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![]() ファイル30 Driving Blue Grass Kentucky(5/23-26/2003) ![]() |
アメリカでは祝祭日が少なく3連休はとても貴重なため、(ひ)(ま)家ではなるべくどこかに出かけるようにしています。今回のメモリアル・デイ・ウイークエンドの3連休も、「どこに行こうか」と話し合いを続けていましたが、もう興味のあるところにはすでにあちこち出かけている(ひ)(ま)家。コレという決定打となるアイディアが出ないうちに、ズルズルと時間が過ぎておりました。 そして向かったケンタッキー最大の都市・ルイビルでは、AAA のハンドブックや(ま)が図書館から借りてきた本を片手に、 ・ジェファーソンが設計したというファーミントン・ハウス ・ルイビル・スラッガー(大リーグ御用達のバットメーカー)のファクトリーミュージアム ・トーマス・エジソンが住んでいた家(微笑ましい老夫婦2人が丁寧に解説してくださいました) ・KFC の総本山(まるで白亜の殿堂) ・ケンタッキー・ダービーで有名なチャーチル・ダウンズ(レースも開催されていて大混乱) ・リンカーン大統領の生家(ルイビルからマンモスケイブへ向かう途中) などを次々と観光。ケンタッキー最大の都市とは言っても結局は田舎町のルイビル。日曜日は休業だったり土曜日も5時で早じまいだったりして、調べてみると意外と多い見どころを、効率よく回るのは旅疲れもあってかなり大変でした。しかしとりあえず一通り満喫できたので大満足です。 また、ルイビルが接するオハイオ川は、南北戦争以前はこの川をはさんで北は自由州、南側は奴隷州と決められた境界線でした。この川のすぐ南に位置し、さらにリンカーンとその副大統領の出身地ということもあって微妙な立場だったケンタッキーは、南北戦争では中立の方針をとったそうです。そんなことを考えながらオハイオ川の河畔に立ち、眼下の河岸に浮かぶ名物蒸気船 Belle of Louisville を眺めながら、「へぇ、この川がねぇ」と珍しく物思いにふけったりもしました。 というわけで1泊2日の滞在でしたが、ルイビルは田舎町らしく豊かな自然に囲まれて、古い町並みもきれいに残っており、雰囲気もあって住みやすそうなとてもいい街でした。 さてさて次に向かったのはマンモス・ケイブ国立公園。地上は何てことない森林ですが、地下には何と合計 360 マイルにも及ぶ洞穴がはりめぐらされているそうです。その一部を約2時間かけて歩くツアーに行きました。閉所恐怖症気味の(ひ)は少々心配でしたが、程良い恐怖心も手伝って、期待以上の大興奮!。途中、なんと6時間以上もかけて洞窟内を探検するツアーのご一行にも遭遇。装備も服の汚れ方もまるで炭坑夫のようないでたちでしたが、皆さんとても楽しそうな顔、顔、顔。次回は(ひ)(ま)家もこれにチャレンジしたいと思います。ちなみにスタートレック・ボイジャー 初回エピソードのとあるシーンも、この洞窟の中で撮影されたそうです。マニアックでごめんなさい。そしてこの日は宿を取っていた Harrodsburg という町まで、その名も「Blue Grass Parkway」という高速道路を通って移動。またこの晩見た月は、深い夜空に浮かぶ様がまさに「Blue Moon」で、エルビスも(ロック調で)カバーしたカントリーの名曲「Blue Moon in Kentucky」を思わず口ずさんでしまうほどの美しさでした。 最終日となる月曜日の朝、またも AAA 推奨のドライブルート(US68)を通ってレキシントンへと向かいます。すると、景色はどこまでもどこまでも続く美しいブルーグラスの牧場で、(ま)は景色を見ながら「おおまきば〜はみ〜ど〜り〜」とずっと歌っておりました。それほどに気持ちの良いドライブだったのでしょう。特に牧場が白い柵で囲まれていると、美しさも一際引き立ちます。わざわざこの点々がついた道を通るために、実は前日ちょっとムリをしてこの Harrodsburg というマイナーな町まで移動したのですが、朝のすがすがしい時間にこの素晴らしく美しい道を通ることができたので、正解だったと言えるでしょう。でかしたぞ AAA。今回の全ルートの中で最も心に残ったドライブとなりました。 レキシントンに到着後は、まず郊外の「Kentucky Horse Park」へ行きました。レキシントンは「Horse Capitol of the World」と呼ばれているそうです。このホースパークもブルーグラスが何とも美しく、緑溢れてどこまでも広くて美しい素晴らしい環境でした。この奥行きのある景色は、眺めているだけで心が癒されるようです。こんなところで暮らせて馬も幸せですね。 余談ですが、(ま)は馬術競技で日本に長年滞在していたという馬と、目が合ったら彼の表情が変わって無言ながら心を通じ合うことができたと言っております。そういうことにしておいてあげましょう。 というわけで予定を順調に消化しきって家路につきましたが、帰り道はレキシントンから針路を東に向け、ウエストバージニア州の West Virginia Turnpike を通って帰ってきました。ここも点々付きのシーニックドライブで、実は以前ラフティングに行った際に通ったことがありました。しかしその時は、行きは夜で真っ暗・帰りは雨で視界不良と、景色を堪能することができなかったのです。今回はその借りを返す意味でも、存分に楽しんでドライブしました。カナダのトロントからノースカロライナまでドライブで引越してきたヨアフくんが、道中で最も景色がきれいだったとオススメするバージニアとノースカロライナの州境辺りは、彼の言う通りズンズンズンと高度を下げていく様が、まさに飛行機でランディングしているようで、なかなかの迫力でした。 このターンパイクに限らず、今回の旅ではケンタッキーの景色に加え、行きも帰りもアパラチアン山系の山景色を堪能することができました。いつの間にか多くのアメリカ人のように、山を見るだけで「おおお」と感動するようになってしまいました。日本に帰ったら、そのへんの景色にいちいち感動しないといけなくなりそうです。 さてさて、とにかく意外にも盛りだくさんのケンタッキー・ドライブ旅行となり、(ひ)(ま)とも非常に満足して帰ってきました。計画の時間も少なかったのですが、2人で協力していい旅を演出できたことも満足です。 今でも「My Old Kentucky Home」のメロディを思い起こすと、ケンタッキーの風景が脳裏によみがえってきます。全く故郷でも何でもないのですが、「ふるさと」のような、あるいは母に抱かれているような、そんな安心感を与えてくれる優しさのある風景でした。素晴らしい。カロライナに戻ってきた(ま)は、「芝生が青くない〜」と素直に不平を訴えておりました。 トータルの走行距離は 1501 マイル、それにしても楽しい旅でした。ちょっと疲れました。(ひ) |