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3行いかだい 2005年

やっぱり起こる、暮らしの中のハプニング!



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ついに、やってしまった 11.2.2005

アメリカでは、電話のセールスがしょっちゅうかかってきていた。で、話を聞きたくないときの最も有効な断り方は、一言。"I can't undetrstand English."(私は英語が分かりません。)これだと、ほぼ100%撃退することが出来る。この手、いつか日本でも使いたいナーと思っていた。

さて、(ひ)(ま)家の住むアパートには一時期、やたら色んなセールスが来ていた。ところが、呼び鈴の横に「セールスご遠慮ください」の張り紙をしたところ、本当にセールスが来なくなった。大変良い傾向だ。特に(K)が生まれてからは、お昼寝中に鳴らされる呼び鈴ほど頭に来るものは無いので助かっている。 ところが昨日、呼び鈴が鳴った。ドアのスコープで見ると、いかにもセールス風の女性がメモを片手に表札を書き写している。無視。散歩に出ると、近所のアパートを一軒一軒回っている姿を目撃。間違いなくセールスだ。夜の8時過ぎにも、同じ女性が再度我が家の呼び鈴を鳴らす。これも無視。そして今日も、お昼に呼び鈴が鳴った。しつこい。出るまで何度も訪問する気だな。ドアを開ける。女性はすかざず話し出す。「こんにちはぁ。ちょっとお伺いしたいことがあってぇ、私は今、ゼロ歳から4歳までのお子さんのいるご家庭を訪問しているんですけれどもぉ、表札を見ると可愛いお名前があったんでぇ、お子さんがいらっしゃるかなあと思ってぇ。」 ふと、(ま)のイタズラ心に火がついた。

しばし間を開け、呼び鈴の張り紙を指差し、一言。"Can't you read Japanese?"(日本語読めませんか?)
彼女、笑顔が固まったまま、しばし無言。
続けて(ま)、"Do you understand English?"(英語分かります?)
彼女、無言。
(ま)、再び張り紙を指差し、"Can't you read Japanese?"(日本語読めませんか?)
彼女、無言。
(ま)、"OK?"(分かった?)
彼女、一言「…イエス」。そして、彼女は去っていった。

という訳で、日本でも、日本語が分からないふりをしたら、セールス撃退には有効だったことが証明された。

さて、この話には後日談がある。翌日、(ひ)と散歩していたら、別の家にセールスをして出てきたその女性と偶然バッタリ。私はすかざす"Hi!"(こんにちは!)と、フレンドリーに英語で挨拶しておいた。事情を知らない(ひ)は、見知らぬ女性にいきなり英語で話し掛ける(ま)を不思議な目で見つめているのだった。(ま)


農家の嫁 10.26.2005

(ま)の元職場の後輩で、このHPの愛読者でもあったMちゃんがダンナさんと一緒に遊びに来た。何を隠そう、彼女は新婚さん。 お土産の缶ジュースを見て「これ、Mちゃんちで作ったの?」「いいえ、それは農協ので、そっちのお米が我が家の田んぼで採れた分です。」そう、彼女の嫁ぎ先は農家なのだ!

もう少し詳しく言うと、彼女の嫁ぎ先は、鹿児島県の田舎の農家で、彼は長男。ご両親の家の隣の「離れ」に住んでいる。絵に描いたような田舎の農家の長男の嫁!! 「おふたりのような夫婦になりたいので。」と請われて結婚届の証人欄に名前を書いた(ひ)(ま)としては、大きな環境の変化の中にいる彼女が、ちゃんと幸せに暮らしているか知っておきたいというもの。

新生活の話の中でも印象的だったのは、「地元の人が話している言葉が分からない。」ことと、「田舎の蚊は強力で、免疫がないから腕や足が腫れ上がって、今年の夏は大変だった。」ということ。ダンナさんは「こいつ掻くんですよ。だから余計に腫れちゃって。」と涼しい顔。蚊に刺されたら掻くだろう!と思うのだが、慣れた人は掻かずにガマンするものらしい。そうしているうちに免疫がつくそうだ。皮膚が弱い(ま)としては、恐ろしい話である。いやー、鹿児島の田舎には住めないわ〜、と思いつつ、ハッとした。「言葉がわからず」に「蚊が強力で腫れた」のって、私のノースカロライナ生活と一緒じゃないか。そう、Mちゃんはアメリカに嫁に行ったようなものなのだ。環境の変化って、周囲が心配するより、本人はたやすく順応するものなのかの知れない。うん、何とかなるぞ。お土産の新米をいただきながら、日に焼けて、極細だった体が少し健康的になった彼女を思い出し、今後の幸せを祈るのだった。(ま)

※ちなみに、彼女の新居にはインターネットがない(ブロードバンド回線が家まで届いていない)。Mちゃんよ、再びこのHPを訪れてこのコラムを読んだらメールちょうだいね〜。


加湿器 10.27.2005

このところ、急に冷え込んできた。と、同時に朝になるとやたら喉が乾いている。いよいよ、乾燥の季節だ。今年は(K)もいることだし、早速「加湿器」を買いに電気店へ。アメリカの加湿器の性能と値段を想像していったら、さすが日本。性能も値段も多種多様。店員の言葉に載せられて、つい最新式の「ハイブリッド型」を買ってしまった。

さて、アメリカの加湿器でまず思い出すのは、英語名がやたら難しいということ。humidifier(ヒュミディファイアーもしくはヒュミディフィアー)なんて、下を噛みそうだ。そして、品切れになるということ。乾燥の厳しい冬になって「さて、そろそろ加湿器でも。」と思う頃には、店頭から消えている。NCの冬はやたら乾燥している。おまけに暖炉を焚くので、乾燥度も倍増だ。そんなある日、ムービングセールで加湿器をタダでもらう。「よく洗ってから使ってくださいね。」 喜んで家に帰り箱を開けてみると、驚くべきは構造の単純さ。スポンジを水をしめらせ、それを温風で気化するというもの。そして、さらに驚くことには、タンクにもスポンジにも、びっちりとカビが…。これじゃ細菌を撒き散らしているようなものだ。綺麗に洗ったものの、怖くて使えない。

翌年は、早々に新品を購入。ウォルマートで40ドル位(約4,000円強)だっただろうか。替えのスポンジも同時購入。そして強力な助っ人も。加湿器専用の薬品だ。これを水に入れると、カビの繁殖を抑えられるそうだ。「うーん、今年は完璧だ!!」と、妙に達成感に溢れた秋だった。

そんなことを思い出しつつ、今年は「気化式&温風気化式のハイブリッド、フィルターはポーラスゼオライト、メガアクティブイオン放出」の加湿器で冬を迎える。お値段もアメリカの5倍近くしたぞ。ちなみに、「水に入れる薬品ありますか?」と聞いたら、お店の人から「水道水で十分です。薬品なんか入れたら、故障のものとです。」と呆れられた。(ま)


夜のママ達 10.15.2005

飲み屋の話ではない。
妊娠中に通っていた産婦人科で、赤ちゃん相談会があるというので出かけた。(K)を連れての(ま)だけの初めてのドライブだ。時間に余裕を持って出かけたので、一番に到着。他の参加者を待つ。
最初に現れたのは、母子共に全身黒づくめ。怖い。「子どもにはモノトーンしか着せない。」という親がいるとは聞いたことがあるが、これがそういう人なのね。次々に入ってくる赤ちゃんとお母さん達。最初は赤ちゃんの服に目を奪われていたが(おおむね、お祝いでもらったらしきブランド物一式)、そのうち何かおかしい感覚に襲われる。「私は今、どこにいるんだ??」
そう、お母さん達の服装が、露出度の高いキャミソールやすけるオーガンジー、ヘソだしに背中だし、まるで夜の職業、もっと言うと「世界最古の職業」の方々のような様相なのだ。特に年齢が若いわけでもなく、話すとまっとうな人達ばかり(含む黒服)なのだが、これはいかに?!

原因は、(ま)の3年間の日本不在と、ここ1年間の世間と無縁な生活にあると判断。もともと、シャツやスーツを着る生活だった(ま)が訪れたアメリカでは、というよりノースカロライナでは、若い女性でも色気のないTシャツ派が多く、また露出度が高くてもタンクトップなど「健康的」で、ヘソだしも「はみ出している」的なのどかさだった。一方、そのころ日本では、(ま)が驚くような服装が流行し、やがて定番となり、愛用する彼女達もそのまま母親となったのだろう。ここ1年、雑誌の中や、たまに街を歩くと見る、「何じゃ、こりゃ」と思っていた女性の服装は、実はすでに「一般的な服装」だったのだ。男性はやっとネクタイを外した今年の夏だったけれど、女性のクールビズは、ここ数年でかなり進んでいると言えよう。(ま)from Discover


破壊力抜群、3発の爆弾 10.2.2005

とは、(ま)の先輩K岡さんからいただいたCD「世界の子守歌」の1・2・3曲目です。何がすごいかって、この3曲で見事に(K)くんが寝てしまうのです。まず1発目は「ね〜むれ〜、ね〜むれ〜」でお馴染みの「シューベルトの子守歌」。曲の半ばであくびを連発し、終わる頃にはうつろな目に。続く2発目は、3曲の中でも最も強力に(K)くんを夢の世界へと誘う「ね〜む〜れ〜良い子よ〜」の「モーツァルトの子守歌」。もうモーツァルトに足を向けて眠れません。そしてダメ押しの3発目「ブラームスの子守歌」が終わる頃には、3曲のトータル約9分でベッドへ向かう準備完了です。
見事優勝を果たした阪神タイガースの「JFK」並みの、(ひ)(ま)家の最強トリオ、重宝させてもらっています。(ひ)


ギャップのギャップ 10.1.2005

(K)の誕生祝いに、沢山のベビー服を頂いた。その中にbaby GAP(ベイビー・ギャップ)の服も数点ある。言わずと知れた、アメリカ発のブランドだ。本国アメリカより、日本での方が「ありがたがられる」服の代表選手。アメリカでは「OLD NAVY(オールド・ネイビー)=ユニクロ、ギャップ=無印良品」ぐらいの格付けだったけれど、日本じゃギャップは三越デパートで売られている。(K)がお世話になった病院も、初日こそ病院名の刺繍入り産着だったが、翌日からは、いきなり素肌にベイビー・ギャップの服で登場。それが売りの一つなのかもしれんな。

