ブロードウェイでミュージカルが観たい!と思った時に、まず心配になるのがチケットの手配。チケット取得の方法はいくつもあるでしょうが、(ひ)(ま)家では、以下の3つの方法を取りました。いずれもインタ−ネット等で事前に購入するのではなく、現地入りしてからの調達です。
・劇場窓口で、定価購入
最も正当な購入法でしょうか。メリットは、席表を見て選びながら、窓口の係員と相談しながら購入できることです。そして泣く子も黙る定価購入ですので、良い席が取れます。後にも記述しますが、良い席のチケットは劇場が持っているケースが多いようです。デメリットは、もちろん値段が高いこと(約$100)。しかし「旬」な人気演目では割引チケットは出ておらず、選択肢はないので(ひ)(ま)家では「Nine」と「Hairspray」のみ、この方法で購入しました。
ブロードウェイに到着したら、まずは本当に一番観たいミュージカルの劇場に向かい、自分の滞在日程を示して「この日程の中でベストシートをくれ」と言って購入、残りの日程で残りの演目のチケットを入手する、というのが最もスマートな方法でしょうか。
・劇場窓口で、割引価格による購入
まず、タイムズスクエアの「 i 」と書かれた小さな看板が立っている「Information center」の窓口で、割引クーポンを入手します。割引率は、中には30%程度のものもありますが、おおむね約50%、つまり半額です。このクーポンを持って劇場窓口へ行き、先の定価購入の場合と同じように割引価格で購入することができます。多くの場合でその日の上演のチケットしか購入できないので、「滞在中のベストシート」を選ぶことはできません。しかしやっぱり、係員と話して席表で選びながら購入できるのは大きなメリットです。そして、(ひ)の「良い席は劇場がキープしている」説に違うことなく、下の「tkts」と比較して、良い席が取れるような印象を持っています。さらに「tkts」のような長蛇の行列もほとんどないので(多くてせいぜい5、6人)、旅先での貴重な時間も節約できます。これだけメリットがあったら当然ですね、(ひ)(ま)家では多くの場合でこの方法により購入しました。
デメリットは、割引クーポンが発行されている演目が限定されていること。もちろん「旬」な人気演目のクーポンはありませんし、さらに時期によってもあったりなかったりするので予想ができません。が、「Playbill」のWebサイトである程度情報を得ることができるので活用しましょう。さらにe-mailのプリントアウトがそのままクーポンになり、Infomation center まで行く時間を節約できる場合もあります。
・「tkts」で、割引価格による購入
(ひ)がここで説明するまでもないでしょうが、タイムズスクエアと Lower Manhattan の2カ所に、割引チケットを販売する「tkts」カウンターがあります。ズバリ半額でチケットが購入できるため、それはそれは多くの人が長蛇の列をなして並んでいます。出てくるチケットが良い席かどうかは、ズバリ「運」。基本的にその日のチケットのみの取り扱いなので、売れ残っていたら前から5列目ど真ん中なんてこともあるだろうし、そうでなかったら左右の見切り席という場合もあるでしょう。メリットは、半額というだけです。さらに支払いは現金のみ。夏の暑い日や冬の寒い日に、屋外に2時間3時間並んでも平気な方はどうぞ。
(ひ)の「良い席は劇場がキープしている」説によると、劇場がさばききれなかったチケットがその日になって tkts に回って来ている印象を受けます。ちなみに(ひ)の言う「良い席」とは、「真ん中の列の1階席、前の方ほど良い」という定義です。左右の見切り席および2階席は除外 (2階席の方が良いということは、クラシックコンサートならいいけど、ミュージカルに関しては決してないと個人的には思います。ブロードウェイは劇場も小さいですし)。下記の事例をご参照ください。
他のチケット購入の方法としては、
・Webサイトによる購入 <手数料 (handling fee、processing fee)がかかるため割高>
・日本から行く場合、旅行代理店等を通して購入 <同上、さらに割高。代理店をもうけさせたいならどうぞ>
・アメリカン・エクスプレスの電話カウンターを通して購入 <アメックスは持っていないので何とも言えません>
・ラッシュチケットの入手 <これが最も安い方法、しかし確実ではない>
などが挙げられるでしょうか。
最後におまけとして、(ひ)(ま)家が実際に購入した際のケーススタディを少々紹介しておきます。
当時の、2003年から2004年にかけての事例です。状況は刻々と変化します。どうぞご参考程度にお願いします。
事例1・「Nine」
劇場窓口にて定価購入。アントニオ・バンデラス出演の人気演目ながら「滞在中のベストシート」を選んでなんと前から3列目ど真ん中。
前もってチケットが必要かも、と心配してWebサイトで調べた際には、2階席最後列のチケットしか販売していなかった。定価に手数料まで払ってこの席は悲劇。やっぱり良い席は劇場がキープしている。
事例2・「Hairspray」
劇場窓口にて定価購入。どうしても観たい、というわけではなかったので「滞在中のベストシート」ではなく日程を指定して買おうとしたが、残っていたのは1階最後列の一番左端のみだったため一旦断念(見切り席ではないが定価でこの席は悲劇)。しかし、窓口のおばちゃんのアドバイス通り、キャンセル・リリースが出る前日の午前10時に行ってみたらなんと1席ずつ別々ながら前から5列目と6列目の席をゲット(しかも当日行ってみると1人で見に来ていたおばちゃんが席を替わってくれて、5列目で並んで見ることができました)。窓口の係員と相談して上手くいった好例でしょうか。
事例3・「Mamma Mia」
訪れた時期が運悪くイースターと当たり「Information center」のクーポンがなかったため、定価購入を覚悟して劇場窓口へ。しかも右側の見切り席しか残っていないという。仕方ないので購入したところ、出て来たチケットの値段は56ドル。窓口でクーポンがなくても、なぜかほぼ半額で買えてしまいました。理由は不明。この値段なら見切り席でも何とかacceptable。まだまだ知らないことは多い。
事例4・「42nd Street」および「Aida」
いずれも Lower Manhattan の tkts に45分並んで購入。出て来た半額チケットは、それぞれ1階K列右側の見切り席と2階E列左側。つまり(ひ)の「良い席」の定義にいずれも不合格(1階K列右側はまだ何とか許せるけど)。やっぱり良い席は劇場がキープしており、劇場がさばききれなかったあまり良い席でないチケットがその日になって tkts に回って来ている印象です。
事例5・「RENT」
2度の観劇でいずれも劇場窓口半額クーポンによる購入。1度目は1階H列中央、ばっちり最高で大満足。2度目は1階中央最後列。この時はイースターで混んでいたため、「良い席」ギリギリだけど取れただけ良かったと思う。おそらく後方でも中央の席は劇場がキープしており、tkts には見切り席および2階席が回っていると考える根拠となった事例。