(ひ)が大好きで、今までも何度か記事にしているミュージカル「RENT」。ブロードウェイでは昨年9月に惜しまれつつクローズとなったのですが、その千秋楽の模様を収録したDVDが発売されています。その名も「RENT Filmed Live on Broadway」。(右の写真はアマゾンから引用)
幕間を含めて、ステージの始めから終わりまでばっちり収録されています。客席からの声も臨場感を引き立てます。役者さん達の表情が細かい部分までばっちり見えて、まるで最前列で見ているようにビシビシと気合いが伝わってきます。
モーリーンがすごいです。エンジェルもかなりテンパっています。アンサンブルも含めてみんな歌が上手いです。ミミちゃんの顔が怖いです。もちろんロジャーもマークも素晴らしい歌声です。どの歌も聞き応えがありますが、やっぱり東の横綱「Seasons of Love」は世紀の名曲、後世に伝わる芸術となるでしょう。
特筆すべきは、結構ズームアップが多くてアングルも細かく切り替わるのですが、それが素晴らしく完璧なコマ割りで感心しました。きっと編集の人も RENT をこよなく愛していたのだと思います。このような素晴らしい映像を残してくれたことに本当に感謝します。
さらに驚いたことに、アングルがどんどん切り替わっても、撮影しているカメラが全く写っていません。さっきまでその辺で撮っていたと思われるような場所が写っても、そこにカメラはいないのです。とても不思議なのですが、技術の進歩なのでしょうね。(観客を入れずに撮影したものと、最終日の撮影を編集でつないでいるようです。)
とにかく、遠く日本にいる(ひ)のような RENT ファンにとっては「これこれ、こういうDVDが欲しかったのだよ!!」と大満足な一枚。日本のアマゾンでも購入可能( こちら からどうぞ)なので、みんなで観ましょう。観るのだ。聞けばブロードウェイ作品がこのように収録されるのは初めてだそうです。あ、そういえば映画もありましたが、もう忘れちゃいました。RENTに関してはこのDVDが一枚あったらそれだけで more than perfect。惜しむらくは、コリンズ役が Mark Richard Ford 氏で、ピアノの演奏が Boko Suzuki 氏だったらと思いますが、まあこれらを差し引いても満足度はマックス100%。最初のクレジットに出てくる「If you can't be there, be here」という言葉の通り、テレビ桟敷で毎日 RENT が観れるなんて、本当に幸せな気分。どうもありがとう!!(ひ)
来る2008年6月1日にて、ミュージカル「RENT」の公演が終了することになりました。ブロードウェイとはそういうところなので、今まで12年も続いたのが奇跡。そして(ひ)(ま)がこの「RENT」を見ることができた幸運に心から感謝します。
右のようにオフィシャルサイトのトップページはクローズまでのカウントダウンになっており、こういうのを見ると寂しさがこみ上げてきます。が、公演終了といってもそれはブロードウェイでの話しで、地方公演部隊は折に触れて組織されるだろうし、いつかはブロードウェイでもリバイバル公演があるでしょう。「RENT」を見る機会がなくなったわけではありません。いつかまた見れることを信じて、RENTファンを続けていきたいと思います。
意外にも、朝日新聞にも記事が出ていました。「公演終了」は報道されましたが、公演中に「RENT」の良さを伝える記事はありませんでした。フツーのメディアとは、そういう報道のしかたしかしないものなのだろう。(ひ)
後日談・とりあえず9月まで、クローズは延期されました。
(ひ)が大好きなミュージカル「RENT」の映画版が制作されたことは以前の記事にも少し書きました <下の方を見てください>。そのDVDが発売されたので早速 Amazon.com より購入しましたよパンパカパーン! 余談ですが他にも欲しかったDVD数本と合わせて送料は約11ドル、International shippingは1ヶ月を覚悟していたら1週間ほどで届いて、なぜ今まで利用しなかったのか後悔するくらいに快適なお買い物でした。アマゾンえらい!
