3行ジャマイカ Couples


ジャマイカで出会う、個性的なカップル達!

★ゲスト★

このホテルの最大の特徴は、なんと言っても「顧客は、異性のカップルのみ」。つまり同性愛者も子供連れもおらず、全て大人のカップルばかり、という環境。ハネームーナーが多いのはもちろん、年配のカップルも結構多い。友人のカップル同士で来ていたり、宿泊客同士も顔見知りになると声を掛け合い、仲良くなって一緒に飲んだりということも。多くは北米から、そしてヨーロッパからのゲスト(ロンドンージャマイカ間は10時間のフライト)。ここでは、(ひ)(ま)が親しくなった、個性的なカップルをいくつかご紹介。


ジュリア・ロバーツ

ホテルに向かうバスから一緒だった、美男美女カップル。女性はスラリとスタイルもよく、顔はジュリア・ロバーツかダイアナ妃(今まで見たアメリカ人女性の中でも一・ニ位を争う美しさ。by(ひ))。男性もマッチョでハンサムで、見ようによっては俳優のベン・アフレック。このジュリア、美人のみならず社交的な性格で、すぐに(ひ)(ま)とも仲良くなった。日本の某時計メーカーのオクラホマ支社に勤めているとかで、日本にも興味深々。一方、ベンはちょっとヒネたコメントを発するクールさが身上。(とびきり美人は意地悪な男に弱い、という仮説はここでも実証。)しかし、我々と一緒にスキューバ・ダイビングにチャレンジしたベンは、意外に小心者だったゾ。
ある晩、バーでバッタリ出会い、一緒に飲まない?と誘ってもらった。映画から、お互いの仕事、日本の文化と経済、イラク戦争から芸者の話まで、4人で3時間を語り尽くした。間近で見たジュリアは、惚れ惚れするくらい綺麗だったなぁ。初めてお客さん同士で仲良くなったこの二人。残念ながら、連絡先も聞かないまま、二人は先に帰国してしまった。数日後、近所にある滝の観光ツアーの様子(ビデオ)がホテルのロビーで流れており、そこに二人を発見。ずんずん先行くジュリアの後を、おろおろとベンが追いかけていっているのを、「やっぱりね。」とほほえましく眺めたのだった。


里帰り

前夜ビーチパーティーで一緒にゲームをした小柄なオジサンが、空港行きのシャトルを待っていた。「あれ、帰るの?」と話し掛けると「そう、里帰りも終わりだよ。」とのこと。「?」聞けばオジサンはジャマイカ出身で、今はカリフォルニアに住んでいるそうだ。今回は久しぶりの帰郷で、今もジャマイカにいる妹さんの案内で島内を散策し、親戚や友人達とも久しぶりの再会を果たしたとのこと。アメリカで、金髪でミュージシャンの白人の奥さんと結婚し、このホテルに泊まる程に成功を収めての里帰り。きっと「故郷に錦」なんだろうな。
同様に里帰り中のジャマイカ人のご婦人(推定年齢60歳)にもバーで出会った。聞けばウン十年前、ドイツ人のご主人(工学部教授)と結婚しアメリカに渡る際、ノースカロライナとアリゾナの選択肢があったらしい。でも黒人の彼女は「ノースカロライナ(NC)にはクー・クラックス・クラン(白人至上主義の団体)がいるから」という当時の事情によりアリゾナを選んだそうだ。NCの南部としての歴史である。そして今、彼女のお子さんは、子供(つまり孫)の教育環境を考えてNCのケアリーに引っ越したばかりだとか。時代は変わったものだ。この品のよいご婦人(映画スターみたく、頭にスカーフなど巻いていた。)、ジャマイカ人が奏でるジャズに、懐かしそうに毎晩耳を傾けにバーに現れていた姿が印象的だった。よい里帰りになっていることだろう。


カラオケおじさんズ

ホテルには、夜になると歌が歌える場所がいくつかある。一つは「カラオケ・タイム」。200人は入るホールで、パイオニアの歌詞しか出ないDVDをリクエストの度に係員がセットし、本人はテレビ画面の正面に棒立ちになったまま、観客に背を向け歌う。もう一つは「ピアノ・バー」。普段はいい雰囲気の屋外バーなのだが、夜に行ってビックリ。専属のピアニストが弾くグランドピアノの周りを、お客さんが椅子で囲んですわり、何と生カラオケ状態になっていた。ピアニストも辛いぜ。

