の日本は、恐ろしいほどの花粉の当たり年だったらしい。例年の2倍、昨年の30倍の花粉量が予想されるとかで、マスコミはこれでもかと不安を煽り立てていた。花粉対策グッズは飛ぶように売れ、ドラッグストアに行けば予防食品が花盛り。4年前とは比較にならない程の盛り上りで、こうなったら、花粉症にならない人のほうがおかしいくらいの勢いだった。しかーし、2週間ほどでこの盛り上がりもおさまり、結局、(ひ)(ま)の身近にひどい花粉症の人は見当たらなかった。冷静に考えると、NCでは同時期、景色全体が真っ黄色になるくらい松の花粉が飛散しているのに、「花粉症」というのはあんまり聞かない。花粉の種類が違うから?この、日本の盛り上がり方には、何だか暗示的要素も幾分含まれているように思うのは気のせいだろうか?(ま)from Discover
(ひ)(ま)がいない間に、日本ではヒトトヨウという歌手の「はなみずき」という曲がヒットしていたらしい。ちなみに「ハナミズキ」(英語名dogwood)は、ノースカロライナの州花でもある。NCに住むと、この時期にはお馴染みの白い花が美しい。さて、この曲。自分は身を引いても「あなたと好きな人が100年続きますように」という随分しおらしい歌詞なのだが、(ま)には違和感がある。なぜならば、この花にまつわるこんな伝説があるからだ。
『或るところに、ケチな王様がいました。王様は黄金と4人の美しい娘を持っていました。ある日、難問を出し「クリアした者には娘と黄金をやる」と約束したもに関わらず、王様は約束を破って娘も黄金もあげませんでした。怒った神様は、「そんなに黄金が好きなら、一生持っておくがよい!」と王様を醜い木に変えてしまいました。それがハナミズキです。今でもその花には、真中には黄金が、そしてその回りを取り囲むように、4人の娘が4枚の花びらとなっています。』というもの(英語版のNCガイドブックより)。
なんだかなぁ。ちなみに、花の写真はコチラ。(ま)
<実はこの歌、9.11 のことを歌ってるらしいよ(ひ)>
ソニプラこと「ソニープラザ」といえば、カワイイ輸入製品を売る女の子に人気のお店だ。同様に「明治屋」も、こちらは食料品中心の外国製品が売ってあり、何だかお洒落なイメージ。外国人もショッピングしているし。外国のお店って、こんな感じなんだろうな。と、これは渡米前のイメージ。
帰国して久しぶりに訪れると、ちょっと違う側面が見えてくる。アメリカのスーパーに売ってあるただの紙コップや洗濯洗剤が、どうして800円もするんだ? アメリカでは安売りで「3缶1ドル」のキャンペルスープ(はっきり言ってマズイ)が、どうして仰々しくショーウインドウに飾ってあるんだ?これらのお店、外国人にとっては、値段もべらぼうに高い上に、品揃えもイマイチに違いない。しかし、背に腹は代えられず、値段にも品揃えにも目をつぶって買い物している様子は、(ひ)(ま)家が某日本食料品店で正月用品を購入する時の心境にかなり近いものがあるのではなかろうか。そう思って、ソニプラで長時間にわたり品定めをしている20代前半とおぼしきアメリカ人白人女性の買い物カゴをそっと覗くと、チョコバー1本とプリングルス(ポテトチップス)1箱が大事そうに入っていた。気持ち、分かるわ〜。(ま)
ある晩、車を購入したホンダの営業担当者A氏より電話があった。我が家の愛車ホンダHR-Vにリコールが発生したという。「あ、それ知っています。」と驚く様子もない(ひ)。「え、情報早いですね。」と驚くA氏。(ひ)はwebで知ったらしいのだが、内容を聞いて(ま)はビックリ。
「後部左右ドアについて。走行中に窓ガラスを下げると、ドアが開くおそれがあります。」
トラブルの有無を聞かれ、(ひ)は「ウチはふたりしか乗らないから、分かりませんでした。」と答えていたが、そういう問題じゃないだろう!もし子供が乗っていたりしたら、とんでもないことになる。翌日午前中には配達記録で案内が届き、その午後にはディーラーに持っていって部品の交換を済ませた。実害はなかったものの、怖い話だ。アメリカ生活を経て、失敗には随分寛容になったつもりだけれど、命に関わることなんだから、こういう迅速な対応は必須ですね。そういえば、アメリカでホンダCR−Vに乗っていた時もリコールがあって、中古車で買ったにも関わらずちゃんとリコール案内が届いてホンダに持っていったことがあった。そう考えると、昨年発覚した三菱の「リコール隠し」などというのは、殺人行為だと改めて思った。(ま)
「九州で地震は起きない」という九州人の勝手な思い込みを覆し、3月20日に地震が発生しました。ご心配のメールを下さった読者の皆様、(ひ)(ま)は2人とも無事にしています。ご心配、ありがとうございました。
さて、当日は3連休の中日。前日に玄海島も見える海岸沿いの道をドライブして、佐賀県の呼子でイカを食べ、気分がよかったので、そのまま(ま)の実家のある長崎まで南下。という訳で、当日は長崎でくつろいでいました。たまたま、(ま)の両親含め大人4人とも部屋に立っていたところに、ハッキリわかる横揺れ。20秒も続かなかったでしょうか。いざという時って、体が動かないものですね。慌ててガスの火を消したのは(ま)の母。背の高い本棚を気にしたのは(ま)の父。その父を気にしたのは(ひ)。(ま)は食器棚の前でボケッとしていました。後でテレビを見ると、長崎は震度4でした。
心配だったのは、北九州市の(ひ)の実家。地震直後は、電話が通じませんでした。地震発生の数分後には、あちこちの友人達から心配のメールが届き、電話よりメールが通じやすいことに気付きます。大阪在住の(ひ)の妹の携帯経由で、(ひ)の実家の無事を確認。北九州も、震度4でした。 (ひ)(ま)が10年以上住んでいた福岡市は震度6でしたが、友人達に大きな被害はなかったようです。テレビで、ガラスが割れて落ちた天神・福岡ビルを見てビックリ。いつも歩いていた繁華街の中心部のビルの窓が、あんなお粗末な構造だったとは、、、ショックです。
翌日、北九州市の(ひ)(ま)家に帰宅。高速道路でスピード規制があっている以外は、移動はスムーズでした。築30年の社宅アパートもまっすぐ立っており、部屋の中もモノひとつ落ちておらずホッとしました。しかし、ラジオを聞くと、福岡市の高層マンションの部屋では、本や食器が落ちてきた人も多かったようです。(ま)は以前、福岡市でマンションの11階に住んでいたので、他人事ではありません。 最初にも書きましたが、一般的に地震に対する意識が低いこの九州エリア。恥ずかしながら、我が家には「非常持ち出し袋」も「非常食の備蓄」もありません。早速用意しようと思います。(ま)
買い物の途中、(ひ)と(ま)はモールの中にあるスターバックスでお茶することにした。「デカフェあります?」といつもの調子で注文した(ま)に、店員の動きが一瞬止まり、「今は、ちょっと…」と謎な返事を残したまま、彼はしばし沈黙。アメリカでは余りにも当り前のDecafe(Decafeinated つまりカフェイン抜きのもの。英語では、略して「デカフ」っぽく発音する。日本では「ノンカフェイン」や「カフェインレス」とも呼ばれることも。)を、ちゃんと日本語風に発音してオーダーしてつもりだったのに、この沈黙は何だ?コーヒー専門店のはずのスターバックスに、デカフがないのか?!
さて、結論から言うと、結局その場でデカフのコーヒーを飲むことは出来なかった。しかし、その後、訳あってスターバックスの店長さんとお話をする機会があったので聞いてみたところ、実はスタバにもデカフがあるらしい。『本日のコーヒー』に限り、デカフ・バージョンも豆の状態で準備しているそうだ。少々時間がかかるが、間違いなく用意は出来ます、とのこと。以下、参考までに他にも伺ったことも記すと…。「ラテなどで使うエスプレッソは、現在の日本ではデカフ・バージョンは無いため、『本日のコーヒー』以外の商品を作るのは無理。」「日本ではデカフェの需要が極端に少ない」という現実。よって「注文が入ると、店員によっては(あってはならないが)戸惑うこともある」のだとか。よい勉強になりました。
改めて、アメリカの状況を振り返ってみた。コーヒーショップでは、カフェインあり(つまり普通のコーヒー)とデカフのコーヒーが選べるのは当り前。それどころか、マクドナルドにも、ホテルの部屋のインスタント・コーヒーにも、中古車屋さんの待合室にあるタダのコーヒーにも、必ずといってよいほど2種類が用意されている。デカフが無くて仕方なくカフェイン入りを飲んで体調でも崩そうものなら、訴えられるのかも。
「健康志向が強い」と言えば聞こえはいいが、ゼロカロリーでデカフのコークまであって、「そこまでして飲みたいか!?」と笑っちゃう位。そういえば、映画の中にも「スターバックスは、3ドルにも自分の選択を迫られる場所。今日もオーダーしよう。『トールで、デカフで、カプチーノ!』」というセリフもあったっけ。「アメリカは選択の自由が大きい国」などという謳い文句に、もろ手をあげて賛成するつもりはないけれど、今回ばかりは、余りにも当然だった選択肢が日本に無いという事実に突き当たったて、ちょっと驚いている。(ま)from Kitchen
アメリカに行っている間に日本で爆発的に増えていたもののひとつが、セルフサービスのガソリンスタンド。渡米前(2000年頃)は「東京に初お目見え」とニュースになっていたのに、今は多くの店がセルフ給油になっている。アメリカでセルフは当り前なので、日本でも当然利用しているが、今ひとつよく分からないのがお値段。競争の激しい地域では、セルフ店もフルサービス店も同じ価格で並んでいたりして、本当に安くなっているのか怪しいものである。ちなみにそんなフルサービス店に入っても、ガラス窓を磨いてくれるサービスがありがたい位なものなのだが。
ある晩、車を運転していて、ガソリンの残量が僅かなことに気がついた。次の日は、朝から遠出をする予定なので、急いで給油することに。運転していた(ひ)が、「もう、ここでいいや。」とフルサービスのガソリンスタンドに車を止めた。「レギュラー満タンでお願いします。」と言う(ひ)に向かって店員さんが次々と声をかけてくる。
「只今、当店ではレギュラー価格でハイオクをサービスさせてもらっております。ハイオクをお入れしてもよろしいでしょうか。」
次に、濡れタオルを差し出し
「給油に少々お時間がかかります。よろしかったらこれで車内をお拭きになってお待ちください。」
次に、
「当店では、ブレーキランプの点検を行っております。ブレーキのほう、軽く2.3度お踏みいただけますか。(遠くで)ハイ、OKです。」
窓ガラスをピカピカに拭いた後は、
「只今、フロントガラスの防水コートを無料サービスさせて頂いております。フロントガラスのほう、失礼してよろしいでしょうか。」
言うが早いが、2人がかりで液体をフロントガラスに塗りつけてゆく。唖然としながらも、(ひ)が「値段見ずに入っちゃったけど、この店、ものすごく高いかもね。」とつぶやく。そんな我々の心配を余所に
「只今、エンジンの無料点検を行っております。ボンネットのほう、拝見してもよろしいでしょうか。」
さすがに、これは断りました。そして、恐怖のお会計。レシートを見ると、116円/リットル。現在セルフが110円なので、43リットル入れて、258円の差額ということになる。これが安いのか高いのは分からないが、フルサービス店の見事なフルサービスぶりには恐れ入るばかり。「まあ、たまにはHR-V(愛車)にも贅沢だね。」と言いつつ、店を出て振り返ると、店員さんはいつまでもいつまでも、道路でお辞儀をしていらっしゃいました。(ま)from Discover
いまだ渦中の北朝鮮拉致問題。興味深く見守っているわけではないが、一つだけ気になることがある。それは「ジェンキンスさんの里帰り」。今日、そのためにパスポートの申請手続きを始めたとのニュースを聞いた。
北朝鮮を離れて来日後、彼は「故郷の母に会いたい。そして故郷のノースカロライナを娘達に見せてあげたい」と語っていた。その願いを心から叶えてあげたいと思う。北朝鮮ではどのような環境だったかは知らないが、ジェンキンスさんにも2人の娘さんたちにも、あの美しいノースカロライナの地に立ってほしい。カロライナブルーの青い空と木々の緑、空を舞う鳥と咲く花々を感じてほしい。美しい森や湖や海や山を見てほしい。ジェンキンスさんはずっと心にカロライナを思い描いていただろう。そして娘さん達も新しい何かを得られるはずだ。カロライナに流れる優しい時間が、彼らの心を nicely and warmfully に包み込んで癒してくれることを願ってやまない。(ひ)
(ひ)(ま)は2人とも、ラジオをよく聴く。先日、特番で「SMAPの歌ベスト20」があっていたが、上位3曲はまったく知らない曲だった。1位は、「SMAPを代表する名曲です」という紹介と共に紹介された『世界にひとつだけの花』。
アメリカにいた頃に「ナンバーワンよりオンリーワン」(だっけ?)というフレーズが朝日新聞の社説に使われているのを見て驚いたし(社説に歌謡曲!!)、帰国後は、(ひ)が嫌いなオカマのKABA.ちゃんという人が振り付けを担当しており、当時子供が狂ったように踊っていたとも知った。そして作詞作曲の槙原敬之は、(ま)の中では「覚せい剤所持で逮捕され謹慎してる人」だったのが、こんなに脚光を浴びて再び活躍していたのが驚きだった。才能がある人だとは思うけど、麻薬に対する世間(日本)の感覚って結構甘いのね。そんなすごい評判ばかりを事前に聞いて、ついに耳にした「名曲」。感想は、「いやぁ、感動しました。」と言いたいけれど、実は
「SMAPって、こんなに歌が下手だったっけ?!」
というシンプルなものだった。正直な話、聴くのも痛々しかったぞ。ある意味、オンリーワンかも。(ま)from Discover
アメリカにいると、インターネット等で一通りのニュースを知ることは出来ても、どれ程「ブーム」になって盛り上っているかが分かり難い。例えば、すっかりブームを知ることなく、帰国時はすでに「終わっていた」のは「小泉首相」ブーム。勢いのある発言が一般ウケし、写真集を出すほどのルックスだとか聞いていたが、実際にニュースで見ると支離滅裂な発言をするただのオジサン政治家だった。「塩爺(しおじい)」も結局見ず終いだったなぁ。で、どうにか間に合ったのは「ヨン様」ブーム。確かに日本の盛り上り方は異常だけど、まぁ罪は無いわな。
そして最近、すっかり時の人になっているのが「ホリえもん」ことライブドアの堀江社長。どのチャンネルでも取り上げられるし、本人もどんどん出演するし、見ているこっちはかなり食傷気味。まあ、これがブームってやつですね。たぶん、経済が専門でないアメリカ在住の読者の方々は、『「お金で何でも買える」と発言した、ドラえもん似のベンチャー企業社長』くらいしか分かんないだろうけど、考えてみればそれで十分だと思います、ハイ。(ま)
(ま)、映画『The Phantom of the Opera』を語る 2.6.2005
観てきました!映画『オペラ座の怪人』。ミュージカル版を、ウエストエンド、ブロードウェイ、日本、そしてラーレイで計7回観ている(ま)としては、ズバリ「合格点」を差し上げたい出来です!! どれほど感激したかは(ひ)が書いているので、(ま)らしい視点で感想を少々。
・音楽 やっぱり素晴らしい!!文句無しです。映画館の大音響で聞くのも、また良いものです。
・映像 「製作費用100億円!」「最新SFXを駆使!」というほどではありませんが、舞台より映像的な制約が少ない、映画の良さを活かした作りだと思います。(ま)が一番好きだったのは、お墓のシーン。舞台では一番シケたセットなのが、ここでは荒涼とした風景とあいまって、とても美しいものに大変身。石像が並ぶ風景は、サバンナのお墓を思い出しました。
・ストーリー ミュージカルと比べて、少しづつ変わっています。シャンデリアが落ちるタイミングなど、結構重要なシーンさえも。全員での練習風景など、バッサリとカットされたシーンもあります。それでも、2時間の映画としてよくまとまっているのではないでしょうか。
・配役 音楽が主役の映画なので、正直言って「誰がやっても同じ」の心境です。クリスティーンは、歌唱力と映画向きの顔とスタイルで選ぶとこんなところかな、というケロンパ顔。ありがちなハンサムのラウル。怪人も、ジュエームス・ボンド張りのハンサムでした。もっと落ち着いた年配でもよかったような気もします。ちなみに、ファントム役の俳優さんは来日中、上原多香子ちゃんがお気に入りだったとか。
さて、舞台を知っている人が観て、一番違和感を感じるのは、きっと「ベテランのプリマドンナ」役のはず。舞台で巨体を揺らすおばさんは、カーテンコールで一番人気だったりするのですが、映画では細身で嫌味な女性が登場。どっかで観たことある顔だと思ったら、ミニー・ドライバーでした。昔は青春映画のヒロインだったのに、、、しかし、こんなに歌も歌えるとは知らなかった。掘り出しモノかも。
・字幕 CDを聞き込んでいる(ひ)(ま)家は、歌を聴くときは見ていません。でも、セリフや小さな設定まで分かったので、ストーリーへの理解が深まりました。知れば知るほど、クリスティーンは嫌なオンナかもしれません。あと、バラードの歌詞の最後に「!」はいらないと思いますよ、戸田奈津子さん。
・結論 ミュージカルが好きな人ほど、違いが目について文句を言いたくなるかもしれません。しかし、映画は映画として十分に楽しめるものだと思います。ダイエットしたサラ・ブライトマン演ずるクリスティーンと、アントニオ・バンちゃんのファントムという(ひ)(ま)家「夢の配役」は本当に夢で終わりましたが、でも満足です。作曲家のアンドリューも、結構満足しているのではないでしょうか。(ま)
・オマケ マニアのための、(ひ)(ま)家の会話
「クリスティーンがオペラ座の屋上で着るマントは、月光に輝く青緑色でなきゃね。」
「『ドンファン』の時、クリスティンは相手を知らずにデュエットしていたと思っていたが…でも、映画の設定も良かったね。」
「ラウルの最後の水攻めは意味不明だ。」
(ひ)、映画『The Phantom of the Opera』を語る 2.6.2005
What a striking film! ミュージカルの魅力を余すことなく伝えてくれる、素晴らしい映画でした。CMでおすぎが「とってもいいわよっ」などと言っていた時にはどうなることかと思いましたが、やっぱりファントムは本物です。おすぎさんには引っ込んでおいてもらいましょう。
舞台も役者も制限があるミュージカルに比べて、どちらも思い通りに使える映画では華美が行き過ぎになりがちですが(実際「Chicago」では全く別なものに仕上がっていました)、この「The Phantom of the Opera」はミュージカルに忠実に、しかし映画の利点はうまく利用した、ミュージカル好きも納得の一本でした。たとえば冒頭のオークションの後、Overture に乗せて古く蜘蛛の巣のはった劇場が華やかな姿に戻るCGのシーンや、第2幕最初の「マスカレード」の大人数でのダンスシーンなど、映画ならではの演出がこの作品の魅力を実に巧妙に高めていると言えるでしょう。思わず鳥肌が立ったほどでした。終盤の曲「Past the Point of No Return」の部分がミュージカルとは最も違った演出でしたが、ファントムとクリスティーンが舞台上で絡む大熱唱は迫力十分で、おかげで今までは別に何とも思っていなかったこの曲が(ひ)の favorite song リストに加わりました。シャンデリアが落ちる演出をここに持ってきたのも、結果としてはストーリーを引き締めた印象を受けたので◎です。見る度に鳥肌が立っていたラストシーンが、ラストシーンではなくさらに1カット追加されていた時には少々驚きましたが、それはそれで「うん、まあいいか」といった感じのエンディングでした。
なんだかミュージカルとは違う部分ばかりを書いてしまっていますが、基本的には冒頭でも述べたように、ミュージカルの魅力を忠実に再現した、アンドリューが「ミュージカルが後世まで形に残るようなものを作りたい」とコメントしていた意図通りに仕上がった映画だと言えるでしょう。この作品の真の主役である、素晴らしい楽曲の数々の魅力が余すことなく伝えられているのですから、それだけでファンは何も言うことはありませんね。素晴らしい音楽をありがとう、アンドリュー。(ひ)(ま)家でも大切な保存版として、このファントムフィルムのDVDが出たら即、購入します。それにしても、ファントムがバンちゃんだったらなー、惜しい!