さて、そのベイビー・ギャップの服を、この2ヶ月間程利用しての感想。
1)生地がしっかりしている。さすがドラム式乾燥機での乾燥が当然の国の商品。型崩れなし。
2)やたら着せにくい。前開きでなく、上からかぶせる式の服が多い。ずぼらなアメリカ人がどうしてこんな面倒な着せ方の服を作るのか、ミステリー。
3)表示のサイズと実際のサイズが違う。とにかく、サイズが信用できない!表示より、実際は1〜2サイズは小さいと思ってよいだろう。(K)は月齢的にちょうど標準サイズ(60〜70)だが、それでもギャップのみ(80)がちょうどいい。6-12month(6-12ヶ月用)の商品なんて、新生児並みの大きさだ。先日、(K)にこのサイズの靴下をはかせたら、かかとが合わず、ワンポイントの「サメ」は伸びきって「サンマ」になっていた。どうやら、『アメリカ人の赤ちゃんは、日本人より小さい』というのは本当らしい。しかし、ギャップよ。得意先市場である日本に対し、このサイズ表示のギャップは、余りにも不親切ではないかい?(ま)

(余談: 先日オークションサイトで、『オールド・ネイビー』を「ギャップの兄弟ブランド」と紹介して売っている人がいた。本当に資本関係があるのか?日本人なら何でもアメリカ産をありがたがると思って、いいかげんなこと書いちゃいかんゾ。)

追記:Emmaさんより、メールをいただきました。何と!オールド・ネイビーはGAP Inc.のブランドで、一応GAPの廉価版という位置づけだそうです。知らんかったなー。うちのオールドネイビーも高値で売ろうかしら。Emmaさん、ありがとうございました!!(ま)from Discover


やっぱり、アスベスト住宅 9.30.2005

日本では、今年に入って突然、という印象でアスベスト被害の報告が本格化してきた。その危険性は20年以上前から指摘されていただろうに、何を今さら…という気もするが、知らずに吸っていただけで死に至っているというのだから怖い。

さて、(ひ)(ま)の住む築27年の職員住宅アパートも、「この部屋の天井、アスベストじゃない?」と常々思っていた。すると最近、ポストに管理人から書類が。

「職員住宅バルコニー隔て板取替え工事のお知らせ」

読むと「隣室との仕切り板(緊急避難用)として設置している「隔て板」は、『アスベストとけい酸カルシウムをプレス形成した建材』です。」とのこと。で、「通常は飛散の心配はない」が、「住居者への安全を考慮して」アスベストを含まないものに取り替えるという。やっぱりあったか、我が家にアスベスト。取り替え当日は、窓を締め切って、洗濯物は干さないようにとの指示だった。

さて、この対応。環境について意識の高い大学の職員住宅ということで、ちゃんと調査・対応が行われた、極めて良心的なものだと言えよう。今も多くの住宅では、知らん顔して、アスベストが使われていると思うと、本当に怖い。。。(ま)


これが噂の… 9.21.2005

日本では、衆院選が終わって新内閣が発足する。今回の選挙では、日本を不在にしていた間に見逃した出来事を再現してくれるような場面に出会った。

まず小泉首相の「人気ぶり」。(ひ)(ま)は、小泉氏が首相になった頃のブームを知らない。帰国した時点では、「論理的に喋るのが苦手なおじさん」にしか見えなかったのだが、今回の選挙では、遊説に行く先々で黒山の人だかり。最前列の人々は日の丸の小旗を振り、女子高生は携帯電話で写真を撮りまくる。ユーモアを交えつつの、やたら熱い演説。そんな様子を目にしていると、確かに言っていることも妙な説得力があるような気がしてくる。これが小泉マジックなのね〜。隣の選挙区の「刺客」落下傘候補も、小泉首相の応援演説を機に認知度が高まり、あっというまに地元議員を押しのけて当選した。

そして鈴木宗男氏。(ひ)(ま)にとっては、「ムネオハウス」という言葉と、「顔を見るだけで気分が悪くなる。」という世間の評判しか知らない、逮捕された国会議員。今回再びの出馬だそうで、どんな嫌な奴かと思いきや、やたら元気のいい、ただのオジサンだった。(しかし、選挙中ずっと応援に駆けつけられる、宗男氏の娘の「カナダの留学先」って、一体どんなとこなのよ。)

残念ながら、もう見られなかったのは、小泉氏と田中真紀子氏のツーショットかな。
今回は、郵政民営化が大きな争点の一つだったけれど、国立大学の行政法人化の影響をまともに受けている我が家としては、郵政民営化も進めて欲しいところ。今回ばかりは自民党に1票か、とも思う反面、我らが地区の自民党議員の事務所(近所)の前は、いつも路上駐車。迷惑している。まずはその辺から「改革」しなさい、と言いたい。(ま)


混沌(カオス)のアングル 9.16.2005

昔から、他人の赤ちゃんの写真を見せてもらうたびに感じていたことがある。背景が雑然としており、写真として「見づらい」のだ。床に散らばるおもちゃ、布団の端、人の足…。そんなものがチョコチョコと写っていて、素人目にもおかしい。どうして、もう少し考えて撮らないんだろう、と不思議だった。

ところが、自分も(K)の写真を撮るようになり、理由がわかってきた。赤ちゃんは常に床(もしくはベッド)に寝ている。よって自ずとカメラも斜め下を向けることが多くなり、そうなると普段は写真に写りそうにない部屋の下のほうに存在する物まで写ることになるのだ。また、「もうちょっと右に寄って!」などと、普段するように被写体を動かすことが出来ないので、背景も選べない。気付けば、むこうに仏壇まで写っていたりする。「ああ、これが現状だったのね。」と納得しつつ、出来ればスッキリした写真を撮りたいと、その辺のおもちゃを足でどけつつ、ベターなアングルを探すのだった。(ま)


RENT the Movie 公開間近! 9.20.2005

rent 日本では全くもって報道されないので、(ひ)がここで吠えちゃいます。
いよいよ2005年11月23日、映画版の「RENT」が公開されます!これはみなさん、騙されたと思って見てください。というか、命令形になってしまいますが、見るのだ! できれば、予習して歌を覚えてから行くと、なおグッド。100%、素晴らしいミュージカルですぞ。まあ、映画版はどのように仕上がっているかはまだ分からないけれど、多くの人がこの映画を見て RENT のことを知ってくれると、とっても嬉しいです。
歌の予習は オフィシャルサイト でどうぞ。
ミュージカルのコーナー 525600 もどうぞよろしく!(ひ)


お久しぶりです、(ま)です。 9.13.2005

ご無沙汰しています。(ま)でございます。ここ数ヶ月、殆ど更新のない我が家のHPにも関わらず、アクセスしてくださった方がいらっしゃることを(ひ)より聞くにつけ、「うーん、書きたい!」と思う気持ちは強く、やっと書き出した次第です。

ご存知のとおり、(ま)は6月に(K)を出産して、(ひ)と共に初めての育児の日々を過ごしています。なかなかに面白い毎日です。とは言え、このHPを育児サイトにする気はさらさらありません。まぁ、子ども中心の生活なので子どもの話も出てくるとは思いますが、ありがちな「育児はこんなに大変!」的な話は避け、相変わらずの、どうでもいいけどちょっと面白い話、興味深い話を書こうと思っています。そして、今後も出来るだけいろんなトピックについて書き進めていきたいと思っています。という訳で、相変わらずのスローペースですが、のんびりお付き合いいただければ幸いです。久々登場の、ご挨拶でした。(ま)


神話以前 9.13.2005

それでは、出産関連のネタを2つ程。

(ま)が出産した産婦人科の病院では、4階が出産後の患者のためのフロアになっていて、朝と昼の食事は、各病室にコの字型に囲まれたスペースの、長テーブルでみんなで取るようになっていた。その際、赤ちゃんは各自の病室に置いておくことになる。
みな睡眠不足でボーッとしながら食事をしていると、どこかの部屋から赤ん坊の泣き声が…。この場合、「お母さんは、自分の赤ちゃんの声が聞き分けられる。」というのが、世の常識というか、母性愛的神話のように信じられているが、きのうおととい産んだばかりの新米母親には、その神話は通用しない。その場にいた8人全員がおもむろに「うちだっけ?」「うちだっけ?」と口々に言いながら立ち上がり、自分の病室を覗きに行く。帝王切開で少々長く入院していた(ま)は、「うちじゃあ、ないや。」と思っていたが、その赤ちゃんは泣き止む気配が無い。おかしいな、と思い、重い腰を上げ自分の病室へ行くと、そこではみごとに(K)が泣いていた。「みんなゴメーン!うちだった。」と(ま)が叫ぶと、他の患者は、わらわらとテーブルに戻り、食事を続けるのだった。(ま)


放物線 9.13.2005

赤ちゃんのお世話というのは、ある日を境に、慣れないことをいきなり24時間体制でするわけだ。そこに「こうしましょう」と各種アドバイスが入るので、最初の頃は、頭がこんがらがることが多い。

ある日、授乳をしながら、ふと気がつくと、(K)の頭を後ろから支えた手の親指と小指で、両耳をふさいでいた。これは、お風呂に入れるときのポーズだった。授乳中にやっても、意味は無い。また別の日は、ベビーベッドの上でおむつを替えていた。「確か、『赤ちゃんとアイ・コンタクトを取りながら』だったよな。」と、(K)の目を見つめながらオムツを替えていると、視界の端に、放物線が見えた。そして、ジャー、ボタボタという音。「あ、アイコンタクトは、授乳の時だった。」と気づいた時には、見事な放物線の先、床におしっこの水溜りがで出来ていた。(ま)


ハリケーン被害のニュースを見ながら 9.8.2005

ニューオリンズのハリケーン被害は、日本でも大きく報道されています。アメリカ国内でどのように報道がなされているのか分かりませんが、日本では、どさくさにまぎれて警官も店から商品を強奪している映像も流れています。

さて、ハリケーンは自然災害でしょうが、その後の対応のまずさによる混乱は、人災と言っても過言ではなさそうですね。某ニュース番組のキャスターが「我々の知っているアメリカとは思えない。貧困国のような映像だ。」と言っていましたが、それは彼がニューヨークなどの大都会しか知らないのでは?ニュースの映像を見て想像がつくとおり、実は、ニューオリンズは決して経済的に豊かな場所ではありません。治安も決してよいとは言えません。我々観光客が足を向けるのは、整備された目抜き通りと、街の中心部のフレンチ・クオーターと呼ばれるエリアの、これまたバーボンStより南の、本当に限られた界隈だけ。このエリアを外れると「昼間でも歩いてはいけない」と、アメリカのガイドブックにも書いてあります。

観光客にとって「治安が悪い」ということはつまり、貧困層の住む地区だということ。もっと言うと、黒人をはじめとするマイノリティーが多く住む地区だということ。そんな彼らを襲った今回のハリケーンと、その後の救援の滞り。これが北部の街だったら対応はもっと違ったかも…と思ってしまいます。日本も多額の救援資金を出すようですが、お金持ちのアメリカにお金をやってどうする?! お金の問題じゃなく、アメリカという国の、貧困地域に対する救援への意欲や意識の構造に問題アリのような気がするのは私だけでしょうか。(ま) from Cultural Gap


