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3行いかだい SPORTS・プロ野球2004 編



プロ野球(1) 10.28.2004

ここ最近話題のプロ野球問題。楽天ではなくライブドアに新球団を作って欲しいという以外、今となっては正直言ってどうでもよい。しかしそんな(ひ)にも、プロ野球に思いを寄せていたことがありました。何度かに分けて振り返ってみることにしましょう。

子供の頃は地元球団の「クラウンライター・ライオンズ」のファンでした。ご存知の通り西鉄ライオンズが黒い霧事件以降に戦力も人気もガタ落ちし、太平洋クラブ・ライオンズとなり数年後に再度名称が変わって一時的に存在していた弱小球団です。しかしそんな事情は全く理解できていなかった幼い(ひ)は、ひたすら地元というだけの理由で応援を続け、父や祖父に手を引かれては平和台球場へ通っていました。当時の平和台球場はまだ土のグラウンドで、シートは半ズボンで座ると妙な静電気を発して太股の裏が痛がゆくなり、ライトスタンドの向こうの大きな木には人がよじ登ってタダ見しているという、ボロながらほのぼのとした球場でした。成績の方も南海と壮絶な最下位争いを毎シーズン繰り広げており、そんな弱小球団の中で唯一、幼い(ひ)にとってのヒーローは何と言っても東尾投手でした。こんな弱っちいチームでは東尾が投げないと勝てなかったのだ。神様仏様東尾様、今では哀しいかなギャンブラーとしてのイメージしか思い浮かびませんが、彼は間違いなく正真正銘のスーパーヒーローだったのです。当時売り出し中だった変則左腕の永射保投手がそれに続く存在でした。野手陣では真弓選手(ショートを守っていた)、若菜捕手、4番の竹ノ内選手がやっとこ頼りになる程度で、好打のDH土井雅博選手と好守の基2塁手がベテランとして味を添えておりました。白地に赤く「Lions」と書かれたユニフォーム柄のパジャマが何よりの宝物だったりしました。
そして、小学校の4年生くらいだっと記憶していますが、そんな幼い(ひ)に衝撃の大事件が襲いかかります。それは「西武、ライオンズを買収、埼玉所沢へ移転」というニュースです。泣きました。本当に悲しかったのです。しかも追い打ちをかけるように、なけなしの戦力の中で何とか頼れる存在だった真弓・若菜・竹ノ内の3選手を阪神にトレードするというではありませんか!恨みました。阪神からは田淵と古沢の両選手が入団、もう半分ロートルと化していた2人を取るために真弓・若菜・竹ノ内の放出は痛すぎる。失意に打ちひしがれる(ひ)。しかしやっぱりライオンズを応援していたのは我ながら健気です。両親は(ひ)を励ますために新しい青い柄のユニフォーム・パジャマを買ってくれました。
さらに事件が起きます。今度は嬉しい事件です。移転して2年か3年後だったでしょうか。広岡監督率いる新生西武ライオンズは、なんとあのトレードで獲得した田淵選手が予想に反して大活躍、新人の石毛選手やテリー・スティーブ両外国人選手も大活躍。投手陣では東尾に加え森繁投手や松沼兄弟の大車輪の活躍で、なーんとパ・リーグ優勝、さらには日本一を果たしてしまったのです!信じられませんでした。あんなに弱っちいチームだったのに、ゆ、優勝?!ホンマかい?ホ、ホンマや、やったー!!
しかもこの後、年を重ねる度にさらに強くなっていき、常勝球団西武ライオンズが築き上げられます。中学高校生時代、強いライオンズは誇りでした。ラジオのナイター放送で、ピロリロリンと流れる他球場の途中経過をひたすら待っては、ライオンズの結果に一喜一憂していたものです。実際実況されていたG球団なんて丸無視で心の片隅にも気にかかりませんでした。そんな時に、かつての弱小ライオンズと壮絶な最下位争いをしていた南海球団を買収し、地元福岡にダイエー・ホークスが誕生すると聞いても「これで西武戦がもっと見れる!」というちょっと変わった理由で素直に喜んだのは、多くの福岡のライオンズ・ファンにとって共通の、自然な気持ちだったと思います。
<つづく>(ひ)