映画化されたことで、より多くの人の目と耳に止まり、その魅力が伝えられることでしょう。後ろに並んでいた、お父さんと一緒に見に来ていた中高生風の姉妹とか、ちゃんとミュージカルの良さが分かってくれたかな〜?。この映画がきっかけで、NYのブロードウェイを訪れる人も増えるといいですね。やはり生の魅力はこの上ないものですから。このHPの新コーナー、525600もどうぞよろしく!(ひ)
おそるべし、100円ショップ 2.5.2005
広い店内に一歩入って、足がすくんだ。そう、ここは日本の100円ショップ(税込み105円)。3年前に比べて、恐ろしく進化していたのである。お馴染みの安っぽいプラスチック製品に加えて、多種多様な食器に台所用品、インテリアやガーデニングのグッズ、本にCD、化粧品に下着や子供服に至るまで、ありとあらゆるものが、広大な店内に揃っている。「これが100円!」と思えるお値打ち品から、「100円とはいえ、誰が買うんだ?」という品まで、とにかく何でもアリ。 アメリカにも1ドルショップはある。しかし、商品はどれも「1ドル以下で作ってまーす。」「売れ残りを集めました。」と言わんばかりの質の低さ。その意識で日本の100円ショップを見ると、ちょっとカルチャーショックなのだ。冷静に考えれば、当然「100円で売って利益が出るように作っている商品」ばかりなのだけれど、この品数の多さは、そんな思考回路を一時停止させるだけのパワーを持っているような気がする。おまけに、販売戦略も巧みになっていて、数個の商品を合わせて初めて商品として成り立つ仕掛けになっていたりするのだから始末が悪い。(例:本とCD、ケースと本体、など) 当時、引っ越したばかりだった(ま)は、「本当に必要なものだけ、必要なものだけ。」とつぶやきながら、厳選して買い物カゴに商品を入れたつもりだったが、レジで精算すると3150円になっていた。あらら。
100円ショップ最大手の「ダイソー」は、今や街のあちこちにある。反感を感じる一方、なぜか(ひ)(ま)の住む町には無い。仕方ないので、一度だけ
ボストンバッグを持ってJRに乗って、隣町の「ダイソー」まで買出しに行ったことがある(まだ車を買っていなかったのだ)。
でもその後、100円ショップで買った商品には、いまひとつ愛着が持てないことに気付く。思うに、少々高くても、好きなデザインのものを買って大事に使うほうが性に合っているのだ。それ以降、100円ショップには足を向けていない。でも実は、親しい外国人の友人が来たら連れて行きたい場所のひとつでもある。日本の企画力と商品力とデフレが理解出来る絶好の場だと思うので。(ま)from Discover
おまけ天国 2.5.2005
昨年12月に、各銀行のポスターを見て動揺した(ま)。「ボ、ボーナスキャンペーンはどこへ行った?!」 そう、ボーナス時期の楽しみといえば、定期預金を作るともらえる各銀行のノベルティー。景気の後退と共に内容は貧弱になったとは言え、過去10年間でお弁当箱にトートバッグにポットにタオルに手帳にマグカップにクッションに旅行があたるクジまで、色んなものがもらえた。友人の中には、銀行独自のキャラクターグッズ欲しさに、普段は縁の無い都銀にまで行く人もいたほど。それが一切、見当たらない。見つけたかと思えば、「ピーターラビットの絵皿プレゼント≪100万円お預けの方≫」…ってアンタ、そんなお金あったら自分で好きな皿を買うよ! 銀行員の弟に聞くと、ここ数年でそういうキャンペーンはすっかり無くなったとのこと。今は、お金を借りてくれるお客さんのほうが大事なのだそうだ。しかし、ただでさえ金利はないも同然(1年定期で0.03%)なのに、庶民のささやかな楽しみまで奪うのね…と淋しい気分になる。アメリカはオマケどころかポケットティッシュもくれなかったけれど、普通預金でも金利がよかった。それはそれでいいのだ。なぜならば、アメリカのオマケには期待できない。日本のように、凝ったキャラクターグッズというのは存在しないのだから。
銀行は期待できない日本だけれど、その他は以前よりすごいことになっている。ペットボトルのジュース1本にも、オマケがついているのだ。集めているつもりはないのに、我が家も見渡せば、ガンダムフィギアにアメコミフィギア付きキャップ(ダイエットペプシ)、もらい物のドラえもん手品トランプ(セブンイレブン)、クーの歯ブラシ立て(ジュース)、JR九州「かもめ」携帯ストラップ(お茶)などなど、捨てるのも忍びないほど立派なものがゴロゴロしている。「こんなモノいらないから、安くしたらいいのに。」と思うのだが、これが目当ての人も結構いるらしい。いろんな種類があるので、集めだすと止まらないのだとか。中には、オマケと商品にかける費用が完全に逆転しているモノも見受けられる。300円の箱菓子の中身は、コレクターがいるほどの凝ったおもちゃ(例:新撰組の隊員フィギア)とラムネが1粒。これを、スーパーのお菓子売り場で大人が真剣な顔で選んでいるのだから呆れる。日本人はよっぽどオマケ好きなのだ。(ま)from Discover
ある一日 1.30.2005
特別なことは無かったのだけど、今日1日の話など。まず、今日は市議会議員の選挙だった。投票所が余りにも近かったので歩いて行くことに。投票所の前にある候補者ポスター一覧の前でボンヤリと、誰に投票しようかしばし考える(ひ)(ま)の様子は、まさに駅前の食堂のショーケースの前で「どれ食べよっか。」と悩む姿と同じ。我々はまさに浮動票。と思いきや、同じようなポーズの年配の方も結構見られた。自分の車にステッカーを貼って、支持政党や候補者を堂々と応援するアメリカの大統領選挙と比較すると、いかに政治に関心が薄いか納得させられる風景だ。
その後、買い物をしていると、前の店で2000円で買ったクリームが、次の店で1500円で売っていることを発見。「えーっ、ショック!」とうなだれる(ま)を前に、(ひ)が一言。「よし、リファンドしよう。」 アメリカでは当り前のリファンド(返品)。「やっぱり、気に入らなかったから。」などの理由でも気軽に出来る(じゃあ、何で買ったんだ?!)アメリカと違い、果たして日本でそんなことができるのか? モノは試しと前の店に戻ってみると、意外や簡単に返品に応じて2000円を返してくれた。(どうでもいいが、購入時についたお客様ポイントはそのままだった。) 日本人の奥ゆかしさで、こんな便利なシステムの利用を躊躇しちゃいけないよな。今後は気軽に利用しよう、と決心。
夜、(ひ)が担当した授業のテストの採点を手伝いながらラジオを聞いていると、「本日の選挙は、投票所がテロ攻撃の対象になりました。」とのニュース。一瞬驚いたが、イラクでの話だった。こうして、平和な日本の夜は更けてゆく。(ま)
イチゴ摘みキット 1.29.2004
1月も後半に入り、八百屋の店先にも手の届く値段でイチゴが並ぶようになった。今年初のイチゴを口にして「うわぁ、日本のイチゴだぁ!」と感激した(ひ)(ま)家。日本のイチゴを食べたのは実に4年ぶり。以前は「博多とよのか」が市場を席巻していたのに、今は「博多あまおう」というブランドが売り場を占めている。「甘い!」「ジューシーだ!」 そう、アメリカのイチゴは、同じ名前の別物だった。大きくて酸っぱくて、硬くて中にスもある、野性味のあるフルーツ。
アメリカ生活で最初に「屋外で遊んだ」経験は、日本人のU田さんが企画した「イチゴ狩り」。システムを簡単に説明すると、まず、季節限定でオープンしているイチゴ畑のゲートをくぐり、勝手に摘んで食べる。それは無料。持ち帰りたい分を摘んで、量り売りしてもらう。市価より安くて、1ポンド(約450g)で2ドル位。それが面倒な人には、すでに摘んだものも売ってある。お手軽なレジャーだ。 我が家から車で20分ほど走ると、見渡す限りの大海原ならぬイチゴ(の葉)海原が広がる。グリーンの葉っぱをめくると、大きなイチゴが顔を出す。日の当たり具合によって、赤かったり緑だったり。無心に食べるもよし、摘むもよし。とはいえ、酸っぱいのでそんなに沢山は食べれない。「アメリカだから、農薬いっぱいかかってそうだよね。」などと言いつつ横を見てビックリ。準備万端なS先生の手元を見ると、片手には水の入った紙コップ。食べる前のイチゴを一度水に浸して農薬を洗い落としパクリ。いいアイディアだ。ほかの人を見ると、練乳を持った人あり、溶かしチョコを持った人あり。それをつけて、みんな美味しそうに食べている。日本人の創意工夫に感心しつつ、次回は我々も忘れずにもってこようと決意。
さて、次の「イチゴ狩り」のチャンスがやって来た。(ま)がアメリカ人の友人と行くことになったのだ。張り切って用意した、小さな箱に並べた2つの紙コップ。中には水と練乳。そして横には紙ナプキンをセット。これを片手にイチゴ畑に行ったはよいが、少し遅れたのが災いして、誰とも会えない。仕方なく、大海原に一人。時々食べつつ、もくもくとイチゴを摘む。この孤独感。もう帰ろうかと思いかけた頃に、やっと友人達に遭遇。そして、私の手元を覗いた彼女達は、「これ見て!(ま)のイチゴ摘みキット!!」と、私の準備万端さに大ウケ。アメリカ人は、こんなこまめなことはしないのだ。 それ以来、友人達の間で「(ま)のイチゴ摘みキット」は長く語り継がれることとなった。ああ、恥ずかしい。(ま)from Kitchen
「昭和ノスタルジー」へ、ようこそ 1.21.2005
(ひ)(ま)は現在、(ひ)の勤務先である大学のキャンパス内にある、社宅に住んでいる。帰国してから家探しの手間がかからないと喜んだのもつかの間、最初にその実物を見た(ま)は、直後に精神性の風邪で寝込んでしまった。築27年モノの4階建て鉄筋アパート、いわゆる「団地」。畳と壁は塗り替えてあるものの、床は軋み、窓は傾いて開かないものもある。パラパラとこぼれる低い天井、トイレは蓋なし、お風呂は真四角のステンレス。柱や壁のいたる所に、釘や画鋲を打った穴。キッチンの扉のベニヤは剥げかけ、「公共住宅型タカラ・スタンダード」のステッカー。見るだけで侘しくなる。オマケに、窓の側には巨大な杉の木がニョッキリ。花粉の時期はどうなる?! これまで、実家(一軒家)とワンルームマンションとアメリカのアパートしか住んだ経験がない上、(ま)の社宅のイメージといえば以前勤めていた会社のもの(住んでないけど)。バブル期に土地を買って建てた、総費用を戸数で割ると一戸1億円になる「億ション」だった(らしい)。冷静に考えればそれと比べる方が悪いのだが、「家具を入れて小物を新しく揃えれば、住みやすくなるよ。」と慰められつつ、泣きつつ入居。確かにそのとおりで、随分生活にも慣れてきた。
すると次に気になるのは、ご近所の人々。入居前は、伝統的「社宅」イメージの”密接なお付き合い”を予想し、「生協に誘われたらどうやって断ろう。」などと考えていた。が、近所づきあいは殆ど無し。入居者の回転も早いらしく、お菓子を持って4件挨拶に行っても、2件が「来月には引っ越しますので」。 場所柄お医者さんが多いのだが、準夜勤が終わってから12時過ぎに帰宅し、庭に植えた芋を懐中電灯で照らしながら観察していたり、ゴミの日に出ているのはほとんど発泡酒缶、となんだか質素な生活ぶり。奥様は専業主婦が多く、毎日毎日、ベランダに布団と洗濯物を干している。雑草だらけの公園では子供達が遊び、のんびりした時間が流れている。
そして、給与明細を見てビックリ。家賃は、青空駐車場込みで1万5千円だった。この能力主義の時代に、社宅があってしかもこの価格。日本のカイシャの伝統的福利厚生に感謝するしかない。
そんなある日、我が家に遊びに来た友人が、2人続けて同じ感想を漏らした。
「懐かしい〜! 子供の頃を思い出します。昭和って感じですね。」
聞くと2人とも、子供の頃は転勤族もしくはお父さんが製鉄所勤務で、「社宅住まい」だったらしい。(ひ)(ま)の住むアパートは、外観・内装・入居者の雰囲気全てにおいて、その頃の雰囲気が見事に残っているそうで、ノスタルジーを感じるのだとか。そういう訳で、平成も17年目に入り、来年は平成生まれの大学生も登場するこの時代に、昭和の雰囲気を保ちつつ日々を生きる(ひ)(ま)家であった。(ま)
懐かしきアメリカの味は遥か 1.20.2005
アメリカでアメリカ人から「日本食が恋しいかい?」と聞かれるたびに、「普段はそうでもないけど、特定のレストランの特定のメニューが恋しい。」と答えていた。レストランとは言っても、大学の近所の定食屋だったり、屋台のラーメンだったりするんだけど。帰国してからは、逆もまた真なり、と気付く。
アメリカのあのレストラン、、、ではなく、ファーストフードが妙に恋しくなる時があるのだ。バーガーキングの定番メニュー、巨大なワッパーwithチーズ。ハーディーズの人気No.1、シックスダラー・バーガー。そしてケチャップをつけたポテトと、紙コップのダイエットコークもしくはアイスティ。しばしば食べていた訳ではないけれども、旅行の移動中、どことも知らない街のインターステートを降りて、しばしの休息と共に口にしていた5ドル前後のアメリカンなあの味を、時々からだが求めている。 しかし残念ながら、日本でそれらの味とボリュームにめぐり合えることはない。日本では、アメリカでさえ最後の選択肢だったマクドナルドが幅を利かせている。(先日試しに食べてみた。やっぱりマズかった。) また別の日に、(ひ)が衝動的に「入ろう!」と車を止めたケンタッキーでは、バーガーセットの小ぶりさに耐えかねて「チキン6ピースを一つ!」と注文し、
「お持ち帰りですか?」と店員に聞かれ、「いえ、店内で食べます。」と答えて驚かれていた。
ポテト用のケチャップも、頼んでやっと2袋くれるありさま。アメリカじゃあ、わしづかみで最低5袋なんだけどな…。確かに、チキンはアメリカより塩辛くないし、蜂蜜をかけるビスケットは日本ならでは。でも、ドリンクのお代わりもできないし、なんだかつまらない。
そんなある日、雑誌で、長崎の佐世保はハンバーガーで有名だとあった。さすが米軍基地の街である。 ここなら、求めているハンバーガーに近いものが食べられるかも、と期待して出身者に聞くと 「ハンバーガー? 飲んだ後によく食べますよ。博多でいう、『飲んだ後に屋台でラーメン』の代わりみたいなもんですね。」とのこと。それらのハンバーガー屋は、飲み屋街にあるそうだ。やっぱり、純粋なアメリカの味を見つけるのは難しい。(ま)from Kitchen
※(ま)が読んだ佐世保の記事。「ビッグマン【ハンバーガー】」のところをクリック。ちなみに、文章内の「午後3時になっても」は「午前3時」の間違いらしい。
悪徳企業はどこへ行った? 1.20.2005
渡米する前年の2000年に、乳製品で有名なスノーブランドの「Y社」の杜撰な製品管理が発覚し、多くの食中毒患者を出し、企業倫理が問われたことは記憶に新しい((ま)の中では)。「帰国しても、このメーカーの製品だけは買うまい」と心に決めていたものだ。その後も、某ハム会社や某ドーナツ会社の製品管理の問題が発覚したニュースをアメリカで聞き、「この会社、もうダメかもね」と思っていた。悪事を働いた会社は社会的に厳しい非難にさらされ、壊滅的なダメージを受ける、というアメリカ版の社会正義みたいなものが頭の中にあったのかもしれない。
しかし、帰国してみれば、例のハム会社のソーセージは相変わらずの人気で高値だし、ドーナツ店もあちこちの駅前で元気に営業中。さすがに乳製品会社の商品は見ないな、と思っていたら、ある日、とんでもない事に気がついた。その会社、名前を変えていたのだ。我が家の冷蔵庫を見ると、牛乳もヨーグルトもみごとにその新社名「M社」の製品。だって、今や売り場で一番幅を利かせているメーカーなんだもん。姑息な手段に呆れるやら、自分が情けないやら。ここは「喉元過ぎれば何とやら」の日本であることを思い知らされた出来事だった。(ま)from Kitchen
ところによって、悪癖 1.14.2005
渡米して初めて「アメリカってスバラシイ!」と思ったのは、何を隠そう、いつでもどこでも「洟(鼻水)がかめる」ことに気付いた時だった。だって、すごいのだ。男性でも女性でも、人前でも食事中でもお構いなし。その辺の紙ナプキンで、ブーッとやっちゃう。鼻炎気味で、学生時代の授業中は「どれだけ目立たずに鼻水に対処するか」に集中力の半分を使っていた(ま)が、もしもアメリカで学生生活を送っていたら、きっと日本より2ランク高い大学に進学していたハズ。(ちょっと言い過ぎ?)とにかく、アメリカの公共の場での「洟かみ」に対する鷹揚さは感動モノである。こんなみっともないことを平気でする人々に、「日本人はスープを音を立てて啜るのでマナーが悪い。」などと言われる筋合いは無いよな、と思いつつも、「郷に入りては郷に従え」すっかりそのアメリカ式行動様式を身に付けた(ま)。ここは鼻炎者天国だ。ちなみに、ヨーロッパ人はハンカチで洟をかんで、そのハンカチをポケットに戻すが、さすがにそれは真似できなかった。
そんなもろもろのアメリカ的行動様式を身に付けたまま日本に帰って、あっマズイと思うことが時々ある。その一つが、トイレの2回流し。日本の女子トイレでは、特に若い女性の場合、個室使用中の「音」を消す為に2回流す。それを防ぐ為に「音姫」なる擬音発生装置もあるが、基本はやっぱり2回流し。対してアメリカでは、誰もが平気で、その「音」を響かせているのだ。ちなみに(ま)はアメリカで、周囲がアメリカ人の時はアメリカ式を、日本人が一人でもいると日本式を使い分けていた。よって帰国後は日本式になるはずなのだが、ちょっと気を抜くとアメリカ式になりかけていて慌てることがある。でも、よく考えたら生理現象なんだからねぇ。おまけに2回流すってことは、水も2倍使っている訳で。新年早々、お下品な話でスミマセン。でもこのアメリカ式だけは、めずらしく環境に優しかったなぁ、本当に。(ま)from Discover
今年も終わり 12.29.2004
今年は、アメリカからの帰国、(ひ)の就職、日本の新しい土地での生活スタートと、大きな変化があった1年でした。帰国後も変わらずこのHPをご愛読いただいた皆さん、どうもありがとうございました。また、新しい読者になってくださった皆さん、ようこそ。特に、我々の帰国後、新しくNCで生活を始めた方がこのHPを読まれていると聞くと、不思議な気分になります。NCでの生活が実り多からんことを。そして(ひ)(ま)の滞米中、日本でこのHPを読んで見守って下さっていた方々。距離的にぐんと近くなりました。お会いできると良いですね。
アメリカにいた頃は、日本にいる家族や友人に思いを馳せたものですが、今では、アメリカにいる友人に思いを馳せることが多くあります。2人で思い出話をするのはもちろんのこと、テレビを見ていても、お笑いの青木さやか氏を見ては仲良くしていただいたK夫妻の奥様を思い出し、プロ野球ホークスの城島選手を見てはDUKE大のM人君を思い出し、テーブルマジシャンの前田友洋氏を見てはNCSUのS水君を思い出しています。みんな元気かな? 来年も、相変わらずのマイペースで、このHPを続けてゆきたいと思っています。ご愛読いただければ、幸いです。世界のどこにいても、よいお年をお迎えください。そして、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
HAPPY ROOSTER YEAR !!(ひ)(ま)
デューク違い 12.29.2004
(ひ)(ま)の住んでいたエリアには、ノースカロライナ大学(UNC)とデューク大学(DUKE)という2つの大きな大学があって、伝統的にライバル同士。それぞれに属している人は愛校心も強いのだろうが、某国立研究所勤めの(ひ)がいる我が家は中立的立場。ご存知のように(ひ)がUNCバスケの大ファンであるのに対し、両方の大学のキャンパスをウロウロしていた(ま)は、「もし、学生として4年間過ごせるなら、DUKEのほうがいいな。」とDUKE寄り。バスケも「DUKEのほうが点が入るから見てて面白い。(JJのことですね。)」と発言して、(ひ)から冷たい目で見られている。そんな我々なので、帰国のお土産には両校のグッズを買い求めたのだった。節操無くってゴメンナサイ。
さて、ある早朝、ゴミ捨てに行った帰りに、水道のメーターをチェックしているおばさんに会ったので挨拶した。すると、おばさんは(ま)の着ていたパーカーの胸元を見て「ウォーキングですか?」とニッコリ。しばらくして、(ま)はおばさんの大きな誤解に気がついた。
今、日本では「デューク更家(さらいえ)」という、もとアパレル業界勤め、現在モナコ在住のウォーキングの専門家がすごい人気だ。彼の開発した「ホッ!ホッ!ホッ!」という掛け声と共に上に組んだ手を左右に振りつつ歩くウォーキングをするだけで痩せるとか健康になるとかで、マスコミに引っ張りだこ、DVDはバカ売れで、ウォーキング教室を開けば全国から宗教のように信仰者が集まるらしい。
そして、わが身を振り返ると、(ま)の紺色のパーカーの胸元には、白地ででかでかと「DUKE」の文字が。
どうやら水道局のおばさんは、(ま)もデューク更家の信仰者と勘違いしたらしい。これは、キャンパスのオシャレな女子学生をイメージして、色も生地も選びに選んだ逸品なのに!!残念だが、日本で「デューク」と言えば、この「更家」氏が「大学」より100倍以上有名だと言う現実の前に、(ま)のお気に入りパーカーは部屋着となるしかないのであろうか。(ま)
(ま)、TOEICの結果が来る 12.28.2004
年末になって、11月に受験した結果が郵送されてきました。結果は、875点(Listening470, Reading405)。TOEICの規定するレベル で言うと最高の「A」、受験者7万9千人の中では、上位2.7%に位置することになります。野望は900点突破(満点は990点)だったのですが、まあ上々の結果と言えるでしょう。
以前にも書きましたが、ノースカロライナに「家族」として3年間滞在し、どれくらいの英語力を身についたのか、客観的なスケールが欲しくて、今年2回受験しました。そして満足の出来る結果が出たら、同じような立場の皆さんの参考になるように、勉強のコツなどを書こうと思っていたのですが、これは来年になりそうです。予定より遅くなってゴメンなさい。ひとつだけ言えるのは、「家族」という立場の人間は英語を話さなくても生活が出来がちですが、毎日の生活で逃げずに英語を使うことが、日本で机に向かってウンウン唸りながら参考書を広げるよりも、何倍も効率の良い勉強になっている、という事実です。来年につづく。(ま)from English
健康コンシャス日本 12.27.2004
2003年1月に一時帰国した時、(ひ)は「サラサラ血液・ドロドロ血液」という余りにも医学的でない言葉が頻繁に使われていることに驚き、(ま)は「オゾン発生装置」とか呼ばれるトラノオという不思議な植物が大売れなのに驚いた。このように日本では、健康によいと言われる様々なものがブームになる。海外にいると疎くなるのが、帰国した2004年に耳についたのは、「黒酢」「大豆イソフラボン」「アミノ酸ペプチド」「活性酸素」(これは悪者)「茶カテキン」「コエンザイムQ10」などなど。 名前を聞いただけでは意味不明なものが「健康によい」として大流行。小難し名前のほうが、「ありがたい」感じがするのかな? 科学者(ひ)に言わせると「これだけを体内に摂取しても、効果の程は疑問」らしいが。
問題は、「これで日本人は、以前より健康になっているか?」ということだ。その答えは、懐疑的にならざるをえない。多分、実際の効果の程は不明であっても、「健康食品を口にしている自分」が好きなんだろう。いや、健康食品を食べていないと不安になるのかもしれない。個人の生活だから、それはそれで良いんだけれど、(ま)が問題だと思うのは、これらの健康食品の値段がやたらと高いこと。ブームに乗ってボロ儲けしている人、いるんでしょうねぇ。効果の程もよく分からないまま「健康によい」と言われるものを食べて安心する人と、その気持ちを利用して儲かる業者。物質的に豊かな日本らしい構図である。個人的には「野菜を食べれば?」と言いたいけれど、最近は野菜も高いから、これも一種の健康食品なのかもね。(ま)from Discover
クリスマスですね 12.24.2004
アメリカのクリスマスで一番ショックだったのは、サンタさんの鳴き声(笑い声)が「ホッ、ホッ、ホー」だったことだ。(英語で書くと、"HO,HO,HO") 何だか怖い。そして感心したのは、クリスマスは基本的に家族の集いの時であり、プレゼントは家族同士のやり取りであるということ。でも、今年のクリスマスは(新年も)週末なので休みが少なく、評判が悪いようですね。
さて、久しぶりに日本でのクリスマス。ここまでだったか?と思うほどカップルを中心としたイベントになっており、物欲丸出しの女性向け高額プレゼント商戦が繰り広げられている。(物欲丸出しなのはアメリカも同じだが、どうして女性だけ?)日本人男性は大変だ。ちなみに(ひ)(ま)家では、「去年の今ごろは、ジャマイカだったねー」と懐かしみつつ、(ま)が作ったささやかな食事とケーキを食べ、そして(ひ)が、その昔テレビで見たイギリス王立科学博物館が行う「クリスマスレクチャー」に影響を受けたとかで、「ルービックキューブの6面の作り方」「カエサルの時代におけるローマについて」という講義を行っていた。聴衆は(ま)1人。これもかなり変わったクリスマスである。
それにしても、キリストの降誕を祝う祝日であるこの日。でも、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教はじめ、宗教に根ざした戦争や紛争は、今この時も世界のあちこちで続いている。自分の信ずる宗教が絶対であり、他の宗教を受け入れられない人々の幸せと不幸を考える時、宗教心抜きで楽しむ日本人のお気楽クリスマスに、呆れながらもなぜかホッとする夜です。(ま)
お札の話 12.21.2004
帰国した時、銀行勤めの友人から「お札のデザインが変わる前に帰ってきて良かったね。」と言われたことがある。どうでもいいような気もしたが、帰国してお札のデザインが変わっていると、さすがに隔世の感があるかもしれない。そういえば、渡米直前に発行された二千円札はすっかり見ないし、自動販売機で使えない500円玉を手にしたこともある。あれは何だったんだろう?