さてさて、RENTが大好きな(ひ)は、いつでも好きな時にRENTが見れる喜びの方が何より大きいので、映画がどんな出来でも満足すると決めておりました。この手の映画化は必ず舞台との違いが目につくものなので、別のものと思っておいた方が安全でもありますし。というわけで今回はちょこっとマニアックな視点から。
・メインキャスト8人のうち、ミミちゃんとジョアンヌ以外の6人はブロードウェイ・オリジナルキャストだそうです。したがって舞台初日前日での作者 Jonathan Larson の急死という衝撃を経験した本人たちが演じているわけです。そのスピリッツは映画からビシビシ伝わってきます。
・ちなみにロジャー役はジャスティン・ティンバーレイク、ミミちゃん役はビヨンセなんて噂もあったそうですが、そうでなくてよかったよかった、いやマジで。
・初演は1996年だったため、したがってオリジナルキャスト陣は年齢を10年重ねています。その後もいい役者を多く輩出しただけに議論の分かれるところでしょう。
・モーリーン役のIdina Menzelさんは、絶好調上演中のミュージカル「Wicked」の主役を降りてまで、この映画に出演したそうです。しかも最終日に舞台で負傷して、映画の撮影が遅れたとか。
・なんと! 歌詞中でのみ言及される April が映画では堂々の初登場。
・これまたなんと! Alexi Darlingも登場、しかも台詞付き。
・さすがに Alison と秋田犬は登場せず。
・なんと! ミミちゃんが Cat Scratch Club で踊ります。手錠は無し。
・な、なんと! モーリーンがちゃんと本物のバイクで登場します。
・メロディーが消えた歌もけっこうあり。
・なんと! ジョアンヌとモーリーンが結婚式(婚約式?)を挙げて2人の両親が登場し、祝福のコメントまで聞かれます。この両親の関係がまた微妙です。
・またまたなんと! ニューメキシコの砂漠でロジャーが歌います。
・(ひ)が好きなコリンズとエンジェルのラブラブぶり?もいい感じです。
・留守電の応答メッセージ と言えるのかなあ 、やっぱり好きです。
・ボーナス版に収録されていた Alternate Ending が、舞台版に近い演出でした。ま、どちらでも楽しめます。
実は、(ひ)は知らなかったのですが、日本でもゴールデン・ウイークに上映されることが決まっているそうです。アメリカでの興行成績が決して良かったわけではなく、日本でもどれくらいの客が入るか??でありますが、(ひ)にとっては大事な大事な一枚です。大好き!RENT!!(ひ)
・「ほぼ日刊イトイ新聞・ぼくは見ておこう」を読む。
観てきました!映画『オペラ座の怪人』。ミュージカル版を、ウエストエンド、ブロードウェイ、日本、そしてラーレイで計7回観ている(ま)としては、ズバリ「合格点」を差し上げたい出来です!! どれほど感激したかは(ひ)が書いているので、(ま)らしい視点で感想を少々。
・音楽 やっぱり素晴らしい!!文句無しです。映画館の大音響で聞くのも、また良いものです。
・映像 「製作費用100億円!」「最新SFXを駆使!」というほどではありませんが、舞台より映像的な制約が少ない、映画の良さを活かした作りだと思います。(ま)が一番好きだったのは、お墓のシーン。舞台では一番シケたセットなのが、ここでは荒涼とした風景とあいまって、とても美しいものに大変身。石像が並ぶ風景は、サバンナのお墓を思い出しました。
・ストーリー ミュージカルと比べて、少しづつ変わっています。シャンデリアが落ちるタイミングなど、結構重要なシーンさえも。全員での練習風景など、バッサリとカットされたシーンもあります。それでも、2時間の映画としてよくまとまっているのではないでしょうか。
・配役 音楽が主役の映画なので、正直言って「誰がやっても同じ」の心境です。クリスティーンは、歌唱力と映画向きの顔とスタイルで選ぶとこんなところかな、というケロンパ顔。ありがちなハンサムのラウル。怪人も、ジュエームス・ボンド張りのハンサムでした。もっと落ち着いた年配でもよかったような気もします。ちなみに、ファントム役の俳優さんは来日中、上原多香子ちゃんがお気に入りだったとか。
さて、舞台を知っている人が観て、一番違和感を感じるのは、きっと「ベテランのプリマドンナ」役のはず。舞台で巨体を揺らすおばさんは、カーテンコールで一番人気だったりするのですが、映画では細身で嫌味な女性が登場。どっかで観たことある顔だと思ったら、ミニー・ドライバーでした。昔は青春映画のヒロインだったのに、、、しかし、こんなに歌も歌えるとは知らなかった。掘り出しモノかも。