さて、このピアノ・パーにいつもいるのがカナダからやってきたロイ。遠くからでも一目で認識できる立派な体躯。(ひ)(ま)家からは「主(ぬし)」と呼ばれていた。歌が大好きで、ピアノバーでも歌いまくり、プレイメーカーのショーでも飛び入りしてはシャンソンなどを歌っていた。但し、余り上手くないのはご愛嬌。
一方、バーで出会ったシアトルのディーは、家にカラオケ・セットも持つ本格派。エルビス・プレスリーの大ファンで、彼の曲は全て歌えるという。(ひ)(ま)がテネシーのグレース・ランド(エルビスの家)に行ったというと、本気で羨ましがっていた。

他人の歌を聞くほどつまらないことはないので、夜のピアノバーもカラオケも避けていた我々。しかし、ジャマイカ最後の夜、怖いもの見たさで「カラオケ・タイム」に出かけてみた。そこでの発見はズバリ、「アメリカ人はカラオケが下手!」こんなに下手だとは思わなかった。断っておくが、日本ほどカラオケ普及率の高い国はない。たぶん不慣れなのだ。二人して呆れているところに、ディーがエルビスの歌"Treat me nice"を歌いだした。再びビックリ!これが何とバリウマ!!何気にエルビスを意識した歌い方で、「♪僕を優しく扱っておくれ。僕の髪に指を通しておくれ♪」という歌詞では自分の頭に手をやるポーズで場内大爆笑。そう、ディーの頭はツルツルだったのだ。うーむ、ウケまで取れるとは素晴らしい!「主」も負けじとカラオケ本のページをめくる。会場は「主」とディーの一騎打ち状態に。そして最後、二人で歌おうと選んだ曲は何とシナトラの「マイ・ウェイ」。おじさんは世界共通だね、と大爆笑の(ひ)(ま)にも気づかず、二人の熱唱はジャマイカの夜に溶けていった。


ジャグジー・ガイと、その妻

(ひ)(ま)が屋内ジャグジーでくつろいでいると、アロハを着て口ひげを生やした男が、か細ーいブロンドの女性と一緒にやってきた。「こっちは気にせず勝手にやってくれ。」と言い捨てると、二人はジャグジーの中でアツアツ。翌日レストランでバッタリ合うと「おい、ジャグジーの時間だぞ。」と声をかけられた。その怪しげな風貌から、(ひ)(ま)に勝手に「LAのジャグジー・ガイ」と命名されたその男性(本当はネバダ州在住)。翌日、(ひ)(ま)がリンボーダンス・コンテストに出ると、ジャグジー・ガイも参加中だった。そんなこんなで話すようになって、無口そうな奥さんともついにバーで会見。しかし、話してビックリその女性、容姿から雰囲気から話し方まで全てがアドケナイ系セクシー・ダイナマイト。ブロンドに青い目の川島なおみといったところか。聞けば職業は、小学校2年生の先生だという。こんな先生がいていいのか!?高学年だったら、刺激が強すぎて勉強にならないはず。「去年の彼の誕生日にはぁ、何か忘れられないものをと思ってぇ、この(ボディコンの)ドレスでぇ、マリリン・モンローの真似をして、♪ハッピー・バースデー・ミスター・プレジデント♪を歌ったの。うふっ。」…ってあんた、参加者誰もが忘れられない思い出になったはず。それにしても年の差が少々あるような。「どこであんな青い目の美人と出会ったの?」という(ま)の率直な質問に、ジャグジー・ガイもあっさりと「前の奥さんを通してだよ。」とのこと。フーム納得。新婚7ヶ月らしい。帰国前日、君子危うきに近寄らず・・・とサクッとお別れの挨拶を済ませようとしたところ、「ねぇぇ、一緒に写真撮りましょうよぅ。」「おお、そうだな。送ってやるからここにお前らの住所を書け。」根はいい人たちと思うのだが、写真が送られてくるのが楽しみなような怖いような…いや、とても楽しみです。




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