さて、今、日本は新札の流通が始まり、あっという間に旧札に取って代わってしまった。もう旧札のほうが少ないくらいだ。しかし、(ひ)(ま)家は未だに新一万円札を見たことがない。それを友人に話すと、よっぽど貧しい暮らしをしているような印象を抱いたらしいが、アメリカ風だと思って欲しい。というのも、普段のアメリカ生活で手にするお札は、1ドル札か5ドル札、高くても20ドル札(2000円強)だ。日本の1万円札に当たる100ドル札は、小さな店だとレジで出しても受け取ってもらえないことすらあるという(偽札を疑われて)。ほとんどの買い物がクレジットカードで済むというのが大きな理由であるが、そもそも1万円札が羽根が生えたように飛んでゆく日本の消費生活のほうがおかしいのかもしれない。とにかく、アメリカ人は現金を持ち歩かない。(ひ)(ま)も財布に20ドル入っていたら、「お、今日はお金持ち。」と言っていた程だ。(今もその習慣が抜けず、レジで慌てることが多い。)
そんな、アメリカで珍しかった100ドル札の思い出話をひとつ。ある12月、ウォルマート(大型安売り店)のレジで順番を待っていると、前に並んでいた肉体労働者系のヒスパニックの人がポケットから大事そうに2枚の100ドル札を出した。カートの中を見ると、小さな女の子用のドレスや子供服が山のように入っている。汗を流して働いたその賃金で、年に一度の、家族へのプレゼントを買っているのだろう。レジの人は、すかしを確認してその札を受け取った。こっちまで微笑ましい気分になる。同じデザインでも、何より美しい100ドル札であった。(ま)from Discover
ほぼ4年ぶり 12.18.2004
もともと九州は「そば」より「うどん」の文化圏なのだが、最近(ひ)(ま)家の住むK市では「豊前裏打会」といううどん屋さん集団が結構な人気だったりする。家の近所にも1件あり、特に(ひ)のお気に入りだ。麺はもちろんのこと、注文ごとに揚げるごぼう天も美味なのだが、(ま)は、長い時には注文して30分近くも、クーラーのガンガン効いた店内で凍えながら待つのがつらかったりもする。それでも時々食べたくなる。昨晩ふらりと行ってみたところ…閑古鳥の鳴く居酒屋に変わっていた。うどんモードになっているが、そこらのうどんでは満足できない。ここは思い切って趣向を変えるべき、と突然だが「回転寿司」に行くことにした。わりとお客さんが入っているチェーン店らしき店に入り、カウンターに腰掛けて(ひ)がボソッと言った。「回転寿司って、アメリカに行く前以来かも。」ということは、4年(以上)ぶりの回転寿司である。
その進化ぶりに(ひ)は満足していた。ちなみにその店は、全皿105円(税込み)である一方、お茶は粉茶、店員も少なく、流れていないお寿司の注文は目の前のインターフォンで、という徹底低コストぶりなのだが、それでも問題があるわけではなく、味もまあまあ。「以前食べた105円寿司が劇的に不味かった」というトラウマを持つ(ひ)も、「これなら、また来てもいいな。」と満足げ。ちなみに、(ま)は酢飯が好きなので、上に載っているネタは、鮮度が悪くなければ基本的に何でもよいのだ。それにしても、この回転寿司というのは、心理的なツボをついたすごいシステムだと思う。目の前を流れていればつい見てしまうし、他人の注文品が流れていればそれも食べたくなる。会計をしてまたビックリ。結構食べても、2人で2千円以下だったのだ。これじゃ、こだわりのうどんと変わらない。
ちなみに、回転寿司は英語で"Revolving sushi"(そのまんま、「回転するスシ」)などと呼ばれている。たしかフランクリン・ストリートにも1件あったと記憶しているが(うどん屋と兼業)、行ったことはない。それにしても105円回転寿司に幸せを感じる(ひ)(ま)家、4年間待って正解だったかもね。(ま)from Kitchen
ちょうど4年ぶり 12.16.2004
2004年の12月16日は、(ひ)(ま)の4回目の結婚記念日でした。1年目は、ハリスチーターの肉屋のカウンターで買ったフィレステーキ肉でお祝いし(かかった費用は30ドル)、2年目はチャペルヒル唯一の三ツ星レストランでのディナーでお祝いし(費用は前年の10倍!)、3年目はジャマイカで至極のバケーションでお祝いした(費用は前年の15倍!!)我々。この調子だと今年はマンションの頭金を払えそうなものだが、今年は初心に戻って、挙式とバンケットを行った福岡市のホテルのレストランでディナーを楽しむことにしました。
現在住むK市から車で1時間。4年ぶりに訪れたホテルは、全てが懐かしく(エレベーターまでも!)、昔は当り前のように足を踏み入れていた建築物を見上げつつ、しばし散策。レストランに向かうと、(ひ)が予約の際に事情を話してくれていたので、奥まった良い席を取ってあり、テーブルには2輪の真紅のバラが飾られ、ゆっくりと食事と会話を楽しむことが出来ました。4年前の当日、お世話になった係の方々も、今はレストランやカフェのマネージャーとして活躍されており、久しぶりに会って4年前のお礼を言うことが出来ました。実はその当時、(ひ)は渡米直前、(ま)は岡山住まいで、距離的・時間的にも限られた準備期間だったのですが、伝説の敏腕婚礼担当者N手さんのお陰で、無事に挙式・披露宴を行うことが出来たのでした。そのN手さんとは今もメールのやり取りがあるのですが、実は昨年ご結婚されていたことが判明し、これまた嬉しいニュースとなりました。こうして、結婚記念日に「戻る場所」がある、「会える人々」がいる、というのは素敵なことだね、と話しながら、満ち足りた気分で帰路につきました。(ま)
やがて哀しきビールについて 12.16.2004
『ノルウェイの森』以来アレルギーのあった、村上春樹の本を久しぶりに読んだ。『やがて哀しき外国語』(講談社)、これが結構面白い。彼が1990年秋からプリンストン大学で生活した体験談が綴られているのだが、時は湾岸戦争勃発時であり、場所は「東部の有名大学」の「インテリ(文化的エリート)」の住む「大学村」であり、様々なエピソードが自分の経験と重なって興味深く読めた。(彼の「大学村」は、チャペルヒルよりもっと小さく閉鎖的のようだが。)
中でも面白かったのが、大学村に住む彼らの生活にはコレクト(正しい)とされる生活態度があり、それは、「読む新聞はNYタイムス」「読む週刊誌はニューヨーカー」「飲むビールは輸入物」「観るならヨーロッパ映画や実験的映画」「聴くのはクラッシックか知的ジャズかオペラ」「車はあまり目立たず、洋服はなるべく新しく見えないもの」なのだという。「レーガンが好きで、スティーブン・キングは全部読んでいる」のは、今風に言うと「ありえない」ことらしい。(ひ)は研究者だけど大学人ではなかったのでよく分からないが、UNCやDUKEもここまで細かいんだろうか。
その中でも、ビールに関しては詳細な記述があり、「飲むのはマイナーな輸入ビール」が基本で、ハイネケンかギネスかベック。アメリカ産でも、サミュエルアダムスやアンカー・スティームはまあOK。クアーズは昔は良かったけど、今は評価が落ちた。学生は、安くてちょっと通っぽいローリング・ロック。ここまで読んで「げー、あの不味そうな緑の瓶のどこが良いわけ。」と思っていた(ひ)(ま)は、次の一文を読んで驚く。
「バドワイザー、ミラー(ミケロブ、シュリッツも)とかいったようなテレビでばんばん広告をうっているようなビールは、主として労働者階級向けのものであって、大学人・学究の徒というのはもっとクラッシーでインタレクチュアルなビールを飲まなくてはならないのだ---というか飲むことを期待されているのである。」
そう、我が家の学究の徒、(ひ)は、輸入ビールもバドライトもミケロブも喜んで飲んでいた。
何が悪い!!
どうやら生活態度的に「知的スノビズム」に至っていなかった我々。でもいいのだ。楽しく美味しく、胃潰瘍が出来るほどにアルコールを楽しめた3年間は、スノッブでなくともワンダフルな日々だった。(これこそが労働者階級的発想?!)でも、確かに、スーパーマーケットにズラリと輸入ビールが並ぶ様は、あのエリア独自の風景だったのかもしれない。(ま)
※ちなみにこの本が書かれたのは1990年代。特にビールの銘柄に関しては、今や「コレクト」でない情報も含まれていると思われる。素直に真似しても、「ちょっとズレている人」になる可能性アリ。知的スノビズムへの道は遠い。
コンビニ怖い 12.14.2004
アメリカ生活でとにかく気をつけていたのは、『トラブルに巻き込まれないこと』。言葉の問題もあるし、出来るだけ病気や事故や警察や裁判沙汰には巻き込まれたくない。(と言いつつ、結局色々ありましたが。)さて、アメリカでも「万引き」(shoplifting)はもちろん犯罪。大手の店には出入口に防犯装置がついているが、小さくゴミゴミしたアンティークショップなどでは、店員さんがさりげなくチェックしている。「李下で冠を正さず」で、店員に挨拶する、お店に入る時も大きなバッグは持たない、買い物の際はレシートは必ずもらうなど、自分なりに「怪しい人物と誤解されないように」気をつけていた。
さて、日本に帰ってコンビニに入ってビックリ。狭い店内に、こまごました商品がずらりと棚に並べられ(まあ、それがコンビニなんだけれど)、誰もが万引きしそうな雰囲気だ。細い通路、小さな商品、少ない店員。アメリカでの緊張感が蘇り、いまだにコンビニでのんびり買い物も出来ずにいる。(ま)
適正デザイン 12.9.2004
アメリカからの荷物が、(ひ)(ま)の帰国から遅れること6週間後で届いた。(ちなみに、同じY運輸の同じランクの引っ越しパックを使って、ボストンからの荷物は3週間で届いたとか。都会っすね。) その間、日本にあるもので殆どことは足りていたのだが、どうもしっくりこないものがひとつあった。それは、食事に使うナイフとフォークだ。日本で手元にあるのは、柄に色やマーブル模様ついているもの。当時は「カワイイ!」と思って購入したのだろうが、今使うと、握った感触がイマイチで嘘っぽいのだ。あと、気持ちが悪いのは、ティースプーンでプリンを食べたり、姫フォークでケーキを食すること。ミニチュアみたいな道具で食べていると、おままごとみたいな気がして美味しくない。
そして6週間後。待ちに待った、アメリカで愛用していたフォーク・ナイフ・スプーンが届いた。特別上等なものではない。セットで30ドルくらいで買ったステンレス製で、毎日使って食器洗い機でガンガン洗っていたものだ。しかし、この手に馴染む大きさ、ある程度の重量感、シンプルなフォーム。これぞ「生活の美」であり、「伝統的なデザイン美」なんだろう。今まで3年間毎日、とは言わないが、結構な頻度でナイフとフォークを使った生活をしていたので、知らず知らずにその良さを分かってきたのかな。例えば、中華料理屋では白いプラスチックの長い箸を使ってもOKだけど、毎日の食卓では木で出来た軽い箸を使ってしっくりくるように、「ナイフとフォークの国」のナイフとフォークは、私の心を落ち着かせてくれる。(ま)from Kitchen
和食器のとまどい 12.8.2004
日本での生活を始めるにあたって、実家に預けていたダンボールを開いていた(ま)は、ギョッとした。やたらとモノが多いのだ。中でも目に余るのは新品の食器。出席した結婚式の引き出物に加え、結婚のお祝いに頂いたものが山積みになっている。
アメリカでは、プレート大・プレート小・ボウル・マグカップが各5枚(客)づつセットになって売ってあり、それを買えば殆どの食事は出来てしまう。我が家の場合は、白い無地のシンプルなものを使っていた。それに、この「コレール」という非常に庶民的なブランドのお皿は、「的確な力で、的確な角度でぶつけない限り」(byアメリカ人の友人)割れないのだ。 よって買い足す必要も殆ど無い。もちろん、電子レンジ・ディッシュウォッシャー使用可能。(そうでないとアメリカではまず売れない。)これらに加えて、日本人ならご飯茶碗と味噌汁椀、あとは大皿を数枚持っていれば完璧だ。パーティーで大人数が来ても、よっぽどのお金持ちで無い限り、紙皿・紙コップでOKだ。山積みの箱を見ながら「こんなにいらないのになぁ。」と思いつつ、しかし、日本で和食の生活を始めると、すぐにその謎が解けた。
和食には、おかずそれぞれに食器がいるのだ。ご飯茶碗と味噌汁椀に加えて、煮物には煮物鉢、焼き物には焼き物用の平たい皿、箸安めに小鉢。洋食だったら洋皿も必要だし、お客様向けの日本茶、コーヒー・紅茶用もそれぞれ必要だ。様々な色や柄、土の違いも有る分、毎日同じ食器を使うのも気が引ける。そうなるとおのずと食器の種類は増え、そのくせ形も高さもそれぞれで、重ねにくいものばかり。そして当り前だけど、セット物のうち数枚は必ず割れる。日本のお宅で食器が溢れかえった食器棚をしばしば見るが、理解できないこともない。とは言え、自分がそうなりたいとは思わないので、和洋どちらにも使えそうな気に入った食器を厳選し、小さな食器棚に入る分だけ出して利用している。
そういう訳で、今もダンボール2箱分の新品の食器が押入れにあり、現在利用中の食器が割れる日を待っている状態だ。バブリーなウエッジウッドも漆椀も、出番が来るのはいつの日か。最近の一番の恐怖は、結婚式の引き出物で「使えない」食器をもらうことだったりする。(ま)from Kitchen
見上げると、アメリカ 12.3.2004
アメリカと日本の違いは数々あれど、身近な景色に、ふとアメリカを思い出すことがある。そして、そのうちの2つは空にある。
ご存知の通り、(ひ)(ま)家はアメリカの国立公園巡りが大好きだ。≪「旅する2人の東西南北」国立公園編その1、その2を参照ください。≫ しかし、結局行かず終いだった場所として、ニューメキシコ州のホワイトサンズ国定公園やカールスバッド国立公園がある。後者は名前の通り、コウモリが群れをなして飛び立つのを見ることができるスポットだ。さて、夏の夕暮れ時、我が家の近所では、暗くなりかけた空に木の葉のような物体が飛び回る。そう、コウモリだ。鳥とは一線を画す、不気味に不安定な飛び方をするコウモリを眺めつつ、「これで、カールスバッドに行った気分になっておこう。」と自分に言い聞かせている。餌付けしてみたいけど無理かな? ちなみに、日本には吸血コウモリは生息していないそうなのでご安心を。
(ひ)(ま)家の近くには空港が無いのに、時々すごいジェット音が聞こえることがある。隣の市に、航空自衛隊があるのだ。ある日曜日の朝、(ま)がキャンパス内を散歩していると、するどいジェット音と共に、アメリカ空軍が誇るブルーエンジェルス((ひ)(ま)はサウスカロライナで見学)ばりの戦闘機が4機編隊を組んで抜けるような青空を飛んでいるではないか。これはどうやら航空自衛隊の曲芸チーム、ブルー・インパルスのようだ。2機ずつの編隊が組み合わさって途中から4機の編隊になったり、編隊を組んだまま角度を合わせて機体を傾けたりと、ひとしきり曲芸を見物させてもらった。アメリカで見たショーを彷彿とさせる風景だった。しかし、ブルーエンジェルスを実際に見た人間から言わせてもらえれば、機体同士の距離がまだまだ離れすぎていましたね。(エンジェルスは最小90cm!) 後でニュースを見ると、基地で航空際があっていたらしい。それにしても、あのスピードといい、飛行距離といい、結構ガソリンを食っているに違いない。その予算、イラクの復興か東北地震の被災地回復に使ってください、と思うのは私だけだろうか。(ま)
「ニート」違い 11.26.2004
英語で"neat"(ニート)という単語を辞書で引くと、「きちんとした、小奇麗な」とあります。具体例として挙げると、几帳面な(ひ)の仕事ぶりは、アメリカでのボスS氏より「(ひ)の実験は、いつもニートだね。」と評価されていました。また、そのS氏の家は、近所の中では一番小さいといいつつも(それでもディナー用と朝食用(それも夏用・冬用別)の部屋がそれぞれある)、イギリス人らしく美しく飾られており、まさに「ニート」なお宅でした。そんな「ニート」という言葉に大変よい印象をもっている(ひ)(ま)家は、最近違和感を感じずにはいられません。
今週起こった、両親殺害のニュースの中で「犯人の若者はいずれもニートでした。」と聞いてビックリ。そう、日本では”働かず、教育や訓練も受けていない若者”を「ニート」(NEET=Not in Employment, Education or Trainingの頭文字)と呼ぶそうな。よく見れば綴りが違いますが、日本語発音する限り、音は同じ。意味が余りにもかけ離れているために、聞く度に何だかヘンな感じです。ちなみに、これは日本の造語で、こういう意味の「英語」はありませんので念のため。あと、文法的には最後のorはnorではないのかという疑問も残ります。兎に角、今の日本に64万人いる「ニート」が、英語の意味での"neat"であれば、日本ももうちょっと違う国になるのかもしれませんね。(ま)from English
映画といえば、怪人も気になる 11.26.2004
映画といえば、ミュージカル好きの(ひ)(ま)家(新コーナー「525600」もヨロシク)にはたまらない映画も公開されます。それは『オペラ座の怪人』(アメリカで12月22日公開、日本では?)。言わずと知れた、天才アンドリュー・ロイド・ウェーバーの代表作です。(ま)はミュージカルを計7回観ています。《本場イギリスで1回(随分前のなので、もしかしたらサラ・ブライトマンだったかも?英語分からず。)、日本で3回(劇団四季。申し訳ないが、所詮は和製。)、アメリカで3回(ブロードウェイは最高!)≫ 実はこの映画、最初は怪人役に、我が家のアイドル、俳優アントニオ・バンデラスの名前が挙がっており、そうだったらもう最高〜!!と話していたのですが、残念ながら実現しなかったようです。それでも、美しいあの音楽が、映像と一緒に永遠に残されるというだけで感激です。絶対DVDを買います。webで予告編を見ると、英語が分かりやすくなっており、怪人のマスクも数種類あるみたいで、舞台との違いも楽しみです。願わくば、同様にアンドリューのミュージカルを映画化した『エビータ』みたいに、映画ならではのスケール感溢れるを作品になっていて欲しい。うーん、待てないわ。(ま)
※英語のオフィシャルサイト。FLASH SITEで音楽が聴けます。
(ひ)(ま)、初登場首位をゲット! 11.25.2004
〜〜cnn.co.jp からの記事です〜〜
19-20日の北米週末興行収入(速報値)が21日、明らかになり、ニコラス・ケイジ主演の最新作「ナショナル・トレジャー」が3530万ドル(約37億円)で初登場首位に立った(ロイター)。
何を隠そう、この映画
「ナショナル・トレジャー」には、(ひ)(ま)が出演しているかもしれません。「旅するふたりの東西南北」のフィラデルフィア編にも紹介していますが、(ひ)(ま)が訪れたときにちょうどシティーホール前で撮影していたのです。ほらほら、主演女優らしき人も出ているでしょ。このシーンでペプシのトラックが見えたら要注意! 小さく(ひ)(ま)が映っているかもよ〜。
それにしてもフィラデルフィアに行ったのは去年の10月なので1年以上前。結構長い時間をかけて、ようやくの封切りになったのですね。もうボツってお蔵入りになったのかと思っていたので一安心。DVDが出たら買おうかな。(ひ)
(ま)、英検準1級に合格する 11.24.2004
ネットで速報を見たら、2次試験の面接も合格していました。という訳で、晴れて『英検 準1級 合格』です。ちなみに、(ま)の英検受験を笑っていた(ひ)は、「1級に合格したら『いっきゅう(一休)さんフィギア』をプレゼントする。」と宣言したものの不合格だったため、「じゃあ、準1級に合格したら『じゅんいちグッズ』をプレゼント。」と宣言したものの、「『じゅんいちグッズ』って何だろう? 稲垣潤一のCD?いや、石田純一の素足の写真集?」と困っている様子。
さて、合格も決まったところで、(ま)は今回の英検の2次試験にモノ申したいことがある!それはズバリ、
面接官の英語が、あまりにも下手だった!!!!!!