今月の一枚 9.5.2005

アメリカ各地を旅した(ひ)(ま)にとって、ニューオーリンズはトップ3に入るほど大好きな場所です。美味しい食事に、ジャズを中心とした音楽。アメリカで数少ない、夜遊びの出来る街。先日も、「ニューオーリンズで学会であったら迷わずに行くんだけどな。」「あ、それだったら私も(K)を預けてついていっちゃうかも。」などと話していた矢先の、ハリケーンの被害のニュース。加えて、被害が最大だったビロクシーも、昨年4月の旅行中に通過し、余りのビーチの美しさに車を停めてしばし休憩したところ。ショックを受けています。

時間を忘れて楽しく遊んだフレンチ・クオーターも、殆どが浸水しているという噂。路上で聞いためちゃくちゃ上手いジャズメン、ホウキおじさん、いつか日本に行きたいと言っていたバンジョー弾きのおじさん、マフレッタ屋さんのおばさん、出会った人たちが皆無事でありますように。様々な移民の歴史が作り上げた建築物とグリーンに彩られた美しい町並みが再生し、再び多くの人を惹きつけますように。復興には数年かかるとも言われているようですが、(ひ)(ま)は、いつか必ず、またニューオリンズを訪れたいと思います。そんな思いを込めての、「今月の1枚」です。(ま)


(ひ)(ま)家、多忙のため 2005年 5〜8月 お休みをいただきました。


ルール違反のル・クルーゼ 4.25.2005

アメリカと日本、それぞれの輸入品の物価について「3倍の法則」 (その1その2)というものを提唱する(ま)であるが、今回その法則を大幅に逸脱したモノを発見した。
それは、某デパートでのこと。キッチン用品売り場で我が家と同じ鍋を見つけた。一体どんな鍋かというと、ル・クルーゼというメーカーの、ハート型の鍋(レッド)。ル・クルーゼといえば、料理好きもしくはカントリー調インテリア好きの女性なら知らない人はいない、フランスのホーロー鍋メーカーだ。我が家のそれは、スミスフィールドのアウトレットで購入。塗装に小さな色ムラがあったのと、「今月は赤色商品10%オフ」というクーポン(購入を迷っていたらレジの女性が無理やりくれた。)があったので、値段は5千円強だったと記憶している。で、同じ商品をデパートで見つけ、何気なく値札を見てビックリ。何と3万6千円!3倍どころか6倍、7倍の差だ!共にフランス製を輸入しているので、純粋な「3倍の法則」は当てはまらないのは分かるが、それにしても差が有りすぎでは?!

ちなみにこのル・クルーゼ。日本じゃほとんど神格化されているが、やたら重くて使い勝手も普通の鍋と異なり(水分の蒸発量が少ない)、実は結構扱いにくい。我が家にも数点あるが、ソースパンは専用の料理本を読んでやっと上手く使えるようになったし、例のハート型鍋は小物入れになっている。ヤカンはもったいないのと実用性がなさそうなので、押入れの肥やし状態。でも、持っているだけでちょっと嬉しくなるところが、哀しき日本人の性なのだ。ついでにいうと、日本輸出用は湿気対策のため、ふちの部分にサビが出にくいコーティングが施されているそう。もしかして、このサビ止めが、あの高値の原因なのかもしれない…まさかね。(ま)


ノースカロライナでは無理な話?! 4.23.2005

(ひ)(ま)ふたりが揃ってみる数少ないテレビ番組の一つに、『開運!なんでも鑑定団』がある。視聴者が家に眠る「お宝」(と思われえるもの)を披露し、プロの鑑定士が値段をつけるというものだ。先日、この番組の特番でいきなりノースカロライナが登場した。

それは、タレントの松尾伴内がアメリカの「倉庫オークション」に参加してお宝を探す、という特別コーナーでのこと。この「倉庫オークション」なるもの、我々もはじめて耳にしたのだが、「貸し倉庫の保管料を2ヶ月滞納した場合は、その中身を競売に賭けて処分してよい」という法律に則って行われるものらしい。彼は州都ラーレイまで行き、早速オークションに参加。中身に一切手を触れず、外から倉庫内を見るだけで値段をつけてゆく。どう見てもガラクタばかりの中身に、周囲の参加者は100ドル(1万円)程度の値をつけている中で、ライバルの怪しい巨体のおっさんの高値につられて、4000ドル(40万円)という値段をつける松尾伴内。結局、50万円以上をかけて4倉庫を競り落とし、中身を確認すれば、期待した「金庫」は空っぽで、もっともらしい「宝箱」には子どものおもちゃがギッシリ。結局、日本で価値のあったものは「戦前に輸出されたノリタケの食器一式」と「大きな時計」のみ(各10万円)。番組によると、前回は別の地域でトライして、ワイン数十本やミニカーのコレクションが出て黒字になったらしいが、ノースカロライナでは赤字の結果に終わった。

これを観ながら2人で話したのは、「そもそも、ノースカロライナの貸し倉庫でお宝を探すのは、至難の業ではないか」ということ。土地があるので、お金持ちはわざわざ貸し倉庫など借りずに自宅に保管するだろう。加えて、この「2ヶ月」のルールを逆手にとって、逆に捨てたいガラクタをわざと保管しているような気配すらある。わざわざ見えるところに金庫を置いたりして胡散臭すぎるのだ。それにあの巨体のおっさんは、どう考えてもサクラだろう。「お宝捜しには、ノースカロライナは余りにも場所が悪いよなー」と苦笑しつつ、飛び込んできて札ビラを切る日本人のカモがノースカロライナの経済活動に少々貢献した、と言うことで今回はよしとしよう。(ま)


イエス・ノー 4.15.2005

日本人が英語をしゃべる時、戸惑うことの一つに"Yes""No"の使い方がある。 "Yes"を「はい」、"No"を「いいえ」と訳しつつ返事をすると、チンプンカンな会話になってしまう。例えば、曇空の時、日本語で「晴れてないですね。」と言えば、「はい、そうですね。」が返事になる。相手の意見に同意する「はい」だ。対して、英語で「晴れでないですね。"It isn't sunny, is it?"」と問われれば、「いいえ、晴れていません。" No, it isn't."」と答えるべきで、これは相手の言った事実に対しての肯定および否定になる。最初の頃は"Yes""No"を言う度に、「これでいいんだっけ?」と頭の中で確認していたが、さすがに3年も経つと慣れて来た。

しかし、次の難関は帰国後にやってきた。丁寧な日本語での接客対応では、やたら「〜ではないですか?」と否定形で聞かれるのだ。その度に"No"、と言いたいのだが、日本語で「いいえ」と言うのもちょっとヘンな気がしてグッとこらえる。しかし、「はい」と言うのも、やっぱり違和感があるのだ。例えば、先日行ったの美容室でのこと。シャンプー台に行き…

首にタオルを巻かれ、「苦しくないですか?」
" Isn't it too tight?"…"No"なので、「あ、いえ、あ、はい。

その上からケープを巻き、「きつくないですか?」
"Isn't it too tight?"…"No"なので、「あ、いえ、あ、はい。

シャワーのお湯をひねり、「お湯の温度は、熱くないですか?」
"Isn't it too hot?"…"No"なので、「あ、いえ、あ、はい。

シャンプーしながら、「痒いところはないですか?」
"Don't you have any itchy place on your head?"…"No"なので、「あ、いえ、あ、はい。

リラックスする筈のシャンプータイムなのに、どっと疲れてしまった。(ま)from English


守るもの 4.15.2005

運転中に信号待ちをしていて、ふと横を見た(ま)は「えええーっ!」っと目を疑った。そこには、軽自動車。助手席には、3歳くらいの子どもが2人、シートベルトもつけず、当然チャイルドシートもつけず、身を乗り出して座っていた。そして運転席には、母親らしき人が、これまた1-2歳くらいの小さい子どもをひざに乗せたまま、シートベルト無しでハンドルを握りつつ、後ろの友人らしき女性を振り返ってお喋りに夢中だ。アメリカでは、まずお目にかかれない光景だ。

確か日本では、6歳までの子どもはチャイルドシートの着用が法律で義務付けられている。と言うよりも、アメリカで生活していれば、チャイルドシートをせずに子どもを車に乗せるなど、自殺行為としか思えなくなる。警察に捕まるという意味と、子どもの命を危険にさらすという2つの意味で。そもそも、子どもを危険な状態に放置しておくことは、虐待なのだ。(ま)の友人で、子どもが寝ていたので、車を駐車場に停めてベビーシートの固定を外したタイミングで警察に見つかり、チケットを切られ、裁判所まで弁解に行ったコリアンがいた。(彼女は、人種差別だと怒っていたが。)ベビーシートがないと、生まれた子どもが病院からも退院出来ない場合もあると聞く。(ひ)(ま)も、友人の子どもを自分の車に乗せる時は、かならずチャイルドシートの持参をお願いしていた。

「日本は法律を守らない国だねー」とは、帰国直後によく(ひ)がつぶやいていた言葉だ。高速道路でも150Km/Hで走る車は当り前。携帯電話をしながらの運転も当り前だし、チャイルドシートにのせていない子どもも結構いる。その理由を考えた。日本では、ルールを守らなくても問題が無い、ということ。正確に言うと、守るべきなんだけど、ペナルティーがない=守らなくてもよいと思えてしまうところにあるのではないか。一方、アメリカでは、個人主義や自由などと言う反面、決められたルールはちゃんと守っている人が多いように感じる。まあ、アメリカの道路では、パトカーも日本の100倍くらい見るから、怖いというのもあるけれどもね。(面倒そうだと思うなかれ。パトカーによる抑止力は結構なもので、結果的に自分も他人も安全運転になるのだ。)
<ルールを守ることが最低限の責任、逆にルールを守らなければルールにも守ってもらえないという意識でしょうか。意外と律儀です、アメリカ人特に保守系白人。(ひ)>
そんなことを考えつつ横を見ると、件の母親は携帯電話を取り出し、メールを打ちつつ車を出発させるところだった。(ま)from Discover


反日感情の高まる中で 4.11.2005

最近の大きなニュースのひとつに、中国や韓国で反日感情と抗議行動がエスカレートしていることが挙げられる。でも、渡米前に比べると、私は落ち着いてこのニュースを聞いている。「どうして日本は、こんなに他国から嫌われることをするんだろう!」と焦ることもない。どうしてだろうかと考えた。

渡米して数ヶ月の頃、英語クラスで中国人の男性と話していた。ジェット・リーの遠い親戚だと名乗る、怪しいハンサム君だったが、何の拍子かチベットの話になった。「やっぱり、チベットは中国の一部だと思っている人は多いわけ?」と聞くと、「え、チベットは中国だよ。」と彼。「じゃあ、台湾は?」と聞くと、「もちろん台湾も中国の一部だよ。」と彼。「でもさ、独立問題とか、せめて国際的に問題になっているという事実は知っているよね。」と言うと、「え、どうして。チベットも台湾も中国だよ。」と、全く私の言わんとすることを理解しないまま微笑む彼。ここで私は、シンプルな事実を悟ったのだ。