・字幕 CDを聞き込んでいる(ひ)(ま)家は、歌を聴くときは見ていません。でも、セリフや小さな設定まで分かったので、ストーリーへの理解が深まりました。知れば知るほど、クリスティーンは嫌なオンナかもしれません。あと、バラードの歌詞の最後に「!」はいらないと思いますよ、戸田奈津子さん。
・結論 ミュージカルが好きな人ほど、違いが目について文句を言いたくなるかもしれません。しかし、映画は映画として十分に楽しめるものだと思います。ダイエットしたサラ・ブライトマン演ずるクリスティーンと、アントニオ・バンちゃんのファントムという(ひ)(ま)家「夢の配役」は本当に夢で終わりましたが、でも満足です。作曲家のアンドリューも、結構満足しているのではないでしょうか。(ま)
・オマケ マニアのための、(ひ)(ま)家の会話
「クリスティーンがオペラ座の屋上で着るマントは、月光に輝く青緑色でなきゃね。」
「『ドンファン』の時、クリスティンは相手を知らずにデュエットしていたと思っていたが…でも、映画の設定も良かったね。」
「ラウルの最後の水攻めは意味不明だ。」
What a striking film! ミュージカルの魅力を余すことなく伝えてくれる、素晴らしい映画でした。CMでおすぎが「とってもいいわよっ」などと言っていた時にはどうなることかと思いましたが、やっぱりファントムは本物です。おすぎさんには引っ込んでおいてもらいましょう。
舞台も役者も制限があるミュージカルに比べて、どちらも思い通りに使える映画では華美が行き過ぎになりがちで、実際「Chicago」などは全く別なものに仕上がっていましたが、このファントムはミュージカルに忠実に、しかし映画の利点はうまく利用したミュージカル好きも納得の一本でした。たとえば冒頭のオークションの後、Overture に乗せて古く蜘蛛の巣のはった劇場が華やかな姿に戻るCGのシーンや、第2幕最初の「マスカレード」の大人数でのダンスシーンなど、映画ならではの演出がこの作品の魅力を実に巧妙に高めていると言えるでしょう。思わず鳥肌が立ったほどでした。終盤の曲「Past the Point of No Return」の部分がミュージカルとは最も違った演出でしたが、ファントムとクリスティーンが舞台上で絡む大熱唱は迫力十分で、おかげで今までは別に何とも思っていなかったこの曲が(ひ)の favorite song リストに加わりました。シャンデリアが落ちる演出をここに持ってきたのも、結果としてはストーリーを引き締めた印象を受けたので◎です。見る度に鳥肌が立っていたラストシーンが、ラストシーンではなくさらに1カット追加されていた時には少々驚きましたが、それはそれで「うん、まあいいか」といった感じのエンディングでした。
なんだかミュージカルとは違う部分ばかりを書いてしまっていますが、基本的には冒頭でも述べたように、ミュージカルの魅力を忠実に再現した、アンドリューが「ミュージカルが後世まで形に残るようなものを作りたい」とコメントしていた意図通りに仕上がった映画だと言えるでしょう。この作品の真の主役である、素晴らしい楽曲の数々の魅力が余すことなく伝えられているのですから、それだけでファンは何も言うことはありませんね。素晴らしい音楽をありがとう、アンドリュー。(ひ)(ま)家でも大切な保存版として、このファントムフィルムのDVDが出たら即、購入します。
映画化されたことで、より多くの人の目と耳に止まり、その魅力が伝えられることでしょう。後ろに並んでいた、お父さんと一緒に見に来ていた中高生風の姉妹とか、ちゃんとミュージカルの良さが分かってくれたかな〜?。この映画がきっかけで、NYのブロードウェイを訪れる人も増えるといいですね。やはり生の魅力はこの上ないものですから。このHPの新コーナー、525600もどうぞよろしく!(ひ)
5月に再びNYへ行った。目的は、もちろんミュージカル鑑賞。前年7月にアントニオ・バンデラスに会いたいがために発作的に出かけたNYで、本場のミュージカルの虜になった(ひ)(ま)家。今回も入念に下調べを行い、チョイスしたミュージカルのひとつに"The Boy From OZ"があった。(内容詳細は、「旅する2人の東西南北 File41 NY編」にて。)このミュージカルの主演は、オーストラリア出身のヒュー・ジャックマン。一応、ハリウッドの売れっ子俳優だ。しかし、彼の名前すら知らなかった(ひ)(ま)は、「ナンボのもんじゃい。」と出かけていった。そして、彼の歌と踊りの素晴らしさとエンターテイナーぶりに完全ノックアウト。ああ、ヒュー様!!!