英検のHPはもちろん、模擬問題集を見ても、面接官は白人のイラストが描かれ、こっちもそのつもりで出かけていった。準2級の面接会場を廊下からちらっと覗くと、5名以上いる面接官は全員、日本人。まあ、級が低ければそんなこともあるよな、と思い直して、準1級の会場に入った私は唖然。30代の英語教員らしき日本人男性が「ハロー」と座っている。確かに、(ま)はネイティブスピーカーと喋れるよい機会だと、この面接を楽しみにしていた。でも、だからといって、面接官が日本人だからというだけで文句を言っているのではない。問題は、面接官の発音が、完全な「NOVA英語」(完全な日本語なまりの英語)なのだ。(語学学校の古いCMにあった「ユー・ドロップト・ア・ハンカチーフ」、覚えています?)ハッキリ言って、発音だけ言えば、私のほうが滑らかでした。話す内容も、英語のニュアンスが分かってない日本語直訳型英語だし、正直言って、「こんな面接官に評価される私って…。」と唖然としながら面接を受けました。面接前に(ま)が気にしていた、「面接官がイギリス出身で、私のアメリカ英語を聞き取りにくいと思われたらどうしよう…。」という悩みは、全くの杞憂に終わりました。しかし、彼(面接官)が本当に学校の英語教師だとすると、こんな発音で習う子供達が可哀想…と学校の英語教育に不信感を持った1日でもありました。
その後、機会があって他の地域で英検の面接官をしている方に話を伺ったところ、「準1級だけは外国人が面接官のハズなんだけど。」とのこと。そもそも、英検の面接官の英語力の評判が悪いということで、何年か前から一定の資格を持っていない先生は面接官からはずされてきているが、地方によっては面接官の人材が集まらずに、昔からのお友達関係で成り立っている試験会場もあるらしく、「ひょっとしたら、それに当たったのかもしれないですね。」とのことでした。(ま)の受験地であるK市の実情も、そんなもののようです。それとも、その「一定の資格」に発音の良し悪しは考慮されていないのか??? 合格したから別にいいけど、これで不合格だったら怒るところでした。なんだかんだ言っても、日本でも英語力の評価基準としての認知度の高い英検受験はこれにてひとまず終了。次は、年末までを目処に、TOEIC受験の報告をアップする予定です。(ま)from English
(ま)、英検準1級を受験する 11.15.2004
「英検1級」を勇ましく受験し、あっさり不合格だった話は以前書いた。満を持して再トライ、と言いたいところだが、あのようなマニアックな語彙力を身に付けても、実生活に役立ちそうにもない。それに、受験料も無駄にしたくないしな。という訳で、プライドより実を取って、今回は「英検準1級」にトライ。結果から言うと、1次試験(筆記)は合格。それも結構高得点で。2次試験も受験が終わって、今は結果待ちの状態。最終結果が判明したら、また報告します。
そもそも、何でこんなこと(英語の検定試験の受験)をしているのかというと、前もちょっと書いたけど、一番の理由は「3年間のアメリカで生活して、どれくらい英語が身についたのか知りたい。」という単純なものだ。自分の留学や就職という立派な理由ではなく、単なる家族として渡米して、でもそれなりに努力した場合、どれくらいの力がついたのか知りたいのだ。このHPを読んでくれている、同じ立場の「家族」の皆さんへの参考にもなるかなァとも思いつつ。
という訳で、今回の1次試験のデータと、経験を通して身に付けた具体的なアドバイス(問題集選びから実際の受験まで)
をまとめました。興味のある方はどうぞ。(ま)from English
なかなかな、『世界不思議発見!』 11.13.2004
『日立 世界不思議発見!』というテレビ番組で、アパラチアン・トレイルの特集があっていたので観た。これが、なかなか良かったのですよ。我が家も毎年遊びに行っていた≪旅行記はこちら その1、その2、その3、その4≫、ノースカロライナ西部にある「グレート・スモーキー・マウンテンズ国立公園」も、「アメリカ49の国立公園の中で最も人気がある公園」としっかり説明されていた。(ま、他州への通り道なのと、入場料がタダなのと、近くに他の国立公園が無いから、という現実的な説明は無かったが。)アパラチアン・トレイルの所々でロケをしており、帰国後に知る新情報もあったりして面白い。ここでは、新しい知識をふたつご紹介。
・ペンシルバニアのセントラリアには、坑道に残った無煙炭が、40年前の火事以来ずっと地下20mで燃え続けている。その広さ約40エーカー。地表は熱く、水蒸気が観察される。このまま、250年くらいは燃えつづける予定なのだとか。(行ってみたかったなー。)
・アパラチアン・トレイルには「トレイル・エンジェル」なるものが存在する。彼らは、3,500kmのトレイルを歩きつづけるハイカーに、ボランティアで食べ物や休憩所を提供する人々なのだとか。その1人が紹介されていたが、20年前の自分のトレイル経験を元に、当時お世話になった人々への恩返しのつもりでやっているそうだ。(久しぶりに、アメリカの相互補助の精神を見た。感動したぞ。)
今まで、「黒柳さんは答えを教えてもらっているに違いない。」by(ひ)という感想しかなかったこの番組。しかし今回は、優しいアメリカの自然の景色に癒され、しばし懐かしい思い出に浸った秋の夜だった。(ま)
永遠の片想い 11.10.2004
髪を切ろうと、近所の美容室に行った。美容師がひざまずいて「今日はどのようにいたしましょう?」と聞き、シャンプーの後に頭皮から肩までのマッサージまであるのは、アメリカと随分な違いだ。ま、値段も違うけど。
さて、日本に帰国して驚いたのことに一つに、街なかの美容室の多さがある。渡米前はカリスマ美容師ブームだったから、そのブームで量産された美容師が市場に出回っているという訳か。そんな中でも、ひとつ気になる美容室がある。半年前に近所にオープンしたのだが、店の前にはハーレー・ダビットソンが置いてあり、ガラス張りの店内にはコカ・コーラのプレミア物らしきグッズが並べられ、まだ若い店長は、ヒマな時には店内でダーツをしていたり、店の前でごついラジコンを操作していたりする。つまり、「俺って、アメリカンなものが好き。」というのを店全体で主張しているのだ。(余談だが、ほとんど客はいない。)
そんな店を見ていると、チャペルヒルのフランクリン・ストリートにある某ショップを思い出した。窓に「アイ・ラブ・ワサビ」「アイ・ラブ・ソイソース」と書いたバッグをディスプレイした店を覗くと、そこは何と美容室だった。日本かぶれのオーナーなのか、内部にも日本を意識した小物が飾られ、お客さんに使うケープはキモノの柄である。日本(のカワイイもの)を愛するその心意気には感心するが、ハッキリ言って、日本人から見るとやっぱり「なんちゃってジャパニーズ」なのだ。件の美容室も、アメリカ人から見たら笑っちゃう「なんちゃってアメリカン」なんだろうな。異文化に憧れて、それも取り入れても、その文化に同化はできない。永遠の片想いって奴だ。(ま)
中指問題 11.10.2004
アメリカで手の甲を相手側に向け中指を立てると、それは相手にとってすごい侮辱のサインだ。どれくらいすごいかというと、テレビにこの行為が映るときは、モザイクがかけられるほどだ。ま、日本でヘアヌードや死体が映らないのと同じですな。ちなみに、ボストンではこれを日常的に使う人も多いそうだが(友人談)、ノースカロライナで「生」でこの行為を目撃したのは、3年間住んで2回だけだ。良い子の皆さんは、くれぐれも使わないように。相手によっては、トラブルになっても文句は言えない行為です。
さて、すこし前の話になるが、中国でサッカーのアジア大会が行われ、日本チームが大ブーイングで迎えられたというニュースがあった。もともとサッカーは、ヨーロッパでは勝敗によっては殺人も起きるほど国をかけた熱狂的なスポーツだし、中国という国にマナーを求めるのも無理なような気がするので、それは置いておくとして、私が問題だと思ったのは、『報道ステーション』(知らない方のために解説。久米宏の『ニュースステーション』は終了し、その後釜のニュース番組です。)での報道映像だ。スタジアムの中国人が、日本人サポーターに向け罵詈雑言を浴びせ掛けている、それも中指を立ててニヤニヤしながら、という映像を、繰り返し流していた。(毎日何度も、それを何日間も。)私は見るたびに軽いめまいを感じた。だって、アメリカでは放送禁止の行為ですよ。それが日本の地上波で繰り返し流される衝撃は、海外生活の中で自分の中に芽生えた、異文化に対するセンシビリティ(倫理に対する識別能力)に直球勝負を投げかけるものだった。テレビ朝日の映像を構成する人って、アメリカの「中指」に対する神経質さを知らないのだろうか。知っていて公共の電波で繰り返し流していたのなら、かなりの無神経さだ。この映像を見た在日アメリカ人も、私以上に驚いただろうなぁ。今更ながら、ジャネットのポロリを見たアメリカ人の衝撃が、やっと理解できた気分だ。
そんなことを考えていた矢先、映画雑誌をめくっていたら「ハリウッド女優のキャメロン・ディアス ラブラブの相手は、ジャスティン・ティンバーレイク」という他愛の無い記事があった。その見出しの下についているのは、パパラッチに向けて中指を立てているキャメロンの写真だった。大女優をヨイショする記事なんだから、使用する写真ももう少し厳選して良いのではないでしょうか。よりによって中指写真・・・他国のタブーだから関係無いと言い切ってしまうならば、国際理解など遠い話である。 from Cultural Gap (ま)
議論の後の斬り合い 11.5.2004
それは昔、(ま)が中学生の頃。『江戸時代の、会議中の意見の相違がそのまま斬り合いに発展する日本と違い、ヨーロッパでは議論を戦わせた後、今まで敵同士だった相手と握手をし、共に食事をする。』というのを聞いて、えらく感心したことがある。確かにアメリカでも、クラス中は意見が対立する人でも、クラスが終われば普通に冗談を言い合い、少なくともその後の関係が悪くなることは無かった。その一方、今年のNHKの大河ドラマ「新撰組」で、意見の相違から毎週のように誰かが暗殺されるのを見ていると、ああ、中学生時代に習ったことは本当だったのかも、と思うようになった。
先日、英語で学ぶ市民講座に参加した時のこと。子供に対するメディアリテラシー教育のビデオの感想を述べる場面で、皆が余りに褒めちぎるので、ちょっとひねくれたくなり、「本当にこれが学校教育で必要なのか? 自ずと学んでいくものではないか?」と反論してみた。(ちなみにビデオの内容は、「テレビで人が空を飛んでいるのは特撮であり、本当は空は飛べない。」「ドラマの殺人は役者さんの演技であり、本当に人が殺されているのではない。」等々を説明してゆくもの) すると、ある女性がムキになって反論してきた。私は、論理的だなぁとか、英語が上手だなぁとか思いつつ、たぶん微笑みながら聞いていたのだと思う。クラスが終わった後、彼女と同じエレベーターになったので「何階ですか?」と聞くと「地下2階。」と無愛想な答え。その後、私の「お疲れ様でした。」の声もむなしく、彼女は私を完全無視して去っていった。今まで言葉を交わしたことも無い彼女の、無視の理由は、先ほどの意見の対立しか考えられない。唖然としながら、「ああ、クラスは英語だけれど、議論の相手は日本人だってことを忘れていた。」と、日本式の議論のありかたを再認識した1日だった。ま、エレベーター内で斬られなかっただけ良かったかも。(ま)from Discover
虐待されても、ハイ!オアシス 11.4.2004
ある夏の日、台所の窓を開けた(ま)は驚いた。窓越しに見える社宅の駐車場の車の中に、子供がチャイルドシートに固定されたまま眠っているではないか。午後4時の灼熱に照らされ、社内の温度はかなり高そうだ。「こ、これって、パチンコ屋で発生する幼児放置?!」アメリカなら、幼児虐待で即・警察に連絡だ。(ニューオリンズでは、車に残された犬を見つけて警察が出動する騒ぎを見たこともある。)(ま)が焦りまくっていると、15分ほどで母親らしき人がやってきて、その子供を連れ去っていった。「よく眠っていたから、ちょっとそのままにしておいたの。」という風情で。その後も社宅からは、叱られて家から追い出された子供が、玄関の前で「お母さ〜ん」と泣き叫ぶ嗚咽が延々聞こえたり、お風呂場から子供の絶叫が聞こえたり、アメリカだったら「近所から通報を受け、虐待の咎で即・逮捕」的な行動がしばしば見られた。怖すぎる。よく考えたら、アメリカで「子供を泣きっ放しにさせる親」というのはあんまり見かけなかった気がする。文化の違いだろうか。でも、そんな日本の風習にも慣れなきゃね、と自分に言い聞かせる。
そんなある日の夕方7時頃。日も沈み、薄暗くなった人気の無い道を(ひ)(ま)は歩いていた。と、突然曲がり角からランドセルをからった少女がこちらに向かって1人でトボトボ歩いてくる。人気の無い道に、幼い少女。「アメリカだったら、あというまにキッドナップ(誘拐)だ。」2人とも心の中で驚いていた。と、突然その少女は、すれ違い様、見知らぬ我々に向かって元気よく「こんにちは!」と挨拶するではないか。そう、この学区では、子供がやたらと見知らぬ人にも挨拶をするのだ。いわゆる「ハイ!オアイス運動」というやつだ。元気の良さに犯人がひるみ、キッドナップを防止する効果があるかもしれない。しかし、外国人から見れば「日々親に虐待されても見知らぬ人に挨拶をする、健気な日本人の子供」に見えるだろうな。(ま)from Discover
プロ野球 2004(1)〜(3) 10.28〜12.15.2004
ここ最近話題のプロ野球問題。楽天ではなくライブドアに新球団を作って欲しいという以外、今となっては正直言ってどうでもよい。しかしそんな(ひ)にも、プロ野球に思いを寄せていたことがありました。何度かに分けて振り返ってみることにしましょう。続きを読む・プロ野球2004 編(ひ) from Sports
初心者の呪文 10.26.2004
時々、このHP宛てに「車の運転が慣れなくて…」というトランアングルエリアの新人さん(?)からメールを頂くことがある。(ま)も同様だった。日本で5年間運転しておらず、いきなりアメリカで運転を再開。小さな失敗は数知れないが、滞在中3年間無事故で過ごすことが出来た。そんな(ま)が、最初の半年間、運転のたびに呪文のように唱えていたセリフはこれだ。
『左折は大きく、ゆっくりと。』
このセリフ、左折のたびに唱えてください。気分が落ち着きます。
そして現在、日本国内では実に8年ぶりに、車を日常的に運転している。アメリカで3年間右側運転をしていた身としては、いろんなことに戸惑いを隠せない。例えば…(カッコ内は、アメリカ事情)
・子バエみたいなスクーターがいる!(バイクも車と同じ車間距離が必要。だってハーレーダもん。ちなみにスクーターは絶滅種。)
・歩行者がいる!(NCに歩道はない。道路際を歩いているのは、よっぽど貧しい方々です。)
・右折・左折の直後に、歩行者用横断歩道がある。(NCに歩道はない。…以下同文。)
・車線合流などで、道を譲ってくれない!(NCでは「お先にどうぞ」精神が徹底。)
・皆、クラクションを頻繁に鳴らす。(NYならいざ知らず、NCの方はめったなことではクラクションを鳴らしません。)
・雨の日でもライトをつけない。(ワイパーを動かす時は、ライトもつける義務あり。)
・皆、ウインカーを出している!(「絶対」ではないので、突然の車線変更有り。コワッ。)
という訳で、今日もウインカーを出したつもりでワイパーを動かしつつ、日本の道と格闘しています。いずれ帰国する方へ。いくらアメリカでは不要でも、「ウインカーを出す」と「巻き込み確認」の習慣は、キープしていたほうがよいかもしれません。(ま)from Discover
今、日本のレストランで起こっていること 10.20.2004
友人とランチを食べに行った。そのお店は、ドレッシングで有名なパスタのピエトロ(福岡が発祥の地なのですよ)系列のレストラン。ドアを開けたとたんに目に入ったのは、店内に溢れる女性達。皆が一箇所に集まって、皿を片手に黙々と何かをつかもうとしている。見るとそれは、『サラダバー』だった。そう、日本では台風の連続上陸による野菜価格の高騰が続き、野菜不足に悩む人々がここぞとばかりに野菜を皿にてんこ盛にしていたのだった。その真剣な眼差しは、ちょっと恐ろしい程。店員さんも次々と新しく野菜が入ったボウルに取り替えているのだが、押し寄せる人並みの勢いには間に合っていない。
午後1時が過ぎ、人のピークも過ぎだところで、恐る恐るサラダバーに近づく。アメリカのサラダバーと違い、ドレッシングがベトベトのマカロニやマヨネーズの中にポテトが浮いたようなサラダではなく(←でも大好き)、本当に野菜を使ったサラダが10種類ほどある。しかしよく見ると、やっぱり青菜系の野菜は少なく、根菜類や山菜類を多く使った、努力の跡が見られるメニューだった。台風の影響は色んなところに出てくるものだ、と思いつつ、プチトマトを6個も食べてしまった。(ま)from Kitchen
F君の近況 10.12.2004
(ひ)(ま)より数ヶ月遅れてダーラムにやってきた、日本人のF君。日本で所属する教室同士が共同研究をしていたので、(ひ)は以前から面識はあったものの、いきなりアメリカで車で10分の距離に住む「ご近所さん」になろうとは。渡米初日は(ひ)(ま)家にご宿泊。その後も一緒に飲んだりと、アメリカで仲良くお付き合いさせてもらっていた。
そして、(ひ)(ま)の帰国から遅れること数ヶ月。F君はめでたく日本で職を得て帰国。場所は、(ひ)(ま)家が住む福岡県。やっぱり「ご近所さん」になったと言えよう。そして、九州上陸初日はやっぱり(ひ)(ま)家にご宿泊。(翌日は、いきなり台風21号の洗礼を受けて足止め。)
トランアングル地区でF君とご親交のあった皆さん、F君は元気にしています。
そして今週、横浜で開催される「生化学会」。別々に申し込んだにも関わらず、ポスター発表が隣同士。どこまでも「ご近所さん」なF君と(ひ)(ま)家なのでした。という訳で、ちょっくら横浜まで行って参ります。(注:もう帰ってきちゃいました。)(ま)
異言語交流 10.11.2004
せっかく身に付けた英語を使う環境が欲しいので、(ま)は、英語で学ぶ市民講座に通っている。60歳代と思われる日本人女性が、堂々と英語で自分の意見を言っているのを聞くとよい刺激にもなる。さて、そこで、不思議な光景を目にした。それは、イギリス人のベバリー先生と、授業の運営をサポートする施設の職員の方(日本人)の会話である。
職員:「プリントを用意しました。配りましょうか?」
先生:"That'll be great. Thank you. Do you have something to announce to students today?"
