3行ジャマイカ Jamaican


公用語は英語だけど、それだけじゃない!

★ジャマイカの言葉★

昔はイギリスの植民地だったため、今でも公用語は「英語」。出発前にホテルに電話をした際、あまりの「なまり」の強さに(ひ)がビビッたのもつかのま、基本的に観光業の人は綺麗な英語を話すので、コミュニケーションは問題なし。但し、ジャマイカ人同士が話しているのを聞くと「????」。実は、ジャマイカには "Patois" (パトゥワ、と発音)というジャマイカ独特の言語が存在し、英語と混ぜて使っているのだ。これは英語・スペイン語・ポルトガル語などが混ざって出来ており、発音も英語とは随分異なる。でも、せっかくなら喋ってみたい!外国語を喋ってみたいと思うのは、ジャマイカの人も同じようで…。


Yeah mon ヤーマン

何はなくとも、この言葉。綺麗な英語を喋るジャマイカ人も、言葉の端々にこの「ヤーマン」だけは出てくる。意味は"Everything is OK""No problem"とかいった意味(聞く人によって違う)で、とにかく肯定的なマルチ言葉なのだ。「調子はどう?」「ヤーマン」、「ありがとう」「ヤーマン」。地元DJに至っては「ヤーマン!みんな盛り上っているかい?ヤーマン!それじゃあ次の曲いくよ。ヤーマン!」ってな感じで、もう何でもかんでも「ヤーマン」でOKなのだ。感嘆の言葉も「ヤーマン!」。ジャマイカ名物スチールドラムのショーで、司会のニコラスが心の底から言った「ヤーーーーーァマァンッツ!」は忘れられない。語感がよく覚えやすいので、ゲストも3日も滞在すれば「ヤーマン」を連発。言いながら、「ま、大丈夫か。」的なジャマイカンな気分になれる魔法の言葉なのだ。ヤーマン!!


Irie mon アイゥリマーン

ちょっと中級編。発音が少々難しい。意味を聞くと、これまた"Everything is OK"らしい。いろんな人に「ヤーマン」との使い分け方を聞いたのだが、どうやら"Good"とか少し改まった言い方のよう。特に女性はこれを使うと丁寧な感じ。「調子はどうだい?」「アイゥリマーン」。「ヤーマン」は誰もが言えますが、「アイゥリマーン」を外国人が使うと「お、やるな。」というちょっと嬉しそうな顔をされます。


Wha a gwaan ワ・グゥワーン

ジャマイカ人に聞くと、英訳は"What's up?"(カジュアルな挨拶。若者言葉。)らしいが、英語と違い、きちんと返事を返さなくてはならない。イメージ的には"How are you doing?"が近いかな。「ワ・グワーン?」「アイゥリマーン」が基本形。日本語だと「どないでっか?」みたいなイメージらしく、(ま)が「ワ・グゥワーン?」と従業員に言いまくっていると、最初は「誰がそんな言葉教えたんだ?!」とビビっていたが、翌日からは皆が「ワ・グゥワーン?」と話し掛けてくれるようになった。やはり地元言葉を覚えると、コミュニケーションが楽しくなります。


太陽の雫、月の雫

ジャマイカで、2日続けて雨が降った時のこと。雨だと全ての屋外イベントが中止になるので、とても退屈なのだ。「雨ばっかりで、嫌だねー。」と話すと、ジャマイカ人から「違うよ。ジャマイカに雨は降らないよ。これは、太陽の雫(liquid sunshine)なのさ。」と諭された。ビーチという天候に左右される観光資源で生活をしている国にとって、雨は大敵だ。「雨」を肯定できないところから、生まれた発想であろう。ちなみに、夜の雨は「月の雫」(liquid moonshine)と呼ぶそうだ。何だか、先人の知恵とでも呼べそうな、美しい言葉である。実際は、雫どころか、バケツをひっくり返したような大雨だったけれど。


日本語 その1

250組収容のホテルに10日間滞在して、アジア人カップルは、(ひ)(ま)二人だけだった。アジア人女性と白人男性のカップルが2組。あとは全て白人か黒人。珍しいわけではないだろうが、かなり目立ったのだろう。あっという間に見知らぬ人(スタッフ、ゲストを問わず)にまで声をかけられるようになった。で、また愛想よく答えるものだから、面白がられ、スタッフから「日本語を教えて」と頼まれることもしばしば。
その一人は、フランス料理のレストランで、我々のテーブルを担当していたインディアナ。最初は「コンニチハ」「アリガトウ」など神妙に覚えていたものの、そこはラテン系「"I love you" ってどういうの?」と質問は変化し、簡易版の「スキ(好き)」を教えると、そこらじゅうの男性の同僚に向かって「スキ、スキ」と言って回る。最初はポカンとしていた男性陣も、意味が分かると「おい、"She's so sweet!"(彼女は素敵さ)ってどう言か教えてくれ。」となり、「カワイイ」を教えると「カワイー、カワイー」とお返しをする。白手袋をしてサーブする高級フレンチ・レストランも、結局従業員は陽気なジャマイカン。その後、この「スキ、スキ」は従業員全体にブームになり、(ひ)(ま)が歩くところ、いたるところで聞こえた。


日本語 その2

スキューバ・インストラクターのヤギの前を通り過ぎる時、何かを言っていた。意味がわからなかったので適当に受け流して通り過ぎたが、(ひ)が振り返って「もしかして、"No Problem"って言った?」と聞く。よく聞いたら「モンダイナイ」と言っていた。これがジャマイカで聞いた一番高度な日本語だった。(ちなみに、" No Problem, Jamaica" は標語みたいなもの。何があっても大丈夫、ジャマイカだもん。)
あとは、コンニチワも知らないのが普通である。そんな中、エンターテイメント担当部署プレイメーカーの誰かが、日本人の友人がいたとかで、一つだけ日本語を知っていた。それは「モシモシ」。「これ、どういう意味?」と聞くので、「うーん、電話をする時の決り文句で、ハローとか誰かいる?とかそんなかんじ。」と説明すると、妙に新鮮だったらしく、また語感が面白いとかで、プレイメーカーの中に一気に広まった。皆が親指と小指を立てて受話器を持つ仕草をしつつ、「モチ、モチ」「ムシ、ムシ」と怪しげな「モシモシ」を繰り返す。ちなみに、彼らは毎晩イベントの司会をするのだが、流暢な司会の間に、またファッション・ショーのモデルとしてランウェイの上でポーズを決めながら、「モシモシ、スキスキ」を連発していた。中でも、ミュージシャンとしてすにでデビューしているクレッグの「モッシィモッシィ、スゥキィスゥキィ」はビートが効いていて、なかなかのものであった。




flag「3行ジャマイカ」へ戻る  NC27517ホームへ戻る