さて、普通なら出演者が総出演してお辞儀をし、ミュージカルは終わる。しかし、この週は「エイズ撲滅のためのチャリティーウイーク」だったので、いきなりオークションが始まったのだ。まずはロゴが入った、いたって普通のタオル。数十ドルの値段で始まったオークション。
と、司会者がいきなり、ヒュー様に襲い掛かり、そのタオルでヒュー様の汗を拭いた。
途端に値段は跳ね上がり、何と1,300ドル(13万円弱)になった。
結局、同じものが2枚用意され、「ヒュー様の汗付きタオル」は800ドル(8万円弱)で、2人の女性の手に。
次の商品は、何とヒュー様が今まで着て、歌い踊っていた真っ赤なシャツ。ヒュー様がその場で脱ぐと、会場の女性陣から黄色い歓声が沸きあがる。これはさすがに100ドル(1万円)からスタートする。
と、司会者がいきなり、ヒュー様に襲い掛かり、ヒュー様の胸毛を1本抜いてシャツに付けた。
途端に値段は跳ね上がり、結局「ヒュー様の胸毛付き真っ赤なシャツ」は3,000ドル(30万円弱)で競り落とされた。
お買い上げの人々には、税金控除に使える領収証が発行されるのもアメリカらしい。そのほかにも、10名に限り『ヒュー様と一緒に写真をとって握手できる権』が500ドルで売り出され、これも早々に売切れれていた。ヒュー様、恐るべし。でも、カッコイイのよ、ホントに。(ま)
イタリア語で「my mother」という意味ですが、ママが絶大なる影響力を発揮するお国柄を反映してか、「なーんてこったい!」のような意味でも使われる言葉だそうです。英語の「Oh my God !」みたいなものですね。
さて、(ひ)(ま)家もブロードウェイでこの人気ミュージカル「MAMMA MIA!」を見てきました。文字通り強烈なキャラが持ち前のママと、これまた妙にキャラの立つ黒人と白人のおばちゃん(ママの親友)が事実上のメイン・キャスト陣で、この3人の役者さんがそれぞれ独特な持ち味を出しながらストーリーが進んでいきます。
聞けば劇団四季でも上演しているそうで、これは非常に偶然なのですが帰国した翌日に「ミュージック・フェアー」にその劇団四季のキャスト陣が出演し、ミュージカルから数曲披露しておりました。しかし、まだニューヨークの興奮が冷めやらぬ状態だった(ひ)は唖然と驚きます。日本語で歌ってるのが変とか、そんな問題じゃないです。なんと、おばちゃんが3人とも揃いも揃って同じような役者で区別がつかなかったのだ! 確かに四季だと役者さんが全員日本人なので、黒人と白人というようなキャラの区別が物理的にムリなのは分かります。しかしそれにしても歌声も顔もおんなじよ〜な3人が並んでちゃ、その時点でこのミュージカルの魅力は半減以下でしょう。しかも、さらに驚くべきことに、娘まで同じような顔で区別不能ときたもんだ〜!! この役は20歳そこそこのフレッシュな役者さんがブロードウェイ・デビューを飾るデビュー枠のはず。いくらなんでも似たような顔が4人じゃ、そら反則を通り越していますがな。困ったことに男性キャスト陣でもこの現象は同様。まさにMAMMA MIA! 劇団四季って、よっぽど人材不足なのか?(ひ)
今回も研究所の割引価格でチケットが買えたので、地方公演の RENT に行ってきました。それにしてもこの RENT、ミュージカル・パフォーマンスとしての完成度はやっぱり超ド一級品です。キャスト陣はNYのブロードウェイからは1枚も2枚も落ちてしまうのは当たり前なのですが、それは抜きにしてもたっぷり楽しめたいい時間となりました。
ミミちゃん役はノースカロライナ出身ということでご当地公演のご祝儀代わりかアンダースタディの女の子が演じておりました。実はブロードウェイのミミちゃんははっと驚くほどに長い脚とくびれた腰が爆弾アピールポイントだったのですが、そのインパクトが無かったのはご愛敬、だってノースカロライナ出身だもんね。エンジェルのテンパり具合やロジャーとマークの歌唱力も、、、こんなことを言い出したらキリがないのでやめときます。
というわけで次は Mamma Mia かな〜?ABBAの歌も予習済みだし、研究所の割引チケットが出たら考えよう。たまに(ま)と2人でちょっといい服を着てデート気分で出かけるミュージカルというのはやっぱりいいものですし。日本じゃ四季だもんな〜、アメリカにいるうちに見れるだけ見ておくというのも悪くないかも。先のミュージカルはブロードウェイで、なんて結論はすっかり忘れてしまったようです。No day but today、だもんね。(ひ)