職員:「いいえ、特にはありません。」
延々こんな感じで、日本人は日本語を、イギリス人は英語を話しながら、意思疎通が出来ているのだ。きっと、ふたりともある程度お互いの言葉が分かっているから、これで会話が成り立つに違いない。外国語は喋るより聞いて理解するほうが楽なので、こういう会話になるのだろう。(母国語の違うカップルにも、しばしば見られるパターン。)しかし、誰とでもこんな風に、違う言葉同士で会話が出来たら、どんなに楽だろう!ドラえもんの翻訳機を使っているみたいなこの不思議な会話に、プリントそっちのけで聞き耳を立てしまうのであった。(ま)from English
はしごデート 10.10.2004
我が家に車が来たので、週末にドライブをすることにした。何処に行こうかと考え、「久留米」に決定。独身時代も時々デートコースにしていた、福岡県の南部にある久留米市に行く目的はただ一つ、久留米ラーメン。 とんこつラーメンは博多(福岡市)が有名だが、久留米のラーメンも独特の美味しさがある。そして(ひ)(ま)家の凄いところは、そのラーメンをはしごするのだ。しかし、時の流れは色んなものを変えていた。
車で約1時間半、まずは「日本一美味しい」by(ひ)という「大砲ラーメン合川店」へ。繁華街の小さな本店から釜分けしてもらった30年の歴史を持つスープが売りのこの店は、本店と違って駐車場も広く席数も多く、待たずに清潔な店内で本店と同じ味が楽しめるのでお気に入りだった。ところが、その店があったはずの場所に行って驚いた。そこには大型ショッピングモールが建ち、駐車場待ちの車が長蛇の列を作っていた。慌てて見回すと、すぐ傍の一角に怪しい建物が。看板には「大砲ラーメン」。狐につままれたような気分で近づく。やっぱりここが目指した店らしい。しかし、そこには長蛇の列。仕方ないので並ぶことにする。3年半に間に、変わったところばかりが目に付く。例えば・・・
・待ちの行列の中で、平気でタバコを吸う人が多いこと!灰皿まで設置されている。田舎だなぁ。
・新しい建物は、古い学校の建物を移築したとかで、外には二宮金次郎ならぬ「汁宮麺次郎」なる銅像が建ち、店内も、待合スペースは「図書室」、厨房は「給食室」などと書かれている。不必要な装飾。食べ物屋としては、まずい兆候だ。
・店内の席数は減っているような気がする一方、メニューは増えている。
・調理の様子を見ると、具として、以前はゆで卵が贅沢に半個入っていたのに、今は薄切りになっている。
色んな変化に、少々ショックを受けつつ待つこと20分(遅い!)。出てきたラーメンを一口啜って、「う、うまい!」と(ひ)。幸いなことに、味は変わっていなかったようだ。
次に目指すは、久留米ラーメンと言いつつ、佐賀県に存在する「大龍ラーメン」。昔と変わらない「小汚い郊外のラーメン屋」の雰囲気にホッとする。タクシーの運転手さんや近所の大学の学生がふらりと立ち寄って注文するラーメンは1杯400円也。これまた変わらない味を堪能して…と言いたいが、かなり満腹になりつつ、どうにか完食。お腹をさすりながら傍に流れる筑後川に沈む夕日を見て、帰路についたのだった。(ま)from Kitchen

困った外観の大砲ラーメンとチャーシュー麺 ※ 定番の大龍ラーメン。店から筑後川の夕日を望む
「私サイズ」の勘違い 9.25.2004
そろそろ本気で車を買おうと考えている。アメリカで(ま)の乗っていた車はHONDAのCR−V。駐車場で、戦車のようなフォードの4WDに囲まれたCR−Vを見るたびに(イメージ的には、ランクルの横に並んだパジェロミニ)、「かわいい〜、まさに私サイズ。」と悦に入っていた(ま)←身長152cm。(ひ)もお気に入りで、2人して「帰国しても同じ車に乗れたらいいね。」と話していた。
さて、日本に帰って道行くCR−Vを見て「懐かしい」と思いつつ、ナンバーを見て絶句。CR−Vは何と3ナンバーだったのだ。 そして何より、日本で見るとやたらデカイ。ちっとも「私サイズ」ではないのだ。こんなのによじ登っていたのか…とあきれつつも、足はホンダのディーラーへ。ちょうどマイナーチェンジ前だとかで、車両価格200万円を切る値段で売られていた。しかし、やはりデカイ。日本の細い道や狭い駐車場、そして高いガソリンや税金を考えると、あまり実用的とは言えなそうだ。と、その横にHR−Vという名前の車が。CR−Vより一回り小型で、4WDではなく街乗りをイメージして作られたものらしい。運転席に座ると、懐かしいCR−Vの目線が待っていた。そうそう、これだよね!と(ひ)(ま)共に興奮状態。予算は少々オーバーなのだが、この楽しい気分には替えられない。という訳で、(ひ)(ま)家にとって初めての新車が、只今鈴鹿の工場で着々と作られているのです。(ま)
※これで安心して、以前書いていた車なしネタをふたつアップできます。(Daily,Kitchen)
ところ天ブルース 9.25.2004
まだ車を買っていないので、買い物は慎重を極める、という話を以前書いた。今も状況は変わらない。しかし、買い物は随分上手になった。基本的に買い物は週に2回。コンビニは使わない。よって、買い物カゴに入る商品は、かさ(体積)と重さとカロリーのバランスを考慮し厳選されたものばかりだ。この選択に残らないものの例を挙げると、例えば「貝割れ大根」。軽いのだが、容量の割にかさがありすぎる。4パック100円なんて、とんでもない。他のものが運べないではないか! そして「ペットボトルの麦茶」。1.5リットルの水を抱えて帰るくらいなら、麦茶パックを買って自分で沸かす! 他に「もずく」。カロリー無いしなぁ。極めつけは「ところ天」。容量の半分は水である上に、カロリーもないし、食事の一品にもならない中途半端モノ。うーん、許せない!!
スーパーまで歩きながら、色んなことを考える。30年前の主婦は、ほとんどが歩いて買い物をしていた訳で、それは本当に大変な「家事」であっただろう、とか、必要なものだけを厳選して買う徒歩での買い物は、体力だけでなく実はお金の節約にもなっているのだ、とか。でも、もちろん、車があればラクだろうな、と思うこともある訳で、蒸し暑い日の昼下がり、売り場で「ところ天」を見る度に、ちょっと複雑な気分になる今日この頃である。(ま)from Kitchen
始発、もしくは終点の人 9.25.2004
新しい街に住んで、何が慣れないって、主な交通機関がJRということだ。(ひ)(ま)が20代を過ごした福岡市の中心部は、地下鉄もバスも発達していた。地下鉄で空港まで15分。離陸40分前に出発しても飛行機に間に合った。バス停では同じ行き先のバスが数珠つなぎで来て、空いたバスを選んて乗れたものだ。そしてアメリカでは、どこへでも車で移動する生活。そんな、ちょっと便利がよすぎる生活に慣れた身には、ここK市での生活はかなりしんどい。まず、10分かけてバス停まで歩き、1時間に2本のバスに乗り、JR駅まで10分。そしてK市中心部までJRで25分。そこから更に、バスやモノレールで目的地まで行くので、スムーズに行って片道1時間の計算だ。(ひ)(ま)家が住んでいる西区は、K市で最も人口が多い区なので決して田舎に住んでいる訳ではないのに、一事が万事この調子。疲れ果てて、「車は生活の必需品」と、やっと気付いたのであった。
しかし、(ひ)(ま)が、この公共機関での移動にストレスを感じるのは、どうやらかかる時間や乗換えの多さだけではないと気付いた。
「JRに乗る」ことそのものが、ストレスなのだ。なぜならば、これまでの人生経験で、JRといえば「旅行などで利用する、遠いところに行く時専用の乗り物」という認識が出来上がっている。
毎回、旅行なみの緊張を強いられたら、そりゃ疲れるわな。加えて、JRを使う時は決まって、始発点が出発点だった我々。(ひ)は鹿児島本線の始発点が、(ま)は長崎本線の始発点が、新幹線では博多駅が出発点だったこれまでの人生。出発5分前にホームに行っても列車がいないことが恐ろしく不自然で、かつ降りる駅が終点でないのも緊張感をそそる。山手線を毎日利用している人は尊敬に値する、こんな(ひ)(ま)家。JRが「日常」になるのは、いったい何時のことだろうか。(ま)
いんたーなしょなる・してぃ 9.24.2004
トライアングルエリアはインターナショナルなエリアだ、と思っていた。いろんな国の人がいるし、外国人も比較的受け入れてもらえる環境があるし、日本人会もある。何より、自分が「外国人」だった。
しかし、日本に帰ったら、自分の街・福岡も意外と国際的なのだと気付く。アメリカで見られなかったサービスの例を挙げると、駅の案内板には日本語のほかに英語・中国語・韓国語が並んでいる。これら3言語を中心としたアナウンスを流すFM局もある。(福岡Love-FM)聞けば、観光名所紹介、イベント案内からゴミの出し方まで、様々な情報を流している。街中には免税店も、県立の立派な国際会館もある。でも、自分が国際都市にいる実感は余りない。それは、自分がここでは「外国人」でないし、「外国人」との付き合いもないからだろう。同じように、トライアングルエリアにも、外国人に興味も関心も関わりもなく生活している人だって大勢いるだろう。「国際都市」なんて、結局は住んでいる人の意識次第なのかもしれない。(ま)from Discover
TOEICという虚像 9.22.2004
日本で英語力を測る物差しといえば、TOEIC(トーイック)。企業や大学がこぞって採用、なんてよく聞く話。しかし、これは日本だけの価値観だということをご存知か? あれは忘れもしない、ある英語クラスでリスニングの練習にTOEFL(留学希望者用の英語テスト)の問題を使っていた時のこと。ある韓国人の生徒が「何で、TOEICの問題をを使わないのか?」と聞いた。するとベテラン英語教師のケアレンは鼻で笑って一言。 「ああ、日本人と韓国人ばっかりが熱心に聞く、アレね。」 ま、アメリカにおけるTOEICなんて、日本における「日本語検定」みたいなものだろうから、テストの存在を知っているだけでも偉い。それにしても、アメリカで作成しているんだから、世界的なスタンダードであってもよい訳で…。ケアレンの反応の中に、軽い軽蔑に似たものを感じつつ、その会話は終わった。
帰国後、野口悠紀雄氏の本を読んで納得のデータを発見。何と、TOEICの受験者(97'-98')は、その63%が日本人、29%が韓国人なのだそうだ!おまけに、テストを作っているのはアメリカの会社でも、企画自体は日本の会社がやっているのだ!!そう、これはまさに 『日本人の、日本人による、日本人のための、英語テスト』。企業も個人も、究極のローカル・スタンダードに血眼になって、「国際化」を測っているとは皮肉な話である。こう書くと、TOEICも大したことじゃなくなってきたでしょ。さて、気が楽になったところで、(ま)も受験することにした。だって日本人だもん。体験記はいずれ。(ま)from English
強いって、ステキ 9.22.2004
たまにはNCの読者の皆様にもお役立ち情報を。お風呂場の黒カビに良く効くのは『TYLEX』という漂白剤。5ドル以下で売ってある。黒カビにトイレットペーパーをかぶせた上からスプレーし、数時間放置。洗い流して少々こすれば、頑固なカビは消え、見違えるほどキレイになっているのだ。しかし、塩素系の臭いは強烈で、(ひ)(ま)家では外出前にスプレーするのがお約束だった。
それから、普通の汚れには『WINDEX』。本当はガラス用なんだけれども、どこにでもシュッとひと吹き、しばし待つと汚れが浮かび上がって面白いように取れる。 最初は「毒性が強そうだから、台所には使わないで。」などと(ひ)に文句を言っていた(ま)も、そのうち飛んでいる蚊にもスプレーするようになった。だって、キンチョール並みの威力を発揮するんだもん。(ちなみに、映画"Big Fat Greek Wedding"でギリシャ人のお父さんが傷にスプレーすると治ると信じているのも、このスプレー。)汚れ落ちが強力ということは、成分も強力なのだ。
ところ変わって日本にて。「お掃除の基礎」なるものを読むと、「まずは弱い洗剤から試す。汚れが落ちない場合は、段々と強い洗剤に変えてゆく。これが環境にも優しい方法」とある。そんな無駄足を踏むことなく、最初から強力な洗剤を使いまくりのアメリカ式お掃除。環境には悪いんだろうが、楽ちんだったのは間違いない。 (そういえば、パイプづまりに効く、強力なドロドロ液体洗剤もあった。水質汚染に一役買いそうだ。)(ま)from Discover
ザ・ガードマン 9.15.2004
同じ職業でも、日米随分違いがあるのがガードマン。アメリカのガードマンは、筋肉隆々の屈強そうな人々が、制服姿も凛々しく、銃はもちろんのこと救急セットにボイスレコーダーまで装着して仁王立ちになっている。「何かが起こったら、俺を呼べ!」とは、研究所のガードマンで(ひ)の友人のS君の決め台詞。守られていると思うとありがたいが、誤解でも招いたらとんでもない事になりそうだ。テロの警戒水準が上がると、首都ワシントンDCに借り出されていったりするもんな。普段は見回りだけだけれど、非常事態には命を賭けて安全を守る、危険と隣り合わせの職業なのだ。
一方、日本で見かけるガードマンと言えば、定年後に第二の職業としてパートタイム労働しているらしき初老のおじさん達。どんな人間もノーチェックで大学施設に入れちゃっているし、スーパーではカートの整理もしているし、「一応制服を着た人間を配置しておけば大丈夫」的な牧歌的ムードが漂っている。何事か起こったら、まずはガードマンの身の安全を心配してやらなければならなそうだ。さて、ある日の夕方6時ごろ、いつも大学の正門で見かけるガードマンが職員駐車場を巡回していた。ああ、お仕事ご苦労様、と思った瞬間、彼は制服のまま車に乗って去っていった。6時ジャストで仕事を終え、帰宅していたのだ。唖然と見送る(ま)。そう、彼の車はトヨタの『クラウン』だった。「日本のガードマンって金持ちなんだね〜。」と言うと、(ひ)が「どうせ警察のOBかなんかなんじゃない。」と、笑いながら言った。(ま)from Discover
1日サラサラ…のはずが 9.14.2004
こればかりはアメリカ製がいいな、と思っていたもののひとつに「制汗剤」がある。日本で夏になるとCMが増える「ワキにシュー、1日サラサラ」のアレである。体臭にはとても気を使うアメリカ人、スーパーのデオドラントコーナーには、50種類以上の制汗剤が並ぶ。無香、微香、香りつきはフローラルにトロピカル…etc。しかし、日本と一番違うのは、どれもワキに直接塗る固形タイプであり、日本のようなスプレー式はほとんど無いことだ。高校生時代、体育の授業の後の女子更衣室で繰り広げられるオゾンの大量噴射に、「地球はどうなるんだ…。」と考えていた(ま)の目には、アメリカの制汗剤は非常にエコロジカルなものに映る。(ま、アメリカ人がそこまで考えているとは夢にも思わないが。)値段も安い。
という訳で、いくつか買いだめして日本に持って帰ってきた。しかし、その結果は意外なことに日本では使いものにならない。アメリカではサワヤカだった香りが鼻につく上に、効き目もイマイチ。どうやら原因は、日本の湿度の高さと、アメリカ流の香料・薬剤の配合が合っていないことにあるようだ。気候に合った商品開発って、大事なのね。タンスに眠る買い置きの制汗剤を見る度に、日本の狭い道路で大型のアメリカ車を乗り回している馬鹿みたいで、自分がちょっと恥ずかしくなる。(←想像が飛躍しすぎ?!)(ま)from Discover
オリンピックになると 9.10.2004
うじゃうじゃと湧いて出てくる、あまり好ましくない人たちがいます。(ひ)にとってのそういう人たちとは、ずばり「ピンバッジ・コレクター」の皆さま。首からぶら下げたストラップにジャラジャラ付けて、すれ違うたびに見せ合い、「あ、それいいね〜、このバッジと交換して」などとトレードするらしい。邪道だ。中には「俺のバッジコレクションの数は2万個だ」と豪語する強者もいるらしい。そういえばアトランタのワールド・オブ・コカコーラで、同じようだけどちょっとずつ違うオリンピック仕様のピンが100個も200個も並んでいて驚いたけど、彼はきっとそういう集め方をしていて数だけが自慢なのでしょうね。つまらん男だ。
(ひ)のピンバッジ・コレクションは、彼らのそれとは根本的に趣を異とする。日々コツコツと求め歩いた、数にまかせるのではなく一つ一つのピンに思いが込められた魂のコレクションなのだ。トレードなんてもってのほか。バッジそのものに金銭的な価値は全くないけれど、一つ一つのアイテムに思い出が詰まっている大事な大事なコレクションを、人にあげられるわけがない。そもそも普段は見つけるのに相当苦労する、冷遇されているとすら思えるほどの地味な趣味なのに、こういう時にだけ檜舞台に出てくるのは何とも気に入らない。お分かりか?