「人の常識は、国によって全く違う。」

それは、大きくは受けてきた教育の結果であろう。だから、世界の人々が自分と同じ知識・認識・常識を持っていると考えることは間違いであり、中でも、育った国が違うとその差は限りなく大きい、ということは理解しておくべきだ。その結果として、自分の想像を遥かに超えた発言も行動も、誰かの「常識」としてまかり通るのだ。この場合、何が正しくて何が正しくないか、というのは判断できない。なぜなら、価値観が違うのだから。今回の中国や韓国の問題だけを話しているのではない。アメリカだって、日本では評判の悪いイラク戦争が「正義」だと信じている人はごまんといるし、未だに原爆投下は是か非か、という議論だってあっている。だからといって、アメリカ人が全員悪人というわけでもない。ただただ、価値観が違うのだ。という訳で、日本と他国の考え方が違うのも納得だし、お互い自分が正しいと思うのであれば、無理に相手に合わせる必要も無い訳で、摩擦も起きて当然だろう。無理に仲良くするのは無理な話しであるからこそ、ギリギリの妥協点を見つけるのが「国際外交」なのだ。

あと、今回は邦人の被害者も出ているようだが、マイノリティとして海外に住むということは、常にこのような危険と隣り合わせだと言う事実も見逃せない。同時多発テロ以降、一般のムスリム(イスラム教徒)の人達もひどい差別に会ったように、日本人の私達だって、いつ何がきっかけで狙われるかは分からない。幸いそのようなことは何も起こらず済んだ3年間だったけれども、価値観の違う国に住んで、いつのまにかそのような心構えと覚悟が出来ていたような気がする。

「世界中の人と仲良くしたい。」という子供が作文に書きそうなシンプルな目標。現実を知れば知るほど、道のりは果てしなく厳しいのだ。(ま) from Cultural Gap  


この木なんの木 4.7.2005

とはいえ、実は暗示に弱い(ま)には大きな不安があった。(ひ)(ま)の住むアパートの、寝室の窓から手が届きそうなほど近くに、1本の大きな木がある。住んでいるのが2階なので、ちょうど葉っぱが目の前にきている。植物オンチの(ひ)(ま)には、この木がスギにもヒノキにも見えるのだ。「これがスギかヒノキだったら、窓なんて開けていられない!」と入居以来不安を感じていた(ま)に、アメリカ時代の友人で、我が家に遊びに来たOちゃんが一言、「デジカメで写真を撮って、アメリカのS君に送ればいいじゃないですか。」

S君はアメリカ在住の植物学者さん。早速、診断をお願いしてみる。すると、早速「スギに似てはいるのですが、多分違うのではないかと思います。スギだったらもう少し樹皮が縦に割れていそうです。」という簡潔なお返事。ほぼ1年続いた(ま)の不安は、これにより、一気に解消した。うーむ、「樹皮の割れ方」で木の違いが分かるとは…持つべきものは、専門知識を持った友人ですね。そういう訳で、暗示に弱い(ま)は、『「サイエンス」級の学者さんにお墨付きをもらった』という事実により、花粉症の症状もまったく出ないままに夏を迎えられそうである。感謝!(ま)from Discover


ザ・マスク 4.6.2005

アメリカで、「風邪をひいたから」とマスクをしている人はあまり見ない。SARSが流行った時に、アジアの人々がマスクをしているのがニュースでやたら映っていたから、アメリカでアジア人が下手にマスクをしていると誤解されそうだ。一方、日本では気軽にマスクを使える。そして春になったら、マスクも衣替えがあることに気付いた。

今年は、4年前には見かけなかった、立体型マスク(タックが付いていてフィット感が高い)ものをしている人を多く見かけた。そう、花粉症用のマスクなのだ。今年の日本は、恐ろしいほどの花粉の当たり年だったらしい。例年の2倍、昨年の30倍の花粉量が予想されるとかで、マスコミはこれでもかと不安を煽り立てていた。花粉対策グッズは飛ぶように売れ、ドラッグストアに行けば予防食品が花盛り。4年前とは比較にならない程の盛り上りで、こうなったら、花粉症にならない人のほうがおかしいくらいの勢いだった。しかーし、2週間ほどでこの盛り上がりもおさまり、結局、(ひ)(ま)の身近にひどい花粉症の人は見当たらなかった。冷静に考えると、NCでは同時期、景色全体が真っ黄色になるくらい松の花粉が飛散しているのに、「花粉症」というのはあんまり聞かない。花粉の種類が違うから?この、日本の盛り上がり方には、何だか暗示的要素も幾分含まれているように思うのは気のせいだろうか?(ま)from Discover


はなみずきトリビア 4.1.2005

(ひ)(ま)がいない間に、日本ではヒトトヨウという歌手の「はなみずき」という曲がヒットしていたらしい。ちなみに「ハナミズキ」(英語名dogwood)は、ノースカロライナの州花でもある。NCに住むと、この時期にはお馴染みの白い花が美しい。さて、この曲。自分は身を引いても「あなたと好きな人が100年続きますように」という随分しおらしい歌詞なのだが、(ま)には違和感がある。なぜならば、この花にまつわるこんな伝説があるからだ。

『或るところに、ケチな王様がいました。王様は黄金と4人の美しい娘を持っていました。ある日、難問を出し「クリアした者には娘と黄金をやる」と約束したもに関わらず、王様は約束を破って娘も黄金もあげませんでした。怒った神様は、「そんなに黄金が好きなら、一生持っておくがよい!」と王様を醜い木に変えてしまいました。それがハナミズキです。今でもその花には、真中には黄金が、そしてその回りを取り囲むように、4人の娘が4枚の花びらとなっています。』というもの(英語版のNCガイドブックより)。

なんだかなぁ。ちなみに、花の写真はコチラ。(ま)
<実はこの歌、9.11 のことを歌ってるらしいよ(ひ)>


ソニプラの外国人 4.25.2005

ソニプラこと「ソニープラザ」といえば、カワイイ輸入製品を売る女の子に人気のお店だ。同様に「明治屋」も、こちらは食料品中心の外国製品が売ってあり、何だかお洒落なイメージ。外国人もショッピングしているし。外国のお店って、こんな感じなんだろうな。と、これは渡米前のイメージ。

帰国して久しぶりに訪れると、ちょっと違う側面が見えてくる。アメリカのスーパーに売ってあるただの紙コップや洗濯洗剤が、どうして800円もするんだ? アメリカでは安売りで「3缶1ドル」のキャンペルスープ(はっきり言ってマズイ)が、どうして仰々しくショーウインドウに飾ってあるんだ?これらのお店、外国人にとっては、値段もべらぼうに高い上に、品揃えもイマイチに違いない。しかし、背に腹は代えられず、値段にも品揃えにも目をつぶって買い物している様子は、(ひ)(ま)家が某日本食料品店で正月用品を購入する時の心境にかなり近いものがあるのではなかろうか。そう思って、ソニプラで長時間にわたり品定めをしている20代前半とおぼしきアメリカ人白人女性の買い物カゴをそっと覗くと、チョコバー1本とプリングルス(ポテトチップス)1箱が大事そうに入っていた。気持ち、分かるわ〜。(ま)


愛車リコール! 3.28.2005

ある晩、車を購入したホンダの営業担当者A氏より電話があった。我が家の愛車ホンダHR-Vにリコールが発生したという。「あ、それ知っています。」と驚く様子もない(ひ)。「え、情報早いですね。」と驚くA氏。(ひ)はwebで知ったらしいのだが、内容を聞いて(ま)はビックリ。

「後部左右ドアについて。走行中に窓ガラスを下げると、ドアが開くおそれがあります。」

トラブルの有無を聞かれ、(ひ)は「ウチはふたりしか乗らないから、分かりませんでした。」と答えていたが、そういう問題じゃないだろう!もし子供が乗っていたりしたら、とんでもないことになる。翌日午前中には配達記録で案内が届き、その午後にはディーラーに持っていって部品の交換を済ませた。実害はなかったものの、怖い話だ。アメリカ生活を経て、失敗には随分寛容になったつもりだけれど、命に関わることなんだから、こういう迅速な対応は必須ですね。そういえば、アメリカでホンダCR−Vに乗っていた時もリコールがあって、中古車で買ったにも関わらずちゃんとリコール案内が届いてホンダに持っていったことがあった。そう考えると、昨年発覚した三菱の「リコール隠し」などというのは、殺人行為だと改めて思った。(ま)


ご当地バーガーの謎 3.24.2005

(ひ)の実家の近所に、「唐津バーガー」というお店がある。お店といっても、マイクロバスを改造した小屋で作っている、持ち帰り専用屋台だ。しかし、「唐津バーガー」と言えば、佐賀県の唐津の海岸でサーファー相手に商売を始めたのがきっかけの、「名物」と言ってもよいほどの有名バーガーなのだ。見た目は確かに、唐津の「唐津バーガー」と同じ店構えだ。しかーし、問題は、(ひ)の実家は北九州でも大分寄りにあり、唐津まで車で2時間半の距離にある。なぜ、ここに…。

(ま)の実家の近所に、「佐世保バーガー」と呼ばれるお店が登場した。こちらも、駐車場もなく店内にも数脚の椅子しかない、殆ど持ち帰り専用店だ。しかし「佐世保バーガー」と言えば、今やブームにすらなっている「基地の街」長崎県佐世保市の名物だ。JR佐世保駅には、有名店を紹介した、「佐世保バーガー・マップ」まであるらしい。しかーし、問題は(ま)の実家は長崎市内にあり、佐世保まで車で1時間半の距離にある。なぜ、ここに…。

真実を探求すべく、早速お店へGO。「佐世保バーガー」の文字と星条旗をデザインした旗がひらめくお店のメニューは、定価400〜500円の数種類のハンバーガー。オーダーしながら厨房の中を覗くと、受付担当の他に、3人の店員がフル稼働で働いている。10分くらいの待ち時間の間にも、次々とお客さんが入ってくる。かなり繁盛している様子。さて、真実を知る瞬間だ。受け取りながら何気なく「ここって、佐世保のどこかのお店の支店ですか?」と聞くと、

「いえ、あの、オーナーが佐世保のお店で修行してオープンした店なので、どこの支店というわけでは…。」
と、受け付け君は急に視線を反らせる。

正直なヤツだ。なので、(ま)は「へぇ、どこの店でですか?」という意地悪な質問はしなかった。まさかマクドナルドじゃないよね。そういう訳で、店の紙ナプキンを見ると、小さく『佐世保&アメリカ』という店名が書いてあった。芸のない名前ではあるが、もっと自信持てよ。え、味ですか? バンズ(丸パン)に、具はパテ(肉)と缶詰のパインと目玉焼き。本場の佐世保バーガーは食べたことがないのだけれど、これが基本なのかな?あとはチーズやベーコンなど好みに応じて。マックよりは断然美味しいと思う(値段も大きく違う)けれど、モスバーガーのロースカツサンドのほうがコストバリューはよいでしょう。しかし、聞けば長崎県の別の市にも同じチェーン店があって、行列の出来る人気だとか。ブームって上手に乗ると、儲かるもんですね。(ひ)は「僕も佐世保で2週間くらい修行して、店でも開こうかなー。」とつぶやいていた。ナイス・アイディア!かもしれない。(ま)from Kitchen