プロ野球(2) 10.29.2004

さてさて、地元福岡に誕生したダイエー・ホークス。そんなこんなで西武戦ではライオンズ・ファンの方が多く観客席を占めるという初期現象は見せましたが <歴史を見ると非常に自然なことだとお分かりいただけたと思います>、少しずつ上向いてきた成績と地元に根ざしたチーム作りで確実に「地元福岡の顔」へと成長しました。大学に入り自分でも準硬式野球をプレーするようになった(ひ)は、いつしか今度はホークスの応援のために再び足繁く平和台球場に通うようになっていました。そして10年という時間を要したものの、ついに念願の初優勝。この初優勝の瞬間(ひ)はたまたま上空にさしかかった飛行機に乗っており、空から福岡ドームの屋根が開く様子をこみ上げる思いとともに眺めたのを思い出します。その後のここ数年の好成績は、かつての常勝ライオンズが誇りだったのと同様に、福岡や九州のファンにとっては大きな誇りとなりました。
しかしそんな市民球団としては理想的なはずの福岡ダイエーホークスにも、数年前からご存知のような親会社の問題が降りかかります。ダイエー問題に限らず、マスコミがタレ流すあることないこと何が真実なのか分からないような報道としての意味をなさない報道の洪水に、いつしかプロ野球を愛していた心を流されてしまったかのように、(ひ)の思いは次第に醒めていきました。ダイエーホークス自体には何も問題ないのに。。
それだけではありません。あんなに弱かったライオンズやホークスが毎年のように優勝に絡むようになったのは、「勝とう」というスポーツとしての最も基本的な気持ちが実を結んだものだと思います。しかしそんなスポーツとしての最も基本的な部分を否定する球団が現れました。BW球団です。彗星の如く現れたイチロー選手を擁して2連覇を成し遂げた後、BW球団は主力選手を次々と放出してチャンピオンチームを解体してしまいました。何故だ?何故そんなひどいことをする?勝ちたくないのか??そう、BW球団は勝ちたくなかったのです。勝っても増収が望めないのか、勝つことによって高騰する選手の年棒を払えないのか払いたくないのか、経営陣は自分の球団を勝てないチームにしました。事情はあるにせよ、こうなるとこれはもはや、スポーツではないと思う。興味が失せていくのは、当然です。
ちょっと話は飛びますが、特に学部学生だった頃、(ひ)はアンチG球団でした。ところが冷静になって考えてみると、G球団のやり方は卑怯にしても、それはまだ「勝とう」としていることを意味しているわけで、BW球団に比べるとずっとスポーツマンらしく振る舞っていると言えなくもないわけです。このことに気付いた時、(ひ)はそっとアンチG球団の旗を降ろしたのでした。
おっとしかしG球団のファンになった訳ではありません。何がどう転んでも、そうですね、将来息子が入団したらファンになるかもしれませんが、そうでなかったら絶対に無理です。しかしずっとアンチG球団だったという訳でもありません。特に幼かった頃は、幸か不幸かG球団が強かったことを知らないし強いと思ったこともなかったので、G球団のことなんてアウトオブ眼中だったのでした。実際ライオンズ一筋だったこともありますし。
それが、人に無礼だ無礼だと言う割には自分が最も無礼なあのオーナーが就任してからというもの、台湾出身の呂明賜選手が活躍すると外国人選手枠を拡大し、選手会側からの要望とはいえFA制度を積極的に導入し、これらはまだ選手側にはメリットなのでどうにかこうにか許せるものの、極めつけは本来戦力均衡を図るはずのドラフト制度に180度逆行する逆指名制度を導入するなどなど、なぜ他のオーナー達が黙っているのか不思議でしかたがないような好き勝手な行動を連発また連発。自由獲得枠?いったい何やねんそれ。そんな理不尽な暴挙によって戦力補強したG球団が勝つと、テレビでは泥酔した新橋のおじさん達が「G球団最高っ」などと騒いで喜び、マスコミはマスコミで「日本経済のためにはG球団優勝」などスポーツとは全く関係のないことを偉そうに述べ、無礼なG球団オーナーの愚行を正当化している。これはいくらなんでも我慢できませんがな。アンチG球団(ひ)の誕生でした。だって、明らかにおかしくないですか? 少しでも知能がある人間が客観的に観察したら、少なくともテレビで偉そうにしゃべるくらいの分別があるはずの人だったら、とてもな状態が起きているということは100%明らかだと思う。なぜみんな黙っているのだろう?
<つづく>(ひ)