実はこのオリンピックと全く同じ状況が、ディズニー・ワールドでも見られる。ワゴンに2台も3台も、星の数ほどにピンが並んでおり子供などは喜々としてトレードを楽しんでいるのだ。しかも1つが6.5ドル。足下を見て商売上げているとしか思えないような状況だが、これも彼らの言う「夢を買っている」ということなのか。そんな夢ならいらんがな。
というわけで、(ひ)はそんな風潮へのアンチテーゼとしてオリンピックやディズニー・ワールドのピンは買わないことにしています。とカッコよく断言したいところですが、実は少々誤りがあって、気に入ったものを1つあるいは2つ持っています。(ひ)のポリシーに沿う程度ということでご勘弁を。それから実はテレビ朝日のドラえもん柄のオリンピック・ピンが欲しかったりもしています。なんだかだんだん怪しくなってきちゃおらんかい? (ひ)
節約中毒 9.1.2004
帰国後、主婦生活を始めた(ま)に重くのしかかってきたもの。それは日本中の「節約」ブーム。(2002年ごろから続いているらしい。)雑誌やテレビでは、皆が競い合って「節約」の技を露している。節約の裏技、節約レシピ、100円グッズの活用法、1万円で節約生活、、、などなど。お風呂の残り湯を洗濯に使うなんてベーシックなものはまだよい。ペットボトルに残り湯を貯めて、トイレを数回分まとめて流すなど、見ているほうが悲しくなってくるような「節約」技を嬉々として紹介してる人たちは、そんなに生活が苦しいのか? しかし、しばらくしすると、こんなブームの背景も理解できるようになった。「節約」は、始めると止められないのだ。 中毒だ。「もったいない」気分が先に立って、無駄をすることに罪悪感を感じてしまう。そして、誰もが自分だけの節約「技」を編み出しては、悦にいっている。まあ、バブルの頃に比べれば、何とも地に足の着いたブームではある。そんな訳で、帰国後まずは家計簿を付け始めた。(やりだすと、これが結構ハマる!)ついでに袋分け家計を始めた。(これが結構貯まる!)私も節約中毒者になりそうで、怖い。(ま)from Discover
胸元に熱い視線 8.31.2004
特に若い女性を相手に話をしている時、さりげなく胸元をチェックされているのに気付く。目的はいたって簡単。(ま)のTシャツのブランドをチェックしているのだ。ま、女同士の儀式みたいなもんですね。ところが、お気楽アメリカ生活で、すっかりブランド物に興味が無くなった(ま)の胸元を飾るTシャツのロゴと言えば、「イエローストーン国立公園」だったり「カロライナ・ユニバーシティ」だったり、ブランド好きには意味不明の単語が並んでいる。ここで若者人気ブランド「Van Dutch」(NYではパチモノが5ドル)や、イブサンローランのロゴがデカデカとプリントされているものを着ていたら、「なかなか、やるわね。」と尊敬の眼差しを受けるのかもしれないが、でも冷静に考えて欲しい。Tシャツなんて、ジーンズと並んでカジュアルの代表選手のような存在であり、洗濯機でジャブジャブ洗って、乾かして、の繰り返しに耐えて色あせてきたものがまたいい味なのだ。そんなものに5,000円以上払うほうがおかしい。でも、私も昔は同じようなこと(胸元チェック)してたんだろうなー(遠い目)。(ま)from Discover
プチ浦島物語 8.28.2004
(ひ)(ま)家は、2001年に渡米した。3年後、日本に帰ったら、若者はメロンパン屋に行列を作り、走行中のトラックは炎上し、九州に新幹線が走っていた。インターネットのニュースだけでは追いつけない日本の動きに、時々、戸惑っている。
★有線で、「チュウチュウトレイン」がかかっていた。懐かしいね、と言うと、リバイバルだった。
★話題の「豚丼」を食べに行った食堂で、「僕、中島みゆきが紅白で歌ったという『地上の星』を聴いたよ。」と(ひ)が自慢。「私なんか、平井堅の『大きな古時計』を聴いたもんね。」と(ま)も自慢。他の客が振り返った。
★テレビに映ったオジサンを見て「あ、この知っている。サラ金の♪ほのぼのローン、ほのぼのレイク♪の人だよね。」と(ま)。「まあ、確かにそうだけど、今は全日本代表の監督って言ったほうがいいかな。」ジーコだった。
★テレビでサッカーを見ながら「ああ、これが人気のイケメンか。確かにカッコイイね。」と2人で話をしている。アン・ジョファンだった。
★知らない人がテレビで活躍している。その代表は、「あやや」こと松浦綾と、名前の読み方が分からなかった俳優の妻夫木君。今では(ひ)は、テレビでかわいい子が出ると必ず「これ、あやや?」と聞き、カッコイイ若者が出ると「これ、ツマブキ君?」と聞く。
★「さすが、松田聖子の娘。よくテレビに出ている。でも、随分口が悪いな。」と思いきや、SAYAKAでなくMEGUMIだった。
★動く小泉首相を初めてじっくりと見た。思っていたほど、演説が上手いわけでも、カリスマ性があるようにも見えない。でも、写真集まで出版したんだよね、確か。
★「自民党の安部さん」と言えば、お父さんを思い出す最後の世代であろう我々。しかし、今や息子の時代となっていた。
★北朝鮮から帰国した拉致被害者を見たのも初めてだったが、生活が事細かに報道されているのには驚いた。何を買い物したとか、子供がどんなテレビ番組を見たとか、私は興味は無いけどな。こんな国で生活するのも大変だろう。
★友人が、ダイエーの中内会長とジンギスカンを食べたそうだ。「気さくに振舞うほど、育ちのよさが目立った。」と言う。想像した(ひ)(ま)は、しばし沈黙。気付いた友人が一言、「お父さんじゃなくて、息子さんのほうだよ。」 納得。しかし、顔が思い出せない。「ほら、小久保の巨人移籍の記者会見で泣いた人だよ。」益々分からなくなった。
これを読んで笑う人もいるだろうけれど、さっぱり意味が分からない在外日本人もいっぱいいるのです。(ま)
勘違いオリエンタル 8.27.2004
アメリカにいた頃、タイ人の友人からタイシルクのバッグをもらった。濃い紫の地に金の刺繍が入ったそれは、仏壇の敷物に似ていなくも無いが、オリエンタルな雰囲気だ。高価なものではないが、なかなかオシャレ。早速パーティーに持っていこうとすると、(ひ)が「やめたほうがいいよ。」と反対する。「おかしいよ。」というのがその理由。そうかなぁ?と思いつつ諦め、その後も何となく使わず終いになった。
日本に帰った今、やっとその時(ひ)の意味したことが分かるような気がする。現代の日本女性達は、「チープシックでアジアンな魅力」として通勤にも籐カゴのバッグを持ち、中国刺繍の小物を「どこか懐かしくて、ポップでキッチュ」と言って愛で、ダークカラーの籐製品でまとめたインテリアを「オシャレなオリエンタル・リゾート風」と呼ぶ。しかし、これら全て、アメリカ人の目から見れば、ただ単に「アジアの伝統的風景」でしかないのだ。もっと言えば、日本人がチャイナ服を着ようが、ベトナムの菅笠をかぶろうが、きっと日本古来の民族衣装を身に付けているとしか思わないだろう。「オー、日本人女性はブランド品ばかりじゃなくって、伝統文化も大切にするのネ。」なんてね。アジア文化の魅力を知るのは大変よいことだ。しかし、それをあたかも自分が「欧米人」であるかのように新鮮がっているに皆さんに教えてあげたい。
「あなたの存在そのものが、アジアン(アジア的)でオリエンタル(東洋的)なのよ。」と。(ま)from Discover
走る!公務員 8.26.2004
役所に転入届を出しに行った時のこと。ちょうどお昼の混雑時で、処理が終わるまで40分以上かかるという。仕方が無いので、近所にあるレストランを聞いて、そこでお昼を食べることにした。食後の紅茶を飲んでいる時、ふとレストランの入り口を見ると、先ほど役所で受付をしてくれた職員の女性(40代後半)が息を切らせて駆け込んできた。我々を見つけるとニッコリ。ハアハア言いながら、「すみません。奥様のパスポートのコピーを取るページを間違えていました。もう一度取り直したいので、預からせていただけますか?」とのこと。恐縮する我々を残し、パスポートを受け取った彼女は、再び役所のほうに走って消えていった。そして戻った時には、きちんと事務処理は完了していた。我々は唖然とした。
な、何だっ、このサービスの良さはっ!!!!!!
アメリカなら間違いなく、係員は我々が戻るまで待って、平気で「コピーを取り直すので、もう40分待て。」と言うだろう。もちろんお詫びの言葉なぞ、期待できない。いや、へタすると「今日は受付は終わったから、また明日来い。」とか言われそうだ。そんなアメリカの「お役所仕事」に慣れた(ひ)(ま)家にとって(ちなみに、民間企業でもこのレベルはザラ)、この日の出来事は、日本のサービスのレベルの高さを思い出させる強烈な出来事だった。もちろん、日本だって、こんなナイスな「お役所仕事」ばかりでないことは承知しているけれど。(ま)from Discover
最低の御馳走 8.21.2004
渡米直後に発見したことに一つに、「関西人の面白さ」がある。変だと思う無かれ。トライアングルエリアには、日本各地の出身者がいるので、思わぬ「国内異文化交流 in USA」が発生する。九州住まいが長い(ま)には、日本人同士の飲み会での、関西人の話の面白さは、ほとんど感動的だったと言ってもよい。
さて、そんなことから始まったアメリカ生活。アメリカ人やヨーロッパ人とのパーティーや夕食会でも(飲食が伴う場合は特に)、常に「会話は楽しいもの、心地よいもの」だった。いや、正確に言うと、そうなるよう、お互いがかなり意識して行動していた。自分なりの話題やジョークを用意し、積極的に話し掛け、新しい人との出会いを広げ、親しい人とはより交流を深める。飲食はあくまでも補助であり、人との交流が主目的と考えれば、ごく自然なことだ。(これを英語で実行するのは、なかなか大変なのだけど。)そんな訳で、食事しながらも、会話をしている頭はフル回転。緊張感があるので、アルコールに飲まれることも無い。まさに、「楽しい会話は、最高の御馳走」。そんな訳で、パーティーの帰りの(ひ)(ま)家の会話はいつも、「楽しかったね〜。疲れたけど。」となっていた。
日本、それも九州に戻って、再び驚いた。何にかって? それは食事や飲み会の席で、文句や愚痴や人の悪口を話す人が多いこと!それが初対面の場合だってあるから驚きだ。もちろん、愚痴を聞いて欲しい時だってある。愚痴をこぼしているのが家族や親しい友人だったら、お互い様だし吝かでない。でも、コミュニケーションを目的とした食事の席では、完全にマナー違反。「不愉快な会話は、最低の御馳走」と心して、西洋人を真似ろとは言わない、せめて私の知っている関西人を見習ってくれ!(ま)from Kitchen
「いらっしゃいませ」と言われたら 8.20.2004
日本でお店に入ったら、「いらっしゃいませ。」と店員が声をかける。するとこちらは、律儀な人は軽く会釈するか、ほとんどの人は聞き流すだろう。ショッピングにおける、一種のバックグラウンド・ミュージックみたいなものだ。アメリカでもお店に入ったら、"May I help you?"と店員が声をかける。この決まり文句の日本語訳は、往々にして「いらっしゃいませ。」とある。当然、会釈か無視で応える…で、よいワケがない! これは言葉どおり、「何かお手伝いしましょうか?」という質問なのだから、答えなければならないのだ!! 店員は返事を待っている。教科書どおり"I'm just looking."(見ているだけです。)でも構わないし、"Yes, please. I'm looking for..."(ええ、 実は...を探しています。)でもよい。たとえ店員とお客の関係であっても、日本のように言いっぱなしで宙に浮く言葉というのは無く、常に言葉のキャッチボールが必要になってくる。"May I help you?" ならまだよいが、(ま)は店に入った途端、店員に長文を話し掛けられて、3度聞きなおし、やっと"Let me know if you have any questions."(何か質問があれば、教えてね。)という、答えは"O.K."の一言でOKな決り文句だった、ということもあった。
アメリカ人の店員も多くの場合、本当に手伝いたくてウズウズしているわけではなく、決まり文句だから言っているだけなのだが、決り文句にも答えなくてはならないのが英語なのだ。こういった文化的な違いの説明もなく、単に「いらっしゃいませ」なんて訳している英語教材を、私は信用しない。日本人が持つ、言葉の奥にある文化的思考回路を無視した日本語の英語教材を作る人は、英語が分かっていないか、日本語が分かっていないかのどっちかなのだ。(ま)from English
余談;「いらっしゃいませ」を英訳すると"Welcome to our store."になる。しかし、アメリカでこの言葉を聞くのは、ディスニー・ストアくらいなものだ。でも、当のディスニー・ストアは日本進出の際、この言葉を「ディズニー・ストアへようこそ!」に置き換えている。これも忠実な日本語訳と言えよう。言葉って、不思議だ。
MAMMA MIA! 8.15.2004
イタリア語で「my mother」という意味ですが、ママが絶大なる影響力を発揮するお国柄を反映してか、「なーんてこったい!」のような意味でも使われる言葉だそうです。英語の「Oh my God !」みたいなものですかね。
さて、(ひ)(ま)家もブロードウェイでこの人気ミュージカル「MAMMA MIA!」を見てきました。文字通り強烈なキャラが持ち前のママと、これまた妙にキャラの立つ黒人と白人のおばちゃん(ママの親友)が事実上のメイン・キャスト陣で、この3人の役者さんがそれぞれ独特の持ち味を出しながらストーリーが進んでいきます。
聞けば劇団四季でも上演しているそうで、これは非常に偶然なのですが、帰国した翌日に「ミュージック・フェアー」にその劇団四季のキャスト陣が出演しておりました。当然、ミュージカルから数曲を披露していたのですが、まだニューヨークの興奮が冷めやらぬ状態だった(ひ)は驚きます。日本語で歌ってるのが変とか、そんな問題じゃないです。なんと、おばちゃんが3人とも揃いも揃って同じような役者で区別がつかなかったのだ! 確かに、四季だと役者さんが全員日本人なので、黒人と白人というようなキャラの区別が物理的にムリなのは分かります。しかしそれにしても歌声も顔もおんなじような3人では、その時点で魅力半減でしょう。しかも、さらに驚くべきことに、娘まで同じような顔で区別不能!! この役は20歳そこそこのフレッシュな役者さんがブロードウェイ・デビューを飾るデビュー枠のはず。いくらなんでも似たような顔が4人では、反則を通り越していますがな。困ったことに男性キャスト陣でもこの現象は同様。まさにMAMMA MIA! 劇団四季って、よっぽど人材不足なのか?(ひ) from Cultural Gap
アメリカン・ビール味の飲み物 8.15.2004
日本に帰ってきて驚くのは、ビールの値段である。 アメリカでは、「缶ビール1本70セント(77円)、地ビールの瓶ビール1ドル(110円)」がおおよその目安だ。 ところが日本では、「缶ビール1本250円」。 値段につられ、アメリカで飲酒量が増加していた(ひ)も、さすがに戸惑っている。そこで恐る恐る手にしたのが「発泡酒」。渡米前は何となく「貧乏人の飲み物」というイメージだったけど、今や種類も豊富で、居酒屋でも立派にメニューに載っている。そして何より、
日本の発泡酒とアメリカの缶ビールは、味が変わらない!!
だって、アメリカの缶ビール(バドワイザーなど)は、ヨーロッパのそれと違い、水代わりに飲める程の低アルコールさっぱり系。コク深い日本のビールの醸造技術をもってすれば、少々アルコール度が低い位でちょうど同じになるのだ。それでもなんとなく「発泡酒ねぇ。」と僅かな抵抗感があった(ま)も、燃えないゴミの日に出される空き缶の山を見て、納得。どの家も、発泡酒の缶だらけ。つまり日本の不景気は、ビールの嗜好さえも変えたのだ。という訳で、今やすっかり(ひ)(ま)家の冷蔵庫は、アメリカのビール味がする、日本の発泡酒に占拠されている。(ま)from Kitchen
うろうろ焼肉 8.14.2004
健全な食生活を続けていると、さすがにある日「焼肉食べたい…。」と思う日がやってくる。ある日の日曜日、ふたりの意見が一致。家で焼肉をすることにした。スーパーでお肉を買い込み、ウキウキと家に帰る。そして、あることに気付く。「…ホットプレートが無い。」 そこで、2人は台所のガスレンジの前に立ち、(ひ)は、アメリカから持ち帰ったステーキ用の鉄フライパン(日本での出番はほとんど無し)でお肉を、(ま)はテフロン加工のフライパンで野菜を焼き、焼けた傍からテーブルに持っていっては食べ、また焼きにレンジへ戻る、という動作を繰り返すうろうろ焼肉をしたのだった。傍から見ると変だろうけれど、満足、満足。(ま)from Kitchen
あの頃のしっぺがえし 8.13.2004
そろそろ帰国かな、と考え出した理由の一つに、食生活への不安があった。アメリカ的食事を謳歌していた(ひ)(ま)家だが、いや、だからこそ、お肉中心・脂肪分の多い食事を続けることの、体への影響がちょっと怖かったのだ。(実際に、少しづつ体のトラブルもあった訳だし。) で、帰国後は一転して野菜とお魚の生活。お肉は脇役となった。その成果あってか、(ひ)のコレステロールは正常値に戻った。(ビールの飲酒量が減ったから、という説もある。)あんなに食べていたお肉も、食べなきゃ食べないで、生きていけるのね。
そんな食生活を3ヶ月続け、すっかり健康になったと思い込んで、(ま)も3年ぶりの血液検査に挑む(アメリカでは、健康診断を一切受けていなかった)。 結果は…コレステロール値が高い! 今でこうなんだから、アメリカにいた頃は一体どれくらいだったんだ?! ちょっと恐ろしくなる。これから益々、きのことこんにゃく(食物繊維)が食卓に乗りそうだ。(ま)from Kitchen
日本のにおい 8.11.2004
以前、それぞれの国特有の「におい」があると書いた。日本の街を歩いていて、しばし襲われる日本独特の「におい」があることに気付いた。それは、「菓子パンのにおい」だ。駅前や、スーパーの入口付近には、必ずといっていいほどパン屋があり、甘ったるい砂糖とバターのにおいが、これでもかと充満している。「おいしそう!」と思えればよいのだが、アメリカで文字通りバタ臭い生活をしていた身には、日本のバターの匂いは、人工的で胡散臭い。そもそも、菓子パンは食事用なのかお菓子なのか? ジャムとクリームが、ご飯になるのか? 栄養的に偏りすぎていないか? おやつなら、どうしてパン1個がこんなに高いんだ? 日本みたいに、パンに創意工夫を凝らし、お菓子のごとく食す人種も珍しかろう。以前、駅のパン屋で働いていた友人は、列車の到着と同時に人々がパン屋になだれ込んでくる光景はすごい、と言っていた。もしかしたら、日本人は菓子パンの体臭がするのかもしれない。常に「新製品」と「人気No.1」の文字が並びつつ、強烈なにおいを振りまく日本のパン屋に、なかなか入る気になれない。(ま)from Discover
We miss them 彼らが懐かしい 8.9.2004
アパートの周辺を歩くたびに、ため息が出る。そして一言 "We miss them."’(彼らが懐かしい。) 誰のことかって? それは、アメリカの庭の掃除夫達のことだ。
アメリカの一軒屋の庭は、常に整えられている。そうすることが、家主の義務と言ってもよい。きれいな庭を保つことがその家のみならず、周囲のエリアの資産価値も高めるため、お互いが努力をしているのだ。よって週末の芝刈りも、家主の重要な任務となる。アパートメントとて例外ではない。美しく整備された公共エリアは、入居希望者にとって大きな魅力となる。(ひ)(ま)の住んでいたアパートメントの公共エリアも、常に芝が刈られ、花が植えられ、水がまかれ、秋の落ち葉は吹き集められ、常に美しく保たれていた。この場合の庭仕事、つまり肉体労働をするのは、ほとんどがメキシコ人である(多分に、不法労働者含む)。朝早くから芝刈り機の音を轟かせ、炎天下の中で汗だくになりつつも、陽気に働いている。「きれいになったね!」と言っても相手に英語が通じないので、もっぱら笑顔で挨拶するだけだったが、彼らの仕事ぶりは勤勉で、出来あがりは、あんな大雑把な国民性なのに何故?と思うほどに美しかった。オフィスやショッピングモールも同様に、いやそれ以上に手を加え、外観を整えている。
そして、日本。大学のキャンパス内にある我が家へ続く道は、雑草が生え放題。子供用の公園も萱に覆われ、人が住んでいないアパート1階の部屋の庭には、盛大にセイタカアワダチソウが風にゆれている。人通りの少ない道など、草に覆われて「獣道」と化している。といっても、これは我が家だけの話ではない。近くの空き地、人気のない公園。日本なら、どこででも目にする光景だ。労働力が高い日本では、頻繁な草刈など望めない話というのも理解は出来る。しかし、アメリカでこんな光景を見るのは、生活に余裕のない貧民層の住むエリアくらいなものだ。そこはかとない「貧乏くささ」を感じては、今日もついつい、いるはずのない彼らの姿を探してしまう。(ま)from Discover
日本でタダなモノ 8.8.2004
昔のベストセラーで「日本人は、水と安全はタダだと思っている。」という指摘があったが、私は、日本にはもう一つ「タダ」のモノがあると思う。それは、 ポケットティッシュだ。駅前を歩くと、必ずといっていいほど手渡されるアレである。それも、「ありがとうございます。」という笑顔付きで。貰っているのは、こっちなんだけれど。
アメリカのティッシュペーパーは高い。クリネックスなら、1箱1ドル(110円)で「お買い得」だ。ちなみに、内容量は一緒なのに、箱の厚さは日本の2倍ある(未だに)。そんなティッシュをタダでホイホイくれるなんて、日本はなんて豊かな国なんだ!!
ちなみに、以前はピンク広告付きが多かった記憶があるが、今はサラ金の広告がほとんどだ。見知らぬ人にタダでティッシュを配るくらいなら、異様に高い金利を少し下げてやればいいのに、と思う。(ま)from Discover
マル秘 支持政党の見分け方 8.1.2004
パーティーや食事の時に避けるべき話題は、「政治・宗教・人種」だと言われる。また、これらを話題にしたところで、突っ込んだ会話にはついてゆけないのがオチなので、そういう意味でも英語に自信のない日本人は避けるのが賢明な選択だろう。とはいえ、付き合いが深くなると、自然な流れで自分の宗教や人種の話にもなることはある。しかし、自分はどの政党を支持するか、という話は日常会話であまり出てこない。でも、知りたい時もある。(ま)はそんな時、「支持政党が分かって、かつ政治的な話題にならない超便利な質問」を発見して時々使っていた。それは、英語の勉強が話題になった時などに、出来るだけ純真無垢な表情で
「ある英語の先生が、『ヒラリー元・大統領夫人のスピーチは、とても分かりやすいので、よい英語の勉強になる。』 と言ったんだけど、本当にそう思う?」
と聞くのだ。多くの場合、共和党支持者は顔をしかめる。民主党支持者は、大きくうなずくか、反対意見を言えどもそう強いものではない。分析するに、私は彼女の「英語」の良し悪しについて聞いているのだが(そしてそれは、一定の評価を受けているらしいのだが)、アメリカ人にとってはどうしても「その中身」や「彼女の人柄」の方に意識がいくらしい。ちなみに、この「英語の先生の話」は事実で、何気なく幾人かに聞いてみたところ、余りにも反応に違いがあることが面白く、以降、目的をもって使うようになった。今やNY州議員でもあるヒラリー氏の名前を使うのがツボらしい。アメリカでは大統領選も盛り上り中。いろんなことに興味津々のアナタ、この手を使ってみてはいかが?(ま)from English
エドのお膝元事情 7.31.2004
3年以上のアメリカ生活を、これ以上ないほどに堪能して帰国した(ひ)(ま)家ではあるが、ひとつだけ悔いが残るとすれば、大統領選挙をミスすることだ。2001年1月、ブッシュ大統領が正式に就任した直後に(ひ)が渡米し、2004年の本選が始まる前に帰国してしまった。(ひ)の友人パティおば様によると「昔の大統領選、特に予備選は、アメリカン・アイドル(人気のTVオーディション番組)並に面白かった。」そうだ。今でも、お互いのけなし合いをする当事者と、熱狂的に盛り上るアメリカ人を見るだけでも面白そうだ。日本で報道されるニュースだけでは、表面的で今ひとつ面白くない。ああ、生の盛り上がりを体感したい!!