地震のこと 3.22.2005

「九州で地震は起きない」という九州人の勝手な思い込みを覆し、3月20日に地震が発生しました。ご心配のメールを下さった読者の皆様、(ひ)(ま)は2人とも無事にしています。ご心配、ありがとうございました。

さて、当日は3連休の中日。前日に玄海島も見える海岸沿いの道をドライブして、佐賀県の呼子でイカを食べ、気分がよかったので、そのまま(ま)の実家のある長崎まで南下。という訳で、当日は長崎でくつろいでいました。たまたま、(ま)の両親含め大人4人とも部屋に立っていたところに、ハッキリわかる横揺れ。20秒も続かなかったでしょうか。いざという時って、体が動かないものですね。慌ててガスの火を消したのは(ま)の母。背の高い本棚を気にしたのは(ま)の父。その父を気にしたのは(ひ)。(ま)は食器棚の前でボケッとしていました。後でテレビを見ると、長崎は震度4でした。

心配だったのは、北九州市の(ひ)の実家。地震直後は、電話が通じませんでした。地震発生の数分後には、あちこちの友人達から心配のメールが届き、電話よりメールが通じやすいことに気付きます。大阪在住の(ひ)の妹の携帯経由で、(ひ)の実家の無事を確認。北九州も、震度4でした。 (ひ)(ま)が10年以上住んでいた福岡市は震度6でしたが、友人達に大きな被害はなかったようです。テレビで、ガラスが割れて落ちた天神・福岡ビルを見てビックリ。いつも歩いていた繁華街の中心部のビルの窓が、あんなお粗末な構造だったとは、、、ショックです。

翌日、北九州市の(ひ)(ま)家に帰宅。高速道路でスピード規制があっている以外は、移動はスムーズでした。築30年の社宅アパートもまっすぐ立っており、部屋の中もモノひとつ落ちておらずホッとしました。しかし、ラジオを聞くと、福岡市の高層マンションの部屋では、本や食器が落ちてきた人も多かったようです。(ま)は以前、福岡市でマンションの11階に住んでいたので、他人事ではありません。 最初にも書きましたが、一般的に地震に対する意識が低いこの九州エリア。恥ずかしながら、我が家には「非常持ち出し袋」も「非常食の備蓄」もありません。早速用意しようと思います。(ま)


コーヒーショップ 3.11.2005

スターバックスのことを書いたので、アメリカのコーヒーショップの話を少々。

ニューヨークでもロンドンでも、街角ごとにあるといっても過言ではないスターバックス・コーヒー。外を向いているカウンターと、いくつかのソファーと、オレンジのすりガラスのライトがぶら下がる店内は世界共通で、趣味も悪くは無いし、味も悪くないけれど、多少食傷気味。大型書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルにもかならずくっついているしな。

あ、やたらどこにでもあるように書いたけれど、チャペルヒルのダウンタウンにはスターバックスは1件しかなかった。例に漏れず、いつも賑わっている。でも、もっと居心地のいいコーヒーショップは、同じ通りにある、カモシカが目印の「カリブー(Caribow)・コーヒー」。多分これもチェーン店ではあるけれど、広い店内はいくつかのパートに分かれており、小部屋で語り合うも良し、ソファーでリラックスするも良し、と、まさに自分の家のようにくつろいで使えるのがよい感じ。駐車場がないのが残念だったけど、フランクリンStを下ったところにオープンした新店舗には、駐車場が完備。いつも結構な数の車が止まっている。

そもそも、実はコーヒーより紅茶党。かつ喫茶店で時間を潰す習慣のない(ひ)(ま)家なので、多くを語るほどの経験はないのだけれど、アメリカのコーヒーショップで目に付くのは、お喋るする人より勉強する人が断然多いこと。特に休日や夜遅く、机にテキストやノートを所狭しと広げて集中している様は、日本の図書館のようだ。「コーヒー1杯分のお金で、静かな時間と場所を買っているんだから邪魔しないでね。」オーラが出ていて、隣でお喋りするのは気が引けるほど。持ち込んだヨーグルトを平気で食べている女子大生もいたな。「ルームメイトと住んでいるので、静かな環境が欲しい時に利用するのかな?」と想像はするが、実際はどうなんだろう。但し、これについては、韓国人の友人が怒っていた。「お喋りしたくてコーヒーショップに入るのに、何でこんなに静かなのよ!」 そう、お喋り大好きの韓国人。韓国のちょっと高級な喫茶店の各テーブルには、電話機(市内通話無料)まで常備されているのだ。でも、このシステムがアメリカのコーヒーショップにあったら、意外に不評かもね。(ま)from Kitchen


日本のスターバックスで戸惑う 3.10.2005

買い物の途中、(ひ)と(ま)はモールの中にあるスターバックスでお茶することにした。「デカフェあります?」といつもの調子で注文した(ま)に、店員の動きが一瞬止まり、「今は、ちょっと…」と謎な返事を残したまま、彼はしばし沈黙。アメリカでは余りにも当り前のDecafe(Decafeinated つまりカフェイン抜きのもの。英語では、略して「デカフ」っぽく発音する。日本では「ノンカフェイン」や「カフェインレス」とも呼ばれることも。)を、ちゃんと日本語風に発音してオーダーしてつもりだったのに、この沈黙は何だ?コーヒー専門店のはずのスターバックスに、デカフがないのか?!

さて、結論から言うと、結局その場でデカフのコーヒーを飲むことは出来なかった。しかし、その後、訳あってスターバックスの店長さんとお話をする機会があったので聞いてみたところ、実はスタバにもデカフがあるらしい。『本日のコーヒー』に限り、デカフ・バージョンも豆の状態で準備しているそうだ。少々時間がかかるが、間違いなく用意は出来ます、とのこと。以下、参考までに他にも伺ったことも記すと…。「ラテなどで使うエスプレッソは、現在の日本ではデカフ・バージョンは無いため、『本日のコーヒー』以外の商品を作るのは無理。」「日本ではデカフェの需要が極端に少ない」という現実。よって「注文が入ると、店員によっては(あってはならないが)戸惑うこともある」のだとか。よい勉強になりました。

改めて、アメリカの状況を振り返ってみた。コーヒーショップでは、カフェインあり(つまり普通のコーヒー)とデカフのコーヒーが選べるのは当り前。それどころか、マクドナルドにも、ホテルの部屋のインスタント・コーヒーにも、中古車屋さんの待合室にあるタダのコーヒーにも、必ずといってよいほど2種類が用意されている。デカフが無くて仕方なくカフェイン入りを飲んで体調でも崩そうものなら、訴えられるのかも。
「健康志向が強い」と言えば聞こえはいいが、ゼロカロリーでデカフのコークまであって、「そこまでして飲みたいか!?」と笑っちゃう位。そういえば、映画の中にも「スターバックスは、3ドルにも自分の選択を迫られる場所。今日もオーダーしよう。『トールで、デカフで、カプチーノ!』」というセリフもあったっけ。「アメリカは選択の自由が大きい国」などという謳い文句に、もろ手をあげて賛成するつもりはないけれど、今回ばかりは、余りにも当然だった選択肢が日本に無いという事実に突き当たったて、ちょっと驚いている。(ま)from Kitchen


アメージング・グレース 3.7.2005

日本では、ダイヤモンドのCMで一躍有名になったこの曲。その後も結婚式で使われるなど、おめでたムードで受け取られている。が、アメリカでは故人の追悼の時によく流れるのだ。もともと教会音楽なので、どちらにも利用可能なのだろうが、(ま)にとって最も印象的だったのは、同時多発テロの追悼式。バグパイプで演奏されるアメージンググレース。物寂しい音色と哀愁を帯びたメロディーに、思わず涙してしまう。

帰国してみると、結婚式場のCMに使われていたりと相変わらず。(ま)は年末の総集編しか見なかったが、人気ドラマ「白い巨塔」でも使われていた。病院内の権力闘争を描いたこのドラマ、教授が部下やインターンをずらりと引き連れて総回診を行うシーンは有名で、その一方、権力を手にした主人公が自分の死と立ち向かうという重たい話でもある。このドラマにおけるアメージング・グレースの使い方はかなりアメリカに近いかも、とひとりで納得していた。

さて先日、結婚披露宴に出席した。新郎新婦の入場のスタートに流れたのはやっぱりアメージング・グレース。ここでもか、と思いきや、「それでは、新郎新婦の総回診です。」とアナウンス。場内は大爆笑。そう、新郎はお医者さんだったのだ。この和洋折衷な使い方は、かなりスゴイ。(ま)from Discover


たまには贅沢 3.5.2005

アメリカに行っている間に日本で爆発的に増えていたもののひとつが、セルフサービスのガソリンスタンド。渡米前(2000年頃)は「東京に初お目見え」とニュースになっていたのに、今は多くの店がセルフ給油になっている。アメリカでセルフは当り前なので、日本でも当然利用しているが、今ひとつよく分からないのがお値段。競争の激しい地域では、セルフ店もフルサービス店も同じ価格で並んでいたりして、本当に安くなっているのか怪しいものである。ちなみにそんなフルサービス店に入っても、ガラス窓を磨いてくれるサービスがありがたい位なものなのだが。

ある晩、車を運転していて、ガソリンの残量が僅かなことに気がついた。次の日は、朝から遠出をする予定なので、急いで給油することに。運転していた(ひ)が、「もう、ここでいいや。」とフルサービスのガソリンスタンドに車を止めた。「レギュラー満タンでお願いします。」と言う(ひ)に向かって店員さんが次々と声をかけてくる。

「只今、当店ではレギュラー価格でハイオクをサービスさせてもらっております。ハイオクをお入れしてもよろしいでしょうか。」

次に、濡れタオルを差し出し
「給油に少々お時間がかかります。よろしかったらこれで車内をお拭きになってお待ちください。」

次に、
「当店では、ブレーキランプの点検を行っております。ブレーキのほう、軽く2.3度お踏みいただけますか。(遠くで)ハイ、OKです。

窓ガラスをピカピカに拭いた後は、
「只今、フロントガラスの防水コートを無料サービスさせて頂いております。フロントガラスのほう、失礼してよろしいでしょうか。」

言うが早いが、2人がかりで液体をフロントガラスに塗りつけてゆく。唖然としながらも、(ひ)が「値段見ずに入っちゃったけど、この店、ものすごく高いかもね。」とつぶやく。そんな我々の心配を余所に