ミュージカルと言えば何をおいてもNYCのブロードウェイですが、地方公演部隊も全米中を回っていてノースカロライナのラーレイにも時折やって来ます。しかし、実は何度か見に行きましたがいずれも「やっぱ2軍やな〜」とちょっとがっかりしていました。その後、NYを訪れてブロードウェイ・ミュージカルの神髄に触れたことで(ひ)(ま)家では完全に「ミュージカルはブロードウェイで!」という結論に達し、ラーレイの地方公演にはもう見向きもしていませんでした。
しかし今回、映画も面白くてぜひ見てみたかった「CHICAGO」が、たまたま研究所の割引価格でチケットを購入できたので <常々ticketmaster の handling fee やら convenience fee やらにはうんざりしていたのだ> 、久しぶりに行ってみることに。ちなみにフレンチ・スピーカーのザビ・サン夫妻は Chicago を「チカゴ」と発音します。かわいー。以来我が家でも「チカゴ」です。また、NYではバンちゃんの奥様メラニー・グリフィスがロキシー役を演じていましたが、バンちゃん降板と同時に奥さんの方も降板したとか。なんか好き勝手やってる夫婦だな〜。
で、ミュージカルですが、今回の感想は「良かった!」です。地方公演とはいえ映画で目が肥えているお客さんには2軍じゃ通用しないと思ったのか、役者さん達もかなりのレベルの高さでした。これ以上ないくらいのお金とキャスト(あの重鎮チタ・リベラおばちゃんもちょい役で登場)を使っている映画が面白いのは当然ですが、ミュージカルもミュージカルだからこその良いところがたくさん。久しぶりに華やかな中でもコメディタッチなブロードウェイ・ミュージカルの思い出も蘇ってきたりして、見に来て良かったな〜と思わせてくれた一本でした。地方公演でもこれだけ面白いのなら RENT にも行っちゃおっかな〜。どうやら先の結論など忘れて(ひ)(ま)もすっかり Razzle Dazzle されてしまったようです。(ひ)
8年前、NYで「レ・ミゼラブル」を見て英語も分からないのに大泣きして以来、ロンドンとニューヨーク(時々日本)でのミュージカル鑑賞は(ま)のスペシャルな趣味だ。ここノースカロライナでも時々、「本場ブロードウェイ仕込み(?)」の劇団が州都ラーレイにやってくる。
2002年9月、半年前からチケットを買って楽しみにしていた「コーラス・ライン」は、明日のミュージカル・スターを夢見る若者達の葛藤を描いたいかにもアメリカ人好みのストーリー。前から2列目中央のS席で迫力ある歌声に浸ったものの、ステージが異常に高く肝心のダンスのステップはほとんど見えなかった。およよ。
今回は、過去にロンドンと日本で4回も見たことがある「オペラ座の怪人」をアメリカで初挑戦。前回の反省を活かし舞台全体が見える位置に陣取ったのは大正解。しかーし、役者さんの歌の上手さはいまひとつ。おまけに歌い上げるシーンでも隣のおじさんはクラッカー食べるし、子供は「退屈ぅ、退屈ぅ。」を連発したり、観客側にも問題が大有りだ。
加えて思うに、ノースカロライナで見るミュージカルには「何か」が決定的に不足している。それは、ミュージカル専用の狭い劇場での一体感、役者さんの息遣いまで聞こえる緊張感、ここで失敗したら明日はもう舞台に立てないという役者さんの緊迫感、など「ギラギラ度」の不足とでも言いましょうか、そんなものです。ミュージカル初心者の(ひ)もそれを感じたそうで、「ミュージカルを見るなら、やはり本場で。」という結論で意見が一致しました。(ま)
「絶対いいから」と薦められタイ人の友人から借りたビデオは、イギリスの人気ミュージカル作曲家アンドリュー・ロイド・ウェーバーの誕生日記念コンサート。天才アンドリューの数々の名曲を歌い上げるサラ・ブライトマンはじめ豪華ゲストの迫力あるステージにすっかりハマった(ま)は、返却期限まで寸暇を惜しんで見つづけた。
そんなある真夜中、何処からともなく聞こえてくる歌声に(ひ)は目を覚ました。ふと見ると(ま)が熟睡したまま歌っているという。その後も数日間「オペラ座の怪人」「エビータ」「キャッツ」等々日替わりで(ま)の熱唱は続いたそうである。(ま)