プロ野球(3) 12.15.2004

この話題をちょっと放ったらかしておいた間に、新規球団はライブドアではなく楽天になり<だぁ〜無念!>、ダイエー球団がソフトバンクに買収され、西武は親会社の不祥事で球団存続の危機と、いろんなことが起こりました。いったいどうなっとんねん? 楽天やソフトバンクの審査項目は「赤字を吸収できる財務体力」、ちょっと待て、そんなハナから赤字なことが前提って何だかおかしくないかい? かつてチャンピオンチームを解体し、今回の混乱の引き金ともなったBW球団のオーナーが言うには「構造的に赤字を避けることができないので、将来的に球団を持ち続けるかどうか不透明」。構造的な赤字?ほう。その解消のために1リーグにするかせめてセ・リーグ球団と交流試合をしたいってか。ほう。でもG球団とのカードが減る他のセ・リーグ球団は反対ってか。ほーう。
というかもう十分!That's enough!!いい加減子供の喧嘩のような不毛な議論はやめてくれ〜!
どれほど歴史がある球団なのか、どれほど選手達が紳士なのか、かつてどれほど強かったのかは知らんが、なんでこの国ではこんなにG球団ばかり人気があるのだ? 部分的ではあろうが、このG球団への一極集中が生む堂々めぐりが、不毛な議論の不毛たる一因であることには疑いがないと思う。当のG球団は全国的な人気を楯にして、人に無礼だ無礼だと言う割には自分が最も無礼なあの元オーナーを筆頭に「自分たちだけ儲かりゃいいや」と利己的な利益ばかりをむさぼって暴挙を連発した。G球団におんぶの他のセ・リーグ球団は何も言えず、パ・リーグ球団も将来的な1リーグのために何も言わず、結果のぼせあがった無礼な元オーナーはさらに愚行を重ねた。G球団が口先では言っているように「日本プロ野球界の発展」のことを本当に考えて行動しているのなら、そんなことはしないだろうというようなことばかりをG球団は行ってきた。そんなG球団がプロ野球界の中心にいるのだ。ちょっと考えただけでも、良い組織が作れるはずがないと分かる。
かつて、ベルディ川崎というJリーグのチームをG球団の親会社が保有していた。企業名をチーム名に付けることを禁止しているJリーグ川淵チェアマンと、人に無礼だ無礼だと言う割には自分が最も無礼なあの元オーナーは、事ある毎に衝突していた。そしてチームが経営困難に陥ったある日、無礼な元オーナーは「Y売という名前が付いているチームなら命を懸けて守り通すが、そうでないならどうでもいい」と言ってチームの経営権をいともあっさりと手放してしまった。見よ、あの無礼な元オーナーはこんな人間なのだ。
そしてそんな無礼な元オーナーの愚行を指をくわえて見ていただけで何も言わなかった他の球団も同罪。このような状況になってしまったことが、プロ野球歴史上最大の悲劇である。ライブドアの堀江モンがかたくなに拒絶されたのは、彼が成功して球界のバランスが変化した結果、既得利益を奪われることを恐れていたのだろう。そんな状況の中で参入を果たした楽天やソフトバンクには、多くは期待していないがせめてこの悲劇的な局面を打破する突破口となってくれることを望む。
さて、Jリーグは一時厳しい時期があったとは言え(それで首尾よく厄介払いができたので結果的には良かったと言えよう)各チームの経営も安定してきて成熟期を迎えた。まるでG球団のようだったベルディ川崎の選手を中心とした「ドーハの悲劇」当時と比べて、格段に層が厚くなりレベルも戦闘力も高くなった日本代表チームを見ても、その充実ぶりがうかがえよう。
反面、G球団は深刻なテレビ中継視聴率低下で慌てふためいている。デフォルトでG球団の人気を刷り込まれていると信じてもらえないが、客観的に見ているとこれは非常に当然で明らかな帰結である。全て身から出たサビに過ぎない。今さら「ファンサービス」などと言っても実体の無い張りぼての口先三寸なのはバレバレだ。人に無礼だ無礼だと言う割には自分が最も無礼なあの元オーナーは、ドラフト候補選手にお金を渡していたという小ネタを自らリークしてそれを理由に辞職し、体よく責任追及を逃れた。バットを振ったら故障し1塁まで走ったら故障する本当に野球選手なのかどうか分からないのに年棒5億円の選手が、来年もG球団に残りたいけど監督が嫌いだとか子供のようなことを好き勝手言っている。つまらん。実につまらん。そんなこと全く面白くもないし興味もない。この調子では本当に危機感を持っているとは思えない。結局G球団はいつまでたってもG球団なのだ。この球団って「球界の盟主」のはずじゃなかったっけか。単なるウミ(膿)やがな。G球団に限らずプロ野球全体も冒頭のような景気の悪い話題で持ちきり。あの平和台球場でライオンズやホークスに熱い声援を送っていた気持ちはもはや取り戻せないのか。しかし哀しいかなこれがプロ野球の現状だ。ま、今となってはそんなこと正直言ってどうでもよい。
<つづく、かも>(ひ)






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