さて、韓国での学会のゲストの一人は、(ひ)(ま)が住んでいたチャペルヒルにあるノースカロライナ大学の教授だった。早速「卒業生から副大統領が出るかもしれないので(民主党エドワーズのこと)、皆はエキサイトしているんじゃない?」と話をふったところ、「私見だが」と、思わぬエドワーズ批判が飛び出してきた。「彼は経験がなさ過ぎる。州議員の経験だって、現在の任期中に選挙活動をしている訳で、州議員としての仕事を完結していない。彼が、NC州の為に何かしているとは思っていない。」 そして、「結局アメリカ人の最大の関心は経済であり、これが悪化しない限り、今の政府は支持されるはずだ。」とも。 途中から話に加わった日本人の「映画『華氏911』は見ましたか?」(すごい質問だ!私は出来ない…。)との質問にも、「いや、見ていないが話は聞く。あの映画もブッシュ支持に役立つと思う。なぜならば、あれはドキュメンタリーなどでなく、個人の偏見に満ちたものだからだ。見た人は、それに気付くだろう。」批判映画さえブッシュ支持に役立つとは、すごい発想だ。と、(ひ)がささやく。「つまり、彼は共和党支持なんだよ。」納得。「いやぁ、日本ではエドワーズは単に『若くてハンサムな、もと腕利き弁護士』という表面的な報道しかされていないので、勉強になりました。」とお礼を言いつつ、アメリカに住んでいたら、毎日こんなアメリカ人的我田引水発想が聞けるのにな、と残念に思った。(ま)
ある朝の出来事 7.30.2004
(ひ)(ま)家の新居(アパート)は、某医科大学のキャンパスの中の職員住宅だ。アパートの横にはグラウンド、続いて池、そして森のはるか向こうに病院と研究棟が見える。救急車の音が聞こえることも無く、夏休み中は、朝っぱらから野球部の練習の声だけが聞こえる、のどかな環境だ。
ある日の午前中、突然アナウンスが聞こえた。「緊急ヘリコプターが着陸します。危ないので…(あとは聞こえない)」一体何が起こるのかと思いきや、突然、爆音と共に、空に超低空飛行でヘリが登場した。目を疑うヒマも無いまま、赤と白に塗られたヘリは病院の方向へと向かう。きっと、病院の屋上にはヘリポートでもあるのだろう。やがて、音は聞こえなくなった。そして10分程経った頃、(ま)は銀行に行こうと家を出た。すると、爆音と共に突然の砂嵐が襲う。ひぇ〜と目を覆いつつ見ると、アパートの目の前のグラウンドから、ヘリコプターが飛び立っているところだった。あっという間にヘリは空のかなたに消えてゆき、グラウンドには一時避難していた野球部員がわらわらと出てきて、風で倒れたネットを起こしている。救急車や職員も待機していたようだが、今はのんきに佇んでいる。狐につままれたような気分で、その模様を眺めていた。ひとつ確かなことは、この大学の野球グラウンドは、緊急ヘリの離着陸場を兼ねている、という事実だけだ。病院の中に住んでいるんだな、という妙な実感をした朝だった。(ま)
日本人大リーガーのEnglish 7.27.2004
日本人の大リーグでの活躍は、アメリカのメディアを通しても、十分に感じられた。純粋に凄い。しかし、そんな彼らがCMで活躍している姿は、日本だけのものだ。彼らは、画面で英語を喋る。内容は、いたって簡単。ゴジラ松井は「ホットドッグ、プリーズ」だし、新庄君は「オフコース!」とたった一言。しかし、それが結構はまっている。片言だし、発音だって問題アリだろうけど、そんなことは問題ではない。アメリカで日常的に英語を使い、それが通じているという自信に支えられたかっこよさなのだ。(NC
で見た宇宙人・新庄君も
英語を喋ってました。
どんな内容かは不明。)海外生活で身につくのは、英語の流暢さでなく、こんな自信ある態度なのかもしれない。(ま)from English
藤原紀香のEnglish 7.27.2004
ちょっと前の話になるが、カンヌ映画祭で藤原紀香がアントニオ・バンデラスにナンパされた、という
記事
が日本で大々的に紹介されたことがある。ま、奥様の前での食事のお誘いなんて、挨拶代わりなんだろうけど、バンちゃんファンである我が家の一番の驚きは、こうだった。
「藤原紀香、本当にバンデラスの英語が理解できたのか???」
そう、彼はスペイン人。英語で苦労しつつも、努力して今のハリウッドの地位を築いたのは有名だが、彼の英語はかなりの訛りがある。(NYで、生で聞いたから確かです。) 奥さん(女優のメラニー・グリフィス・一応アメリカ人)も変なフニャフニャ英語を喋るので有名で、アメリカでは「この夫婦が喋ると、何を言っているか全く理解できない。」というギャグがあるくらいだ。
我々の渡米前と比べると、今や見る影も無く人気下降の藤原紀香。確か3年前は、世界的デビューを目指し、英語教材の専属モデルもやっていた記憶がある。いやはや、バンちゃんの英語が分かるなんて、かなりの実力とお見受けした。その英語の実力で、新境地を開いてほしいものである。(ま)from English
ターヒールズ新選組! 7.23.2004
(ひ)は大河ドラマがけっこう好きだったりします。歴代ベスト3は「秀吉」「太平記」「翔ぶが如く」でしょうか。ただいま放映中の大河ドラマは三谷幸喜氏による「新選組!」。帰国してからまだ4、5回しか見てないのでストーリーもあまり把握できていませんが、何故かこの「新選組!」を見ているうちに胸が熱く躍るようになり、毎週日曜日の午後8時が待ち遠しくなりました。こんなことは「秀吉」以来です。
さて、どうしてこんなに「新選組!」にハマってしまったのでしょう? その理由にある日突然、気が付きました。新選組の面々が羽織っている浅葱色の羽織って、UNCのターヒール・ブルーそのままじゃないですか! 最強の剣士軍団・新選組が、ターヒール・ブルーの羽織を着て幕末の京の街を駆け抜けている! そら想像しただけで胸が熱くなりますわな。ターヒールズ・ファンならば当然です。いつかこの新選組の羽織を手に入れて、スミスセンターに着て行ってみたいな〜。アメリカ人はどう思うだろ?
「愛しき友はいずこに この身は露と消えても 忘れはせぬ熱き思い 誠の名に集いし遠い日を あの旗に託した夢を〜」。Let's Go Heels!(ひ) from Sports
ヨン様特区 7.21.2004
このHPは、海外在住の読者の皆さんにも理解出来るようにしたいので、簡単に説明する。5月に日本に帰ったら、恐ろしいほどの韓国ブームが起こっていた。中でも「冬のソナタ」(愛称:冬ソナ)というドラマの主役のペ・ヨンジュン(愛称:ヨン様)という俳優の人気は異常で、書店に行くと彼の顔が表紙になった数々の雑誌が山と積まれている。日本での配信元、NHKはドラマのお陰で1億円の副次収入があったという。ドラマのロケ地を訪ねるパック旅行も大人気で、参加者によると、ホテルではずっとドラマの主題歌が流れていたという。そう、韓国にとっても、このブームは外貨を稼ぐ大きなチャンスなのだ。興味深々で、いざ韓国へ。
今回の旅は、博多ー釜山を結ぶ高速艇を利用。チェックインをすると、チケットの裏には「きっと、会えますよね。」というコピーと一緒に、ヨン様の笑顔(免税店の広告)。待合室では、別ショットのヨン様の、大きな看板がお出迎え。船に乗り込む。機内誌には、「冬ソナ」ロケ地を紹介した記事が。到着後、釜山空港に寄る。空港の売店では、日本語で大きく『これが「冬ソナ」のポラリスです』と書かれ、ドラマに出てきたペンダントが売られている。そして、目的地のポハン(釜山からバスで2時間)へ到着。その途端……なんにも無い。街の看板にはもちろんんこと、本屋で芸能誌をめくっても、「冬ソナ」も「ヨン様」も見当たらないのだ。韓国人にヨン様について聞くと、「日本じゃ『ヨン様』(←ここだけ日本語)っていって人気なんだってね。彼は芋役者よ。」とのこと。韓国では、このドラマも俳優も、日本ほど人気ではないのだ。(でも、真夜中のテレビで再放送があっていた。) そして最終日。釜山のロッテ百貨店に着いた途端に、再びヨン様は現れた。免税店の団体入り口に、日本人の好きそうなブランド物を華麗に身に付け、プラダのバックを片手に、ニッコリと微笑むヨン様。免税店の中には入れば、ヨン様の等身大人形があちこちに配置され、一緒に写真が撮れるようになっている。免税店でお買い上げの方には、オリジナルヨン様ブロマイド(?)のプレゼント。そして、帰りの高速艇の待合ロビー。ヨン様の写真を施した携帯ストラップが、3個千円で売られていた。どうやら、ヨン様は日本人が多いところにのみ、いらっしゃるようだ。(ま)
投票所は遥か遠くに 7.11.2004
アメリカ民主党の大統領候補、ケリー氏の相棒として、エドワーズ氏が副大統領候補に指名された。このニュースは、日本でも大きく取れ上げられている。彼は言わずと知れた、ノースカロライナ出身。NC州立大学で学士を取り、UNCのロースクールに通ったという、見事な「公立」人生を歩んでいる。さすが、庶民の味方。しかし、アメリカで見ていた頃は、経験も実力も不足の若造、というイメージだったのが、日本では妙にサワヤカな二枚目と報道されているのが可笑しい。
選挙といえば、日本でも参院選だ。しかし、我が家には選挙の案内ハガキが来ていない。住民票を移してまだ間もないから、とも考えたが、市議や県議じゃあるまいし日本人である以上、衆議院戦の選挙権はあってしかるべきだ、と考えた。で、早速お役所で尋ねてみたところ。。。。
「ええっと、、、区外からの転入の方ですね。あ、以前のお住まいの地域での投票になっております。」と一言。
「以前のお住まいの地域」って、もしかしてノースカロライナ??? 行くしかないかなぁ。という訳で、(ひ)(ま)家は5日間程不在にします。行き先はNC?? いえいえ、どこに行くかは、帰ってきてからのお楽しみ。(ま)
児童虐待?を目撃 7.9.2004
最近、日本でも注目されることが多い児童虐待。しかし、泉谷しげるの「虐待はゆるせねぇ。」というポスターが貼ってある大学病院の待合ロビーで、堂々と子供に暴力が振るわれているのを目撃してしまった。小学低学年の女の子と母親が座っており、女の子は皮膚のトラブルらしく、体をしきりにモゾモゾさせている。すると母親が、「掻くな!掻くから治らないんでしょ!!」とヒステリックに怒鳴りつつ、女の子の頭をバシッと叩く。しばらくして、「治らなかったらアンタのせいよ!!」と再び手を上げる。繰り返されるその光景に、(ま)は驚くやら怖いやらで、しばらく固まってしまった。周囲にいる患者も職員も、誰も何事も無かったかのように知らん顔。お年寄りが多いので、親が子供を叩くのは当り前と思っているのかしら?それでも、病院職員は虐待に敏感でなければならないはずでは?? この不可解な状況を理解しようとしていたその時、女の子が振り返り、(ま)と目を合わせた後、恥ずかしそうにうつむいた。何か言いたいような気もしたけれど、何も言えなかった。確かに、母親の行動だけ見れば、ヒドイ話だ。しかし、子供の看病に疲れた様子の母親に、どんな言葉で注意が出来るというのだろう。
もし同様のことがアメリカで起これば、母親はその場でセキュリティに腕を捕まれ、子供は保護施設行きとなるだろう。アメリカは、神経質なほどに児童虐待に敏感だ。裏を返せば、それだけ身近な存在、つまり発生件数も多いのだ。
例えば、どんなに短い時間であっても、車に子供を放置したら「児童虐待」。よって、コリアンの友人は、私と一緒に買い物に行くと、喜んで子供を車に置いたまま、ちょっとした用事を済ませていた。(余談だが、ニューオリンズで、警察官が道端に駐車中の車を囲んで大騒ぎをしている。子供の放置か?と思いきや、中に放置されていたのは犬だった。買い主は「ペット虐待」で逮捕されるんだろうか。)
また、在米日本人の間でよく聞く噂は、親と子供がいつまでも一緒の部屋に寝ていたら、性的虐待を疑われるとか。住宅事情を抜きにして、「虐待」って言われてもねぇ。
本当にあったこんな話もある。日本人の赤ちゃんのオムツを替えていたアメリカ人の女性が、赤ちゃんのおしりに蒙古斑を見つけ、虐待による内出血を疑った(白人に蒙古斑は無いのだ)。日本人のお母さんは個室に呼ばれ、「このあざは何だ?」と問われたものの、「あざ」の単語(bruise)が理解できずニコニコしていたので、事態は一層悪くなった。その後、他の日本人も話に加わり、最終的に誤解は解けたものの、「何より自分が疑われたことがショックだった。」という当のお母さんの言葉を聞いて、私も怒り心頭だった。正確に言うと、「蒙古斑=内出血と誤解」というのは割と聞く話だが、身近な人が疑われたことに、私もショックを受けた。人種的特長を無視して、虐待と思い込まれるのはたまらない。
明確な誤解は別として、それぞれの文化では、他の文化圏の人には「児童虐待」と思われる習慣や行為もあるだろう。それを自分達の「ものさし」で計って、声高に指摘し矯正しようとするのはアメリカ人の性なので、今更何を言うでもない。件の親子も、何の躊躇もなく「母親の逮捕と、子供の保護施設行き」で決まりだろう。問題は日本人の「ものさし」だ。虐待防止キャンペーンを展開している国、日本で、病気の子供を病院に連れてきている母親が、看病の疲れもあったのだろうが、言うことを聞かない子供を感情的に叩いて注意した。これはただの「躾(しつけ)」か、それとも「児童虐待」か。
この質問に明快な答えが出るほどの意思統一が出来た時に初めて、日本も児童虐待防止への一歩を踏み出すことになるのではないだろうか。(ま) from Cultural Gap
機能性づくし 7.7.2004
テレビで、やたら健康飲料のCMが目に付く。飲むとコレステロールや高血圧やダイエットに効くという、150円程度のペットボトルに入った飲み物だ。こんなもので病気が治れば、医者は要らん。改めて見回すと、日本で売られている商品は、付加価値としての機能性の塊だ。
例えば、家電を買うときに、冷蔵庫では 「切れちゃう冷凍」機能付き(お肉をさっくり切れる状態で、冷凍する機能)を薦められ、電子レンジでは「切れちゃう解凍」機能付き(お肉をさっくり切れる状態で、解凍する機能)を薦められる。どっちかひとつあれば十分でしょ。
さらに、洗濯機は 「柔軟剤いらず」機能付きなので、柔軟剤は不要と思いきや、最近の柔軟剤には
「しわ伸ばし」機能や「防臭」機能が追加され、やっぱり使わなければならないような気にさせる。
飲み物は喉を潤せればよい、冷蔵庫は冷えればよい、電子レンジは温まればよい、洗濯機は洗えればよいし、柔軟剤は柔軟に仕上げられればよい。そういうシンプルさでは、モノは売れないのだろう。しかし、ひとつの商品に新たな機能が加われば、便利になるはずなのに、何故か買うものばかりが増えている。これって本当に便利な世の中なのだろうか。(ま)from Discover
図書館から見える大学 7.7.2004
帰国して何が嬉しいって、好きなだけ日本語の本が読めるのが嬉しい。(ま)は、「本屋にいれば幸せ」な人種なのだ。NCでは貴重な日本語の本を回し読みしていたものの、西村京太郎の「○○鉄道殺人事件」ばかりじゃ飽きるというものだ。帰国して、さあ、本を読むぞ!!と張り切ったものの、すっかり忘れていた問題が浮上。そう、本だってタダじゃないのだ。借りるにしても市民図書館は遠いし…。そんな時、(ま)はあることに気づく。実は(ひ)(ま)家の住むエリアは文教地区で、大学が数多くあるのだ。で早速、それらの大学の図書館に潜入することにした。結果、楽しい読書生活を送っている。
最近よく使う、2つの大学の図書館は対照的だ。A大学の図書館は、入館チェックが無いものの、地域住民への貸し出しは不可。不親切だ。しかし、お金持ち大学らしく、毎月ベストセラーがハードカバーでどんどん入ってくる。夜10時まで開館しており、熱心に勉強する学生に混ざって、こちらも勉強などしたくなる雰囲気だ。
他方、B大学の図書館は、地域住民にも図書カードを作ってくれ、貸し出しもOK。必要とあらば駐車許可証まで発行してくれる。親切だ。しかしながら、本は古いものが多く、乙女の愛読書『コバルト文庫』も揃っている(大学生だよ!)。たまにある話題の新刊は、借りた形跡も無くまっさらなまま。ちなみに、その図書館は留学生の憩いの場となっているようで、あちこちで中国語や韓国語が聞こえてくる以外は、人気も無くひっそりとしている。学問よりスポーツで有名な大学だけはある。
そんなこんなで、図書館から見える大学の実情も、結構興味深いのだ。何はともあれ、お世話になっています。(ま)
105円うどん 7.4.2004
渡米直前の一年間だけ、仕事の都合で岡山に住んでいた。さすが讃岐圏内だけあって、社員食堂のうどんもおいしかったし、駅前には自分でゆがくセルフうどん屋もあった。繁華街には「ぶっかけうどん」が売りの店があり、生まれて初めて口にする、うどんに濃い目のタレをかけて食べる新しい美味しさは感動モノだった。さとなおの本「うまひゃひゃ讃岐うどん」は、まだ「郷土の本コーナー」にこっそりと置かれていた。
時は流れ、アメリカで、日本では讃岐うどんブームが起こっていると風の便りに聞いた。友人達がこぞって、うどんを食べに四国へ旅行したとも聞いた。そして帰国後、どこの店でも「ぶっかけうどん」がメニューに乗っていることに驚いた。3年間も不在にしていると、ブームを体感しないまま、ブームが定着して日常生活に入り込んでいるのを見ることもあるのだ。
さて、ある日、駅前を歩いていると「うどん105円」の文字が目に入った。うどん好きの(ま)は、吸い込まれるように店の中へ。そこには、こざっぱりとした店内に、壁にはあらゆるうどんメニューが掲げられ、20種類以上のトッピングが並べられており、多くの人が行列を作っていた。注文窓口までたどり着いて注文を言えば、ものの1分で注文の品が出てくる。さっそく(ま)も列に加わり「『ぶかっけうどん 小』下さい。」と言ってみる。すると「これは普通のうどんじゃないですよ。『かけうどん』はこちらです。」と言われ、指差されたメニューを見ると『かけうどん小 105円』の文字が。なぜぶっかけを頼めないのかは謎だが、まあよい。これを頼もうじゃないか。暖めたうどん1玉にかけつゆがはられ、レジで払うお金は本当に105円。レジ横にある、無料の天カスとネギを入れれば、立派な『たぬきうどん』だ。
アメリカで、旅行帰りの疲れた時にでも、「今日は、うどん屋さんにでも寄って済ませようか。」と言えない、つらい経験をしているだけに、この気軽さ、安さ、味の良さ(値段にしては、結構おいしい)には、もう感無量。ちなみに、このうどん屋(はなまるうどん)はチェーン店らしい。日本のおいしい文化食、うどん。新しいかたちをとりつつも、いつまでも庶民の味方でいてください。ちなみに、このうどん屋さんのトイレには「105円うどんを守るため、省エネにご協力ください。」と張り紙がある。もちろん私は、使用後必ず電灯を消すことにしている。105円うどんよ、永遠なれ。(ま)from Kitchen
(ま)、英検の結果が判明する 7.3.2004
「(ま)、電話だよー。」「はいはい。もしもし?え、本当ですか?私が英検1級に合格?!」・・・という夢を見た土曜日の午後。(ひ)がジョーズのテーマソングを口ずさみながら、満面の笑みで私に郵便物を手渡した。それは英検からの成績通知表。自己採点の結果は思ったより点が取れていたし、もしかしたら今朝の夢は予知夢だったかも…。ゆっくりと中を開く。そこに書いている文字は…
一次試験結果 不合格A
…やっぱりね。人生そんなに簡単じゃないのだ。アメリカで3年間住んでただけで軽く英検1級を取られては、英検の沽券にかかわると言うものだ。と、自分で自分を慰めつつ、ん?しかし、不合格「A」って何だ? 説明書きを読むと、不合格者だけをABC区分に分けており、(ま)の「不合格A」は不合格の中でも上位24%に入っているらしい。…何だかセコイ区分けである。諦めきれない不合格者の心情を察してか、はたまた「次回こそ!」とついつい思ってしまう受験者心理を狙っての営業戦略なのか。誰か、「不合格は不合格なの!!!」と一喝してくれぃ。
気を取り直す。何を隠そう(ま)は以前、試験問題と結果のデータ分析を仕事にしていたのだ。ここまで経過を書いたのだから、思い切って全データ公開の上、問題、受験状況と共に、今回の結果を見直してみよう。
(ま)の英検 データと分析はこちら。
しかし、こんな分析と次回の対策を考えている私って、もしかして再受験目指しているのだろうか。だって、「不合格A」だしねぇ。いかんいかん、その手には乗らないゾ! 何はともあれ、こんなことをHPで皆さんに伝えている一番の理由は、アメリカ生活を終えて帰国した人が、帰国後、日本の中でどうやってその成果を形にできるだろう、という疑問や思いや結果をを共有したいからです。何か新しいチャレンジをする時は、またこのHPで発表しますね。とりあえず、(ま)の英検体験記、これにて終了です。(ま)from English
銀行員、ホスト説 6.28.2004
日本に帰ったら、見慣れない名前の銀行が多くてビックリする。不在にしていた3年間で、最も再編が進んだ業界だ。さて、駅前に出たついでに、住所変更をしようと某地方銀行に立ち寄った。すると、通帳の残高をチラリと見た窓口嬢が「金利の低い時代の、お金を増やすお話を3分間でさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」と言う。うまい話には乗らないのが基本だが、まあ銀行だし、時間もあるし、「いいですよ。」と言ったのがそもそもの間違い。
3分以上待たされた挙句、奥の個別カウンターに呼ばれ、笑顔もサワヤカな若い男性銀行員が投機商品について語り始める。(ま)の通帳の支店名から出身大学を当て、「僕も同じ大学の出身なんですよ。」と、これまたサワヤカな笑顔。20分も話しただろうか、「あー、でもこの通帳、印鑑が違ったのでお金を引きおろすことが出来ないんですよ。」と説明したところ、やっと解放。でも最後には再びサワヤカな笑顔で、
「じゃあ、次はいつお越しいただけますか?」
…ってアンタ、次に銀行に来る予定なんて知るかい! そういえば、我が弟(銀行員)も『一番人気のホストの会話術』を先輩に薦められて読んだとか言っていたな。銀行員も生き残りに必死なのだ。ちなみに、印鑑が見つかったら家に伺いますよ、と言われたので、ウソの電話番号を教えた。もう、あの支店には行けません。(ま)from Discover
君の力とは? 6.24.2004
スポーツの中継は日本に戻ってからもよく見る(ひ)。しかし妙な違和感を覚えた。それは、選手達のインタビュー。勝った時には「自分の力が出せて良かったです」。負けた時には「自分の力が出せませんでした」。抱負は「自分の力が出せるようにがんばります」「自分のプレーができるようにがんばります」。プロ野球でも、Jリーグでも、アテネに出場が決まったオリンピック選手でも、判を押したようにこの「自分の力」「自分のプレー」を連発している。チームの時には自動的に「自分」が「自分達」に置き換わる。そう言えばストイックにスポーツに打ち込んでいる印象が与えられると思っているのだろうか。それともインタビューにはそう答えるものと刷り込まれているのか。そもそも「自分の力」「自分のプレー」って、何じゃい?