「只今、エンジンの無料点検を行っております。ボンネットのほう、拝見してもよろしいでしょうか。」

さすがに、これは断りました。そして、恐怖のお会計。レシートを見ると、116円/リットル。現在セルフが110円なので、43リットル入れて、258円の差額ということになる。これが安いのか高いのは分からないが、フルサービス店の見事なフルサービスぶりには恐れ入るばかり。「まあ、たまにはHR-V(愛車)にも贅沢だね。」と言いつつ、店を出て振り返ると、店員さんはいつまでもいつまでも、道路でお辞儀をしていらっしゃいました。(ま)from Discover


ワインの名前 3.4.2005

昨年の秋の話。恒例の「ワイン」解禁日が大々的に報道されていた。まーだバブル期のようなことしてんのね、と思いながら聞いていたが、どうも違和感がある。

違和感その1)そのワインの呼び名。アナウンサーは一斉に「ボージョレ・ヌーヴォー」と発音するのだが、(ま)の記憶では、以前は「ボジョレー・ヌーヴォー」と呼ばれていた気がする。漢字はからっきしダメだがカタカナの記憶力は抜群の(ま)である。おかしいな。最近、2001年発刊の本を読んでいたら、フリーアナウンサーの長野さんが、やはり「ボジョレー・ヌーボー」と書いていた。ということは、この4年の間に変わったのだ。出来るだけ現地語に近い発音にしようとする動きの一環なのかな。韓国の金大中元大統領の名前も、ある時「キンダイチュウ」から「キムデジュン」に変わったし。あ、でも先日の朝日新聞には、MBAのヤオ・ミン選手が「ヨウ・メイ選手」って載っていたぞ。謎だ。アメリカで何て発音していたっけ?と考えるのだが、ワインについて語るほどの知識もなかった(ひ)(ま)家では、全く記憶がない。それ以前に、これってフランス語ですね。謎は謎のまま。

違和感その2)値段。日本と違い、アメリカでは、ある日ひっそりとスーパーのワインコーナーの一角に山積みにされるボジョレーもしくはボージョレ。2003年の秋は確か7.99ドル(当時のレートで約900円)だった記憶がある。「ああ、そんな時期だね。」と言いつつ、「ま、もう少し安くなるまで待ちましょう」。1ヶ月ほどすると、売り場も縮小され、お値段も1〜1.5ドルほど下がるのだ。売り切れの心配なんてない。それが日本では、年度が違うとは言え、同じラベルの商品が1500円以上でありがたそうに売られている。円はユーロにやたら弱いのか?よう分からん。いろんな違和感ありすぎて、結局今年は飲みませんでした。(ま)from Kitchen


(ま)溺愛 桃の節句の限定銘菓 3.3.2005

ある歳になって生まれ故郷を離れ、当り前と思っていた風習が、じつはその土地独特のものであることに気付いて驚くことがある。(ま)の場合は、長崎以外の土地に『桃カステラ』が存在しないということだった。あんな美味しいものを食べずして、どうやって生きていけるんだ!!!!と本気で驚愕したものだ。

さて、『桃カステラ』とは何か。解説しよう。女の子の初節句には欠かせないお菓子で、桃の実の形に焼かれたカステラの上に、砂糖コーティングで淡いピンク〜白に色がつけられ、マジパンで作った茎と葉っぱ添えられているものだ。ちなみに、フルーツの桃は一切使われていない。これが初節句の内祝いとして家にやって来るのが、子供の頃の3月の最大の楽しみだった。大きさは店にもよるが、小サイズでも直径10cmは欲しいところ。小さい頃は4分の1を食べるのが精一杯だったが、始めて丸ごと食べた時には、涙が出るほど嬉しかった。ちなみに、分割した場合は、マジパンがついた部分が(ま)の取り分である。100歩譲っても砂糖がピンクの部分は外せない(子供ですね)。よって、親戚や近所に生まれる子供の性別には、かなり注目せざるを得ない。

momo ちなみに男の場合は5月の『鯉菓子』が定番で、これは漉し餡を求肥(ぎゅうひ)で包んだ体長25cm前後の鯉の姿をしたものが2匹セットでやってくる。(これも長崎だけ?) 基本的に甘いものが好きなのでどちらでも嬉しいのだけれど、やはり『桃カステラ』に軍配が上がる。2月も終わりになると「今年はだなー。」「今年はだなー。」と待ちわびたものである。ちなみにこのお菓子、和菓子屋さんで買うことも出来るが、基本的には3月3日前後のみの期間限定商品。今年は何と、長崎の叔母より、予約限定販売のお店「万月堂」のビッグな桃カステラを宅急便でプレゼントしてもらい、3年ぶりの故郷の味を堪能しました。≪博子叔母さん、ありがとう!!≫ 読者の皆さんには、映像でおすそ分けいたします。(ま)from Kitchen


カロライナの空へ 3.3.2005

いまだ渦中の北朝鮮拉致問題。興味深く見守っているわけではないが、一つだけ気になることがある。それは「ジェンキンスさんの里帰り」。今日、そのためにパスポートの申請手続きを始めたとのニュースを聞いた。
北朝鮮を離れて来日後、彼は「故郷の母に会いたい。そして故郷のノースカロライナを娘達に見せてあげたい」と語っていた。その願いを心から叶えてあげたいと思う。北朝鮮ではどのような環境だったかは知らないが、ジェンキンスさんにも2人の娘さんたちにも、あの美しいノースカロライナの地に立ってほしい。カロライナブルーの青い空と木々の緑、空を舞う鳥と咲く花々を感じてほしい。美しい森や湖や海や山を見てほしい。ジェンキンスさんはずっと心にカロライナを思い描いていただろう。そして娘さん達も新しい何かを得られるはずだ。カロライナに流れる優しい時間が、彼らの心を nicely and warmfully に包み込んで癒してくれることを願ってやまない。(ひ)


オンリーワンもいいけれど 2.28.2005

(ひ)(ま)は2人とも、ラジオをよく聴く。先日、特番で「SMAPの歌ベスト20」があっていたが、上位3曲はまったく知らない曲だった。1位は、「SMAPを代表する名曲です」という紹介と共に紹介された『世界にひとつだけの花』

アメリカにいた頃に「ナンバーワンよりオンリーワン」(だっけ?)というフレーズが朝日新聞の社説に使われているのを見て驚いたし(社説に歌謡曲!!)、帰国後は、(ひ)が嫌いなオカマのKABA.ちゃんという人が振り付けを担当しており、当時子供が狂ったように踊っていたとも知った。そして作詞作曲の槙原敬之は、(ま)の中では「覚せい剤所持で逮捕され謹慎してる人」だったのが、こんなに脚光を浴びて再び活躍していたのが驚きだった。才能がある人だとは思うけど、麻薬に対する世間(日本)の感覚って結構甘いのね。そんなすごい評判ばかりを事前に聞いて、ついに耳にした「名曲」。感想は、「いやぁ、感動しました。」と言いたいけれど、実は
「SMAPって、こんなに歌が下手だったっけ?!」
というシンプルなものだった。正直な話、聴くのも痛々しかったぞ。ある意味、オンリーワンかも。(ま)from Discover


時の人 2.21.2005

アメリカにいると、インターネット等で一通りのニュースを知ることは出来ても、どれ程「ブーム」になって盛り上っているかが分かり難い。例えば、すっかりブームを知ることなく、帰国時はすでに「終わっていた」のは「小泉首相」ブーム。勢いのある発言が一般ウケし、写真集を出すほどのルックスだとか聞いていたが、実際にニュースで見ると支離滅裂な発言をするただのオジサン政治家だった。「塩爺(しおじい)」も結局見ず終いだったなぁ。で、どうにか間に合ったのは「ヨン様」ブーム。確かに日本の盛り上り方は異常だけど、まぁ罪は無いわな。

そして最近、すっかり時の人になっているのが「ホリえもん」ことライブドアの堀江社長。どのチャンネルでも取り上げられるし、本人もどんどん出演するし、見ているこっちはかなり食傷気味。まあ、これがブームってやつですね。たぶん、経済が専門でないアメリカ在住の読者の方々は、『「お金で何でも買える」と発言した、ドラえもん似のベンチャー企業社長』くらいしか分かんないだろうけど、考えてみればそれで十分だと思います、ハイ。(ま)


(ま)、映画『The Phantom of the Opera』を語る 2.6.2005

観てきました!映画『オペラ座の怪人』。ミュージカル版を、ウエストエンド、ブロードウェイ、日本、そしてラーレイで計7回観ている(ま)としては、ズバリ「合格点」を差し上げたい出来です!! どれほど感激したかは(ひ)が書いているので、(ま)らしい視点で感想を少々。

・音楽 やっぱり素晴らしい!!文句無しです。映画館の大音響で聞くのも、また良いものです。

・映像 「製作費用100億円!」「最新SFXを駆使!」というほどではありませんが、舞台より映像的な制約が少ない、映画の良さを活かした作りだと思います。(ま)が一番好きだったのは、お墓のシーン。舞台では一番シケたセットなのが、ここでは荒涼とした風景とあいまって、とても美しいものに大変身。石像が並ぶ風景は、サバンナのお墓を思い出しました。

・ストーリー ミュージカルと比べて、少しづつ変わっています。シャンデリアが落ちるタイミングなど、結構重要なシーンさえも。全員での練習風景など、バッサリとカットされたシーンもあります。それでも、2時間の映画としてよくまとまっているのではないでしょうか。

・配役 音楽が主役の映画なので、正直言って「誰がやっても同じ」の心境です。クリスティーンは、歌唱力と映画向きの顔とスタイルで選ぶとこんなところかな、というケロンパ顔。ありがちなハンサムのラウル。怪人も、ジュエームス・ボンド張りのハンサムでした。もっと落ち着いた年配でもよかったような気もします。ちなみに、ファントム役の俳優さんは来日中、上原多香子ちゃんがお気に入りだったとか。
さて、舞台を知っている人が観て、一番違和感を感じるのは、きっと「ベテランのプリマドンナ」役のはず。舞台で巨体を揺らすおばさんは、カーテンコールで一番人気だったりするのですが、映画では細身で嫌味な女性が登場。どっかで観たことある顔だと思ったら、ミニー・ドライバーでした。昔は青春映画のヒロインだったのに、、、しかし、こんなに歌も歌えるとは知らなかった。掘り出しモノかも。

・字幕 CDを聞き込んでいる(ひ)(ま)家は、歌を聴くときは見ていません。でも、セリフや小さな設定まで分かったので、ストーリーへの理解が深まりました。知れば知るほど、クリスティーンは嫌なオンナかもしれません。あと、バラードの歌詞の最後に「!」はいらないと思いますよ、戸田奈津子さん。