こういったコメントには帰国後数日にしてうんざりした(ひ)。何が日本人スポーツ選手たちにこう言わせるのか、目下の謎である。(ひ) from Sports
プラプラ 6.23.2004
日本に帰ってからすることで、一番緊張したこと。それはズバリ「ゴミ捨て」。自慢じゃないが、以前日本にいた時は、住んでいたエリアが分別収集を開始するタイミングで分別収集のないエリアに引越しをしていたので(たまたまです。)ゴミの分別は全くの未経験。「燃えるゴミ・燃えないゴミ」以外の区別は知らない。有料のゴミ袋すら使ったことがない(ま)である。 日本は随分厳しいと聞いて、ちょっとビビっていた。何しろ、決まりを守っていないゴミは、回収すらしてくれないらしい。
まずは実家の長崎で、初体験。燃えるゴミでも、生ものとプラスチックは分けるらしい。プラスチックといっても、お菓子の袋などだ。アメリカにいた頃、時々送られてくる日本食材の袋に「プラ」「紙」と書かれているマークを見つけては、ものめずらしく眺めていた。これが、分別の指標だったのね。飴を舐めては、包装紙を「えっーと、これは『プラ』」。こんにゃくを袋から出しては「これもプラ、プラっと。」。何だか自分がとても細かい人間になったみたいだ。隣町では、16種類に分けることが義務付けられているとか。大雑把な人は、ゴミすら出せない世の中だ。
そして、緊張感溢れて望んだ、新居のあるK市でのゴミ出し。ここは何と「ビン・カン・ペットボトルは資源ごみとして回収。それ以外は、すべて一緒。」だった。これなら私にも出来そうだ。しかし、割れた瀬戸物にダンボール、壊れた鍋と生ゴミを一緒に出すなんて、これまでの「燃えるゴミ、燃えないゴミ」のくくりは一体なんだったのだろうか? という疑問も残る。 何はともあれ、簡単な分別はウエルカム。今のところ、100%の回収率を誇る(ひ)(ま)家のゴミである。(当り前?!)(ま)from Discover
※エコロジー問題に関しては、いつか改めて書くつもりです。
土曜日の朝、牛乳が 6.22.2004
土曜日の朝、ピンポンというチャイムの音。女性が一人立っている。近所の方だっけ?と玄関を開けたら、グリーンコープの営業の方だった。試供品を持ってきたので、試食してほしいとのこと。「グリーンコープって、何ですか?」と聞いたら、その方は一瞬絶句。グリーンコープを知らないなんて、とでも言いたげな顔で「…遠くからいらしたんですか?」。「はあ、アメリカから。」と言うと、納得顔。
・・・グリーンコープって、日本人の常識なのか??
「牛乳は飲まれますか?」と聞かれたので「はあ、1週間に4リットルほど。」と答えたら(アメリカの販売単位1ガロン=4リットル)、牛乳の試供品も頂いた。何を隠そう、(ま)は幼少の頃「生協牛乳 飲み比べ大会」で優勝した経歴の持ち主。確かに牛乳は美味しかった。しかし、聞けば牛乳だけで週に千円かかり、何より毎週何かしら購入しないといけないのが面倒だ。という訳で、今回は加入は見送り。不思議な体験だった。でも、玄関先で突然食品を渡されてそれを食べるのって、冷静に考えたらちょっと怖い。アメリカだったら、絶対にその場で断っているな。(ま)
おりりんの納豆 6.21.2004
一昨年の一時帰国の際に、「日本で何が食べたい?」と聞かれ「とりあえず、納豆」と答えて以降、実家の食卓には必ず納豆が載るようになった。NCで納豆好きを取り巻く環境は過酷だ。日本食材店の「おかめ納豆」は、3パックで4ドル。つまり、50gのひとパックが1ドル以上する計算だ。それももちろん冷凍納豆であり、中には買ってみたら1年前の納豆だった、というヒドイ話もある。とにかく、納豆というのは「今日は納豆だ!」と構えて、ご飯を2杯用意して食べる高級食材だったのだ。
それが日本に来て驚いた。3パック100円程度の、安価で高タンパク質食品なのは当り前。加えてこの3年間の間に、付属品のタレの進化がすさまじい。以前の「納豆のタレ」のみならず、昆布ダレにわさびダレと、どれも結構美味しいのだ。最初は大喜びでいろんな味のタレを食べていたものの、段々その味の強さに疲れてきた。そしてふと思い出したのだ、おりりんの納豆を。NCに長く住む日本人の彼女(おりりん)は、何と納豆を手作りしていた。何度が食べさせてもらい、最初は戸惑った。そう、タレがないのだ。欲しいなら、しょうゆを少々たらす程度。でも、その素朴で滋養あふれるストレートな大豆の味が、今たまらなく懐かしくなったりしている。(ま)from Kitchen
アメリカ基準の大和撫子 6.21.2004
3年間アングロサクソンを見慣れていた目には、帰りの国際便の日本人スチュワーデスさんの顔が皆同じに見えた。しかし、皆同じに見えるが、皆美人なのだ!何もこの便が特別だったわけではない。(ひ)(ま)家の美の基準がアメリカナイズされているのだ。つまり、彼女達は、アメリカ人が考えるアジアン・ビューティーだと言えよう。やわらかい物腰に、控えめな態度。小柄な体、切れ長の目、黒髪。それはあたかも、民族衣装に身を包み、アイラインがバッチリの濃い化粧をしたタイ航空のスチュワーデスに、日本人がエキゾチックな妖気を感じるのと似ている。(本当に美人かどうかは別として。)国際線は、外国発のお国美人イメージと出会える場所だ。
そういう視点で見ると、最近の日本のテレビで活躍中の女性タレントの顔は、決して国際的な評価は受けないだろう。付けまつげとマスカラでいくら目を大きく見せたところで、目の大きさは白人にはかなわない。浜崎あゆみに憧れてプチ整形をするくらいなら、来世で白人に生まれることを祈りましょう。(ついでに言うと、白人は「鼻が高すぎる」と悩むくらい鼻も高いのだ!) 白人優位の美意識の刷り込みの結果だろうけれども、もっとアジア人の顔の造作を活かした美しさがあってもいいように思う。そしてこれは、若さ至上主義の賜物だろうか、子供のような顔の女優さんが活躍しているのも、驚いたことのひとつだ。NHK朝の連ドラの女優さんも、安達由美の看護婦さん姿も、見ていて怖かった。発育不良の注射を打たれたみたいで痛々しい。そんなこんなで、富士純子を見て「おお、美しい」と言っている自分も、何だか変な気がするのだが。(ま)from Discover
バイバイ、田辺君 6.20.2004
夕方、テレビをつけたら、渡米直前に見ていたドラマが再放送されていた。(その名も「2001年の男運」)個人的には、まったくブランク無しに連続で見ているような気がして何だか面白い。それにしても、この全く面白くないドラマを見ていたのには理由がある。田辺誠一が出ているのだ。
(ま)は日本で無名の頃から金城武に注目していて、「不夜城」でブレイクしたときには「先物買いの女」と周囲の女性から尊敬の眼差しを受けていた。で、「次は田辺誠一だね。」と言い切っていたのだが、彼が司会になった「トップランナー」というテレビ番組は、渡米直後にスタートして見ることが出来ず、その後、(ま)の米国滞在中に彼はバツイチの大塚ねね嬢と電撃結婚。インターネットでやっと探した写真入り記事には「喜びの会見をする大塚(中央)と田辺(手前)」という、微笑む大塚ねねの手前に、ピントが外れた顔?のようなものがボンヤリと写っているだけだった。帰国してみると「トップランナー」の司会はすでに替わっており、今や出演中のドラマを見ても何の感慨もない。2人にとって、離れて暮らした3年間は長すぎたのね、と勝手に結論づけている。(ま)
※補足 (ま)のテンションとは関係なく、ご本人は俳優のみならず映画監督としてもご活躍中です。
嗚呼、ダイエットコーク 6.20.2004
もしくはダイエットペプシ。何を隠そう(ひ)の大好物で、アメリカでは安売り時に大量にケース買いし、研究所から帰宅してはベランダに出てプシュッと一本楽しむのが日課でした。クラシック(つまり普通の赤いヤツ)は毎日飲むにはカロリーが高すぎるし、ある日どこからか一本手に入れたものを飲んでベランダに置いていたら、空き缶の底に無数の蟻が集まっていて(ダイエットの空き缶にはゼロ)砂糖の恐ろしさを実感して以来、全く口にしていない。同じ理由で他の炭酸飲料もダメ。歯科医としてもオススメできたものじゃありません(いくら砂糖なしとはいえダイエットならいいのかなぁ??)。
さてさて、そんなダイエットコーク好きの(ひ)、日本に帰国以来数日、何となく変な雰囲気は感じていました。そして最初に起きた事件は、一週間目くらいに東京行きの飛行機に乗った時。機内サービスで迷わずダイエットコークを注文したのに、クラシックしかないと言う。そりゃいかんので水を飲んだ。疲れて喉が乾いた時には「スカッと爽やかダイエットコーク」が信条の(ひ)。そんなおあずけされちゃあ、もう我慢できません。空港で、駅で、見かける自動販売機という自動販売機を全てチェックしながら歩く歩く。だが無い。無い!ダイエットコークが無ーい!!!
こんなにたくさんの種類のジュースが売っているのに、なぜにダイエットコークが無い? 他のは何もいらんからダイエットコークを飲ませてくれ!。とそんな思いの(ひ)を、翌日軽井沢駅の自動販売機が救ってくれました。とうとう見つけたのです、ダイエットコーク。迷わず一本ご購入。しかし出てきたものは「新・ボトルキャップデザイン缶」とかいって、缶の高さはそのままに上部1/3がすぼんでスクリュー式のキャップになっている。つまり、1/3の容量減。何やねん! 実質値上げやんか。だいたいからして値段が高いのに(アメリカの安売りだと1本20セントくらい、自動販売機でも60セント)、新・ボトルキャップデザインげなな〜んばツヤこいとーとや!? 怒るよ。まよかろう、今はダイエットコークが飲みたいのだ。と、遠距離恋愛の恋人に会うような気分で待ちわびた一口をいただき、ん、まし、んん、た?んんん?んんんんん???味が違う!味がちがーう!美味しくなーい!!! なんてこったぁ、ビールですら高いのでひかえているのに、ささやかなダイエットコークの楽しみまで奪われてしまうなんて。。。こんなことでとお思いでしょうが、かなり大きなダメージのショックを受けた帰国直後の(ひ)なのでした。
後日、近所のスーパーで 500ml 100円のダイエットコークとダイエットペプシ(しかしTwistのみ)を発見。家で落ち着いて飲んでみると、味もほとんど違いが分からないほどでした(関東地区では味が違うのか??)。というわけでまずはホッと一安心な状態に、とりあえず戻れた(ひ)ですが、やっぱり飲む量は劇的に減りました。ダイエットコークに見る逆カルチャーショック、といったら大袈裟かな?(ひ)from Kitchen
(ま)、英検1級受験を申し込む 6.16.2004
耳が英語に慣れているうちに「資格」にしておこうと、TOEICの申し込みをしようと思ったら、申し込み締切りの直後だった。仕方ないので、「英検」を受けることにする。問題は何級を受けるかだ。「準1級だったら通訳レベル」と、子供の頃に聞いたような。。。 早速HPで調べる。準1級は大学生レベル、1級は大学卒業レベルらしい。(って、一体どこの「大学」だ?)HP上のモデル問題を解くと、1級の問題でも正解したので、1級を受験することに決心。
申込み締切り前日だったので、急いでローソンで申し込み。受付の画面で「1級」を押そうとすると、横にいた(ひ)が心底驚いている。「それ、い、1級だけど。」「うん、何かおかしい?」「いや、1級だよ。。」「うん、そうだよ。」「1級か…(おそるおそる)準1級くらいがよくないかな?」「大丈夫。モデル問題、全問正解だったもん。」「あ、そう…。」
翌日、本屋へ問題集を買いに行った(ま)は唖然とした。過去問題も、予想問題も、モデル問題より遥かに難しかったのだ。合格率は8%。落ち込む(ま)の手元にある受験票には、「申し込み後の受験級の変更は一切認めない。」と書いてある。ああ、受験料7500円の無駄遣い。
どう考えても、旺文社の陰謀だ!優しいモデル問題を載せて、より高い級を受験させて、高い受験料を巻き上げている。(級が高いほど、受験料も高い。) 許せない。。。と嘆きつつ、受験日は確実に近づいてくる。続く。(ま)from English
(ま)、英検1級の受験勉強をする 6.17.2004
余りにも高い壁には、登ろうとする意欲も起きないものだ。とはいえ、予想問題を解いてゆくと自分の力が分かってくる。長文問題については、出題形式に慣れると100%正解。ヒアリングについては、短い会話形式だと90%の正解、長い会話だと3問中2問正解、といったところ。
自慢じゃないが、英検は中学2年生のときに4級を取ったっきり。20代前半には、TOEICを受けて「日常会話に支障がある程度」との結果が帰ってきた私である。 どうやら、アメリカ生活は無駄にはなっていないようだ。しかし、最大の問題は、語彙力不足。配点のおよそ5割を占める語彙問題は、ほとんど聞いたことのない(多分、フツーのアメリカ人も日常的には使わない)単語がズラリと並んでいる。これは次回の課題ですな、と勝手に諦めモード。(まだ今回の受験も終わっていないのに!)
それにしても、予想問題の中には「小作文」があるのだが、この回答例がヒドイ。私の英語のほうがよっぽどナチュラルだ、と思うような、日本語的発想の英語が書いていることがある。こんな回答例しか書けない会社が作る試験を受ける私って…と、悲しくなる。しかし「試験は正解を書くのではない。採点者が正解と思う回答を書くことが得点アップの秘訣なのだ。」という姑息な受験テクニックの大原則を思い出しつつ、図書館で勉強に励む(ま)であった。続く。(ま)from English
(ま)、英検1級を受験する 6.18.2004
ある晴れた日曜日の午後、受験会場である高校へ向かう。昔、営業で通っていた高校だ。懐かしい。さて、そこには高校生や大人に混じって、保護者連れの子供達もゾロゾロ。ふえーっ、世は小学生が英検1級を受けるご時世なのか、と驚きつつよく見ると、会場は5級から1級までの全ての級の受験会場であった。ほっ。
教室に入る。さすがに1級受験者に小学生はいない。テスト前、リスニングの音量テストの最中に救急車が通り、何も聞こえなくなったが、誰も何も言わない。しかたないので(ま)が手を挙げ、「あのー、リスニングのときは道路側の窓を閉めてもらえますか?」と言った瞬間に、教室のほぼ全員が私のほうを振り返り「何言ってんだ? コイツ。」という目で見られた。驚く私に、試験監督が優しく一言。「リスニングの時は、全ての窓を閉めるようになっています。」 どうやら、知らないのは私だけだったらしい。ってことは、あとは皆「英検常連さん」ってことか!
さて、出来はどうあれ無事終了。ここで、ひとつ言いたいことがある。何と、問題構成や形式が、予想問題集と大幅に違っていたのだ。リスニングがすべて客観式になっており、長作文もあった。個人的には得意分野なので、別に問題はなかったのだが、現状に対応していない問題集を平気で売る、旺文社の神経は信じられない。(英検問題集は、旺文社のドル箱商品です。)
会場を後にしつつ、「常連さん達の会話」に耳をそばだてる。「ああ、久しぶりに集中したら疲れちゃった。」「そうね。でも常に訓練していないとダメね。私、この間受けたTOEIC、ポイント下がっちゃってて。」「ええっ、どれくらい?」「うん、30ポイント下がっちゃったの。」 彼らは、「英検常連さん」ではなく、「英語の試験常連さん」だったのだ。 TOEICとかTOEFLとか英検とか国連英検とか、色々受けまくっているんだろうな。何だかちょっと怖いけれど、これも趣味の一つといえばそうなんだろう。(ま)from English
「冬ソナ」でリハビリ 6.14.2004
日本に帰って数日間、テレビを見ても新聞を読んでも、何だか疲れて集中できなかった。これはまさに、3年前の英語と同じ。英語に慣れないうちは、見ても読んでも、頭に入ってこなかった。アメリカでも日本語は日常的に喋っていたけれど、聞いたり読んだりする量は圧倒的に少なかったのだなぁ、と改めて実感。で、特にバラエティ番組などで、くだけた日本語でベラベラとしゃベっているのを聞くと、頭の中の情報処理能力がちょっとついてゆかないような気がしていた。
そんな(ま)に、「見せようと思ってビデオ撮っておいたわよ。」と両親が差し出したのは何と韓国ドラマ「冬のソナタ」。日本で大変な人気だと噂には聞いていたが、自分の両親まで観ていたとは。で、早速視聴。主人公の男女のすれ違いに、意地悪な松たか子(似)やお笑い芸人(似)の婚約者、上司の東てる美(似)などがからむ、日本では20年前に廃れたようなお涙モノのドラマチックな脚本。(と言いつつ、結構面白いのだ。)それに加え、吹き替え物特有のキレイでかつぜつの良い日本語の耳障りのよさに、ホッとした気分になりながら観ている。
余談だが、主役の男優は日本で「ヨン様」と呼ばれ、一時期の「ベッカム様」をしのぐ人気らしい。しかしアンタ、人の名前を途中で切るのもどうかと思うが(「ベッ様」と呼んでいるようなもの)、アングロサクソンからモンゴリアンまで、受け入れ幅の広い国ですこと。(ま)
さっそく、いいこと 6.14.2004
帰国して早々、年金が話題に登ることが多い。一つは、今や対象者の40%+政治家も収めていないという社会的な話題として。もうひとつは、(ひ)が就職したので年金加入の手続きが必要になったという自分達の話題としてだ。何を隠そう、(ひ)(ま)家はこの3年間、海外に済んでいたので年金加入は免除だったのだ。(未納ではありません。念のため。)それが今回の帰国のより、再び加入。国の財政も少しは潤おうというものだ。(ホントか?) 当り前とはいえ、この時期に年金に加入するなんて、何だかとてもいいことをした気分だ。いいことといえば、我らの新しい住まいであるK市も、人口100万人と公表しつつ、実はすでに100万人を割っているという噂だ。そこに新しく若夫婦2人が住民票を移すのだ。歓迎されない訳が無い。役所の対応も心なしか暖かかったような気がする。気のせいかも知れないけれど。(ま)
「愉快」な問題 6.6.2004
就職活動中の(ま)は、本日テストを受けてきた。様々なジャンルの中にあった、英語力を問う問題は、ある意味難問だった。
「次の英文の訳で正しいものを選びなさい。You had a good time.
1.あなたは、時間が十分にあった。
2.あなたは、親切だった。
3.あなたは、愉快だった。
4.あなたは、よい時計を持っていた。
5.(失念。正解でないのは確実)
正解は、消去法でいくと3ではないかと思われる。が、この日本語訳は言葉足らずであろう。この文章だと「あなた」が「愉快な人物」であったかのうように聞こえる。せめて「あなたは、楽しい時間を過ごしました。」くらいは言って欲しい。もっと言えば、この英文が単体で出てくるのは不自然だ。 " Did you have a good time?"(あなたは、楽しい時間を過ごしましたか?)や、"I hope you had a good time."(あなたが楽しい時間を過ごしたのならよいのですが。)などの形で、使うべきだろう。だって、「あなた」が楽しかったかどうかを、「あなた」に面と向かって言い切れるものではないのだから。ま、こういう英語力の出題者がいるということが分かっただけでも、よい企業研究になりました。ハイ。(ま)from English