・結論 ミュージカルが好きな人ほど、違いが目について文句を言いたくなるかもしれません。しかし、映画は映画として十分に楽しめるものだと思います。ダイエットしたサラ・ブライトマン演ずるクリスティーンと、アントニオ・バンちゃんのファントムという(ひ)(ま)家「夢の配役」は本当に夢で終わりましたが、でも満足です。作曲家のアンドリューも、結構満足しているのではないでしょうか。(ま)

  ・オマケ マニアのための、(ひ)(ま)家の会話
「クリスティーンがオペラ座の屋上で着るマントは、月光に輝く青緑色でなきゃね。」
「『ドンファン』の時、クリスティンは相手を知らずにデュエットしていたと思っていたが…でも、映画の設定も良かったね。」
「ラウルの最後の水攻めは意味不明だ。」


(ひ)、映画『The Phantom of the Opera』を語る 2.6.2005

What a striking film! ミュージカルの魅力を余すことなく伝えてくれる、素晴らしい映画でした。CMでおすぎが「とってもいいわよっ」などと言っていた時にはどうなることかと思いましたが、やっぱりファントムは本物です。おすぎさんには引っ込んでおいてもらいましょう。
舞台も役者も制限があるミュージカルに比べて、どちらも思い通りに使える映画では華美が行き過ぎになりがちですが(実際「Chicago」では全く別なものに仕上がっていました)、この「The Phantom of the Opera」はミュージカルに忠実に、しかし映画の利点はうまく利用した、ミュージカル好きも納得の一本でした。たとえば冒頭のオークションの後、Overture に乗せて古く蜘蛛の巣のはった劇場が華やかな姿に戻るCGのシーンや、第2幕最初の「マスカレード」の大人数でのダンスシーンなど、映画ならではの演出がこの作品の魅力を実に巧妙に高めていると言えるでしょう。思わず鳥肌が立ったほどでした。終盤の曲「Past the Point of No Return」の部分がミュージカルとは最も違った演出でしたが、ファントムとクリスティーンが舞台上で絡む大熱唱は迫力十分で、おかげで今までは別に何とも思っていなかったこの曲が(ひ)の favorite song リストに加わりました。シャンデリアが落ちる演出をここに持ってきたのも、結果としてはストーリーを引き締めた印象を受けたので◎です。見る度に鳥肌が立っていたラストシーンが、ラストシーンではなくさらに1カット追加されていた時には少々驚きましたが、それはそれで「うん、まあいいか」といった感じのエンディングでした。
なんだかミュージカルとは違う部分ばかりを書いてしまっていますが、基本的には冒頭でも述べたように、ミュージカルの魅力を忠実に再現した、アンドリューが「ミュージカルが後世まで形に残るようなものを作りたい」とコメントしていた意図通りに仕上がった映画だと言えるでしょう。この作品の真の主役である、素晴らしい楽曲の数々の魅力が余すことなく伝えられているのですから、それだけでファンは何も言うことはありませんね。素晴らしい音楽をありがとう、アンドリュー。(ひ)(ま)家でも大切な保存版として、このファントムフィルムのDVDが出たら即、購入します。それにしても、ファントムがバンちゃんだったらなー、惜しい!
映画化されたことで、より多くの人の目と耳に止まり、その魅力が伝えられることでしょう。後ろに並んでいた、お父さんと一緒に見に来ていた中高生風の姉妹とか、ちゃんとミュージカルの良さが分かってくれたかな〜?。この映画がきっかけで、NYのブロードウェイを訪れる人も増えるといいですね。やはり生の魅力はこの上ないものですから。このHPの新コーナー、
525600もどうぞよろしく!(ひ)


おそるべし、100円ショップ 2.5.2005

広い店内に一歩入って、足がすくんだ。そう、ここは日本の100円ショップ(税込み105円)。3年前に比べて、恐ろしく進化していたのである。お馴染みの安っぽいプラスチック製品に加えて、多種多様な食器に台所用品、インテリアやガーデニングのグッズ、本にCD、化粧品に下着や子供服に至るまで、ありとあらゆるものが、広大な店内に揃っている。「これが100円!」と思えるお値打ち品から、「100円とはいえ、誰が買うんだ?」という品まで、とにかく何でもアリ。 アメリカにも1ドルショップはある。しかし、商品はどれも「1ドル以下で作ってまーす。」「売れ残りを集めました。」と言わんばかりの質の低さ。その意識で日本の100円ショップを見ると、ちょっとカルチャーショックなのだ。冷静に考えれば、当然「100円で売って利益が出るように作っている商品」ばかりなのだけれど、この品数の多さは、そんな思考回路を一時停止させるだけのパワーを持っているような気がする。おまけに、販売戦略も巧みになっていて、数個の商品を合わせて初めて商品として成り立つ仕掛けになっていたりするのだから始末が悪い。(例:本とCD、ケースと本体、など) 当時、引っ越したばかりだった(ま)は、「本当に必要なものだけ、必要なものだけ。」とつぶやきながら、厳選して買い物カゴに商品を入れたつもりだったが、レジで精算すると3150円になっていた。あらら。

100円ショップ最大手の「ダイソー」は、今や街のあちこちにある。反感を感じる一方、なぜか(ひ)(ま)の住む町には無い。仕方ないので、一度だけ

ボストンバッグを持ってJRに乗って、隣町の「ダイソー」まで買出しに行ったことがある(まだ車を買っていなかったのだ)。

でもその後、100円ショップで買った商品には、いまひとつ愛着が持てないことに気付く。思うに、少々高くても、好きなデザインのものを買って大事に使うほうが性に合っているのだ。それ以降、100円ショップには足を向けていない。でも実は、親しい外国人の友人が来たら連れて行きたい場所のひとつでもある。日本の企画力と商品力とデフレが理解出来る絶好の場だと思うので。(ま)from Discover


おまけ天国 2.5.2005

昨年12月に、各銀行のポスターを見て動揺した(ま)。「ボ、ボーナスキャンペーンはどこへ行った?!」 そう、ボーナス時期の楽しみといえば、定期預金を作るともらえる各銀行のノベルティー。景気の後退と共に内容は貧弱になったとは言え、過去10年間でお弁当箱にトートバッグにポットにタオルに手帳にマグカップにクッションに旅行があたるクジまで、色んなものがもらえた。友人の中には、銀行独自のキャラクターグッズ欲しさに、普段は縁の無い都銀にまで行く人もいたほど。それが一切、見当たらない。見つけたかと思えば、「ピーターラビットの絵皿プレゼント≪100万円お預けの方≫」…ってアンタ、そんなお金あったら自分で好きな皿を買うよ! 銀行員の弟に聞くと、ここ数年でそういうキャンペーンはすっかり無くなったとのこと。今は、お金を借りてくれるお客さんのほうが大事なのだそうだ。しかし、ただでさえ金利はないも同然(1年定期で0.03%)なのに、庶民のささやかな楽しみまで奪うのね…と淋しい気分になる。アメリカはオマケどころかポケットティッシュもくれなかったけれど、普通預金でも金利がよかった。それはそれでいいのだ。なぜならば、アメリカのオマケには期待できない。日本のように、凝ったキャラクターグッズというのは存在しないのだから。

銀行は期待できない日本だけれど、その他は以前よりすごいことになっている。ペットボトルのジュース1本にも、オマケがついているのだ。集めているつもりはないのに、我が家も見渡せば、ガンダムフィギアにアメコミフィギア付きキャップ(ダイエットペプシ)、もらい物のドラえもん手品トランプ(セブンイレブン)、クーの歯ブラシ立て(ジュース)、JR九州「かもめ」携帯ストラップ(お茶)などなど、捨てるのも忍びないほど立派なものがゴロゴロしている。「こんなモノいらないから、安くしたらいいのに。」と思うのだが、これが目当ての人も結構いるらしい。いろんな種類があるので、集めだすと止まらないのだとか。中には、オマケと商品にかける費用が完全に逆転しているモノも見受けられる。300円の箱菓子の中身は、コレクターがいるほどの凝ったおもちゃ(例:新撰組の隊員フィギア)とラムネが1粒。これを、スーパーのお菓子売り場で大人が真剣な顔で選んでいるのだから呆れる。日本人はよっぽどオマケ好きなのだ。(ま)from Discover


ある一日 1.30.2005

特別なことは無かったのだけど、今日1日の話など。まず、今日は市議会議員の選挙だった。投票所が余りにも近かったので歩いて行くことに。投票所の前にある候補者ポスター一覧の前でボンヤリと、誰に投票しようかしばし考える(ひ)(ま)の様子は、まさに駅前の食堂のショーケースの前で「どれ食べよっか。」と悩む姿と同じ。我々はまさに浮動票。と思いきや、同じようなポーズの年配の方も結構見られた。自分の車にステッカーを貼って、支持政党や候補者を堂々と応援するアメリカの大統領選挙と比較すると、いかに政治に関心が薄いか納得させられる風景だ。

その後、買い物をしていると、前の店で2000円で買ったクリームが、次の店で1500円で売っていることを発見。「えーっ、ショック!」とうなだれる(ま)を前に、(ひ)が一言。「よし、リファンドしよう。」 アメリカでは当り前のリファンド(返品)。「やっぱり、気に入らなかったから。」などの理由でも気軽に出来る(じゃあ、何で買ったんだ?!)アメリカと違い、果たして日本でそんなことができるのか? モノは試しと前の店に戻ってみると、意外や簡単に返品に応じて2000円を返してくれた。(どうでもいいが、購入時についたお客様ポイントはそのままだった。) 日本人の奥ゆかしさで、こんな便利なシステムの利用を躊躇しちゃいけないよな。今後は気軽に利用しよう、と決心。

夜、(ひ)が担当した授業のテストの採点を手伝いながらラジオを聞いていると、「本日の選挙は、投票所がテロ攻撃の対象になりました。」とのニュース。一瞬驚いたが、イラクでの話だった。こうして、平和な日本の夜は更けてゆく。(ま)


イチゴ摘みキット 1.29.2004

1月も後半に入り、八百屋の店先にも手の届く値段でイチゴが並ぶようになった。今年初のイチゴを口にして「うわぁ、日本のイチゴだぁ!」と感激した(ひ)(ま)家。日本のイチゴを食べたのは実に4年ぶり。以前は「博多とよのか」が市場を席巻していたのに、今は「博多あまおう」というブランドが売り場を占めている。「甘い!」「ジューシーだ!」 そう、アメリカのイチゴは、同じ名前の別物だった。大きくて酸っぱくて、硬くて中にスもある、野性味のあるフルーツ。
アメリカ生活で最初に「屋外で遊んだ」経験は、日本人のU田さんが企画した「イチゴ狩り」。システムを簡単に説明すると、まず、季節限定でオープンしているイチゴ畑のゲートをくぐり、勝手に摘んで食べる。それは無料。持ち帰りたい分を摘んで、量り売りしてもらう。市価より安くて、1ポンド(約450g)で2ドル位。それが面倒な人には、すでに摘んだものも売ってある。お手軽なレジャーだ。 我が家から車で20分ほど走ると、見渡す限りの大海原ならぬイチゴ(の葉)海原が広がる。グリーンの葉っぱをめくると、大きなイチゴが顔を出す。日の当たり具合によって、赤かったり緑だったり。無心に食べるもよし、摘むもよし。とはいえ、酸っぱいのでそんなに沢山は食べれない。「アメリカだから、農薬いっぱいかかってそうだよね。」などと言いつつ横を見てビックリ。準備万端なS先生の手元を見ると、片手には水の入った紙コップ。食べる前のイチゴを一度水に浸して農薬を洗い落としパクリ。いいアイディアだ。ほかの人を見ると、練乳を持った人あり、溶かしチョコを持った人あり。それをつけて、みんな美味しそうに食べている。日本人の創意工夫に感心しつつ、次回は我々も忘れずにもってこようと決意。
さて、次の「イチゴ狩り」のチャンスがやって来た。(ま)がアメリカ人の友人と行くことになったのだ。張り切って用意した、小さな箱に並べた2つの紙コップ。中には水と練乳。そして横には紙ナプキンをセット。これを片手にイチゴ畑に行ったはよいが、少し遅れたのが災いして、誰とも会えない。仕方なく、大海原に一人。時々食べつつ、もくもくとイチゴを摘む。この孤独感。もう帰ろうかと思いかけた頃に、やっと友人達に遭遇。そして、私の手元を覗いた彼女達は、「これ見て!(ま)のイチゴ摘みキット!!」と、私の準備万端さに大ウケ。アメリカ人は、こんなこまめなことはしないのだ。 それ以来、友人達の間で「(ま)のイチゴ摘みキット」は長く語り継がれることとなった。ああ、恥ずかしい。(ま)from Kitchen


「昭和ノスタルジー」へ、ようこそ 1.21.2005

(ひ)(ま)は現在、(ひ)の勤務先である大学のキャンパス内にある、社宅に住んでいる。帰国してから家探しの手間がかからないと喜んだのもつかの間、最初にその実物を見た(ま)は、直後に精神性の風邪で寝込んでしまった。築27年モノの4階建て鉄筋アパート、いわゆる「団地」。畳と壁は塗り替えてあるものの、床は軋み、窓は傾いて開かないものもある。パラパラとこぼれる低い天井、トイレは蓋なし、お風呂は真四角のステンレス。柱や壁のいたる所に、釘や画鋲を打った穴。キッチンの扉のベニヤは剥げかけ、「公共住宅型タカラ・スタンダード」のステッカー。見るだけで侘しくなる。オマケに、窓の側には巨大な杉の木がニョッキリ。花粉の時期はどうなる?! これまで、実家(一軒家)とワンルームマンションとアメリカのアパートしか住んだ経験がない上、(ま)の社宅のイメージといえば以前勤めていた会社のもの(住んでないけど)。バブル期に土地を買って建てた、総費用を戸数で割ると一戸1億円になる「億ション」だった(らしい)。冷静に考えればそれと比べる方が悪いのだが、「家具を入れて小物を新しく揃えれば、住みやすくなるよ。」と慰められつつ、泣きつつ入居。確かにそのとおりで、随分生活にも慣れてきた。

すると次に気になるのは、ご近所の人々。入居前は、伝統的「社宅」イメージの”密接なお付き合い”を予想し、「生協に誘われたらどうやって断ろう。」などと考えていた。が、近所づきあいは殆ど無し。入居者の回転も早いらしく、お菓子を持って4件挨拶に行っても、2件が「来月には引っ越しますので」。 場所柄お医者さんが多いのだが、準夜勤が終わってから12時過ぎに帰宅し、庭に植えた芋を懐中電灯で照らしながら観察していたり、ゴミの日に出ているのはほとんど発泡酒缶、となんだか質素な生活ぶり。奥様は専業主婦が多く、毎日毎日、ベランダに布団と洗濯物を干している。雑草だらけの公園では子供達が遊び、のんびりした時間が流れている。
そして、給与明細を見てビックリ。家賃は、青空駐車場込みで1万5千円だった。この能力主義の時代に、社宅があってしかもこの価格。日本のカイシャの伝統的福利厚生に感謝するしかない。

そんなある日、我が家に遊びに来た友人が、2人続けて同じ感想を漏らした。

「懐かしい〜! 子供の頃を思い出します。昭和って感じですね。」

聞くと2人とも、子供の頃は転勤族もしくはお父さんが製鉄所勤務で、「社宅住まい」だったらしい。(ひ)(ま)の住むアパートは、外観・内装・入居者の雰囲気全てにおいて、その頃の雰囲気が見事に残っているそうで、ノスタルジーを感じるのだとか。そういう訳で、平成も17年目に入り、来年は平成生まれの大学生も登場するこの時代に、昭和の雰囲気を保ちつつ日々を生きる(ひ)(ま)家であった。(ま)


懐かしきアメリカの味は遥か 1.20.2005

アメリカでアメリカ人から「日本食が恋しいかい?」と聞かれるたびに、「普段はそうでもないけど、特定のレストランの特定のメニューが恋しい。」と答えていた。レストランとは言っても、大学の近所の定食屋だったり、屋台のラーメンだったりするんだけど。帰国してからは、逆もまた真なり、と気付く。

アメリカのあのレストラン、、、ではなく、ファーストフードが妙に恋しくなる時があるのだ。バーガーキングの定番メニュー、巨大なワッパーwithチーズ。ハーディーズの人気No.1、シックスダラー・バーガー。そしてケチャップをつけたポテトと、紙コップのダイエットコークもしくはアイスティ。しばしば食べていた訳ではないけれども、旅行の移動中、どことも知らない街のインターステートを降りて、しばしの休息と共に口にしていた5ドル前後のアメリカンなあの味を、時々からだが求めている。 しかし残念ながら、日本でそれらの味とボリュームにめぐり合えることはない。日本では、アメリカでさえ最後の選択肢だったマクドナルドが幅を利かせている。(先日試しに食べてみた。やっぱりマズかった。) また別の日に、(ひ)が衝動的に「入ろう!」と車を止めたケンタッキーでは、バーガーセットの小ぶりさに耐えかねて「チキン6ピースを一つ!」と注文し、

「お持ち帰りですか?」と店員に聞かれ、「いえ、店内で食べます。」と答えて驚かれていた。

ポテト用のケチャップも、頼んでやっと2袋くれるありさま。アメリカじゃあ、わしづかみで最低5袋なんだけどな…。確かに、チキンはアメリカより塩辛くないし、蜂蜜をかけるビスケットは日本ならでは。でも、ドリンクのお代わりもできないし、なんだかつまらない。

そんなある日、雑誌で、長崎の佐世保はハンバーガーで有名だとあった。さすが米軍基地の街である。 ここなら、求めているハンバーガーに近いものが食べられるかも、と期待して出身者に聞くと 「ハンバーガー? 飲んだ後によく食べますよ。博多でいう、『飲んだ後に屋台でラーメン』の代わりみたいなもんですね。」とのこと。それらのハンバーガー屋は、飲み屋街にあるそうだ。やっぱり、純粋なアメリカの味を見つけるのは難しい。(ま)from Kitchen
※(ま)が読んだ佐世保の記事。「ビッグマン【ハンバーガー】」のところをクリック。ちなみに、文章内の「午後3時になっても」は「午前3時」の間違いらしい。


悪徳企業はどこへ行った? 1.20.2005

渡米する前年の2000年に、乳製品で有名なスノーブランドの「Y社」の杜撰な製品管理が発覚し、多くの食中毒患者を出し、企業倫理が問われたことは記憶に新しい((ま)の中では)。「帰国しても、このメーカーの製品だけは買うまい」と心に決めていたものだ。その後も、某ハム会社や某ドーナツ会社の製品管理の問題が発覚したニュースをアメリカで聞き、「この会社、もうダメかもね」と思っていた。悪事を働いた会社は社会的に厳しい非難にさらされ、壊滅的なダメージを受ける、というアメリカ版の社会正義みたいなものが頭の中にあったのかもしれない。

しかし、帰国してみれば、例のハム会社のソーセージは相変わらずの人気で高値だし、ドーナツ店もあちこちの駅前で元気に営業中。さすがに乳製品会社の商品は見ないな、と思っていたら、ある日、とんでもない事に気がついた。その会社、名前を変えていたのだ。我が家の冷蔵庫を見ると、牛乳もヨーグルトもみごとにその新社名「M社」の製品。だって、今や売り場で一番幅を利かせているメーカーなんだもん。姑息な手段に呆れるやら、自分が情けないやら。ここは「喉元過ぎれば何とやら」の日本であることを思い知らされた出来事だった。(ま)from Kitchen


ところによって、悪癖 1.14.2005

渡米して初めて「アメリカってスバラシイ!」と思ったのは、何を隠そう、いつでもどこでも「洟(鼻水)がかめる」ことに気付いた時だった。だって、すごいのだ。男性でも女性でも、人前でも食事中でもお構いなし。その辺の紙ナプキンで、ブーッとやっちゃう。鼻炎気味で、学生時代の授業中は「どれだけ目立たずに鼻水に対処するか」に集中力の半分を使っていた(ま)が、もしもアメリカで学生生活を送っていたら、きっと日本より2ランク高い大学に進学していたハズ。(ちょっと言い過ぎ?)とにかく、アメリカの公共の場での「洟かみ」に対する鷹揚さは感動モノである。こんなみっともないことを平気でする人々に、「日本人はスープを音を立てて啜るのでマナーが悪い。」などと言われる筋合いは無いよな、と思いつつも、「郷に入りては郷に従え」すっかりそのアメリカ式行動様式を身に付けた(ま)。ここは鼻炎者天国だ。ちなみに、ヨーロッパ人はハンカチで洟をかんで、そのハンカチをポケットに戻すが、さすがにそれは真似できなかった。

そんなもろもろのアメリカ的行動様式を身に付けたまま日本に帰って、あっマズイと思うことが時々ある。その一つが、トイレの2回流し。日本の女子トイレでは、特に若い女性の場合、個室使用中の「音」を消す為に2回流す。それを防ぐ為に「音姫」なる擬音発生装置もあるが、基本はやっぱり2回流し。対してアメリカでは、誰もが平気で、その「音」を響かせているのだ。ちなみに(ま)はアメリカで、周囲がアメリカ人の時はアメリカ式を、日本人が一人でもいると日本式を使い分けていた。よって帰国後は日本式になるはずなのだが、ちょっと気を抜くとアメリカ式になりかけていて慌てることがある。でも、よく考えたら生理現象なんだからねぇ。おまけに2回流すってことは、水も2倍使っている訳で。新年早々、お下品な話でスミマセン。でもこのアメリカ式だけは、めずらしく環境に優しかったなぁ、本当に。(ま)from Discover



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